ガソリン価格の下落だけが明るい話題ですかねぇ。
和歌山の価格破壊っぷりが凄い。
まぁ、それも一消費者の短絡的な目線での話ですが。
外出自粛が叫ばれた先週・先々週、
ガソリン安と相まって、“クルマで遊ぶ” 系は盛況のようですね。
昨日も地元の裏山が昼も夜も賑やかでしたし、
ちょっと田舎の方へ行けばエンスー系やらBNY系やらシャコタン系やら、なんやかんかスレ違う。
これが、一週間後とかに振り返って
「危機感が無かった・軽率だった」となるのか、
せめてもの楽しみとして許容されるのか、どうなんでしょうね。
S・J・モーデン 『火星無期懲役』 (2018)
原題『ONE WAY』
某 “火星でひとりぼっち” の映画人気にあやかろうと、出版社から作家に依頼する形で書かれた作品だとかw
息子の為に殺人を犯し、終身刑で服役中のフランクは、火星基地建設プロジェクトへの参加を持ち掛けられる。
刑務所で人生を終えるか、火星で生きるか。
フランクをはじめ、プロジェクトの参加者は老若男女の囚人7名。
だが、彼等は火星で一人また一人と命を落としていく。
酸素不足、過量服薬、二酸化炭素中毒…これらは事故なのか?自殺なのか?それとも?
ちゅーわけで、久しぶりにSFです。
…なんですが、結局は
“密室サスペンス&サバイバル” 。
前半は結構SF要素多いけど、後半は完全に心理駆け引き。( ̄▽ ̄;)
せっかくだから「HAL9000」的要素が入ってれば面白かったけど、本作で人を殺すのはあくまで人です。
とはいえ、SF的検証&考察に手抜きは無し。説得力あってリアルでよろしい。
…結構面白く読めたのに、何でこんなにも感想が大して出てこんのやろ(爆)。
著者が「自分のアイデアでは無い」ものを書いているという部分が何処かに出てるのかな?
それか、ハードSFを期待してたら、そうでもなかった肩透かし感?
シェイン・クーン 『謀略空港』 (2016)
原題『THE ASSET』
デビュー作の
『インターンズ・ハンドブック』が面白かったので続けて買ってみたシェイン・クーン。
9.11テロ後の航空(空港)セキュリティにスポットを当てたお話。
航空保安警備のコンサルタントとして、1年の大半を出張先の空港と飛行機の上で過ごすケネディ。
最愛の妹を9.11テロで亡くし、しかも前日に些細な口論で喧嘩別れしたままだった事から罪悪感に苛まれ、半ば強迫観念に近い思いで世界の旅行者の安全に身を捧げる毎日。
だが、空港の保安警備は一見厳重になったが、保安員の怠慢は慢性的かつ深刻で、これではいくら自分一人が動いても何も改善されない、と失望感に沈んでいた。
そこへ届いたのが、複数の空港をターゲットにした大規模テロの兆候。
CIAから思わぬ形でスカウトされたケネディは、各分野のスペシャリストと共に未曾有のテロ計画に巻き込まれていく。
と、これまた元々映画畑の著者らしい「素人がある日突然スパイデビュー」な展開(笑)。
原題の “ASSET” は直訳すると「資産」だが、防諜業界用語(CIA語?)で「工作員」の意味。
9.11テロ後、アメリカは「国土安全保障省」なる組織を編成し、空港セキュリティの強化が図られた。
が、機械やシステムは進化しても人間が進化していないのはどこの世界も同じだそうで…
自覚に欠ける新人保安員、プライベートを優先する職務怠慢の主任保安員、機内持ち込み禁止品目の高い見逃し率(実に95%!)、荷物盗難の横行。
これらは著者の創作ではなく現実の事。
アメリカは
Ghone is goneされたKIXを笑う資格は無いらしい。
妹を失ったショックからの逃避と強迫観念から仕事に没頭する主人公ケネディが、自己啓発本にハマっているという設定もイマドキ感がリアル。
航空業界、ひいてはアメリカ社会全体へのアンチテーゼが根底にありつつ、ケネディが啓発本の受け売りから “自分自身” で考え行動するようになっていく過程も明快爽快で、これも世間への諷刺であるように思う。
クライマックスの纏め方がドタバタでちょっと首を傾げたくなるが、エンターテインメントとしても現代時事小説的な面でも良作。
R・D・ウィングフィールド 『夜のフロスト』 (1992)
原題『NIGHT FROST』
シリーズ第3弾。
シリーズものの良い所は、
・新しく覚える情報が少なく済む
・「次何読もう…」という悩みから解放される(笑)
逆にデメリットは、
・知らない人にはどんどんハードルが高くなる
・惰性になりがち
てなもんですか。
本シリーズは毎回 “相棒” が変わりはするものの、
共通して、怒濤のモジュラー型(複数の事件が同時平行する)ミステリ。
それを、真面目と不真面目の双極が同居したオッサンが「俺の直感がそう言ってる」を合言葉に、時に名推理、時に迷推理で行ったり戻ったりしつつ、なんやかんやなんとかなっていく話(笑)。
今回は、インフルエンザで署員の半数がダウンしている中で、匿名の中傷ビラ、墓荒し、連続老女切り裂き魔、行方不明の少女等のtoughな事件の数々に、
いつも通り下品なジョークで切り込んでいく我らがフロスト警部。
新たな相棒は歴代最悪の憂き目に遇い、家庭崩壊の危機に立たされる。
事件の凶悪性も過去最高。「俺の直感」もやや陰りを見せる。
天敵マレット署長の説教もいつも通り耳栓でやり過ごし、お返しとばかりに深夜の署長室で出前の中華を貪る(カーペットにエビチリソースを垂らす)。
ほんま、何度も言うけど、両津勘吉(笑)。
「諸君らが愛してくれた志村は死んだ!
何 故 だ !
無知蒙昧なる輩どもが外出自粛令を無視して遊び呆けたからである!
日本国国民は、我ら優良種たる児眠党政権によって管理・運営され、初めて生き延びる事ができるのである!
籠れよ国民!ジーク・安倍ンジャー!」
…という流れしか見えないんだが。
「志村けん陽性」の報の時点で頭にこれが浮かんだ。
著名人の訃報を利用するのは政治としては正しいだろうし、誰が頭であっても同じ事だろうし、誰が汚れ役になるかだけの話と思うけど、
政治家の先生方はこの期に及んでも保身や “事後” を見据えての駆け引きにお忙しいんでしょうなぁ。
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Posted at
2020/03/30 20:00:06