2022年10月29日
純正足は抵抗を利用したもので、伸び・縮み共当然摩擦力を用いるので同じ減衰力が立ち上がる。
ようはゴム製のピストンがパイプの中を上下するようなイメージで間違いないだろう。
なので沈みきったら戻ってこないし、ガス抜けなどのヘタリもまずない。内部に満たされるのはタダの空気だろうし、1気圧なのであれば密閉部にダメージも殆どないだろう。
車高調の減衰力は調整できる、ってことは、通常そう言う構造ではないのです。
構造は似てるものの、内部には油が充填され密閉されているのです。
さらにシリンダ内部のピストンは少し特徴的な構造をしている。
ピストンは油を完全密閉していた場合、伸びる事も縮む事もできないでしょう。
何故か?液体は圧縮しても普通は縮みません。だので、ピストンに孔が開いているはずです。これを「漏孔」と呼び、油が漏孔を抜けることでピストンが移動し、その際に発生する抵抗が減衰力になってる訳です。
この孔を調整できる構造になっていたならば、例えば車高調なんかのダイヤルが軸上にあるのはこれですね、油の流れる量が変化でき、結果抵抗(減衰力)が調整できるようになります。
もちろんこのピストンの動きにより油が熱を帯び、膨張することで圧力が発生するので前述の構造より密閉度が重要だし、そんなだから油の量を増やすことで圧の発生を低下させるような構造ってのも考案されている。
いわゆる外部タンク式ですね。
まあ、私はずっとダブルウイッシュボーンの車両だったので使ったことはない。マクファーソンストラットだとサスペンションはナックル直付なので熱を帯びやすく、油の量をどうしても増やさざるを得ないことから、日産のスポーツカーなんかでは採用例もあるハズだと思う。S660では構造上流石に無理だと聞いたが……どうなんだろうか。
さて、で。
油封入式では内部で動くフルードの性能が劣化するので、ある程度の距離や発熱によりサスペンション性能は劣化する。
純正採用されている単純な摩擦式では、部品のへたりだけなので、なめらかに動くように設計されている限り大きく変化することはまずない。
その代わり大きな減衰力を発揮することは難しい。
寿命の長さはこのあたりに起因します。
で、調べてみればnewSRはガス封入式サスペンションだという。
ん?ガス?
えっと、気体と液体では考慮すべき事が違うんですが、先程まで話をしていた油封入式サスペンションでは油がもつ抵抗と摩擦に寄る発熱で抵抗を発生させることで減衰力を立ち上げています。
実は油は圧縮してもほとんど縮みません。水を満たしたシリンジを塞ぐと、圧縮も膨張もできないようになるはず。
だので、ピストン中心に孔を開けて、軸を伝って液体が流れる構造にしているのが油封入式サスペンションにおける減衰力の発生方法。
これだと、油が圧縮も膨張も熱を受ける以外には起き得ないからこそ、パスカルの定理の通り安定した減衰力を立ち上げる事ができ、性能を設計し易い(当然計算も容易にできる)ので車高調では必ず使われているはず。
まあフルードや弁、ベンチュリなど内部構造にはノウハウがあるだろうから、私のように理解だけしていても作れる事はないですが。
逆に気体は、押し縮めるとバネ同様のリニアな挙動を示し、発生する圧力により押し戻そう、もとに戻ろうとする力は縮めた分発生します。
というかガスサスペンションはバネを必要としません。例えばリアハッチや、場合によってはボンネットなどに取り付けられたガススプリングはサスペンションと同様の形状・同様の機能を持ちます。
車両のサスペンションはほとんどがそうではないですね。ショックアブソーバとコイルばねの組み合わせ(トラックや一部の三菱車両などは板バネ)のハズ。
ん、つまり、newSRは単体でもバネの役割を果たせるため、「伸び」に強い構造であると言えます。
車高が上がりやすいってのはこれもあるんでしょう。
単純にバネ力を強くしたのと同じような効果が得られるとも言え、もちろんガス抜けによるヘタリも起きやすいのです。
まあ、ハイブリッド構造(内部にガスが入ったアキュムレータを含む圧力を保つ構造)な可能性もありますが……価格的にまずないと思う。そんな複雑な構造にする理由がない。
実際、newSRを体重かけて押し込むと、純正は戻らずnewSRは戻ってくる。
これはばね定数が増えるイメージになるはずだろう。
だのでnewSRにはダウンサスを組み合わせる事が正しいハズ。純正バネで設計してるとばかり思っていたけれど違うようだ。
当然ばね定数で車高が決まるのではなく、自由長だけで決まる。newSRに純正ばねなんか合わせた日には、当然車高は純正よりも上がるわな。
newSRは単品では名前の通りサスペンションなので、バンプラバー、ダストブーツ、アッパーマウント周辺部位がそっくりそのまま必要になります。
問題なのは純正部品のうちスプリングシートが確か欠品中のはず。だので純正足がそっくりそのまま必要なんですが。ああ、まあ例えばクスコでピロ1両分だと約6万。
しかもダストブーツとバンプラバーは純正を買わなきゃいけない。純正のアッパーマウントは約1万4千円と比較的安いのに。まあゴム製なのでへたるし、結局スラストベアリングが必要になるのでそのあたりまとめて中古で手に入れたい訳です。
という訳で、とりあえずってんなら、純正足リフレッシュ+ダウンサスから始めるべきかと。
せっかくバラすんだし、RS★R1両分なら2万しないし車検通るし。なによりRS★Rのバネはへたりにくい。
で、気が向いた頃にnewSR買って組むのもいいかなぁと。
もちろんクスコのピロアッパーを追加するのも有りだと思う。ピロだとスラストベアリング周りは不要だし、ベアリング+ゴムよりステアリングが軽くなると言われてる。ま、そうだろう。パワステがない車なんで純正組でもフロントだけピロ化しても良い気がしてる。
いや、それは有りだ。
という訳で、まずはリフレッシュさせる算段をしてから、懐具合と当時の状況で組み上げていこう。
Posted at 2022/10/29 17:08:39 | |
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チューニング | クルマ
2022年10月29日
表題書いてて一言「無理」って冗談抜きで思ったが。
イタリア車は今でも、今の技術でもって完全なレストアできるんだよなぁ。
ただし2000万近くするけれど。
そんな記憶から、とりあえず方針は決まっていて。
個人でできるのは純正パーツを取り合えず買う、って事。
もちろんレストアできるかどうかとかあるけれど、基本的に整備ってのは性能を引き出すことにある。
劣化した部品を新品に交換していかないと、これを維持することはできない。
でもどんな車でも交換出来ないものがある。
ボディ。
こればかりはどうしようもない。事実、完全ではないにせよモノコック構造だけに、一部の劣化は応力集中により破綻を迎える。もう少し古い車であればシャシーを交換することは難しくはない。
ラダーやスペースドなんかはどうにかなる。
尤もこれも完璧じゃあないし、大掛かりには違いない。
セミとはいえモノコックであれば、外板の張替えである程度は補えるし、逆にがっちがちに剛性を上げきれば別の方向性も見えてくる。
特に90年代の日本の車の殆どは、そもそも箱がねじれる・たわむ・歪むことを念頭にいれて弄られている事も少なくないし、考慮されている事がほとんどだ。
とはいえ、コストが大きくかかるし、「戻し」じゃあない。
で、手放すことをそもそも念頭に入れて、取り付けている別の意味でも大事なパーツは別途確保することで考慮すれば、代替品は必ず必要になる。
昔の車検と違い、社外品でも特段の問題はないし、むしろ現代の技術で作った方が良いものもある。電装品とかプラとか。
だので部品再販は嬉しいんだけれどなぁ。一部の無関係な人間やちょいとたちの悪い連中が一部買い占めを行ってたりする。
とは言え純正品再販は、正直高い。かなり。
例えばサスペンションリア片方、4万。どこの外車だ。
対し車両1両分のnewSR、5万。車高調で10万から15万程度から。
実は純正品で未だ、肝心な部品の再販もない。
ある程度は対応できるわけだが。
だので中古品を入手して、各部品を作るなり整備するなりして使用可能なレベルへとレストアする。まあ、これが一番確実と言えると思う。
完全な純正戻しでなくとも、性能がある程度戻った上で更にしばらく乗れる。
という訳でようやく純正足を手に入れた。
各部品はある程度出るんだけれど、どうしても出ない部品もあるので新品突っ込めないのも実はあるので中古が必須なのです。
アッパーマウントはまだ出そう。バンプラバーも出る。フロントに乗っかるベアリングもまだ出るかなぁ?出てくれれば随分良いんだけれど。
ぼちぼち純正足を整備していこう。サスペンション自体はnewSRを購入する予定。
問題はバネだよねぇ。実は物心付いた頃には車高調使ってたのでダウンサススプリングなど使ったことがない。
サスペンションはある程度純正+で復活させる事が決まったが……スプリングをどうするかはまだ決まらない。
とりあえずバラして必要な新品突っ込もうかな。
Posted at 2022/10/29 09:29:22 | |
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整備 | クルマ