2024年01月09日
受験生と恋バナとM3
まずは、能登地震で被災された皆様方へ心よりお見舞い申し上げます。
この季節の風物詩の一つと言えば、来週末に迫った大学入試共通テスト。
我々の世代で言うところの旧センター試験でもあり、共通テストに模様替えをした今も受験生の一大イベントであることは変わりなく、また、様々なドラマやアクシデントが起こり、青春模様が悲喜こもごもに彩られる2日間。
一昨年のT海高校ジョーカー事件は記憶に新しいところ。
他には、試験会場前で、「激落ちくん」スポンジを配布していた男が受験生に殴られたり、ハイクオリティなピカチュウのコスプレで現れ、試験管から何を聞かれても「ピカ」としか言わず、席を離れる際には、机の上にモンスターボールを置いていたなど、逸話も数多くあったりします。
ちなみに私の友人Kは、風呂に入らないと何故か偏差値が上がる特異体質の持ち主で、元旦から約2週間、入浴はおろか体を拭くこともせず、トドの檻の前にいるような強烈なケモノ臭さを漂わせながらセンター試験会場に入場したものですから、教室内でちょっとした異臭騒動が起き、試験官もその匂いに「うっ」と顔をしかめたものの、複雑な事情があるのではないかとの気遣いから、1日目の試験終了後にこっそり彼を呼び止め、「ご家庭のことは分かりかねるが、もし可能であれば入浴してきて欲しい。」とのことを伝えたところ、自身の体臭がそんな迷惑を掛けていることを知ったKの羞恥心は極大まで膨れ上がり、その翌日、別人のごとく清潔な姿で試験に臨んだKの試験結果はボロボロだったという(もらい泣き)
そんな彼は、この時の反動もあってか大学入学後も極度の風呂ギライとなり、ジェルを使っていないのにがっちりと固められた髪の毛は大和ゴキ〇リの羽のごとく常に黒光りし、布団、革ジャン、電子ジャーの中の乾いた米粒には色取り取りの菌糸類が生息、冷蔵庫の賞味期限切れの牛乳パックは軒並み発酵し、とろけるチーズはなぜかとろけた状態になっているなど、南方熊楠のような暮らしをしておりました。
そして、現在、超人気のパティストリーを経営し、その手で毎日、評判のパンをこねて発酵させております。
皆様もお近くにお寄りの際には是非ともご賞味を。
話が逸れましたが、今年もいくつかの高校からお声かけ頂き、年始より直前対策講座を開いて、有名プロ講師陣との超高密度圧縮授業により最後の追い込みを掛け、さて、帰ろうかとなった時。
普段はF20で来るのですが、たまたまこの日は初乗り兼ねてM3で来ており、サングラスを掛け、イグニッションを入れ、後部座席に荷物を載せていると、
「この車、めちゃくちゃカッコイイですね。」とさきほどまで授業を受けていた高三女子2名が声を掛けてくるではありませんか。
「もしかして車好きなの?」と聞いてみると、
「そうでもないですけど、BMWですよね?」
「よく知っているね。」
「お父さんが車好きなんです。」
「もしかして同じ車種?」
「仕事がトヨタ系なので、アルファードです。スープラ欲しいって言ってました。」など会話していると、排気音を聞きつけて男子生徒も集まり出し、スマホを向けて、
「ヤバい。」だの「合格したらこれくれ。」だの「落ちたら慰謝料代わりにこれくれ。」だの「同じ弱男の陰キャだと思っていたらダマされた。これくれないとたぬかなに言いつける。」だの、言いたい放題でして、とにかく、以前、ブログでご紹介したチャラ男君同様、10代20代の感性に、刺さりやすい車だということが判明いたしました。
M3が注目されるのは嬉しいのですが、彼らは受験生。
「こんなことしてる暇があったら、早く帰って共テ準備しないと。ほらスクールバス出るよ。」と退散させるも、何やら相談があるとのことで、先ほどの高三女子2名は駅まで送っていくことに。
周囲の「いいなぁ~」との声に、「受験終わったら乗せてあげるよ。」と答え、校門を出て駅に向かうM3の車中、オーディオから流れるメタルプログレSeventhWonderのボリュームを下げ、
「で、相談て?」
「実は、彼氏とのことで困っていて。」とポニテ女子から予想外の恋バナが。
「ええっ、、、そんなこと話しちゃっていいの?しかも、この時期に?」
「大丈夫です。前に授業で奥さんと遠距離恋愛してたって言ってましたよね?続きますか?」
「遠距離なの?」
「はい。そうなる予定です。」
彼氏と大学が別々、かつ、関東と地元で遠距離になることについて、彼氏の方が特に不安がっているとのこと。その彼氏は同じクラスで、私もよく知っているイケメン君。
「私、会えなくなるとダメになっていくタイプなんです。だから、遠距離になってダメになったら仕方がないみたいなこと言ったら、彼氏がメンヘラ化しはじめて、それなら浪人してもいいみたいなこと言い出したりして、受験にも影響が出てるんです。」
「う~ん、めちゃくちゃ愛されているんだと思うけどちょっと重いなぁ。そこは、お互い頑張ろうねぐらい前向きに言っといたほうが良かったんじゃないかな。」
「だって、本当にめそめそしてウザいんですもん。もし別れたら、毎日、家の前に立ってそうで。」
「でも、遠距離になっても付き合っていきたいんでしょ?」
「好きは好きなんですけど、LINEとかもう少し自重して欲しいし、割とどうでも良くなっている感じがしてるんです。」
「まぁ、そうなりがちだよね。」と、かつて高三の時、当時の彼女の一言に不本意ながら合格していた某国立大学を蹴って浪人を選択し、1ヶ月も経たないうちに裏切られ、担任の先生の予言どおり地獄に突き落とされた自分の姿と重なり、その彼氏にもシンパシーを感じてしまう。
「今の彼氏のモチベーションがそこに繋がっているなら、無理に断ち切らない方がいいかもしれないね。引っ張られたら大変だし。」
「それは分かるんですけど、見て下さいこれ!もう病気ですって。」
駅前交差点の信号待ちで差し出されたのは、メッセージやスタンプが異常なほど連投された画面。
「あー、、、遠距離恋愛が続くか続かないかは、ほら世界史のカラヴァンの言っていた予定説のとおり、全てあらかじめ決まっていると思ったら、少しは楽になるんじゃないの?」
「それもそうですね。受験終わるまでは、無難に付き合って、終わったら色々話するようにします。」
「ま、まずは共テ頑張って。」
「ありがとうごさいます。また乗せてくださいね。」と駅前のロータリーで降ろし、ぺこりと頭を下げた後姿の、コートの上で揺れるポニーテールとウェービーな栗色を見送ったのでした。
恐らく、堅実な彼女は合格し、高望みな彼氏君はミラクルが起きない限り、第1志望は難しい。
そうなると遠距離は無くなる代わりに、予備校生となった彼氏君は、私と同じ轍を踏んでしまう可能性が高く、共通テストが終わったら、彼氏君とも少し話をしないといけないかもと思ったこの日。
なんでも女性は過去を上書き保存し、男性は過去を別フォルダにして保存しているそうで、さらに男性は、愚かにも過去の女性たちがまだ自分のことを好きだと思い込んでいるとのこと。
私もかつて、暗黒の予備校生活を1年間送り、受験生活に春が訪れた時、何を血迷ったか、1年ぶりにその裏切られた(※ヘタレメタラーの被害妄想によるものです。)元彼女に電話を入れ、
「あ、久しぶり。俺、受かったよ。」と、湧き上がってくる思いを堪えながら伝えたところ、
「うん、おめでとう。」
「頑張ったんだよ。」
「うん。」
「あのさ、、、」
「うん。」
「・・・でさ、その何というかさ。」
「うん。」
「えっと、、、」
「うん。」
「彼氏できた?」
「うん。」
「じゃあ。」
「うん。」
と、無機質に電話は終わり、何かを期待して、またしても裏切られた(※ヘタレメタラーのryo)黒歴史を思い出し、M3のハンドルを握りながら、「ああああぁぁぁぁぁぁぁ#%*+?>`@=^”xhujikohio。」とゲシュタルト崩壊と戦いつつ、その時の自分を助走をつけてぶん殴りたくなったのでした。
ちなみに今年の初夢は、新幹線のホームに立つ私の前に、その彼女含めた懐かしい女性達が順番に現れ、最後の嫁に至るまで、全員からなじり倒された挙句、もう一度フラれるという、NTRやBSSでハァハァしてしまう特殊な性癖であればご褒美とも言える内容ながら、あいにくノーマルかつ豆腐メンタルな私にとって、サードインパクト以上のダメージを自我のセントラルドグマにもたらし、その上、悪口があまりにクリティカル過ぎて、文字通り枕を濡らし、半泣きで目を覚ましております。
と、いつもどおり取り留めのない長文で始まった2024年のブログ。
年始から所用が立て込み遅くなりましたが、みんカラの皆様におきましては、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
画像は元旦火入れ式
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F80M3 | 日記
Posted at
2024/01/09 15:59:41
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