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ロボ部長のブログ一覧

2024年06月30日 イイね!

今どきの車には見えない景色

今どきの車には見えない景色最近よく耳目にする表現に「景色」がある。これまでとは違った景色が見えるのでは-そんな使われ方をさまざまな場面で見聞きしないだろうか?いかにも第三者的な、少しばかり高い視点からただ見渡しているかのような、当事者感の薄い物言いにどこか座りが悪い感覚を覚えつつも、他人様の車を勝手に撮影して断りもなくブログに掲載している私のような者にとっては、例えば「目の前に見えた車という景色」はとても都合がいい表現だったりもする。

現行カングーについては何シテル?でしばしば取り上げてきた。やれサイズが大きくなっただのこれは売れないだろうだの、ネガなことばかり記してきたが、実は私はこの車をかなり気に入っている。最近になって自宅の近くに実車が現れたことでその姿を目にする機会が増えて、ますますそう感じるようになってきた。この車を前にすると今どきの車には見えない「景色」が見えるのである。

バンパーをはじめドアハンドル/レールやサイドミラーなどの無塗装黒仕上げ、キャップレスのホイール、扁平率が低く空気がたっぷり詰まっていそうなタイヤなど、そこかしこにちょっと懐かしい「景色」が広がる。こちらの個体に関してはすでにボディサイドに水アカの筋が何本か下がっているのも、つい1年前に日本で売られ始めた車とは思えない、なんともこなれた感のある「景色」である。

そして実車をしげしげと見て初めて気づいたのが、このボディ側面下部の鉄板の処理。鉄板プレスの端部がこうして剥き出しなのは、少し前までは特に安価な大衆車クラスなどでは当たり前だったものだ。しかし見栄えを気にするユーザーを意識して端部を見えないようシルを付けたりする例も増えて、最近の車ではなかなかお目にかかれなくなった。それこそ最近では珍しい「景色」だ。



もちろんこれらは、カングーのベースが乗用車でなく商用車であるからこその必然でもある。本来商用車であるカングーのキャラクターが日本では洒落車として認められたからこそ、販売側もあえてこれらのディテールを強調するような策に出ているわけだが、前世代までのカングーではそれがいかにもあざとく見えて、私はむしろ好ましく感じていなかった。それが最新世代になり、日本のカングーフリークからは少なからず不評の声を浴びても、私としては逆に「偶像化されたカングーらしさ」が車全体から薄れたことで、かえって根が商用車-ガンガン使われてナンボな道具-であるカングーの素性がクリアになった感があるから、この車が気に入っているのである。カングーという名前にとらわれず一台の実用車として接すれば、いい景色を見せてくれる存在なのだ。

ちなみにこのカングーが好きなもうひとつの理由に、フォードのトランジットと相通じる雰囲気があるから(こういう事実が「現行型は類型的」とフリークから嫌われる理由でもあるのだろう)。こちらは2014年のUSトランジットコネクトに設定されていた、タクシーパッケージ仕様のスクールバスイエローのボディカラー。Cピラー基部の斜めにカットされた形状などは後発の現行カングーもよく似ているのがわかるだろうか。リアクオーターウインドウの切れ上がったラインやバンパーコーナーの接合部ラインなどの角度が調律されていて、商用車であっても動感を強調させることがトレンドとして意識されたとわかるだろう。


Posted at 2024/06/30 09:45:19 | コメント(0) | トラックバック(0) | Other | クルマ
2024年06月23日 イイね!

グランデな存在

グランデな存在我が愛車でもあるB299フィエスタに大きく影響したと考えているのが、BMW-MINIとこのグランデプントの2車だ。前者はファッションアイテムとしてユーザーの自己表現媒体となりうる小型車像の典型を示した点で、それまで寡黙な実用車然としていたフィエスタがキャラクターを持った存在へと舵を切るロールモデルとなった。2008年にB299フィエスタが最初に登場した際のカタログを見た時、若い女性のプライベートライフをイメージさせるビジュアルが多用されていて、果たしてこれがフォード車のカタログか?と目を疑ったものである。明らかに、BMW-MINIが打ち立てた、若い世代の価値観や生活観を投影しうる小型車像を強く意識していた。

そしてグラプンだが、2005年に登場した時には、デザインを担当したジュージャーロがそれ以前に手がけていたマセラティ3200GTを彷彿とさせるフロントスタイルが話題になった。Bセグメントの小型ハッチバック車で、あからさまにより大型のラグジュアリークーペのイメージをスタイリングに反復させたのは、この車が最初ではなかったろうか?実際にグラプンでは、それ以前のプントより車体全長もかなり伸びて数値上はCセグメントに近づいたにもかかわらず、サイズアップ分は室内空間の拡大よりも“マセラティ的”な造形のための「しろ」に充てられたようで、車内・特に後席空間はさほど広がっていなかったという。本来ならスペース効率やローコストの追求がシビアな小型車市場において、そのことよりも、造形とそれによりもたらされるイメージを重視するというセオリー転化が、グラプンによってもたらされたのである。
B299フィエスタは2012年にマイナーチェンジを受けて立派なグリルを持つ顔になった際、アストンのようだと盛んに言われた。ヒエラルキーの上位にあるブランドの薫りを大衆クラスに持ち込んだグラプンの手法に、フォードも倣ったのである。それはかなり顕著な成功をもたらして、自動車の領域においては厳然としたネームバリュー・ブランドバリューを備えたプレミアムクラスの威光というものが有効に作用することを思い知らされた。その意味で、グラプンもまたフィエスタにとってのロールモデルに当たると言えるのである。
Posted at 2024/06/23 11:09:10 | コメント(0) | トラックバック(0) | Other | クルマ
2024年06月15日 イイね!

25年

25年少し古いネコ・パブリッシングの雑誌などを見返すと、輸入車について、車歴20年超ともなればあれやこれやと手がかかる的なことが書かれていて、一定以上の時を経た輸入車を維持することが、ある時期まではそれなりに手間を要しそうであったらしいことが伺い知れる。これについてはいま現在果たしてどうなのかわからない。輸入車と言われる海外各メーカーもグローバルに合従連衡が進み、品質の均質化や安定化がかつてとは比較にならない程度に達成されているかもしれないからだ。
私自身はかつて20年を超過した車を保有した経験がなかったから、そうした輸入車に対する認識が適切なのかずっとわからないでいたが、現在所有するフォーカスはすでに初年度登録からほぼ25年を経ている。かつてのネコパブ的な見立てからすれば色々手を焼かされるタイミングであっても、フォーカスは至って元気だ。今日も夕方に近所への小用で走らせたが、いつも通りに走ってくれた。当然のように何も特別なことは起きない。
これって、果たしてどうなのだろう?フォードに長らく乗る私からすればそれが当たり前のことだと思っていられるけど、例えばイタフラ系やUK系だともっと気を遣わされるの?ひょっとするとゲルマン系であっても??

そもそも私の車との接し方が、せいぜい週末にちょろっと繰り出すくらいのものなので、車に与える負荷が根本的に少ないのかもしれないけど、逆に言えばエンジンに火を入れるのが1〜2週間に1回程度というのも、逆の意味で車への負荷が高いと言えなくもない。そんな愛車たちとの付き合いの中で、フォーカスはあくまで平常モード。すでに夏の盛りを感じさせる暑さの下でもエアコンは確かに効くし、サイドウインドウも望んだ通りの位置に開け閉めができ、決して不本意な位置で落ちたりすることはない。電装品の具合にも目立った不具合はなし。もちろん基本的な「進む・曲がる・止まる」には特段の支障などない。過去にもフォーカスに乗っていた経験からすると、走行中の細部からのビビリやダンピング時の収束の遅れが大きくなっていることはわかるけど。
特別に細やかなケアは何もしておらず、ただ定期的かつ基礎的なチェックだけは欠かさずにいる。実用車というのは多少歳月を重ねたところで、決して調子を大きく崩すことなく必要な役目をこなせる存在であって然るべきで、フォーカスも全くそのような存在として振る舞っていてくれている。ありがたいことに。

トップ写真は先だって2017エスケープと近所で出会った直後に撮影した時のもの。こういう場面に日常的に出会えるように、フォーカス(フォード)はこれからも当たり前のように走ってもらいたい。
Posted at 2024/06/15 23:15:30 | コメント(3) | トラックバック(0) | Focus | クルマ
2024年06月08日 イイね!

幻となったガンディーニとフォードとの関わり

幻となったガンディーニとフォードとの関わり「CGは嫌いだ」と言いながら『CGネオクラシック』を買ってしまった。ベルトーネ特集だが実質的には先に亡くなったマルチェロ・ガンディーニ氏の追悼特集である。ベルトーネということでお約束?に巻頭をカウンタックやらストラトスやらが飾るが、それらについて読むことが目的ではない。中盤のページを割かれたリライアントをめぐる記事が初見で大いに関心を引かれたのである。その記事によると、まさに少し前に私がブログで書いたことへのアンサーにあたるような物語が過去にありえたことがわかったからだ。

リライアントに関しては3輪乗用車をメインに生産していたイギリスの小メーカーという程度の認識だった(80年代末頃?に日本へもオープンスポーツカーのシミターが入れられていたようにも記憶している)。そんなこれまであまり目を向けていなかったメーカーが、1970年代後期に、トルコのオトサンと共同で本格的な4輪車の開発を志し、そのスタイリング開発をベルトーネに委ねたのだという。FW11という開発コードネームで称された試作車は当時ガンディーニが率いるベルトーネのデザインチームが担当して、その写真が誌面に掲載されていた。トップ写真の左側がそれである。

詳しい方ならオトサンがフォード・オトサンの起源にあたることは察しが付く通り。現在はフォードのトランジットなど商用車の生産拠点として稼働しているオトサンは、60年代から欧州フォード車をノックダウン生産するなどフォードとの関係が強かったが、そうした経緯が前提としてあったのだろう、記事によると、FW11計画では欧州フォード製造のエンジンを搭載する想定だったというのだ。それが、当時の欧州フォードが自分たちのマーケットで競合する新型車へエンジンを供給することに難色を示したため、結果的にFW11は市販車へ結実することなくプロジェクトを終えたとされる。
もしプロジェクト当初の構想通り、フォードがエンジンを提供した形でFW11が商品化されたなら、それこそガンディー二とフォードとが、直接のクライアント関係ではないにせよ、間接的に関わったことになっていたのである。私がブログで記したような状況が実現されていたかもしれなかったのだ。



FW11は記事でも記されているように、82年に登場するシトロエンBXを強く想起させるスタイリングで、いかにもベルトーネ・ガンディーニといった匂いがプンプンする。これがリライアントの新型車としてフォードエンジンを積んでヨーロッパ市場で広く売られていたとすると、もしかするとBXはあの姿では登場していなかったかも?そんなことを想像するのもいまとなっては楽しい。
余談ながら、写真で見るFW11は、のちにシュコダから登場した『フェイバリット』のスタイリングへと昇華されたようにも映る。まだVW傘下に入る前のシュコダが開発したフェイバリットは、やはりベルトーネのデザインによる小型5ドアハッチバック車だった。
なるべくネット上の画像を使いたくないから掲載しないけど、興味のある方は「シュコダ、フェイバリット」でぜひご検索を。
Posted at 2024/06/08 22:03:42 | コメント(1) | トラックバック(0) | Other | クルマ
2024年06月01日 イイね!

本当にすぐご近所!の2017エスケープ

本当にすぐご近所!の2017エスケープフォーカスで近所への買い物の途中、交差点を曲がったすぐの対向車線に「なんと!MC後の後期型クーガ!!」慌ててフォーカスをいったん止めて窓越しにドライバーさんへお声がけし、近くで写真を撮らせて欲しいとお願いしたところ、ご快諾いただけた。そこから我がフォーカスとの2ショットを収めるために、近場の海沿いのロケスポットまでご同行いただき、結局2時間近くも!お付き合いしてくださったのである。土曜日の昼下がり、路上で突然に呼び止められた見知らぬフォード乗りの勝手なリクエストに応えてくださるなど、本当に恐縮かつ深謝以外の何ものもない・・

果たしてこちらは後期型クーガではなく、USエスケープSEの後期型であった。2017年式というからエスケープ/クーガがマイナーチェンジを受けた年のモデルにあたる。若いオーナーさんはこれ以前も国内最終仕様のエスケープに乗っていらしたそうだが、このようなエスケープ to エスケープの乗り継ぎをされた方は国内にはほぼ皆無でなかろうか?まだ納車されたばかりだというが、納車後すぐに遠乗りに繰り出して、素晴らしく快適であることに感銘を受けたそうだ。





オーナーさんはアメパトがお好きらしく、このエスケープにさっそくUSパトカー仕様のランプやサイレンの装備をされている。撮影用に付けてくださったナンバーもUS現地の本物だという。きっとこの先もエスケープにお好みのモディファイをされていくのだろう。

今日は妻も一緒だったが、もともと買い物に行くだけの予定だったのが、まったく想定外の展開になったことを楽しんでいたようだ。それもこれも、エスケープのオーナーさんが実にフレンドリー&オープンマインドな方で、しかもフォードにも詳しく(フォーカスのこともよくご存知だった)、ご一緒されていたお母様ともども本当に素敵なご家族だったことが、妻にも私にも嬉しく感じられたのだ。
(フォード・マニアックスイッチが入った状態の夫の姿を目の当たりにして、もしかするといくらかは私に呆れていたかもしれないが・・)

ちなみに、エスケープはこちらのショップで購入されたとのこと。あとから見てみたらお店のFBでもしっかりと紹介されていましたね。モッズさんは並行フォードの扱いが豊富だから、これからサービスを任せるにも信頼できる先だと思いますよ。

オーナー様、お母様、今日は思いもよらぬ心踊るひとときをありがとうございました。今後ともすぐ近くのフォード仲間として、どうぞよろしくお願い申し上げます!


Posted at 2024/06/01 21:12:19 | コメント(1) | トラックバック(0) | Escape | クルマ

プロフィール

「まさしく、日本の景色の中にいるフォード。Viva !」
何シテル?   01/17 15:18
自然体で、気兼ねも気負いもなく付き合えて、けれど愉しいクルマ。フォードを40年近くにわたって乗り継いでいます。2016年をもってフォードは日本から事業撤退しまし...
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