昨年 足を洗ったはずのソーラーカーレース
嫌いになって辞めたわけでもないので
今年は レースの一人のファンとして 観戦に行くつもりでした・・・・・
が なぜか?芦屋の高台にあるA大学のチームメンバーとして参戦してきました。
6月中旬ころ 出張先の居酒屋で飲んでるときに一本の電話が僕の携帯に・・・
電話の主は日本のソーラーカー業界では最も有名な人物であるN君
N君はA大学のOBであり、A大学をソーラーカーの名門として不動の位置に導いた人物。
電話の内容は A大学のチームを手伝ってくれないか?というもの。
N君とは20年来の知り合いだし かつて業界がレギュレーション問題で大騒動になったときには 各チームへの連絡や FIA相手に送る書簡の件で かなりやり取りをしてた中である。
なにより A大学には いろいろお世話になったし
名門チームへの参画 しかも まともに走らせればクラス優勝の可能性が高いチーム そして A大学には歩いても行こうと思えば行ける近さ。
「N君の頼みなら やるよ!」
返事は即決。
(N君自体は自分のチームを持ってるので 全力ではA大学をフォローできないという事情有り)
6月の走行会で足が折れてしまって破壊されたスパッツやシャーシのカーボンFRPハンドレイアップは僕らのチームメンバーにも招集かけて手伝ってもらって修復。
前後の足のアップライト補修や新設は 業界に顔の聞くN君ネットワークでいろんなチームから支援の輪が広がり
ようやくレースに間に合った。
そして レースweekに突入
出発の前日、前々日は 会社から帰ってからA大学に行って準備の手伝い
Day1
木曜日に出発 ソーラーカーのトランポで A大学の監督M先生と鈴鹿に向かう。
M先生とはソーラーカー始めたころからの知り合いで 非常に気が合うし
マレーシアやギリシャへの遠征でも なんやかやとお世話になったので
話も尽きないので非常に楽しい。
夜8時過ぎに鈴鹿へ
車降ろして 準備
チームメンバー構成は 学生9人(留学生2人含む) 先生がM先生含め3人 そして僕 合計13人
僕らなんか5名くらいでやってたから 多いような気がするけど、レースの何たるか?を知っているのは極僅かなんで 正直言って チームのポテンシャルとしてはかなり低いといわざるをえない。実際 トランポから降ろして準備する動き・連携だけ見ても う~~んという感じ
N君からは「ソーラーカーレースの楽しさを教えてやって欲しい」というミッションももらっている。
PITにスペシャルモーターが届いた。
なんと!平角線手巻き&可変界磁機構が組み込まれたもの!!
ソーラーパネルは今年新調されたスペシャル品
さらにリチウムイオン電池もスペシャル品
実にすごいパッケージ そのほとんどはN君がスポンサーとなっている。
しかしながら 車体は10年使用してて足回り強度には不安が残る。
モーターインストールして 車検準備して 作業終了したのが22時半くらい
買出しして民宿に着いたのが11時過ぎ
そして 「風呂入ったら ミーティングやるよ!」って
12時過ぎから全体ミーティング 1時くらいに終わって
寝たのは2時過ぎ
Day2
そして 5時起床 (ToT)/~~~ 実質2時間半くらいしか寝てない
6時半から車検なので 1番に並ぶことを目的としていたが・・・・
鍛えられたクルーではないので 出遅れた・・・・
しかも 僕らは 大会史上初の 同一車両による4時間耐久レースと5時間耐久レースへのWエントリーとなる。
・・・・なるのであるが・・・・ 数日前に発行された 特別規則レギュレーションでは 4時間耐久の出場資格がなくなっている。
4時間耐久のエントラントはN君 事前に事務局から「出場可能」のお墨付きは得ているものの、4時間耐久(エンジョイクラス)の趣旨と 情報を共有していないと思われる事務局の体質からしてもめるのは必至。
M先生と「どうなりますかね~」って並んでて 車検開始!
”Wエントリー車両がある”という情報は流れてて 意外なほどスムースに車検は進み・・・・
いよいよ最後
バッテリー種別とか 封印マークをつけてもらって
「あ~良かった!」って思ったところに やっぱりキタ~~~
「エンジョイクラスの車両に搭載可能なバッテリーは何か?知ってますか?」
って・・・・・
「いや~ 2017レギュレーションと同じと説明されてきて準備進めてきたら、
数日前に特別規則に 突然追加されてましたね?」
「でも事務局から エントリー可能という返事もらっているはずですが??」
と言うと・・・・
「あ そうでしたか? 事務局から こちらにその情報流れてないので 保留にさせてください」と言われ
少し待つと 車検の責任者が現れ
「事前にOK出したのだけど エンジョイクラスの趣旨からすると やはりOKと判断するのは難しい どのようにすれば良いか?検討中なので PITに帰り連絡を待って欲しい」とのこと。
実は2016レギュレーションから制限クラスであるエンジョイクラスに最強スペックのマシンを走らせることが出来るようになっていたのだが、実際にそれを行うチームは無かった。
今回
N君は「学生にソーラーカーの面白さを出来るだけ多く経験させたい」という想いから 後ろ指差されるのを覚悟でエントリーに踏み切ったのである。
もとより 章典に絡むつもりはなく 途中リタイヤすることはチーム内での共有情報であった。
結果としては「レース出走は可能とするけど、エンジョイとしてではなく何らかのクラス作るので ゼッケンナンバーも変えます。それで走ってください」という結論。
レーススケジュールからして 2レースでの表彰台狙いは無いと事務局もうすうす気付いていたんだと思う。
事務局の大人の裁定には感謝。
一方で この混乱のレギュレーションを決定している方々には猛省をお願いしたい。
ソーラーカーで制限クラスを作るにはバッテリー種別と発電量の制限は必須なのにそれがほぼ自由になっている。
そして その年のレースのレギュレーションが数日前に配布され 前年には無い条項が突然規定されているという悪い冗談みたいな状況を繰り返している。
近年の参加台数の大幅減少は「レギュレーションが不安で安心して車を作成できない」状況に有ると思う。
ともあれ 大会史上初のWエントリは認められた。
・・・・ということは 当然なんだけど 予選も含めて2レース分働かないといけないということ
1レースだけでも大変なのに 2レース
しかも クルーを鍛えながら・・・・
ということで 予選はドタバタ
いろんなことあったんだけど 良く覚えてないくらい
特に エンジョイクラスの予選は 新人ドライバーが出て 出たと思ったら 「モーター動きません」って慌てたし
気を取り直してPITから出るときにホワイトラインカットしてペナルティ受けて一番時計が取り消しになったり
・・・もうドタバタ 写真撮る余裕全く無し
全く楽しませてくれるぜ!
で 予選終わって 本戦へ向けて整備
なんだか 1日でずいぶんクルーの動きが良くなってきたぞ。
予想通り オフィシャルが来て 「あの~ 4時間耐久の後に車両保管があるので 5時間耐久のスタートに間に合わないし 章典に入ったらパルクフェルメ保管はもっと長くなるんですけど・・・」と聞きに来た。
「4時間耐久は 途中リタイヤを予定してます リタイヤ届けだしたら車両保管しなくても良いと解釈してますが 問題があれば教えてください」「学生にレースを多く経験させるのが目的です。」とM先生から説明された。
昨日 みんなあまり眠れてないので
M先生のバッテリー充電には 僕とF先生が付き合って
学生諸君とN先生には「とにかく早く寝てくれ」と・・・・
僕らは11時過ぎに作業終了して 12時には就寝
長い一日がようやく終わった。
後編に続く。