
ギックリ腰を発症した直後だった為、痛いの我慢して乗ってきました。
丁度1週前。
軽自動車の中古車市場が高騰との事で、新車から3年でピクシスエポック(トヨタ販売のミライース)から乗り換えた友人。
ずいぶん納得行かない納車状態だったようですが、ディーラーでの再調整を受け
「コレいいと思うんだけど・・・!」
と言う事で。
トヨタのピクシスJOY、ダイハツ名は「キャスト」。(以下トヨタキャスト)
最近流行りの「屋根だけ色替え」が純正で用意されたモデル。
このトヨタキャストはカラーコーディネートの自由度が売りらしいのですが、そこで個性を出すとすごい金額になるとの事。
友人はポップな仕上がりの車に個性での金額反映が腹立たしいということで、
「オールブラック」(カラー追金なし)
と言う漢(オトコ@勇者の意)の選択。
まるで営業車を購入するようなオプション無しの選択を新車でできる潔いところが長く友人していて凄いと思うw
ともあれ漢のマシンに乗ってみた。
前列フラットシート。
後列リクライニング付きシート。
トヨタキャストは狭い空間を大きく使うために創意工夫が入ってます。
質感とかは価格なりですが、今の世の中で300万以下の車に1000万円超の車両の室内質感求めるアホはいないでしょうから、それなりということで。
試乗前から先読みで分かっていた事。
今時の車、どのメーカーのどの車にも言えますが、
「不満無く普通」
「全て値段成り」
「制限速度内なら安全」
走りも普通に走るので、走りの質感求めるなら速度を出さなければ、
「どれ買っても値段差」
と言う事でカタ(決着)が付きます。
適合する用途に合わせて、予算や車両形状を合わせて、そのターゲットに複数の会社から似たような用途の車を照らし合わせると、その魅力の差や装備や諸元は値段なりという意味です。
じゃあ価格差に走りの要素はあるのか?
今回試乗したこの車のクラスだと正直あまり大差無いかなって。
スポーツカーやツーリングセダンだとこの辺りも重要で価格の反映も大きいでしょうけど。
基本的にメーカーのプロドライバーや開発者が車両のコンセプトから決めた走行性能と乗り味。
完成度高いから俄仕込みでは介入できないと思います、経験からの感想ですけど。
オーナーという素人が見た目の要素を介入させると、快適性が損なわれる現実。
「純正足にちょい足し」ってのは、かなり難易度高いと思ってます。
今の車でこのクラスなら、純正で車なりに過不足なく走るだろうなと。
さて、現車に乗って。
内装の感じはまあまあ良い。
車なりですが、良くまとまっていると思います。
運転の感触もやはり過不足なく走るのですが・・・ですが・・・・・はずですが・・・
なんじゃい、この
ドン臭いステア感触は!!
純正最強を思う自分からは納得行かない!!!!!!
つい最近出た車だよね?
これはいくら何でも無いんじゃないか?
厳密に言うと、ステアを切り出して指4本のところまで車のヨーが発生しない。
それを超えると急にヨーが現状の舵角に対して発生するため、
「ハンドルのバキ切り」
をしてあげないと思ったところで反応しない。
平たく言うと、ハンドルセンター付近のステア操作が全く反応しない感じ。
??????純正だよね??????
腰がシクシク痛みだしているのにあり得ない純正ステア反応にトヨタキャストの評価が・・・・・・。
そこで友人が助手席で
「そこに横滑り解除ボタンあるけどやってみる?一応・・・・」
「???」
一応ってのが気になったけどポチッとな。
をををを!!
ステアがちゃんと戻った!!
指1本からちゃんとタイヤが答えてくれている!
これよ!!
純正の設定は間違っていなかった!!
さすがプロドライバー、偉い凄い、かっこいい!!
切った感じから友人に
「この車、起動時に横滑り消して走らないと、一般道が怖いよ。」
「高速で速度出ているならあってもいいかもしれないけど、町中は良いことなんにもないし、切ればこの車が正しく反応してくれるから車両の芯は良いから切った方が良い!!」
って言ったら、言いにくそうに返答が
「MDiさ、この横滑りオフが勝手に切れるんだよね・・・」
「はぁ?」
最初友人が何言っているのか理解できなかったw
「スイッチだよね?普通切ったら切れっぱなしじゃないの?エンジン切るまで。」
「走行中に勝手に横滑りが元に戻るんだよね・・・・」
言われる通り程なく
走行中にオフが勝手にオンになりガッカリなステアインフォメーションに。
何とも言い難い雰囲気で試乗終了。
なんかモヤモヤしたままギックリ腰発症でそのまま放置。
今日になってふと思い当たる。
「説明書に書いてあるんじゃないか?」
ダメ元でダイハツのHP調べたら説明書がPDFでWEB閲覧可能。
この操作でやっていたのは、オフスイッチをぽちっとして、スイッチをすぐ離していたためTRCのみOFFと言う状態。
時速15キロ以上で復元するとのこと。
(これは雪道での発進時TRCが働くと動けないため、動き出すまで一時的に作動を停めるモードとのこと。)
取説のP198下段「豆知識」参照。
正しい解除の方法は、エンジンをオンにして3秒以上長くTRCスイッチを長押しすると、TRCとVSCも一緒に切れて、トヨタキャストの持つ本来のコントロール性を使うことが出来ます。
同時にVSC=ビークルスタビリティーコントロールも切れるので、うっかり攻め込むと刺さる仕様。
でも一般道の走行ではハンドルセンター付近での反応が指4本分、左右で指8本分センターが全くない感触になる制御よりは安全な運行が出来ると思います。
どうしてこうなったか意味不明。
ともあれ試乗時はこの切り方が判らなかったので、制御が切れていた時の感触を評価します。
トヨタキャストの評価
横滑りなしの場合:
非常に取り回し、居住空間、車の動きなど優秀な良い車です!
車としての基本骨格、車体に関しては文句の付け所がないほどよい反応でした。
車両のハード側には軽自動車業界で長く生きてきたノウハウが詰まった良い完成度でした。
外装カラーコーディネートを本気でやると本体価格に10万くらいは簡単に載ってくるとのこと(フルオプションで+80万らしい)なので、外見にこだわりのある方は結構危険かもしれません。
同時に足も純正で良い所に収まっていたので、カラフルな組み合わせカラーを選んだユーザーさんはローダウンとかやり始める人が多く出てくると思います。
足回りや外装メーカーの人はチャンスですよ!!(なにが?w)
ともあれ車体は良い車ですが、標準状態で電子制御が車の持っている本来の良さを安全制御で潰してしまう上に、正しい運転操作が出来ないクセが付く可能性があるので、運転に自信のある人や、初心者ほどリスク増大を覚悟のしてTRCスイッチを3秒押して運転していただきたいと思います。
この車の発進前に3秒ボタンを押すクセをつければ幸せなドライブ空間が待っていると思います。
その代わり
安全制御切って事故ったとしても自己責任ですので、私のブログ見てそそのかされたとか言う人や、そういう自分で起こした事故を他の人のせいにする精神構造の人はそもそも切っちゃダメですよ。
免許を持つ大人としてどちらが正しいのかよく考えて判断して
「自分の責任で操作」してください。
この解除方法教えた友人からこのような返信が。
人それぞれのカーライフ、安全に楽しく走って貰えればと思います!
2018年3月14日追記:
推測ながらこの電制症状、仕上げのテスト開発ドライバーがハンドルバキ切りする「速いだけのドライバー」だったかもしれませんね。
上手な運転の出来ない、タイムだけは出せる速いだけのドライバーの運転なら確かに電制によるバキ切りでも問題出ないでしょうけど。
こういう「正しく動く車を正しい操作で正しく運転する」事が出来ないドライバーを開発ドライバーにするとこういう車が出来るんだなと感じました。
速くてタイムが出るのが正義なのはスプリント競技だけで、耐久レース走行では通用しません。
もちろん耐久レースでダメって事はイコールで雨走行など路面が変わる所でまともに走れない事が証拠です。
この電制による操作フィールは間違っていると、私なら断言する感触でした。
電制無い所までの開発ドライバーは優秀と思う完成度でしたが、電制の開発ドライバーがイマイチだったのかなと推測しております。
いずれも購入者には責任がない話。
けど、バキ切り強制されるような車は、購入者の運転スタイルに悪影響を与えるため、即刻ダイハツ社が対処に乗り出すべきだと思いました。
一番の戦略車「ミライース」でこの仕上がりにすると会社傾くと思う程に感じました。