2017年11月07日
あり得ないことが、(147)
そんなことをしながらあっという間に時が流れた。室の仕事はそれなりに順調と言っても良い程度には進んでいるが、未だ巨額の利益を生み出し、会社の経営や株主の皆様に貢献するには至っていない。
それでも大規模デジタル通信網を活用した語学講習にしても目的別短期留学構想にしてもそれぞれカウンターパートが見つかって事業化に向けた展開を検討中だ。
生涯語学講習という構想はこの時節結構魅力的でインパクトもある企画らしいが、それを具体的な形にしていくとなるとかなりの困難を伴うことになるようだ。
例えば幼児に対する教え方と熟年世代に対する教え方では自ずとその内容から方法まで全く異なってくる。しかも個々の能力に応じた対応となるとこれまた大変な選択肢になってしまう。
しかし、これもオプションを多めに設定して活用することで切り抜けようと考えている。つまり各言語の各分野で達成目標別に基本になるコースをいくつか決めておいて後は個人の好みに応じてそれぞれオプションの選択でまかなうという考え方だ。
まあこれもあれこれオプションを考えるのが面倒だが、商売だから仕方ないだろう。でも一つのコースに一揃えのオプションを考えてしまえば後はどれも基本的には同じだからそんなに苦労はない。
それに人間というものは勢いがついて前に進んでいる時はどいつもこいつも何もしなくても次から次へとアイデアを出してくるものだ。却ってそれを具体的な形にする方が手間や金がかかってしまうくらいだ。
目的別短期留学コースもテーマを選んで試験的に何回か実施してみたが、実際にやってみると細かなトラブルは生じたものの総じて好評だった。行って見なければ分からない、やって見てこそ心が通じるというのは趣味には共通の真理なんだろう。
しかしこれも留学の期間が短期間で参加者もそこそこの人数であればどうにでもなりそうだったが、多人数である程度長い期間となると受け入れ体制に問題があることが分かった。
それからコースによって人気不人気があるので商売としては希望者の多い人気のあるコースを出来るだけ短めに期間を切って回転を早くして売り出すのが良いという結論に至った。
これも語学能力の向上を目的としたものではなく実際には趣味を目的とした観光旅行が半分、残りの半分は語学学習に対する動機付けや言葉の完成度チェックという意味合いが強いものになるんだろう。その点については参加後に誤解が生じても困るので実施前の講習で参加者には懇切丁寧に伝達を行うことにした。
こうして語学、旅行業、インターネット情報サービス業のコラボが成立したが、こんなに速いテンポで体制の整備が出来たのはやはり金融翁のお力に負うところが大であったと思われる。うちの会社だけではこんなに早期に強力な体制は作れなかっただろう。
それにしても金融翁はどうしてこの事業にここまで入れ込んだのだろう。勿論自分のバカ娘が世話になっているからなんて甘っちょろい人情の世界ではなく金になりそうなものには何でも投資してしっかりと回収するという企業家理論ゆえなんだろう。
でもそんなことは企業家が考えることで我々には出来るだけ目的にかなった良いシステムを作り上げることが仕事だった。要するに魅力的な商品を一つでも多く作り出すことだと心得て仕事に励んでいる。
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Posted at
2017/11/07 16:32:59
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