是非どっかやってないかと探して見るも、ないねぇ。
で、と思ったらソレっぽい(中身じゃなくてね)雰囲気なのもあるにはある。
中身はとっても残念だけど。
私の知っている知識とは斜め上位違う方向から切り込み、正しいんだか間違ってるんだか理解するまで時間のかかる文章をずらり。
で、よくよく考えたらおかしい表記が混じってることに気づいて、「説明する気がないのか、わざとわかりにくく書いているのか」正直理解に苦しむ。
まるで何も知らない素人が車を観察して感想文を書いているようだ。
たとえば、モノコックボディに関して知識もなく、「どうしてボディは薄い鉄板なのか」を首をかしげて考察している。
それ自体悪いとは言わないけど。
たとえばアルトという強烈な車がありますよね。アレ、鈴木社長も肝煎りでしょうよ。
そして極めてスズキらしい完成度を誇るボディです。
削るところを削り、盛らず剛性を確保するという極めて……日本人らしいボディです。
アレでデザインがもう少し薄ければ良かったんだけど(ロングストロークエンジン+垂直置きでボンネット上の空間確保等車検場どうしようもなく厚くなる)。
あ、でもワークスだったら普段乗り最高ですよね。絶対。
おもちゃ的な加工にも十二分に耐えうる安っぽさって、うちら素人弄りにはありがたいんですよ。
買い直しも安い、弄るにも易いと言うことない。
おっととりあえず閑話休題。
で、ですね。
アルト自体は全体剛性を持つように計算・加工された現代モノコックのおそらく最高峰と言って過言ではないです。
ホワイトボディだと下手すると400kg切ってる可能性もありますね。アナウンスされてませんので判りませんが。
そしてもう一つ大事な話。
何故、鉄を使用するのか?鉄に混じりものを入れたハイテンってぇのを使うのか。
ステンレスの方が遙かに強靱です。アルミの方が剛性高くできます。最近はそう、プリプレグによるカーボン材料の採用もあります。
端的に言えば安いんですね。何万台と量産する製品にもかかわらず、単価に直撃するような材料は用いることが出来ない。
ステンレスは加工、価格が高い。アルミは更に高い。倍では効かない。
しかしハイテンは高くても1.5倍程度なので、剛性があがる分材料使用頻度を下げて同程度の価格に持ち込める。
そして鉄以外の材料って、実は壊れたら終わり。この辺り、ロータスエリーゼ乗りであればご理解は容易でしょう。
だので、ハイテンを一部に基本採用しつつ、安い鉄材料で組む訳です。
スポーツカーでアルミを採用したりするとこにもこだわりと理由があるのです。
アルミって、電気は流れないし柔らかいし腐食激しいしで車のボディには「剛性」と「軽量」以外利点がほとんどないんですよ。
とどめが異種金属接触腐食っつー、製造時以前に考慮すべきこともあってなかなか。もちろん、対策済みとはいえその対策が加工そのものに影響することもあり(ようするに特殊技術ってことになる。鉄と鉄系ならほとんど関係なくてもね)、そして設計時は問題がなくても経年劣化による変化や気候によって思わぬ状態が発生しようものならその時点で偉いことになる訳で。
ようは補償の問題ですかね。事故起こそうもんならテレビで見たこともあるでしょう。
そう言う部分は実績が物を言います。
で、スポーツカーや高級車は『そう言う顧客』しか買わないわけですよ。高級車は
「壊れた」ってディーラーに持ち込んでくるだけだし、説明を聞いて「買い直す」事もある。
要するに「上客」だから採用したって文句は出ない。
スポーツカー乗りは「だってこの方が軽いでしょ?」って言えば顔をしかめるだけだ。
少なくともクレームに発展はしないし、こっちも湯水の如く金を払ってくれる。
ところが乗用車ではそうは行かない。
誰が乗るか判らないし、どんな運転するか判ったもんじゃない。
最近じゃ行きすぎて半自動運転車両が多いこと。
そこまでドライバーに何もさせないのかと。ああ、そりゃそっちのエンジニアの掌の中に有る限りは保証するんだろうね。GT-Rですらそうだからなぁ。
だから結構冒険しても良いわけですよ。F-1ほどじゃないけど。
その代わり利益率もそんなに高くないんでしょうけどねぇ。
ま、そう言うわけで、鉄系の材料ってのは実績もあり使い勝手もよく、乗用車には鉄しかない。そうなるんです。安いし。
そしてモノコックボディってのは、考え方は球体、たまごが堅い理由。
もしたまごが、一部柔らかい紙とかだったらどうなりますかね。
柔らかい部分に力が集中してそこから壊れる訳ですよね?
だので通常、モノコックボディでは応力拡散という考え方で強度を見ていき、足りない強度を厚みや構造であげていきます。
この時難しいのは、応力の分散がうまくないと結局後づけ部分に集中してきたり、逃げた応力がその周辺で破壊をもたらすことがあるということなんですね。
いたちごっこになるんですよ、後付だと。
逆の言い方をすれば、それが設計上終わってしまっていれば良いわけです。後々に行うスポット増しや板の後付溶接、梁の追加などは残念ながら応力集中を無駄に生む悪い方法で。
それしかないからやるけど。ということなんです。
それが設計ならば初めから応力を分散するように形状変更等できますよね。
そう言うことです。
実は最近はハイテンの加工が大変なんで、結局古い作り方ですがインナー、アウターという構造にしてる場合もあったりするんですけどね。
この場合アウターには応力がほとんど加わらないので薄く・軽く作れる上デザイン性に富む、とのこと。
FITはこの構造を採用し、生産効率もあげ、価格を抑えているとのことです。
だのでFIT3の登場直後問題リコールが立て続けに出たのは、仕方がないんですね。
最新技術を盛りすぎたんです。
良いか悪いかはここでは語りませんが。
そう言うインナー構造を持てば、当然外板はプラでも問題発生しません。
AZ-1がそうであったように。
コペンがそうであるように。
プラ自体、材料費は安いのでかなりコストダウンできるんですね。
しかし問題は金型と呼ばれる大量生産に必要な雌型です。
初期投資が絶対必要で、これが鉄を加工するよりもかかるわけで。しかも専用品ですよ。鉄加工なら治具っていうもので済み、ほとんど工具の金額として使えるところがね。
そこでコペンは外板の取り付け規格を一般化させたことを解決策としたのではないかなと思います。
純正外板はレーザー計測による精密な量産を行っているんだとか聞きましたが、何故でしょうか?
そう、鉄板と違って後で加工出来ないんですよ。ちり合わせの為に叩くことものばすことも、曲げることすらできないんです。
後ではどうしようもないんです。プラスチックの外板が一般化しないのは、そう言う生産性の悪さだとも言えるでしょう。
ま、今すぐにでも量産品の外板をプラにするなら、一世代前の車のように、シャシーを作ってそこに架装するカタチになるんでしょうな。
その方が安くなるかもね。