• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2010年10月12日

【小説】刀をたずねて三千里  21

 
 バックナンバー⇒第1章、 
            第2章、
 
 
 
      第2章  バカと刀は使いよう  7

 
そして、迎えた翌日。天気も良くまさに5月晴れといえる天候である。 

「ふわ~っ。もう朝か。」
 
窓枠から差し込む日光で目が覚める恭介。
昨日は寝るのが遅かったので少々眠気が残っているが、こんな事は日常茶飯事なので
気にしない。w
 
「さ~て、と…。」
 
 ぐ~ ぐ~ ぐ~
 
二度寝に入る恭介。(爆
 
 ガツ~ン!
 
「こら三千里クン、起きなさいっ。」
 
優しい声でそう言うが、二度寝する恭介に対してフライパン攻撃は優しくないね。w
 
「痛いなぁ、次田女史。」
 
 グリグリグリ(怒
 
「いたたたたたたたた…」 
さとみんと呼びなさい、と何度言わせるの!」
 
二度寝を急に叩き起こされる形になり、さとみんと呼ばなければいけないのをすっかり忘れていた。
 
(うわ~、めんどくせ~)
 
「三千里クン、アルピナ氏が来日されるのは夜でしたわね?」
「ええ、そうですが、何か?」
「それまではヒマ?」
 
何だか次田女史の様子がおかしい。簡単に言うと不気味である。 

「ひ、ヒマって…どういう事ですか?」
「え、えっとね、ちょっと頼まれ事があるの。」
「はぁ、何でしょう?」
デートしない?」
「…」
「…」
「・・・」
「・・・」
「・・・あのぅ、さとみん?」
「な~に?」
「今日は帰って来ませんので~!」
 
恭介は着の身着のままで教会を出ていく。
 
「もう、冗談だったのに。」
 
この人が言うと冗談に聞こえないのが怖い。(爆 
 
 
 
「教会の片付けですか?」
「そうなの。午前中だけでもいいから手伝ってくれるかな、と思って。」
「だったら、最初からそう言って下さい。」
「もう、最近の若い子は冗談も通じないのね。」
「さとみんの言う冗談は、冗談とは思えませんよ。」
 
どうやら教会の倉庫の片付けを頼みたかったらしいが、つい冗談混じりに言ってしまった為に
ややこしくなったのだった。困った年増だZE。w
 
 
「じゃ、ちゃっちゃと片付けましょう。」
 
そんな訳で、朝食後次田女史と恭介は倉庫の片付けをし、黙々と作業する事3時間。
あっという間に昼が迫っていた。
 
(おっと、もうこんな時間か)
 
昼にはイグナリアに待ち合わせしているので、そろそろ切り上げなければならなかった。
 
「じゃ、そろそろ昼になるので…」
「あ、ありがとう。じゃ、お昼ごはんも一緒に…」
「失礼しま~す。」
「え、ええ~っ!?」
 
あっさりその場を去る恭介。
 
「全く、もう。冗談よ、って言うまで待ってよ。」
 
親父ギャグも結構めんどくさいが、おばはんのシャレもあまりセンスがない。w
 
もう12時が迫っていたので、そそくさと準備を済ませ一路イグナリアへ向かう恭介であった。
 
 
 
 カランカラン♪
 
何とか12時に間に合った恭介が、イグナリアのドアを開ける。
 
「いらっしゃいませ~。」
 
元気の良い店員の声が恭介の耳に聞こえてくる。
ひとまず都歌沙や澄香を探そうと店内をぐるっと見ると、小学生でもわかるような大きな横断幕が
張ってある一角を見つける。その文字を観た恭介はこのまま店を出たくなった。そこには、
 
 ☆転校おめでとう、恭介☆と書かれた横断幕が!?
 
「お客様、1名様ですか?」
「いや、今日は調子が悪くなったので帰ります。」
「は?」
 
居心地が悪そうなのでそう言って逃げ帰ろうろすると、見覚えのある店員が恭介の元にやってくる。
 
「いらっしゃませ恭介さん、お待ちしておりました。お席までご案内します。」
「あ…竹嶋さん。」
 
そう、恭介の同級生でもありここイグナリアでアルバイトをする竹嶋由布子・通称竹ちゃんが
お出迎えをしてくれる。これで、恭介はあの恥ずかしい横断幕がある所への強制連行が決まる。

「あ、お待たせ。」
 
デカイ横断幕のある席に着くと、すでにメンバーが揃っている様子だった。
  
「あ、恭介っち、来たね。」
「三千里クン、やっと来たわね。」
「こ、こんにちは三千里さん。」
 
都歌沙と澄香は面識があるのでわかる。だが1人見覚えがない娘がいる。
 
「なあ澄香、1人面識のない娘があるんだが。」
「え~、恭介っちあんたクラスメイトの顔を覚えてないの?」
「え、そうなの?」
「全く三千里クンは失礼なんだね。」
「す、すまん。」
 
澄香と都歌沙がイジワルっぽく言う。恭介は本当に見覚えがないので、素直に謝り誰かを聞く。
 
「この娘は恭介っちのクラスメイトでもあり私達の友達でもある北山有希。」
「あ、そうなんだ。えっと、三千里恭介です。」
「こ、こちらこそ宜しく。」
 
北山有希という娘は丁寧に挨拶をする。
 
(ずいぶんおとなしそうな娘だなぁ)
 
そんな第1印象であった。
 
「あ、三千里~、俺もいるよ~。」
「…帰れ!」
 
せっかく綺麗所の女性が3人もいる中にどくだみ草が生えてやがる。何でコイツがいるんだ?
 
「誰が丹下を呼んだんだ?」
 
不機嫌に都歌沙らに尋ねると、その答えは逆方向から聞こえてくる。
 
「すみません、私が話したんです。」
 
振り返るとそこにはメニューと注文用のポケコンを持った竹ちゃんの姿が。ウェトレス姿が眩しい。w
 
「そうですか、まあそれなら仕方がないですね。丹下~、そこの子供用イスを用意してやるわ。」
「三千里~、ちょっと冷たい。」
「何なら凍らせてやってもいいぞ。」
「(。´Д⊂)うぅ・・・。 恭介がいじめる~。」
 
そう言って、澄香の元へ寄りそう。
 
「おお、よしよし。可哀想に。」
 
そう言うと丹下の頭をなでる。その様子は飼い犬と飼い主の光景にしか見えない。w
 
「まあ、恭介。そう怒るな。」
「だってさ…」
「今日の歓迎会のスポンサー様なんだから無下にしてはいけない!」
 
両腕を腰に当てて、きっぱりとした態度で言う澄香。
 
 「え~!?」
 
1番驚いたのは丹下本人であった。(爆
 
「そんな訳で、みんなじゃんじゃん食べて飲んでくれ!」
「わ~い。」
「やった~。」
「ごちそうになります。」
「売上貢献に感謝です。」
 
一同は喜びにあふれている。
 
「う~、何でこうなるの…。」
 
泣きながら財布の中身を確認する丹下。ちょっとだけ可哀想に思う恭介であった。
 
(丹下、お前の好意は無駄にはしない。たっぷりたべさせていただくZE)
 
 じゃ、みんな乾杯~!
 
ファミレス・イグナリアは一部で大騒ぎのあるファミレスなので、お気を付け下さい。w
 
 
  -つづく-
 
ブログ一覧 | 【自作小説】刀をたずねて三千里 | 趣味
Posted at 2010/10/12 23:40:41

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

2025年秋発売 MOTOLECT ...
エーモン|株式会社エーモンさん

皆さんのおかげです(愛車いいね!8 ...
スプリンさん

Base Ball Bear - ...
kazoo zzさん

みんカラ:モニターキャンペーン【C ...
まんじゅさんさん

Claudeがどのように学習してき ...
ヒデノリさん

みんカラ:モニターキャンペーン【C ...
badmintonさん

この記事へのコメント

コメントはありません。

プロフィール

「ホンダの頭にホンダ」
何シテル?   05/13 16:39
再び色々ありまして、乗り換えです。 2回目のホンダ車でまた白に戻りました。 引き続き宜しくお願いいたします。。♪   一般人からみたらオタク系だと思...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

掲示板

<< 2025/9 >>

 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    

リンク・クリップ

トヨタ(純正) リアワイパーアーム 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/08/12 19:38:17
☆ アルファード ドアロック設定方法 シフト連動アンロック機能設定。 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/05/20 17:24:50
☆ アルファード 10後期 いろいろな設定&裏技 総集編 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/05/03 07:58:59

愛車一覧

ホンダ ステップワゴンスパーダ 白い風船 (ホンダ ステップワゴンスパーダ)
右翼曲折を経て新しい愛車を迎える事が出来ました。 まさかの新車は喜びですが、ちびちび支払 ...
ホンダ ステップワゴンスパーダ 紫式部 (ホンダ ステップワゴンスパーダ)
色々ありまして、クルマ替わりました。   人生初のホンダ車かつパープルです。   これま ...
ダイハツ タントカスタム 白い魔法使い (ダイハツ タントカスタム)
タントカスタムが親戚の家に嫁いでいったので行けば会えなくはないのですが、愛車ではなくなり ...
トヨタ アルファードG 銀魂アルファード (トヨタ アルファードG)
諸事情で前のクルマから16ヶ月で替わりました。   古くはなりましたか、懐かしきV6サウ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation