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ロボ部長のブログ一覧

2024年01月21日 イイね!

「伊達色」

「伊達色」車の色はとても大事なことと考えている。持ち主の好みや感覚を反映できる個的な要素であるだけでなく、その車が走っている・止まっている時には景観を形成する一要素となって社会的な意味合いを持つ。「自分が好きな色」が「世の中の景色を形づくる色」でもあるわけで、その意味ではどういった色の車を選択するかにその人の美意識や公共意識が現れるとも言える。

私自身はだからといって、ただ環境に調和するトーンの色を選べば良いとはまったく考えない。その車の存在を引き立たせる固有の色があるわけだし、その色が一見すると景観の中で浮いているようでも、見た人の気持ちを活気づけてくれたり落ち着かせてくれたりするなら十分に意義があるからだ。
もちろん、どうせならばその上で、うっとうしい視覚的ノイズに陥ることなく、適度な刺激を周囲の景観に与えられることでいい点景となれる色であれば、なお望ましいけれど。

日本で正規に売られていたフォード車は、ボディカラーに関して選択肢が少ないものだった。基本的なカタログモデルの大半は白系か黒系であり、それを補うかのように赤系と青系を設定、そして限定的なグレードに黄系などやや「外し」な色を設定するというのが定式だった。その意味では景色の中に埋もれられる無難な色相ではあっても、パッと見でワクワクさせてくれるような色は本当に少なかった。
そんな中で、フォードブランドではなくリンカーンだが、MKXの国内販売当初に設定されていたこのライトアイスブルーは、例外的な一色だった。この車の場合、ボディカラー自体も素敵な上品さがあるが、「ブラック+ライトブラウンのシートパイピング+メープルウッド」で構成される内装色とのトータルコーディネートが、もはや「洒落た」を越えて「伊達」と言いたい、唯一無二な雰囲気を醸していた。めったに見ることがない色(すぐにカタログ落ちした色なだけに、おそらく国内で20台程度の販売実績ではないか?)なので、もし幸運にも目にする機会があれば、ぜひドアを開けた状態で内外の素晴らしいカラーハーモニーを味わっていただきたい。
我がフィエスタのコッパーパルスをこうして並べさせてもらうと、色相こそ違えど、双方の彩度や輝度はちょうどいいマッチング度合いで、こういうトーンの車が増えると街の景色の印象もだいぶ変わるだろうに、と思わされた。

ところで色に関しては昨日、こんなシーンにもでくわした。コナの実車を初めて見て、EVならではのテック調の表情にはこういう人工的なトーンの色がよく似合う。シエンタの色とほとんど同じに見えたが、おそらくどちらかの車のオーナーさんは、同じような色の車がいるのに気づいて故意に隣に駐車したのではないだろうか?

Posted at 2024/01/21 10:32:36 | コメント(2) | トラックバック(0) | Lincoln | クルマ
2024年01月14日 イイね!

カングーとフォーカスに無理やり共通点を見出す

カングーとフォーカスに無理やり共通点を見出すいくらかでも車に興味を持っていると、カングーが何とも不思議な存在であることに気付かされる。自宅の周辺にも二代目のデカングーを主体に存外に生息していて、両手の指くらいの台数なら近隣の居処がすぐに思いつく。ルノーというブランド(ショップもすぐ近くにあるわけでもない)、しかもフルゴネットというやや特殊な成り立ちの車種であることを鑑みれば、異例なまでの普及度合いだと思う。一方でカングーといえばこだわりを持ったオーナーが多い印象で、それだけにオーナー間のつながりも強く、俗にカングー村と言われるようなミーイズムっぽいコミュニティが形成されていたりするのがどうにも気持ち悪いなぁと感じられ、それゆえ私自身はカングーという車に対する目線が長いこと斜になっていた。
しかし最近になって、やはり近所にこんな極初期型のコカングーがいるのを偶然知ったことがきっかけで、カングーへニュートラルに目を向けてみようという気になった。そうしたらフォーカスと色々な点で相通じる部分があることに気付かされ、改めて妙な親近感を覚えている。
まずは出自について、カングーのデビューが97年、フォーカスは98年だからほぼ同じタイミングだ。そして両車ともに既存車種のモデルチェンジでなくまったくのブランニュー車であることも共通している。もちろん、カングーはエクスプレス、フォーカスはエスコートと、それぞれ前身となるモデルはあったが。
次にサイズアップについて、モデルチェンジした二代目で初代から大幅なサイズアップを果たしたのも、カングーとフォーカスに共通な(問題)点だ。どちらも確か二代目の全幅が同じく1,840mmではなかったか?特にカングーの場合、それまでの5ナンバー枠から一気に15cm近く広がったのだから、ボディサイズに敏感な日本市場での当時の戸惑いはいかほどだったか。とはいえ、結果としてそれでもデカングーはかなりの数が売れたのだから、そこはフォーカスの辿った顛末とは大違いである。
最後はカングーとフォーカスというよりも、ルノーとフォードの共通点と言うべきかもしれないが、日本でのビジネスのポジショニングである。ルノーもフォードもグローバルでは大メジャーなのにこの国では肩身が狭い。結果としてブランドのキャラクターを明確にするため、過剰にスポーツ路線を強調した戦略に頼らざるを得なかったことは否めない。そんな中でもルノーはマーケットを底支えするボトムレンジたるカングーが手堅く売れたことが、国内の屋台骨となっていた面が強そうだ。フォードはそこが果たせなかった。
ちなみに今、日本でのルノーのビジネスは、実は結構際どい状況ではないかと推察する。台数は少なくても美味しい稼ぎが見込めた高付加価値のRSが消え、薄利ながら安定して売れていたトゥインゴもなくなり、そして頼みのカングーがフリークから見放され・・となると、これはまさしく一時期のフォード、すなわちフォードジャパンが2000年代終盤頃に欧州系モデルの販売をストップさせた頃、日本で売るタマが事実上なくなったも同然で商業的な危機を迎えた頃を彷彿とさせはしないだろうか?

なんだか結局シニカルな見方になったが、それはさておき、こちらの初代カングー、しかも初期型を今なお乗り続けているオーナーさんは、心底カングーという車の良さを理解して受け入れていらっしゃるに違いない。もし国内正規販売車とすれば日本の地を踏んでから20数年、まさに我がフォーカスと同じくらいになるはず。近しい世代の車に乗る一人として、これからも可能な限り長くこのカングーと過ごしていっていただきたいものだ、と素直に思う。

Posted at 2024/01/14 15:38:47 | コメント(1) | トラックバック(0) | Other | クルマ
2023年12月30日 イイね!

フォード(車)が人に近い存在であるよう

フォード(車)が人に近い存在であるよう例年なら年の瀬も押し迫ったタイミングで出会えたフォードの写真を掲載するが、今年は自分の2台である。自宅に駐車してある様子をこうして望遠気味に捉えると、まるでフィエスタの後ろからフォーカスが突っ込んでいるかの如し(^^;)今年はそれまでフォーカスのために借りていた月極駐車場を解約して、我が家の敷地内にこの2台を置くようになったのが大きな変化であった。

そして今年は春以降、ブログに対する態度が変わった。それ以前までの、我ながら呆れるくらい「フォード目線」で常に意識のどこかにブログのことがあるようなテンションを脱したら、不思議と街中でフォードに気づく機会がぐっと減少した。目に入ったとしても、ただ目で追うのみで「何シテル?」にアップするのが関の山である。

そうなったのは自分自身の私的な境遇の変化があったとともに、フォードをめぐる現況が大きく影響している。フォード、今年は果たして何台の新型車が登場しただろうか?全くのブランニューはマスタングだったが、実質的には先代のマイナーチェンジに見えなくもない。それ以外も既存モデルの安易なバリエーション追加でお茶を濁すような姿勢が目立った。
相対的に今年は、フィエスタがその長い歴史に終止符を打った年でもあった。それが示しているように、フォードが大衆や庶民に向き合うよりも、収益率が高いとされるSUVやライトトラック系に適当に付加価値を乗せて、手っ取り早く稼ぐ方向に走っているように感じられて仕方なかった。そうしたこともあって、フォードに対するシンパシーが薄れてしまったというのが、嘘偽らざる心境だったのである。

フォードだけでない。今は自動車というものが市民の手から離れた存在になりつつあるように感じさせられる。電動化と情報化への対応、世界的なサプライチェーンの変動などが車の価格をどんどん押し上げているし、特に著しい円安下の日本だと輸入車はかなり割高になっている。ごく一般的な暮らしぶりの人が買える車の選択肢が狭まってしまっているのだ。
車との関わり方は人それぞれだし、たとえ高額であっても最新のテクノロジーを駆使した付加価値の高い車に乗りたい(乗れる)という向きも当然あるだろう。しかし、車が生活の中で必要で、信頼の置ける車を無理なく入手できて、安心して乗りたいという人が圧倒的に多いはずだ。そういった人のことを対象としていたのが本来のフォードであって、車を求めるサイレント・マジョリティに対してレベルの高い製品を届けられるところにフォードの真骨頂があったのではないか。
残念ながらここ数年間のフォードからはそのような矜持があまり伝わって来ない。もちろん、それはフォードを取り巻くグローバルな状況-地政学的なこと・経済的なこと・環境保全的なこと・安全保障的なことなど-が作用しているわけで、ひとりフォードの企業姿勢ばかりが問題ということではないが、中韓を筆頭として世界に台頭してきた新勢力にただ市場を譲り渡すだけで、果たして良いのだろうか?
来年は、フォードのような車が本来の存在意義を取り戻して、より多くの人々の暮らしに受け入れられる社会であることを望みたい。

本年もブログを読んでくださりありがとうございました。皆様にとり来たる2024年が良き一年でありますよう。
Posted at 2023/12/30 13:14:40 | コメント(1) | トラックバック(0) | Ford | クルマ
2023年12月09日 イイね!

花の97-98年組

花の97-98年組最近は現行型のプリウスが気になっている。と言うか、この車のことはかなり気に入っている。街中で目にするたび、これは相当なデザインだな・・と感心させられることしきり。フォードと違って本当によく走っているので(笑)近頃はフォードの写真より現行プリウスを撮る方が多い。何でもない市井の光景の中にこの車がいるのを見るのは、ちょっとした視覚的インパクトですよ。
プリウスといえば現行型とともに初代が気に入っている。97年末に登場した初代プリウスのインパクトは今でも鮮明に覚えている。世界初の市販量産型ハイブリッド機構という最大の特徴はもとより、小型セダンとしてのパッケージングの理想を志向した革新的なデザインに感銘を受けた。4ドアセダンというともすれば守旧的なジャンルにおいて、確実に新しい存在感を感じさせたのは実に大したものだった



この初代プリウスが登場した97年にはメルセデスのAクラスも誕生した。メルセデスとして初のAセグメント級小型車クラスへの進出で注目を集めたこのモデルは、それ故メルセデスにとっても不慣れなアプローチで、登場直後の横転騒動などでケチがついたことで「メルセデスの黒歴史」のように扱われてしまった。しかし高度な安全性能の確保と将来の電気や水素による駆動までを見越した二重構造のフロアパンなど、先進的な設計思想に基づいたアーキテクチャーを採用した挑戦的な小型車であり、現行型のAクラスがまるで志のない平々凡々な小型ハッチバック車に堕したのと比べたら、はるかに理想追求志向型の存在であったのは間違いない。



これら2つの革命的な車のヘッドランプカバー輪郭形状が近似していることにお気づきだろうか?真正面からのカットを見ていただくとお分かりいただけると思う。どちらの車種も、かなり全高の高い、前面投影面積が広い基本造形の中で、ダイナミックな動きを感じさせるヘッドランプカバー形状が相似なラインを描いている。

そしてこれら2車より少しだけ遅れた1998年のタイミングで登場した、初代フォーカス。この車についてはプリウスやAクラスほどにイノベーティブな要素は備わらないものの、自動車マーケットにおける量販クラスとしてのCセグメントに商品性の新基準を打ち立てた点で、「コンベンショナルな立場での革新」をもたらした1台と言えるだろう。そしてこのフォーカスのヘッドランプカバーの形状もまた、トップ写真で確かめられる通り、初代プリウスとAクラスのそれと相通じるラインを描いている。

1997年から1998年にかけて登場したこれら3つの車種。それぞれに単なる前モデルのフルチェンジといった次元でなく、それまで存在していなかった新たな商品基準を世に問うほどの力量を伴った各車のヘッドランプ形状が、いみじくも近しいものであるのが、単なる偶然とは言い切れない現象であったような気がしている。来るミレニアムを間近に控えたタイミングで、新しい自動車像を問うかのごとく現れた3者のディテールとしての、車の顔付き・表情の象徴としてのヘッドランプに、各車の並々ならぬ意欲が結実して表現されていたように感じられるのだ。

ちなみにトップ写真のフォーカスは私のではありません。相当以前に六本木で撮影した全く別なフォーカスなのだが、間違い探し・・私のフォーカスと違うディテールがお分かりになるだろうか?


Posted at 2023/12/09 21:39:52 | コメント(3) | トラックバック(0) | Focus | クルマ
2023年11月25日 イイね!

ドアを開くとそこにフォーカス。

ドアを開くとそこにフォーカス。まったく思いもよらずすぐ身近なところに現れて、潜在的に抱いていた初代フォーカスの標準車に対する憧憬に心揺さぶられるまま、後先を考えず迎え入れたブライトブルーの2000年式フォーカス1600Ghia。それからはや一年を迎えて、我がもとで元気にしている。
私としてはあらためて、この車をこれほどの好コンディションで長年にわたり維持されてきた前のオーナー様に心からの礼を申し述べたい気分だ。23年前に登録された実用車を今もこうして心豊かに愉しめて、その上さらに今なお新鮮な気持ちで向き合えるという、なんとも贅沢な体験をさせてもらえているのだから。
前オーナー様はおそらく毎日の通勤などにこのフォーカスを供していたのだろう、毎年の走行距離が一定に、安定して積み重ねられてきたからこそ、実走行キロ数こそ相応に嵩んでいるとはいえ、機械として極上のコンディションを保っていたに違いない。果たしてそれが私のところへ来て以降は、フォーカスとの接し方はだいぶ変化したであろう。主に週末に近場用途の稼働で、しかもフィエスタとの使い分けもあって毎週必ず走らせているわけでなく、時には半月ほどもエンジンに火を入れない時もある。
機関のことだけでない、車の保管状況だってきっと、以前とは大きく変わったはずだ。オールペンされたのか?と疑うほど艶やかな塗膜表面に、今ではカーポートの上に隣家から枝を伸ばす柿の樹からの落ち葉や柿の実と、それをついばみに来る鳥の落とし物が容赦なく降ってくる。もしかするとかつては風雨や日照と無縁のシェルター暮らしだったかも知れないフォーカスが、この一年であまりの境遇の差にさぞや戸惑ったのではなかろうか?

初代フォーカスは私にとって、登場時から今に至るまで、変わることのないヒーローである。それはフォードゆえ、自分を含む多くの人の暮らしに近い存在でありながら、他の誰にも似ないオリジナリティの塊のような姿形を備え、それでいて誰にもフレンドリーで、信頼を寄せるに足る商品性を提供してくれるのだから。この車に接すると、前衛/非凡と大衆性とは決して矛盾などせず、高いレベルで両立させることすら可能なのだ-と体感させられ、いつも勇気づけられる思いがする。だからこそ私にとってのヒーローなのである。

朝の新聞を取りに、
出勤の自転車を動かしに、
配達の業者への対応に、
お隣さんからの回覧板を受け取りに、
庭の掃除に、
そして夜の戸締りに・・

毎日ドアを開けた眼の前に、いつでもこうしてヒーロー・フォーカスがいる。


Posted at 2023/11/25 17:10:49 | コメント(1) | トラックバック(0) | Focus | クルマ

プロフィール

「まさしく、日本の景色の中にいるフォード。Viva !」
何シテル?   01/17 15:18
自然体で、気兼ねも気負いもなく付き合えて、けれど愉しいクルマ。フォードを40年近くにわたって乗り継いでいます。2016年をもってフォードは日本から事業撤退しまし...
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