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2020年03月29日 イイね!

「顔があるクルマ」と過ごすということ

「顔があるクルマ」と過ごすということフィエスタを7代目に替えてから10日ほど、走らせていても、家のカーポートにいるのを見ても、それまでと違って感じられることがいろいろあります。中でも特に「顔があるクルマを所有している」ということに対して、これまでになかった感覚を味わっています。今まで乗り継いできた車種で、こんなに顔立ちがしっかりとしていたのはなかったので、たとえば朝起きてポストへ新聞を取りに行った際に、すぐ傍にいるフィエスタを前から見ては「あ、なんだか立派な顔をしたのがいるな」と感じたりします。

どんなクルマにもそれぞれに「顔」はあります、今のフィエスタより以前に愛車にしてきた6台のフォードにだって。しかしそれらの顔に決して強い表情は備わっていませんでした。たとえば最初のフォードであった初代テルスターTX5は、グリルレスの鉄仮面スカイラインみたいで無表情の極みでした。そのあとの初代Ka、フォーカス、6代目フィエスタも、それぞれに個性的な異形ランプ(この表現も完全に死語になりました、今は異形であるのが当然ですから・・)と開口が小さめのグリルという特徴のあるディテールを持ちながらも、決して表情を豊かに演出するような意匠ではありませんでした。むしろ、威厳を漂わせたり、個性を誇示することをなるべく避けた、どちらかといえば無機的な指向性のフロントエンドであったように思えます。

私はフォードが、そのように特定の「表情」や「個性」を表さない存在であることに対してシンパシーを感じてきました。アイデンティティだとかブランド性をあからさまに主張しない、いい意味での匿名性を備えた存在感が、大衆の方を向いたクルマとして心地よかったからです。
しかし、フォードといえどもしっかりとした顔を持たせて色気をアピールしなければ、ユーザーに認めてもらえない時代となって、One Global Designを標榜したこの7代目フィエスタの頃から、フォードも各車に一様に立派なファミリーフェイスを備えるようになりました。
ひとたびクルマが固有の顔立ちを備えると、それを外すことは難しい。アイデンティティを保ちつつ、鮮度を失わないよう、顔を後々アップデートしていかなければならず、ある意味で苦行のような道のりを辿ることを課されます。
かつてのフォードも固有の「らしい」顔がないのをいいことに、その時どきで変幻自在な表情を自由に描けたのが、自ら難しい境地に踏み込んでしまったことに、複雑な思いを抱いていました。最新のフォードの顔づくりもあまりうまくはいっていないように感じています。

それはともかく、いざ自分がそうした「立派な顔」を持ったクルマと暮らすことになってみて、馴染みの景色がこれまでとはだいぶ異なって見えたり(妻は今のフィエスタが家にいるのを見ると自宅でないようだと言います)、もしかすると前を走るクルマの運転者からは、ミラー越しに「後ろからなんだかえらそうなのが付いてきているように」見えるのかも?などと他愛もないことを考えたり、それはそれで新鮮であることは確かです。
Posted at 2020/03/29 10:16:54 | コメント(1) | トラックバック(0) | Fiesta | クルマ

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「まさしく、日本の景色の中にいるフォード。Viva !」
何シテル?   01/17 15:18
自然体で、気兼ねも気負いもなく付き合えて、けれど愉しいクルマ。フォード車を40年近くにわたって乗り継いでいます。2016年をもってフォードは日本から事業撤退しま...
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