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2016年01月27日 イイね!

フォードの良さは変わらないでほしい

フォードの良さは変わらないでほしいフォードの日本からの事業撤退正式表明から一夜明けた今朝、六本木で昔懐かしいレーザーセダンを見かけました。ナンバープレートや車両全体の趣きから、なんとなくワンオーナー車として今日まで乗り続けられているような印象を受けたのですが、長年愛着のあるフォードをこれからも変わらず元気に走らせていけるといいな、と思いました。

このたびのフォード本社の決定と、そのあまりに突然の発表は残念なことこの上ありません。とりわけ、日本市場に対してフォードが「先がない」との判断を下したことが残念です。それを、日本市場の実情を理解もせず適切な取り組みを怠ってきたフォードの勝手な言い分といえばそうなのですが、少子高齢化の進展に伴う需要の減少傾向や、ヨーロッパの強力なライバルの牙城をどうしたって崩せないという構造的な問題もさることながら、日本社会における自動車の受け止め方に大きく欠けている部分があるように思えてならないのが残念なのです。

私はどんなモノであれサービスであれ、それらが市場で受け入れられないとすればその主要な責任はあくまで供給者側にあると考えます。いくら市場になんらかの問題があるにしても、やはり当事者の采配が第一であって、今回の市場撤退もあくまでフォード側のオペレートに問題があったがゆえの結果です。その問題とは、マーケティング戦略の欠如や販売網の不備、ブランド力構築の甘さ、日本の実情に合わない品揃え・・等々、各方面でさんざん指摘されていることのひとつひとつがおそらく積み重なっているのだと思います。
そのうえで、批判を承知で言うなら、この撤退にはフォードの責任だけに帰すことができない需要者側の問題がはたらいたことも確かだろうと考えています。私は「自動車文化」という表現が嫌いですが、あえてそれを使えば、日本の自動車文化の育成を担う一翼である媒体やジャーナリストの浅薄な姿勢と、そうしたことも影響するかたちで醸成されたステレオタイプな世論によって、およそ偏った文化が形成されている気がしてなりません。
そして、これはひとり自動車だけでなく、そのほかのモノやコトとの関係に至るまで、価値判断の仕組みとして日本に根深いと言えそうです。そうしたことも、フォードという存在がこの国で「あくまでもニュートラルに」生き延びられることを拒むのに作用したように思えるのです。

モータリゼーションを世界に広め根付かせたフォードだけに、今後は「自動車メーカー」から個人の安全で快適な移動を司る「モビリティプレーヤー」へとさらにシフトしていくでしょうし、そうした企業戦略の変化に伴って市場の新たな可能性をつねに探り、新陳代謝を図っていくのは当然のことです。その意味でいま日本から撤退するのは、さまざまな与件を勘案すればやむを得なかったと感じられる面も大きいです。むしろ、これまで自らの思いとは裏腹に、本社側から思うような理解と裁量とを得られず、幾度となく厳しい状況に直面しながらもどうにかやり過ごしつつ、今日まで私たちに“フォードのある暮らし”を提供し続けてくれた日本側の体制には敬意さえ覚えるくらいです。
だからこそ、ともかくこれまで日本でフォードに対して良さを見出し共感を寄せてきたユーザーや、そうした環境を維持することに懸命に携わってきた従業員に対する誠意ある措置が取られることを望みます。

私自身はこれからも維持が可能な限りフォードに乗り続けるつもりですが、将来もし必要以上の手間と特殊な情熱を要求されるようなことが起きれば考えを改めるかもしれません。
個人的に、乗る者に対して特別に構えることを要求しないこと、等身大で愉しくクルマと付き合っていけることこそが、これまでもこれからも変わらないフォードの最大の魅力であると、30年近い関わりを通じて確信しています。

Posted at 2016/01/27 23:44:32 | コメント(5) | トラックバック(0) | Ford | クルマ

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「まさしく、日本の景色の中にいるフォード。Viva !」
何シテル?   01/17 15:18
自然体で、気兼ねも気負いもなく付き合えて、けれど愉しいクルマ。フォードを40年近くにわたって乗り継いでいます。2016年をもってフォードは日本から事業撤退しまし...
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