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第1章 刀を狩るモノ 11
おもむろに教室を出て行った恭介は教頭室を探すべく校内を探り始める。
「そうだ、教頭室に何か手掛かりがあるかもしれない。」
そう思った恭介は授業もそっちのけで教頭室を探し回る。
「…見つからない。」
校内をくまなく見て回る恭介だったが、教頭室を見付ける事は出来なかった。
「それ以前に、この学校広れぇ!?」
そう、ここ修学院大学付属高校は八九寺市に2校しかない高校の内の1校である。
近代化と高齢化対策を踏まえた都市設計をし新たな都市を形成すべく実験的に作られた町で
ある【八九寺市】は、人口7万人の中の高校生2500人の半数以上1400名を受け止める
マンモス校である。当然、校内はとにかくだだっ広い!
職員室だけでも各学年ごとにある為3つもあるのだからまだ転校して間がない恭介が校内を
把握出来てるはずがない。
しかも、今は授業中。生徒は教室にいるので、生徒から場所を聞ける訳がない。
もちろん授業中である以上、先生から場所を聞けるはずもない。
正直、今動く事はなかった、と後悔している恭介であった。(爆)
「あと、この上の階だけ探したら一旦、2年B組に戻ろう。」
そう思いながら走って階段を上がろうとしたその時、階段上に人影を見つける。
(ん、誰かいる!?)
気配を感じた恭介がその方向を見ると1人の生徒がいる、その容姿から女子生徒のようだ。
そして、その女子生徒も階段から恭介が上がってくるのを見つけ、声をかけてくる。
「おいこら、不良生徒。授業中に校内を走るとは何事じゃ?」
階段上から両手を腰に当て、完全に上から目線で恭介を見る女子生徒。
「そういうあんたこそ、授業中にここにいるのは真っ当な生徒ではないう証じゃないのか?」
恭介もその時思った事を素直にその女子生徒に言い返す。
「うむ、君の意見も一理あるが、この学校の生徒なら私がこの時間の校内を歩いているのに
そういう反論を投げかけてくる者はいない。もし、そういう意見を述べる輩がいるとしたら、
全くの部外者か新任の先生か、あるいは転校生か、ってトコだろうな。」
ニヤッとしながら言う女子生徒。その言いっぷりとその態度でこの女子生徒は何やらただならぬ
生徒であろうと予測した。あれこれ想定されるこの女子生徒の正体を推測しようと思ったが、
時間の無駄だと思い、ストレートに本人に尋ねる事にした。
「そうだ、私は先日転校してきたばかりで、あなたの名前も素姓もしらない。よければ
あなたの名前などを教えていただけるだろうか?」
そう尋ねた恭介に、フッと笑みを浮かべて、その女子生徒は返答を返す。
「ほう、君はなかなかおもしろいモノの尋ね方をする。そう、おおよそ学生とは思えない…な。」
しまった、今は学生である事をすっかり忘れていた。(爆)
一学生が尋ねる口調ではなかった、と気付いたがもう遅い。
はっ、もしかしてこの女子生徒もどこかの諜報機関の人間かもしれない、と考えてみる。
だが、そんな事がそうそうある訳はないのだが。w
「私の名は『
宮内 愛生(みやうち あやめ)』、修学院大学付属高校2年D組の
生徒にしてこの学校の生徒会長じゃ。」
「ええ、あんた生徒会長なんかいっ!?」
これにはさすがの恭介も驚きを隠せなかった。
「そうじゃ。そして、学校創立初の2年生による生徒会長でもある。」
そう言うと、えっへん!とした偉そうな態度を取る。その際、彼女の頭の上で【触覚】と呼ばれる
彼女の髪の毛がピコピコ動いている。なんかおもしろい。w
校内では変わりモノの類であるような彼女だが、生徒会長なら教頭室の場所を知ってるだろう。
ちょうどいい、彼女に聞いてみよう。
「ここで会ったのも何かの縁。すまないが、教頭室がどこにあるか教えてはくれぬだろうか?」
「それはかまわんが、今教頭室に行っても教頭がいるじょ。」
「は?」
何かおかしな事を口走ったぞ、彼女は!?
「は?とは何じゃ。教頭がいない時に侵入したいんじゃないのか?」
更におかしな事を口走ったぞ、彼女は!?
「てっきり、何かを探す為だと思ったのじゃが、違うのか?」
あ、そうか。おかしな事を言うとは思ったが、彼女の言う事はあながち間違ってはいない。
確かに、恭介はISAMより依頼のあったロンバルディアの情報を得る為に教頭室に行こうと
したのは事実だ。だが、彼女の言うように教頭自らが部屋にいては色々と問題が生じる。
そうなると、ここでは教頭室の場所だけ聞いてまた後で教頭のいないタイミングで部屋を
探すべきであろう、と。
「そ、そうだな。生徒会長の言うとおりだ。そう言う訳で教頭室の場所を教えてくれないか?」
「嫌じゃ!」
返答は即決で却下された。(爆)
「な、何で?」
「私はお前に名前を教えた。じゃが、お前は私にお前の名前を教えてもらってない。礼儀を
わきまえないモノに教頭室の場所を教える訳にはいかんからじゃ。」
あ、そういえば、俺の名前を言ってなかったわ。彼女が言うように礼儀に反していた。
「それは申し訳なかった。私の名は三千里恭介と言う。さっきも言ったように先日転校して
きたばかりで、あなたの事を生徒会長とかも含めて知らなかった事はお詫びする。」
そういうと、恭介は殺に深々と頭を下げる。
「よろしい、最初の礼儀はわきまえていなかった。じゃが、謝意を表してくれた事で
さっきの非礼はなかった事にしよう。」
はぁ、よかった。何とか不機嫌な様子は脱した感じだ。
「では、改めて生徒会長に尋ねる。教頭室の場所を教えていただけるだろうか?」
「では、こちらも改めて答える。嫌じゃ!」
ミ
(ノ_ _)ノ=3 ドテッ!
「な、何でですか。非礼はさっき詫びて許してくれたじゃないですか。」
「うむ、それについては許した。」
「ではなぜ?」
「今、教頭室の場所を教えてしまったら、お前は1人で教頭室に行くんじゃろ?」
「そりゃそうですが…」
「だから、嫌だ!と言ったのじゃ。」
「はぁぁぁぁぁ???」
彼女の言ってる意味がよくわからない…。
「じゃあ、代わりに生徒会長室を教えよう。」
ますますもって意味がわからない。
「あのぅ、どういう事でしょう?」
たまらず恭介が殺に尋ねる。
「昼食時間が終わり5時限目の授業が始まる時間に生徒会長室に来るんじゃ。」
「は?」
もう、訳がわからん!
「ちゃんと時間通りに生徒会長室に来たら教頭室の場所を教えてやろう。」
「…。」
「ん、どうしたんじゃ? 不機嫌そうな顔をして。」
そりゃ、不機嫌にもなるわ。(爆)
だが、ここは忍の1字。ガマンガマンっと。
「生徒会長、1つだけ、教えてください。」
「生徒会長とは他人行儀じゃなぁ、『
あやめ』と呼んでくれたらよいぞ。」
「…では、あやめさん。なぜ生徒会長室でなければ場所を教えてくれないのですか?」
「さっき言った時間にちゃんと来れば、教頭室の場所を教えてやる。それだけじゃ。」
「…。」
どうやらこれ以上は何も言ってくれそうにないな。
「では、昼食時間が終わるチャイムの時に生徒会長室に来ればいいのですね?」
「そうじゃ。」
「わかりました。では、また後ほど。」
「うむ、楽しみに待っておるぞ。」
そうして、お互いはその場所から離れた。
(三千里恭介か、おもしろそうな男子じゃなぁ)
あやめは心の底から嬉しい笑顔を誰もいない廊下で魅せていた。
そして、恭介は…
「くそっ、また間違えた。ここじゃないのか?」
あやめと別れたあと、自分の教室に戻るのにそれから1時間もかかり、やっと自分の教室に
戻れた時はもう2時限目が終わった頃だった。(爆)
-つづく-
<主な登場人物プロフィール>
☆
三千里 恭介(みせり きょうすけ) CV:中村悠一
国家機関の1つ文化庁所属の国家公務員であるのと同時にI・S・A・M日本支部職員でもある。
この度、その所属機関の任務で19歳ながら修学院大学付属高校の2年生として赴任。
世界の刀剣の管理・保護を目的とするISAMより恭介が認められた能力とは、
『体内に刀を収める事の出来る』能力を持つ術者である事である。
愛車は【スバル・インプレッサSTI(6MT)】。
☆
花畑 都歌沙(はなばたけ つかさ) CV:日笠陽子
恭介と同じ修学院大学付属高校2年B組の女子生徒。家は「花畑道場」という空手道場を
営む花柳流第5代総師範で都歌沙の父である花畑将庵(しょうあん)の2人いる娘の内の1人。
自身の空手の腕前も相当な者で、空手部の主将でもある。
そのせいもあって身長176cm、体重53kg、B87・W61・H90とスタイル抜群。
性格は道場の娘というのもあってか男勝りである。結構、勘は鋭い。w
トレードマークのポニーテールは空手の際髪が邪魔になるから縛っているだけと言うが、
これがなかなか似合っていると、クラスメイトもからも好評だそうだ。w
恭介の事は『三千里クン』と呼ぶ。
☆
花畑 香織(はなばたけ かおり) CV:米沢円
花畑姉妹の妹。都歌沙とは2歳年下で修学院大学付属中学3年生。
姉とは違い空手はやってない。性格はおとなしく優しい。
恭介の事は『お兄ちゃん』と呼ぶ。
☆
次田 里美(つぎた さとみ) CV:井上喜久子
I・S・A・M日本支部所属。聖バーナード教会の神父兼シスターでもある。八九寺市での
恭介の住まいを提供している。一応、上司でもあるが自称18歳(本当は4X歳w)にこだわる。
普段はシスタ-の衣装に身を纏っているが、私服ではゴスロリ衣装をこよなく愛する。
なぜか恭介には自身の事を『さとみん』と呼ばせているが理由は不明。w
恭介の事は『恭介クン』と呼ぶ。
☆
山本 澄香(やまもと すみか) CV:戸松遥
恭介らと同じクラスメイト。都歌沙とは親友で、よく2人一緒にいて「お花ちゃん」と呼んでいる。
肩下まで伸ばしている髪はストレートに降ろしている。
身長157cm、46kg、B83・w57・H86と細身なスタイル。
性格は非常に明るく活発でクラスのムードメーカーでもある。
最近、警察官の彼氏が出来たみたいだ。w
恭介の事は『恭介っち』と呼ぶ。
☆
菅波 朋子(すがなみ ともこ) CV:こやまきみこ
修学院大学付属高校・2年B組の担任。専門は国語。去年赴任して2年目の新米で25歳。
身長153cm、51kg、B94・W59・H88と小柄で巨乳。更に童顔と萌え要素バツグン。♥
生徒には押されっぱなしで、授業が進まない事もしばしば。だが、生徒からの人気は凄く
お姉さんにしたい先生NO.1でもある。
☆
竹嶋 由布子(たけしま ゆうこ) CV:阿澄佳奈
恭介とはクラスメイト。ファミレス【イグナリア】でバイトする勤労少女。
食べる事が大好きでバイト理由も安くいっぱい食べれるからだとか。w
身長151cm、54kg、B86・W62・H89と大食いの割にはスタイルはいい方である。
ツインテールがトレードマークで可愛い顔立ちな娘で、クラスの子からは「竹ちゃん」と呼ばれる。
恭介の事は『恭介さん』と呼ぶ。
☆
宮内 愛生(みやうち あやめ) CV:堀江由衣
修学院大学付属高校2年D組に所属するが、この学校の生徒会長でもある。
語尾に「じゃ」が付くのが印象的だが、その理由は中学までは岡山にいたからだ。
身長163sm、52kg、B85・W60・H87。破天荒な性格で生徒会長らしく成績は良いが、
それを鼻にかけることはない。でもそれ以外では上から目線でモノを言う事はよくある。w
恭介の事は、まだ何と言うか決めていない。w
まあ、簡単ではありますが、キャラ紹介をさせていただきました。
最後に、CVは脳内妄想ですので…。(爆)