2016年01月14日
~ホンダ E-JA2~
:「峠の茶屋にて」
ホンダやったらやっぱこれやねんで。
ていうたかて、うちは「えすに」も転がしてたんやけどな。
エスは良いで~。あ、まあ、うん、色々あってぇな。
この子は解体に転がってたの、うちが拾った。
軽自動車はバカにならんで。ほんま、うちが下りで負けた言うのもあるけど。
安いやろ、何より維持費が安い。ダートでリッター以下クラス、一番最下級にいるターボ軽メインでの戦闘機は特にそう。
タイヤが安く、使うオイルが少なく、維持の税金は車の比じゃない。
……ダートやと壊れやすいんで、ま、軽って言うたかてあんまかわらんけどな。
そう言えば今の軽もちと駄目やねん。ファッション性をあげた大口径ホイール、アレな。
軽の癖に15インチなんぞ履くなや。ぺらっぺらのタイヤになってアホみたく高いやんけ。
やからうちらみたいな連中には、こーいったちょいと古い方がいいねんな。
そりゃ、ボディは華奢や。けーじ入れるんも逆になやみどこ、って奴。
昔はこういう車が当たり前なんよ、剛性上げた方がいいっちゅー人多いけど、うちは違うで。
この時代なら三菱んが良いけど、そういうんちゃうねん。
徹底的な軽さに、目ぇ回す程ギンギン回ってくE07A。これ。
それにな、意外にいい音すんねん。まるで排気量がでかいみたいに。嘘やおもてるやろ?嘘ちゃうで!ほら、聞いてきぃな。
……んー♪えぇやろ?ごっつぃやろ(笑)
んであんた何のってはるん。……ふーん、うん、悪くないと思う、けど好みは違うんよ。それが個性っちゅーとこちゃうかな。
え?何あんた。缶コーヒー一本じゃ安いっちゅーの?んならおいでよ、下り一本。うちは阿良裳じゃちょっと幅きかせてんで。
あんたの一等好きな、本気と、うちの本気の本気で真っ正直に行ってみよーやん。
軽自動車ってバカにする奴、みんなうちがまとめて相手したるで!
~峠の茶屋にて・了~
ホンダ トゥデイ。
一部は友人のHPからの引用になってますが、基本今回ほぼ新作です。
この娘は、CVを見て判断して頂いて結構。判る人には絵も浮かぶ、そんな娘です。
で、女の子(です)にしたのは、軽自動車の雰囲気というか小柄で丸い車のイメージと、やんちゃな雰囲気を関西弁で出したかったという感じで。
まあ、もう少し丸っこいイメージで伝われば良いんですけど、私の知る「和歌山弁」だとどうしても可愛らしくない。んなんで、CV付けたってのもありますが。
トゥデイで「速い!」とは思ったことがないのですが、本当に気持ちよく走れる良いクルマでした。
何せパワーも少なく、好きなだけ振り回せる軽量コンパクトな車体も相まって、どんな道でも怖くないってイメージの、未だに好きな車の一つです。
何よりデザインが二台目シティにも似てるじゃないですか、ねぇ。
それに軽なのにえらく低い音でぼこぼこ鳴くし、よく考えたらビートの元なんですよね。
最も所有はしたことはありません。代車で乗ったのみ。ホンダはNAという有る意味極めて不利・非力ながら、それでも色んな競技シーンで活躍した、本当の名車だと私は思っています。
しかしホンダの軽は常々不遇の人生を歩んでいましたから、ビートのように深く長く愛される車が存在しているということは感慨深いものがあり、そして今やNシリーズは大人気車として揺るがない地位を築き、S660というスポーツカーまで擁するに至ったと思うと……
みんな、トゥデイを忘れちゃいけないんだよと言いたくなります(笑)
トゥデイアソシエRは恐らく最も優れたトゥデイです。
トゥデイ前期MTRECは恐らく最速のトゥデイです。
そして、角目最終型XTiは最も格好良いトゥデイです(爆)
私は代車のトゥデイに色々学ばせてもらったので、足を向けて眠れませんからね(笑)
Posted at 2016/01/14 22:19:01 | |
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湾岸風ホンダ車語り | クルマ
2016年01月09日
~ホンダ E-EG6~
:「墜落する夢」
気になることがある。
ふわりと身体が軽くなり、空を飛んでいる夢を見た事があるだろうか?
そんなに珍しい事じゃない。夢だから論理的におかしくたって問題もない。
でも、それが自分の意志じゃないことは大問題だ。
雲が流れている。自分の目の前から後ろに向かって。いつまでもいつまでも続く蒼い色と白い色の斑模様。
僕は本当に飛んだ事はないから知らないはずだ。そして少なくとも自由に飛べないのだから、これは墜落なんじゃないのか。
なのにどこも恐ろしくない。ただ、まるで先が見えない。このまま宇宙に到達しそうなほど。いや、いつかは地面が見えてくるのが本当か。
しかし、どこに墜ちていくのだろうと思ったとたんに暗転。
目が覚める。
静かな、暗い闇。
目が慣れるまでもなく、黄色い独特の街灯の色が室内にも差し込んでいる。
その色に照らされてオレンジに染まった世界に、僕は頭を差し入れる。
のばした左手が迷わずリクライニングレバーに触れ、一度離れた背もたれが再度背中に触れる。
視野に入るのは、ほとんど誰もいない、いつもの駐車場。ここは昔から通う峠の休憩所だ。夜になる前に車で来て、ここで一睡してから走り始める。
そんな時にあの夢を見るのだ。
オレンジの光の下で、内装に施された艶が白く見える。当然手入れをしているからなんだけど、昼間ではここまで綺麗には見えない。仕方がない。
ドアを開くと冷たい夜の空気が動き、肌を刺す。
ぐっとのびをして周囲を見回す。一台、真っ暗な中に止まっている軽があるが、アレは地元のユーザーか。
もうほとんど、ここにたむろする人間はいなくなってしまった。
本当にここからいなくなった人もいるし、ただ去っていっただけの人もいる。
連絡先なんか判らない。だから、もう多分会う事はない。
ヘッドライトの方へと向かい、一度自分の車を真正面から眺める。
ホンダE-EG6、当時の傑作車SiRを掲げるシビックの最上位グレード。
既にくすみはじめた黒いボディは年式相応だと思うけれど、見えない部分のほとんどに新品をつっこんでいる。
奇跡的にもまだ部販で全て新品が手に入るし、競技で使用するベースでもあるのでリビルト品もたやすく手に入る。
重要な部分では、クスコの競技部品でほとんど代用できるところもあるし、インテグラの部品流用は有名な話だ。まだ、ぎりぎり現役で扱える。
でももう新品を開発することはない。いつまで乗れるかは、正直判らない。
でも、それでも僕はこいつで走る。
コクピットに回って扉を開くと、聞き慣れた電子音がする。
そのままシートに滑り込んでキーを半回転。
かちり、と音がして、ぶうん、と通電すると同時に警告灯とエンジンチェックランプが点灯する。
エンジンチェック、終了。消灯を確認してそのままイグニッション。
短くスターターが甲高い音を立て、即座にエンジンは吹けあがった。
設計だけなら充分に古いB16Aは、NAらしからぬ大きな低音を奏で、太く静かなエキゾーストがアイドリングを始める。
目覚めを確認してシートベルトに手をかけ、扉を閉める。
暗い車内に、自分が沈む感じがする。目で見る必要はない、手を伸ばせばどこに何があるのかがすぐに判る。
慣れた手つきでスモールを点灯させ、シフトレバーへと左手を伸ばす。
さあ。
行こう。
いつか夢の中で、飛べるようになるために。
~墜落する夢・了~
と言う訳で例の湾岸風に車を紹介するアレ、やってみました。
以前友人のHPで連載させてもらっていた文章なので、もしかしたらgoogleさんででてくるやも知れませんね。
まんまじゃないです。年喰ってるので(笑)その部分だけ加筆修正しています。
元々は湾岸ミッドナイト風を峠ステージでという、頭文字モドキに更に実験的要素を詰め込んで書いていたモノで、何の縛りもかけずにだらだら書いていたので手元には友人のHPに出してない分も手持ちしてます。
EG6は最初に乗ったマニュアル車になります。
元々EG4・ATだったのですけど、こいつを2万キロ・半年で降りてEG6に乗り換えたのでした。
当時は既にEK9も中古で出回っていたのですけど(当時に入手してれば結構良い出球もあっただろうけど)、このEG6が極上。しかも正直、手が入ってるのはダウンサスだけという代物でした。
なので、さっさとSSRに履き替え、購入と同時に出たばかりのTEIN EDFCを乗っけて走り回りました。
最終年式ということもあり、内装も良かったですね。
B16Aの性能としては、暖気するまでの鈍さが特徴だったと記憶しています。特段なにか悪かったとは思いませんけど、これまた1年でB20TCなる二リッターチューンドに載せ替えたりとあのころの自由さはホント振り返るだけでもとんでもなかったですねぇ。
EG4用で購入していたアペックスのマグナムメガホンをそのまま使って、さすがに細いのでエンジン購入時に砲弾に換えたりと、その時点でかなり手を加えていました。
EG6はパワフル・広い室内と極めて面白い、まさにホットハッチ。
更に見る角度で険しくも、優しくも見える柔らかい曲線で描かれたボディラインに惹かれてました。EKはどっちかというと「温故知新」的で、直線的でしたから、『ビートに似ている』のはやっぱりEGだったのですよ(笑)
今の基礎の基礎を教えてもらった、最初で最後のフルチューン車両です。
もう一度乗れるなら、最後の花道にFISCO通いしたところから再度やりたいかなぁ。いや、もういいかな(笑)
Posted at 2016/01/09 19:57:35 | |
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