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2020年08月11日 イイね!

「富士山を好む」感覚からもっとも遠かった一台

「富士山を好む」感覚からもっとも遠かった一台この代のトーラスは実に久々です。今も時たま中古車市場にトーラスが出てくることがあっても、むしろ古い方の初代ばかり(しかもワゴンのみ)で、それより新しいはずのこちらの2代目にはほとんどお目にかかれませんから。

それもこれも、日本でのUSフォード車として記録的なヒット作であった初代トーラスに比べ、2代目はまったくと言っていいほど奮わなかったからです。その理由はまずサイズ。5mを超えた全長など大きくなりすぎ!と当時は思ったものですが、実は昨日久しぶりにこちらを見た時、長さはともかく、全幅などそんなに幅広に映らなかったのも確か。それはいまの車の幅がどんどん広がって、相対的にこのトーラスの幅(1,850mm強)でももはや大きく感じなくなったということですね。時の流れを痛感させられました。

そして何より、この2代目トーラスほど、日本で売られたファミリーサルーンとして、私たちの感覚と相容れない造形要素がてんこ盛りの車は、後にも先にもありませんでした。
私は日本人の多くが富士山を好むという事実に、日本で好かれるかたちの特性が表れていると常々考えてきました。稜線が明瞭でシンメトリカルな「歯切れのいい」富士山のシルエットに象徴される、折り目正しく秩序立ったかたちが、この国では自然なものとして受け入れられやすいのです。

それに対する2代目トーラスは、ドロドロと溶け出しそうな基本立体をはじめ、直線や折れ線がどこにも見られないボディ表面、曖昧な開口形状のグリル、魚の目を思わせる有機的なヘッドランプといったディテールなど、そのどれもが多くの日本人の感覚に生理的にそぐわないものです。
こうした造形に対して拒否反応を抱く人が多いことは、ほぼ同時期の3代目ソアラ、ハードトップのARXが併売された世代のブルーバードセダン、レパードJ・フェリー、そして2代目フェスティバといった事例を思い起こせば一目瞭然でしょう。これら各車に共通していたのは、それまで日本でデザインされたモデルが一定の好評を得ていたブランドだったはずが、アメリカのデザインワーク主導のモデルに切り替わったとたん、一気にソッポを向かれた点。明らかに、アメリカで好まれる造形と日本のそれとが相当異なっていたのです。逆にそれをメーカーも十分に承知していたからこそ、日本の各社がこぞってカリフォルニアあたりにデザインスタジオを開設したのですね。

今ではアメリカ発のデザインも、グローバリズムや、ユーザーと車との関係・自動車の位置づけの社会的な変化といったことに影響されて、世界的に見てもだいぶ均質化されましたね。フォードもまた然りです。
Posted at 2020/08/11 18:01:02 | コメント(1) | トラックバック(0) | Taurus | クルマ

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「まさしく、日本の景色の中にいるフォード。Viva !」
何シテル?   01/17 15:18
自然体で、気兼ねも気負いもなく付き合えて、けれど愉しいクルマ。フォードを40年近くにわたって乗り継いでいます。2016年をもってフォードは日本から事業撤退しまし...
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