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2023年11月18日 イイね!

プントとフィエスタ

プントとフィエスタ最近プントづいている。少し前に、ghiaさんが何シテル?で愛車のフィエスタをプントのそばに駐車すると言われていたのを見たのがきっかけだ。ghiaさんがフィエスタを並べているのはグランデプントらしいが、私が好きなのは93年に登場した初代プントである。昔からジュージャーロを敬愛していたこともあって、初代プントは登場当時から気になっていてカタログも所有していた。久方ぶりにそれを引っ張り出してみて、あ、C346フォーカスで新鮮に思えたマスタードオリーブの色彩感は、すでにこのプントで展開されていたんだ-と再認識。無塗装のブラックバンパーとの組み合わせの洒脱さといったら!



こうして久々にプントに目が向いた矢先、近所のリサイクルショップで出会ったのがトップ写真のミニカーである。パトカーのモデルとはいえ、初代プントの5ドアの1/43ミニカーはかなり珍しいのでは(3ドアモデルはブラーゴから出ていた記憶があるが)?こちらのミニカーは細部のディテール表現はそこそこながら、車全体のシルエットの表現は秀逸で、初代プントの「面質はソフトなのに全体形はソリッド」という独特のシルエットが的確に表現されているように思う。特に、リアに向けてスロープダウンすることなく真っ直ぐに伸びるルーフラインに、初代プントの生真面目なパッケージングがよく表されている。
初代プントが属したBセグの5ドアハッチバック車こそが、全ての車のカテゴリー中で最も「知的なパッケージング」が要求されると言っていい気がする。それは、サイズやコストの制限が厳しい前提のもと、求められる最大限の客室スペースと安全性、積載性などをバランスさせた上で、多くのユーザーを振り向かせられるスタイリッシュさを備えることも大切なのだから、デザインの観点からも全方位型なアプローチを課せられたカテゴリーと言える。ジュージャーロ氏はこの点で、初代ゴルフやウーノといった5ドアHBの傑作を数多く生み出してきていて、初代プントもまさしくそうした経験に基づいた模範的なパッケージングの1台であった。

そして、初代プントの登場から10年近くを経て現れたB256フィエスタの5ドアモデルに、私は初代ウーノやプントに相通じるパッケージングの発展形を見た思いがした。アップライト気味に5人の乗員を座らせることで、車体の全長を必要以上に伸ばさずとも良好な居住性を確保する。そうすると必然的に車高は高めとなるが、それによる立体マスの縦方向へのボリュームの増大化を決してダルに感じさせない造形手法の冴えは、まさにニューエッジ・デザインの究極と言うに相応しいものだった。
一方で、B256フィエスタのルーフラインは初代プントと比べると、明らかにリアに向かってスロープダウンする度合いが強いのが、下の写真からもわかるだろう。2000年代初頭にフォードのデザインディレクターを務めたJ.メイズ氏は、B256フィエスタのデザインに際して、ホンダのフィットのように空間効率の高さと引き換えにミニバン的なボリュームがボディに生じるのを避けたかった、と言及していた。この点は初代プントあたりと比べると、パッケージングを多少スタイリング表現に振ることで妥協した面があると言えそうだが、小型のハッチバック車に効果的な、抑制の効いた躍動感を与えることには成功していた。それにしてもこのサイドビューで見ると、何ときれいなルーフラインであることか!



きょうび、初代プントやB256フィエスタのようなパッケージングとスタイリングを伴った5ドアHBは本当に少なくなってしまった。同じくらいのサイズ感ならより用途性と見栄え度が高いSUVへとユーザーの指向がシフトしたからだが、いたずらに寸法や物量を拡大することなく必要な機能をもたらす、真に理知的な成り立ちを備えた小型車が今だからこそ求められている気がしてならない。
Posted at 2023/11/18 22:25:25 | コメント(1) | トラックバック(0) | Other | クルマ

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