クルマ以外のネタになります。
ゴジラ−1.0を観て来ました。
シンゴジラが自分的には過去最高のゴジラ映画だったので(1作目を除く)、あれを超えるものが出来るのかと興味津々で観に行きました。
前作シンゴジラは今の日本にゴジラが現れたら?という設定で憲法の解釈から官邸の動き、自衛隊の対応など現役の政治家でさえその描写に驚いたという徹底したリアリズムの追求があって、その上に対ゴジラを通してのエンターテイメントを構築していったと思うのですね。
その緻密な構成やストーリー展開は見ていてとてもワクワクしたし楽しめた。
それに対してゴジラ−1.0は戦後が舞台で一作目のゴジラよりも設定が時代を遡っていることにまず驚きました。
そして終戦間際から戦後にかけての街の風景、人々の暮らし、そして登場人物たちの心の動き。
どのシーンを観てもこの頃の人たちのお陰で今があるのだなと思ってみたり、自分が生まれるほんの20年前の話なんだよなと思ってみたり。
自分が子供の頃のまわりの大人たちの多くはあの戦争を経験していたのだなぁと改めて思ったり。
僕が子供の頃は戦争はダメだと言っている大人が多かったように思う。
特に母方の祖母の弟は戦争で亡くなっているので、夏に帰省するとその話が出て戦争はダメだと言っていた。
ゴジラ−1.0は名前の通りゴジラの映画なんだけど、人間のドラマにも深く心を動かされました。
これはシンゴジラにはなかった部分です。
だからこそ最後の幾分ご都合主義的な結末は少し残念な部分でした。
ALWAYS 3丁目の夕日の山崎貴監督らしいといえばそうなのかもしれないけど。
シンゴジラの瓦礫の山が映し出されたシーンは東日本大震災後の風景を思い浮かべたし、−1.0は原爆や広島の黒い雨を想起させるシーンや大空襲後の街の風景を最新のVFXを用いて当時を知らない私たちに追体験させてくれます。
そのどれもがとても丁寧に描かれています。
日本人なら誰もが抱えている悲しい記憶や、心に残っている棘みたいなものが疼く感じがします。
娯楽大作というだけでなく、同じ日本人として考えさせられるシーンが多かったです。
そして−1.0は生きろという強烈なメッセージが込められており、頑張らないといけないなと励まさせる思いもしました。
ゴジラが大好きで、そして怪獣映画を観て育った映画監督のゴジラ愛が垣間見ることができる素晴らしい作品だと思います。
甲乙つけ難い。
ゴジラを通して描こうとしている世界観は全く異なるので比較すること自体がナンセンス。
あえて厳しいことを言えば−1.0はゴジラに対する詰めが甘いような気がしました。
最後の対ゴジラとの闘いはシンゴジラの方が良いと感じました。
−1.0は悪くはないけど、もうちょっと何かひねったものがあればさらに良かった。
でもどちらも日本映画史上に残る名作だと思います。
最新のテクノロジーを駆使して純度の高い怪獣映画を徹底的に細部まで拘って作ろうとしたのが庵野監督。
最新のテクノロジーを使いつつも戦後間もなくの日本人や日本の社会を描き、ゴジラとの闘いを通して今の日本人に気づきを与えてくれるのが山崎監督なのかなと思いました。
観て本当に良かった。
これは大画面で観るべき映画ですね。
IMAXならさらに良し。
追加料金を払う価値あり。
はやくアマプラかネトフリでやってくれないかな。
テレビで観られる日を今からとても楽しみにしています。
Posted at 2023/12/02 00:16:36 | |
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