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ロボ部長のブログ一覧

2024年07月20日 イイね!

『小・少・軽・短・美』なクルマ

『小・少・軽・短・美』なクルマ今週はスズキから今後の自社の事業説明があったようで、多くのメディアで報道されていた。それを見て『小・少・軽・短・美』というスズキのスローガンを今さらながら知った。すでに2000年代の初頭にはスズキが目指す企業方針として定められていたようだが、スズキの指向性を端的に表した優れたスローガンだと思うし、いまの自動車市場にこそフィットするメッセージではないか。すっかり気に入って、ここ数日は何かにつけ「ショウショウケイタンビ〜♪」などと頭の中で反すうしている自分がいる。

とかく、CO2削減・カーボンニュートラル(CN)を旗印に進められる自動車市場の構造改革が、その手段としてのBEVの普及を急ぐあまり、かえって高負荷・高コストの車両の開発と提供に邁進しているかのような状況に根本的な疑問を禁じ得ずにいる。だからこそ『小・少・軽・短・美』は実に潔い表明であるように映る。何も重たいバッテリーをどっさり積むことを前提にしなくても、ユーザーにとり必要にして十分な車両の成り立ちを定めて、それに見合った物量を投入することでCNの達成に近づく方が、そもそも無理がなく理に適っている。
特にいいなあと思わされるのが最後の『美』だ。『小少軽短』を追求するだけでなく、理想的な技術展開の向かった先が美しいものでありたいーそんな姿勢は大いに共感ができるし、希望が感じられるではないか。

長くフォードに親しんできてなお、いつでも軽く不満に思えることがある。それはフォードが根本的に小型車をあまり得意としていないことだ。たとえ欧州フォードのフィエスタであっても、どこかしら「大型車の小型(ダウンサイジング)版」といった感覚がつきまとい、根っからの小型車として規範となるほどのパッケージングがどこまで意識されているのか?今ひとつ実感できない面がある。同じヨーロッパであれば例えばフィアットは小さい車づくりに長けた印象があるし、VWやシトロエンやルノーも歴史に確かな足跡を刻んだ「原型的な小型車」を生み出してきた。それらに比べると、これはやはりフォードの出自が『大・多・重・長』を身上としてきたアメリカである、という構造的な前提が遠因であるようには感じる(傑作車と信じてやまないKaとていわばパイクカー的存在であって、小型車としての用途性や効率性を突き詰めた存在では決してない)。

今週のスズキの発表では、今後『小・少・軽・短・美』のさらなる達成へ向けて、アルトは現行型よりさらにマイナス100kg程度!の減量を目指すとか。そもそも今のアルトの重量が700kgほどというのも十分に驚きであるが、そこからさらに100kgものウェイトダウンを図るなんて・・想像を絶するトライアルだろう。しかし目指すべき北極星へのアプローチの大勢が、揃いも揃っておかしな方を向いている現今の自動車業界における、一つの正しい道筋をスズキには示してもらいたい。有用であり賢明、それでいて小粋ー『小・少・軽・短・美』がもたらす恩恵はとてつもなく大きいはずだから。

現行より一つ前のアルトが(こちらは現行型よりさらに軽かったとか・・)日本の軽自動車という固有の枠の中で、私たちにとってのミニマム・トランスポーターの典型を目指した極めて理想指向な1台であった(それゆえかセールス成果は捗々しくなかったようだけど)ことは今でも強く確信している。
Posted at 2024/07/20 11:35:40 | コメント(0) | トラックバック(0) | Other | クルマ
2024年07月15日 イイね!

フォーカスに「見た目品質」で冷や水を浴びせたゴルフ

フォーカスに「見た目品質」で冷や水を浴びせたゴルフ最近になって近所にこの車がいることに気づいた。第4世代目のゴルフ、この車が登場した時のインパクトは今も忘れていない。サイズアップした車体はパネルの平滑度とパネル間の開き方(ギャップ)の精度の高さが見るからに凄まじいものだった。インテリアも然り、IPのパーツの成形や組み合いはCセグクラスで考えられないレベルで、内外装を通じて品質の水準が1歩も2歩も3歩も・・いやそれ以上に、まさしく一気に先へ進んだようであり、驚異的だと素直に思った。

今回改めて調べてみて驚かされたのが、このゴルフの登場が1997年だったこと。97年といえばフォーカスが登場するよりも1年も前だ。フォードが満を持してフォーカスを送り出した時、優れた動的性能とパッケージングを前面に打ち出した一方で、「見た目品質」に関してはさほど重要視していなかったはずだ。そもそもフォードは表面的なクオリティの向上に対しては長いこと無頓着(苦手?)で、それよりは実質的な性能の確保こそを身上としていたフシがあり、ブランニューであるフォーカスにもそうしたフォード気質がしっかりと?受け継がれていた。

そんなフォードがエスコートに代わってフォーカスを世に出すにあたり、王者ゴルフの存在を相当に意識したはずである。実際にその卓越したドライビング・ダイナミクスは後のゴルフの商品性に大きな影響を与えたとされ、その点ではフォードの目論見は当たったと言えるのだが、想定外だったのはフォーカスの登場から1年も前に現れた4代目ゴルフが、「見た目品質」を異様なレベルへ引き上げてきたことではなかったろうか。フォードにとってはおそらくほぼノーマークな部分、しかしユーザーに対するアピール度が高い部分を、VWがしれっと見せつけてきたのだから、フォードが冷や汗を流したことは想像に難くない。
(それはフォーカスが2代目でプレミアムを訴求する方向へ舵を切ったことでも明らかだ。しかし悲しいかな、フォードが気合を入れたはずの2代目フォーカスでも、質感についてはそれより8年!も前に出た4代目ゴルフほどの評価さえ得られなかったのである)

ことほどさように、クラスを超越した品質感の高さを標榜した4代目ゴルフなのに、なぜか現存する個体が少ない印象があった。もしかすると見た目ほどには実際の耐久性が高くなくヤレてしまった個体が多かったのか?とも感じていたが、ゴルフは基本的に人気車だから、ユーザーが積極的に新世代のモデルに乗り換える分、以前のモデルが順当に減っていくのだろう。この次の5代目ですら、気がつけば意外と目にする機会が少ないのだから。

ちなみに私が愛用する98年登場の初代フォーカス、室内のパーツの立て付けはそりゃあもう・・高精度とはまったく無縁なレベルであるが、しかし実使用にはなんら支障はなく、私みたいなルーズ思考な者にとってはこちらの方がよっぽどリラックスできることは言うまでもない。
Posted at 2024/07/15 21:49:44 | コメント(2) | トラックバック(0) | Other | クルマ
2024年06月30日 イイね!

今どきの車には見えない景色

今どきの車には見えない景色最近よく耳目にする表現に「景色」がある。これまでとは違った景色が見えるのでは-そんな使われ方をさまざまな場面で見聞きしないだろうか?いかにも第三者的な、少しばかり高い視点からただ見渡しているかのような、当事者感の薄い物言いにどこか座りが悪い感覚を覚えつつも、他人様の車を勝手に撮影して断りもなくブログに掲載している私のような者にとっては、例えば「目の前に見えた車という景色」はとても都合がいい表現だったりもする。

現行カングーについては何シテル?でしばしば取り上げてきた。やれサイズが大きくなっただのこれは売れないだろうだの、ネガなことばかり記してきたが、実は私はこの車をかなり気に入っている。最近になって自宅の近くに実車が現れたことでその姿を目にする機会が増えて、ますますそう感じるようになってきた。この車を前にすると今どきの車には見えない「景色」が見えるのである。

バンパーをはじめドアハンドル/レールやサイドミラーなどの無塗装黒仕上げ、キャップレスのホイール、扁平率が低く空気がたっぷり詰まっていそうなタイヤなど、そこかしこにちょっと懐かしい「景色」が広がる。こちらの個体に関してはすでにボディサイドに水アカの筋が何本か下がっているのも、つい1年前に日本で売られ始めた車とは思えない、なんともこなれた感のある「景色」である。

そして実車をしげしげと見て初めて気づいたのが、このボディ側面下部の鉄板の処理。鉄板プレスの端部がこうして剥き出しなのは、少し前までは特に安価な大衆車クラスなどでは当たり前だったものだ。しかし見栄えを気にするユーザーを意識して端部を見えないようシルを付けたりする例も増えて、最近の車ではなかなかお目にかかれなくなった。それこそ最近では珍しい「景色」だ。



もちろんこれらは、カングーのベースが乗用車でなく商用車であるからこその必然でもある。本来商用車であるカングーのキャラクターが日本では洒落車として認められたからこそ、販売側もあえてこれらのディテールを強調するような策に出ているわけだが、前世代までのカングーではそれがいかにもあざとく見えて、私はむしろ好ましく感じていなかった。それが最新世代になり、日本のカングーフリークからは少なからず不評の声を浴びても、私としては逆に「偶像化されたカングーらしさ」が車全体から薄れたことで、かえって根が商用車-ガンガン使われてナンボな道具-であるカングーの素性がクリアになった感があるから、この車が気に入っているのである。カングーという名前にとらわれず一台の実用車として接すれば、いい景色を見せてくれる存在なのだ。

ちなみにこのカングーが好きなもうひとつの理由に、フォードのトランジットと相通じる雰囲気があるから(こういう事実が「現行型は類型的」とフリークから嫌われる理由でもあるのだろう)。こちらは2014年のUSトランジットコネクトに設定されていた、タクシーパッケージ仕様のスクールバスイエローのボディカラー。Cピラー基部の斜めにカットされた形状などは後発の現行カングーもよく似ているのがわかるだろうか。リアクオーターウインドウの切れ上がったラインやバンパーコーナーの接合部ラインなどの角度が調律されていて、商用車であっても動感を強調させることがトレンドとして意識されたとわかるだろう。


Posted at 2024/06/30 09:45:19 | コメント(0) | トラックバック(0) | Other | クルマ
2024年06月23日 イイね!

グランデな存在

グランデな存在我が愛車でもあるB299フィエスタに大きく影響したと考えているのが、BMW-MINIとこのグランデプントの2車だ。前者はファッションアイテムとしてユーザーの自己表現媒体となりうる小型車像の典型を示した点で、それまで寡黙な実用車然としていたフィエスタがキャラクターを持った存在へと舵を切るロールモデルとなった。2008年にB299フィエスタが最初に登場した際のカタログを見た時、若い女性のプライベートライフをイメージさせるビジュアルが多用されていて、果たしてこれがフォード車のカタログか?と目を疑ったものである。明らかに、BMW-MINIが打ち立てた、若い世代の価値観や生活観を投影しうる小型車像を強く意識していた。

そしてグラプンだが、2005年に登場した時には、デザインを担当したジュージャーロがそれ以前に手がけていたマセラティ3200GTを彷彿とさせるフロントスタイルが話題になった。Bセグメントの小型ハッチバック車で、あからさまにより大型のラグジュアリークーペのイメージをスタイリングに反復させたのは、この車が最初ではなかったろうか?実際にグラプンでは、それ以前のプントより車体全長もかなり伸びて数値上はCセグメントに近づいたにもかかわらず、サイズアップ分は室内空間の拡大よりも“マセラティ的”な造形のための「しろ」に充てられたようで、車内・特に後席空間はさほど広がっていなかったという。本来ならスペース効率やローコストの追求がシビアな小型車市場において、そのことよりも、造形とそれによりもたらされるイメージを重視するというセオリー転化が、グラプンによってもたらされたのである。
B299フィエスタは2012年にマイナーチェンジを受けて立派なグリルを持つ顔になった際、アストンのようだと盛んに言われた。ヒエラルキーの上位にあるブランドの薫りを大衆クラスに持ち込んだグラプンの手法に、フォードも倣ったのである。それはかなり顕著な成功をもたらして、自動車の領域においては厳然としたネームバリュー・ブランドバリューを備えたプレミアムクラスの威光というものが有効に作用することを思い知らされた。その意味で、グラプンもまたフィエスタにとってのロールモデルに当たると言えるのである。
Posted at 2024/06/23 11:09:10 | コメント(0) | トラックバック(0) | Other | クルマ
2024年06月08日 イイね!

幻となったガンディーニとフォードとの関わり

幻となったガンディーニとフォードとの関わり「CGは嫌いだ」と言いながら『CGネオクラシック』を買ってしまった。ベルトーネ特集だが実質的には先に亡くなったマルチェロ・ガンディーニ氏の追悼特集である。ベルトーネということでお約束?に巻頭をカウンタックやらストラトスやらが飾るが、それらについて読むことが目的ではない。中盤のページを割かれたリライアントをめぐる記事が初見で大いに関心を引かれたのである。その記事によると、まさに少し前に私がブログで書いたことへのアンサーにあたるような物語が過去にありえたことがわかったからだ。

リライアントに関しては3輪乗用車をメインに生産していたイギリスの小メーカーという程度の認識だった(80年代末頃?に日本へもオープンスポーツカーのシミターが入れられていたようにも記憶している)。そんなこれまであまり目を向けていなかったメーカーが、1970年代後期に、トルコのオトサンと共同で本格的な4輪車の開発を志し、そのスタイリング開発をベルトーネに委ねたのだという。FW11という開発コードネームで称された試作車は当時ガンディーニが率いるベルトーネのデザインチームが担当して、その写真が誌面に掲載されていた。トップ写真の左側がそれである。

詳しい方ならオトサンがフォード・オトサンの起源にあたることは察しが付く通り。現在はフォードのトランジットなど商用車の生産拠点として稼働しているオトサンは、60年代から欧州フォード車をノックダウン生産するなどフォードとの関係が強かったが、そうした経緯が前提としてあったのだろう、記事によると、FW11計画では欧州フォード製造のエンジンを搭載する想定だったというのだ。それが、当時の欧州フォードが自分たちのマーケットで競合する新型車へエンジンを供給することに難色を示したため、結果的にFW11は市販車へ結実することなくプロジェクトを終えたとされる。
もしプロジェクト当初の構想通り、フォードがエンジンを提供した形でFW11が商品化されたなら、それこそガンディー二とフォードとが、直接のクライアント関係ではないにせよ、間接的に関わったことになっていたのである。私がブログで記したような状況が実現されていたかもしれなかったのだ。



FW11は記事でも記されているように、82年に登場するシトロエンBXを強く想起させるスタイリングで、いかにもベルトーネ・ガンディーニといった匂いがプンプンする。これがリライアントの新型車としてフォードエンジンを積んでヨーロッパ市場で広く売られていたとすると、もしかするとBXはあの姿では登場していなかったかも?そんなことを想像するのもいまとなっては楽しい。
余談ながら、写真で見るFW11は、のちにシュコダから登場した『フェイバリット』のスタイリングへと昇華されたようにも映る。まだVW傘下に入る前のシュコダが開発したフェイバリットは、やはりベルトーネのデザインによる小型5ドアハッチバック車だった。
なるべくネット上の画像を使いたくないから掲載しないけど、興味のある方は「シュコダ、フェイバリット」でぜひご検索を。
Posted at 2024/06/08 22:03:42 | コメント(1) | トラックバック(0) | Other | クルマ

プロフィール

「まさしく、日本の景色の中にいるフォード。Viva !」
何シテル?   01/17 15:18
自然体で、気兼ねも気負いもなく付き合えて、けれど愉しいクルマ。フォードを40年近くにわたって乗り継いでいます。2016年をもってフォードは日本から事業撤退しまし...
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