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ロボ部長のブログ一覧

2024年09月09日 イイね!

イギリスの血をジャーマン・エンジニアリングで昇華させる

イギリスの血をジャーマン・エンジニアリングで昇華させる仕事の関係で今日からまた、来年の1月まで週に一度の世田谷詣でが始まる。毎年この時期になるといつも決まって、季節労働者のような感じでかれこれ10年来続けてきたが、それも今年が最後になる。これまではふだんあまり馴染みがない世田谷の地でフォードと会えるのを楽しみにしてきたが、最後の年はフォードによらず、自分が好きな1台との思いもよらぬ遭遇を期待するとしようか。

で、さっそく今日出会えたのがこちらのローバー75。MGローバーになる前の初期型だ。いかにもブリティッシュ・グリーン的に濃い目のボディカラーが洒落ている。この車はデビュー当初から本当に好きで、というかデビュー前からとても関心があったので、以前にもこのブログで記したように、ワールド・ローンチより前に都心の明治通りで偶然出くわした覆面テスト車の写真をスクープ撮影して、マガジンXに売り込んだくらいである(笑)
この車のどこに魅力を覚えるのか?それはジャガーほどステレオタイプな英国像を強調せずとも、内外のそこかしこから放たれるイギリスらしさがあって、しかもそれらが懐古調でなく、ちゃんと現代的なディテールとトーンでまとめられていること。この車の開発当時はBMWがMINIとローバーを配下に収めていたから、初代New MINIとローバー75は実は、BMW流解釈に基づいたイギリスらしさの表現という点で共通していた。しかしMINIがいかにも若者をターゲットにしたややあざといスタイルを売りにしたのに対して、ローバー75はこれ見よがしでなく、至って自然な、それでいて紛れもなくドイツでもイタリアでもフランスでもないテイストを誇っていた。登場当時はものすごい高度なデザインだなぁ・・と感心させられたものだ。

こちらのローバー75は本当に惚れ惚れするような外装のコンディションだった。室内までは覗いていないけど、内装の状態も決して悪くなさそうなのが、写真からも読み取れる。初期型だから国内で売られたのは99年頃のはず(その後ローバーがBMWから安値で身売りされたのに伴い、国内販売開始後、ほどなくストップする憂き目に遭っている)。以来四半世紀を経て、よくその美麗な姿を保っているものだ。そう考えると、ちょうど我がフォーカスに相通じるものを覚える。
ローバー75も初代フォーカスも欧州デビューは98年。日本での発売はローバー75の方がいくらか早かったけれど、我がフォーカスも2000年生まれでどちらもほぼ同世代だ。ますます親近感が湧くというもの。ローバー75と同列に語るのはおこがましいけど、『イギリスの血をジャーマン・エンジニアリングで昇華させた』存在なのが、両車の最大の共通項ではないかと考えている。




Posted at 2024/09/09 19:12:08 | コメント(1) | トラックバック(0) | Other | クルマ
2024年09月02日 イイね!

マキシマーフォードには望めない感覚を伴ったUSオリエンテッド・サルーン

マキシマーフォードには望めない感覚を伴ったUSオリエンテッド・サルーン私が大好きな日本車の1台、マキシマ。4年前に近場で偶然見つけて以来、今日は久しぶりに近くへ行ったので訪ねてみたら変わらずにそこにいた。いやもう何がすごいって、露天駐車場に置かれていること。そもそも日本ではクラス的にはやや高価格帯車だったといっても、決して大事に屋内ガレージに仕舞い込まれるような類いの車ではなかったけれど、もしかすると登録以来40年近く、ずっとこうして陽の光を浴びて過ごしてきたのだろうか?そのわりにはボディ表面のコンディションは良好だ。金属のボディパネルと樹脂のバンパー部とで褪色度合いの差が出ていたりしても、車輌全体としてはいまだに一体感を保っている。これは奇跡的なコンディションと言っていいのではないだろうか?果たしていま、全国でマキシマのオリジナルコンディションの個体がどれほど残存しているというのか?

マキシマは北米マーケットに向けて日産が送り出したサルーンなので、いかにも北米のユーザーの嗜好に合った商品性だが、この「いい意味で大味な、ルーズな感じ」はいまどきのサルーンには見出せない性質だ。私は実は北米向けのサルーンを昔から好む。かつてのアバロンとかセプターとか、アメリカの風土にハマったゆる〜いサルーンが醸す空気に大いなる魅力を覚える。かつて自分で所有していたフォーカスSEセダンにも、USセダンチックなおおらかさを見出していた。
マキシマはそんなゆるさを備えながらも、日本発の製品らしい精緻で丁寧な仕上げを身上にしている点で、根っから「ブカブカそうな」フォードやGMあたりのサルーンとは違ったキャラクターだったのが魅力だ。同時期のトーラスなどには望めない繊細さをまといつつ、アメリカの雄大なシチュエーションに埋もれないスケール感を伴ったマキシマは、そのバランス度合いで唯一無二な存在であったように感じている。

マキシマが登場した80年代末頃の日産は、いまなお日産の黄金期として語り継がれている。きら星のような様々な名車が生まれた中で、マキシマはあまりに不遇だが、同時期のフェアレディZやシルビア、プリメーラなどと比肩しても少しも引けを取らない存在だと断言する。ちなみにこちらのマキシマがいる場所からさほど遠くない所に、偶然だがS13シルビアも現存している。この2台は私に言わせれば同時期の充実した空気の中から産み落とされた仲間たちだ。
(トップ写真ともども、どちらも撮影は2024年9月2日。)

Posted at 2024/09/02 21:53:24 | コメント(1) | トラックバック(0) | Other | クルマ
2024年08月24日 イイね!

デロリアンがフォードエンジンを積まない理由

デロリアンがフォードエンジンを積まない理由自宅からわりと近いエリアにあるショップの店先にこんな車が。デロリアンは不思議で、すでに誕生から40年以上を過ぎて今なお結構な台数が生き延びている。各地のオフミーティングなどでもちょくちょく目にされるようだし、売り物だってたまに出てくる。いくらフリークによる世界的なネットワークが形成されているとはいえ、そもそもメーカーがとうの昔に消滅していることを考えれば異例の長寿ぶりと言えるのではないだろうか?デロリアンを象徴しているステンレスのボディ外板がサビや腐食に強く、無塗装ゆえ褪色の心配がない点などは、物理的にこの車を長持ちさせる要因の一つになっているのかもしれない。

昔からデロリアンについてどうにも不可解だったのが、搭載されるエンジンが通称ドゥブランV6、すなわちPRVのV6であることだ。ジュージアーロによるスタイルをまとうデロリアンは、ハードコアなスーパーカーでこそなくても、見るからに俊敏なスポーツ性能を備えたスーパーGTカーという印象なのに、当時はプジョー604などの大型サルーンにも積まれていた重たくてパワー不足のV6を採用するなんて、いかにもミスマッチングではないか。
これについては、デロリアンのエンジニアリングをロータスが担当したということで、もしかするとロータスヨーロッパの最初期にエンジンをはじめとした主要なコンポーネンツをルノーから調達したことに倣ったのかも、とも思った。もしそうだとしたら、ロータスヨーロッパはその後エンジンをフォードベースに切り替えたのだから、デロリアンの設計においては当初からフォードエンジンを選択することだって十分に成立したのでは?
そう、デロリアンには、フォードのエンジンが載るのが相応しかったように思える。フォードのエンジンは、多くの小規模なスポーツカー専業メーカーやバックヤードビルダー的なつくり手から恰好の素材として選択されてきたし、他ならぬフォード自身がそうした立場へ積極的に自らのエンジンを差し出してきた(今だってそうだ)。デロリアンの組み立て工場がアイルランドにあったのも、フォードUKからのパーツ供給を受けるには好都合な条件だったはずだ。

自分で考えれば考えるほど、デロリアンとフォードエンジンとのマッチングに何も不自然なことはなさそうなものだが、しかしそうならなかったのは、結局のところデロリアンの創設者にしてそのネーミングの始祖であるジョン・デロリアン氏が、GM出身であったという一点で、フォードのパーツを採用することなどはじめから完全な想定外であった・・と推測するのが自然ではなかろうか。

Posted at 2024/08/24 10:42:16 | コメント(1) | トラックバック(0) | Other | クルマ
2024年08月10日 イイね!

紙の総合カタログがもたらす充実

紙の総合カタログがもたらす充実いつも2台のフォードのサービスでお世話になっている守谷店から、現行のプジョーとDSのラインナップ総合カタログが届いた。旧フォード守谷店は現在ではプジョー/シトロエンのディーラー業務がメインである。なので我がフォードたちの車検が近づくタイミングなどに、こうして「プジョー/シトロエンへの乗り換え、そろそろいかがですか?」的な案内がやってくることがしばしば。

DSは要するにシトロエンのプレミアムブランドだろうからほとんど関心外で、カタログを眺めても何も思うことはなかった。対するプジョー、フォードに接する前はプジョーフリークだったこともあって、カタログもそれなりに興味を持って眺められた。昔日と比べればずいぶんと表現過多気味ではあっても、208やリフターなど質実な実用車の薫りもあって好感を持っている。

今回は車のことでなくカタログについてである。紙のカタログ制作を取りやめるメーカーがどんどん増えている。今どきの車のように示すべきスペックが多く、間断ないアップデートを施される対象ならば情報処理性に優るデジタル化は自然な流れと思うし、オンスクリーンベースの制作フローも考えればむしろ当然だろう(あえて環境負荷低減などと見え透いたことは言わない)。
それでも、今回送られてきたようなメーカーの商品ラインナップを網羅した総合カタログ的な媒体に関しては、紙の体裁を維持するのがよいと考える。こうした総合カタログは、作り手/供給側がユーザーに商品やサービスの内容を一堂に示すことが目的であって、見る側(ユーザー)はそこからメーカーやブランドが提供する「全体感」を適切につかみ取りたいのである。
ユーザーからすると、この「全体感」はワンストップで、なるべくシンプルな手続きで見渡せることが望ましい。全体感を把握するために別な階層に入り込ませたり、余分なアクションを要求することはインターフェイスとして未成熟である。そしてこのようなワンストップ・ワンパッケージこそ、紙媒体が得意とするところである。必要にして十分・適正な情報で完結されているのが紙媒体で、それ以上の詳細な情報へアクセスしたい人向けには、今ならページに二次元コードを記せばよいのだから。
ここで大事なのは、紙の総合カタログにかつての車種別の紙カタログのような「豪華さ」や「表現性」を求めないことだろう。それらに色目を使うと、とたんに”帯に短し・たすきに長し“な中途半端な存在になってしまう。

私はだから個人的に、カタログコレクターからすれば価値の対象外とされるような総合カタログが昔から好みだった。限られたページ数とレイアウト範域だからこそ盛り込む情報の量と質が限られる。そのような条件下でいかに全体感が保たれているか、実は知的な判断と構成力・表現力が求められるのが総合カタログだと思う。車ならば、まずは最低限その車の姿かたちが明瞭に表されていればよく、そのためには多くの写真やイメージを用いる必要などない、いわゆる「切り抜き」のカットが1点あれば十分なのである。あとはごく基本的なスペックが示されることが必要だ。

プジョーつながりで、トップ写真の右側に写っているのは、かつてスズキが日本でプジョー車の販売を手がけていた時に発行したプジョー車総合カタログだ。これは名古屋輸入車ショー会場での配布用だったらしく、ページ数も限られた、至って簡便な仕様である。しかし当時扱われていた205、309、405といった各車・各グレードの姿がきちんと掲載され、それぞれの基本スペックも示され、これで十分。ページを眺めているだけで充実した気分になれるのは紙媒体ならではだ。

一応フォードとも絡めよう。93年に欧州フォードがUKマーケット向けに発行した英語版総合カタログを紹介したい。こちらは総合カタログというにはあまりにも大著であり、ページ数はゆうに120ページを超える。もはや「ムック」級なしつらえといえるが、基本がUKで販売される一般乗用系フォード全車全グレードの紹介を目的とするだけに、掲載されている写真と文字情報は精選され、水膨れ感も欠落感もないのが見事である。これまたページを繰っていると言われようのない充実した気持ちにさせてくれる一冊である。











Posted at 2024/08/10 19:25:59 | コメント(0) | トラックバック(0) | Other | クルマ
2024年07月28日 イイね!

「ありうべき」BEVの像

「ありうべき」BEVの像都内某所、2つのeco(ecology, economy)の実装を謳ったとある住宅地でこちらの車が充電中だった。連日続く猛暑を伴った好天がもたらすエネルギーも、有効な動力源として活用されているのだろうと思う。

私が住む自治体ではEV導入を促進する施策が採られていて、各種の助成制度のほか、最近になって充電インフラ敷設などEVの普及に向けて全国で初めて大手電機メーカーとの連携に着手するなど、域内の車両の電動化にかなり積極姿勢である(ちなみに前市長がテスラを公用車にして論議を招いた市です😅)。そんなバックボーンがあるせいか、自宅の近隣にはことのほか多くのBEVがいる。リーフやサクラはもとより、テスラは当然ながら、ボルボやBYDもいる。ホンダeやフィアット500eなどの珍車系?もいるし、果てはソルテラ!などという個人ユースではまずお目にかかれなそうな車種まで。
居住地でなく職場がある場所は、都心でこれまたBEVが数多く走り回っているエリアで、特にそこにはメルセデスEQやらタイカン/e-tronGTみたいな弩級電動車も多く、ステイタスを誇示するかのようなBEVの姿にもまた日々接している。

日常的にこういう環境に身を置くゆえ、自分では所有していなくてもBEVがある光景というのにわりと馴染んでいるつもりだが、この充電中のID.4を目にしたときは、これまで見てきたBEVのいるいかなる景色の中でも、最も自然で「らしく」映った。あ、これこそBEVがとてもよく似合うシーンだな、と。車両それ自体のみならず、周囲の状況と調和した全体感として「ありうべき」BEVの像を初めて見せられた気がしたのである。開発生産に伴う高コストを正当化するべく、高付加価値化に走るBEVがいかにも似合いそうなプレミアム臭のするシチュエーションに置かれているより、はるかに座りのよいBEVの姿がそこにはあった。

ご承知のとおり、この車の電動専用プラットフォームは欧州フォードが共有化していて、つい先ごろ発表された新しいカプリにも採用されている。今後、フォードはこのプラットフォームをベースに、中国勢などに対して価格競争力があるBEVの開発にも積極的に取り組む方針であるという。まず夢物語であることは百も承知で、この写真のような情景の中にフォードのBEVがいるのをいつか日本でも見てみたい。

Posted at 2024/07/28 10:25:14 | コメント(1) | トラックバック(0) | Other | クルマ

プロフィール

「まさしく、日本の景色の中にいるフォード。Viva !」
何シテル?   01/17 15:18
自然体で、気兼ねも気負いもなく付き合えて、けれど愉しいクルマ。フォードを40年近くにわたって乗り継いでいます。2016年をもってフォードは日本から事業撤退しまし...
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