ロボ部長のブログ一覧

だいぶ以前、美容室で手にした雑誌Penに、フォーカスSTがエスコートRSコスワースと一緒に紹介されていたのを記憶していました。一般誌、それもデザインやクリエイティブ分野が得意な媒体にフォーカスが出ていたのが当時は新鮮で、それゆえなんとなく記憶の片隅に留まっていたのです。そして今日、たまたま立ち寄った飯田橋のブックオフで、その記事が掲載されたPenを偶然見つけて入手。かれこれ10年前の号でした。
ただでさえ雑誌などに取り上げられることが少ないフォード、それも欧州フォードだけに、そんな数少ない機会があれば、一体どんな風に扱われているかにはとても関心があります。果たして、久々に読み返してみれば、執筆は吉田匠氏ゆえ書かれている内容はむしろ自動車媒体のそれに近いもので、さほど新鮮味はありません。しかしさすがはPen、写真はオリジナルで撮影され、しかもモノ好きの琴線に触れるかっちりとした仕上がりで、フォーカスST（とエスコスRS）のクオリティ感を伝えています。

記事のタイトルは「ベースモデルとは明確に違う、フォード・スポーツの操縦感」。当時、この記事を読んでフォーカスSTに関心を持って、あまつさえ購入に至った、という人が果たしていたのだろうか？ちょっと興味が湧きます。

一週間前のEFM2016では、初代フォーカスはST170とSVTとRS以外、会うことがありませんでした。こちらは今日、近所のスーパーの駐車場で出会ったGhiaです。ちょうどオーナーさんがいらしたので少しお話をさせてもらったら、今後のサービス体制への不安や、今となっては芳しくない燃費のことなどもあって、乗り換えを考えていらっしゃるとのこと。具体的に何に乗り換えられるかまではさすがにお聞きしていませんが、これから先のサービスのことを気にされていたので、おそらくフォードの車ではないのでしょう。このような境遇で他のブランドへとバトンを渡して姿を消していった初代フォーカスなども、決して少なくないのだろうと推測します。趣味の対象としてでなく実用の対象として合理的に扱われるのは、ある意味でフォードらしいあり方であって、むしろ望ましいこととも言えるのですが、しかし同時にちょっとさびしい気もしてしまいます。
とはいえ、たとえオフミのような場に姿を表さなくても、まだまだ元気な初代フォーカスも多いはず！それらがこの先もなるべく長く活躍できることを願います。

先週日曜日の朝の小田原、泊まっていた宿からターンパイクへ向けて自分のフィエスタを走らせていました。国道1号へ合流するT字路の信号が変わり右折したとき、不意に眼前に飛び込んできたのが、この4台の欧州フォードたちが居並ぶ光景でした。前泊組のころなさん、すら＠さん、takechicoさん、エルチェさんが駐車されていたパーキングの脇を、偶然に通りかかることができたのです。すぐにフィエスタを路肩に止めてパーキングに駆けつけたことは言うまでもありません。ちょうど皆さんも出発の準備で集合していたところでした。
他に同じ場所に駐車している車輌は1台もなく、ただ欧州フォード4台だけがそこにいる。それも、4車4様の色とりどりに・・なんだかファンタジーのような、とても非現実的な光景ですよね。なまじ予測していなかった場面だっただけに、そのインパクトたるや相当なものでした。このシーンを目にしただけで、まだ箱根の山を登る前にもかかわらず、私は「血中フォー度」が5〜6度くらい上昇した気分に。すでにちょっとした高山病モードになっていたのでした（笑

今回のEFM2016で嬉しかったのは、ここ20年来日本市場で正規に販売された欧州フォードの各ブランドがひと通り揃ったことでした。細かいことを言えば、初代モンデオの参加がなかったり、初代フォーカス／二代目フォーカス／二代目モンデオの標準車の参加もありませんでしたが、そのあたりの各車は趣味的に扱われるよりは純粋に実用の対象であったり、すでに実用車としての務めを全うしている個体も多いので、やむを得ないのでしょう。
そんな中で、このフォーカスC-MAXの存在が光りました。こちらはみん友のvokey72さんの愛車で、少し前に足まわりを中心に大がかりなリフレッシュを受けたばかりという逸品です。

フォーカスC-MAX、私も大好きな欧州フォード車です。我がフィエスタと同時期のモデルゆえ、デザインにも近似性があって親しみが湧きます（真後ろからの姿なんて本当にそっくりですし）。vokey72さんの個体とはアクエリアスのボディカラー同士のため、以前からみんカラ上で、いつかツーショットしたいですね〜などと言っていたのが、秋晴れの富士をバックについに実現！どうですか、富士の稜線とも一脈通じる、端正で品のある表情の持ち主だとは思いません？

フォーカスC-MAXは二代目フォーカスのハイトワゴンとして国内へ導入されました。フォードジャパンとしてはファミリーユースのコンパクトミニバンのニーズを見込んだのでしょうが、標準フォーカスともども鳴かず飛ばず・・（>_<）しかし見れば見るほど各部の良心的なつくりがじんわりと沁み入ってくる、それでいて、走らせれば欧州フォードの名に違わない信頼のハンドリングで応えてくれるそうです。ぱっと見に派手なところはなくても、まさしく「家族のよき伴侶」というフォードの真髄のような存在であり、これからもできるだけ長く走り続けていってもらいたいです。

60台もの欧州フォードが集結したEFM2016。お開きの時間も近いという頃、突如会場に現れたこちらのシェルビーGT500。この日唯一のアメリカフォードでの参加でした。

「欧州フォ−ドミーティング」とはいえ、同じブルーオーバルの仲間として駆けつけてくださったのがとても嬉しかったのですが、たまたまブラックのボディに赤いレーシングストライプの仕様だったこともあって、YMワークスさんが持ち込まれた先代フィエスタSTーすなわちかつてのtake⭐︎さんの「ふぃえす太」ーを横につけていただきました。私は、かねてから、このフィエスタとS197マスタングの造形に相通じるものを感じていました。今回偶然にも両車が似たようなカラーコーディネーションだった（ともにホイールまでダークペインテッドだったのがさらに効果的でした）ため、比較するまたとないチャンスだと思ったのです。
このシェルビーGT500は2011年型で、S197が大がかりなスキンチェンジを受けた2010年型以降のモデルです。実際のところはそれより前の2005年〜2009年モデルの方がより近似性がはっきりしているのですが、いざこうして並んでみれば、各部のエッジの立て方、ラインの流れ、面の表情などに十分な共通性が感じ取れます。

S197マスタングのデザインは90年代末から2000年代初頭、フォードがニューエッジ・デザインをベースにさらに次への発展を模索していたタイミングで開発されました。フィエスタもそうした時期にデザインされています。両車はそれぞれにアメリカとヨーロッパのフォードの典型であっても、フォードのスタイリングアイデンティティに則ったアプローチの所産なのです。