予行前のひとひねり

８月も最後の週となりました。

来るべき航空祭予行スケジュールの発表はまだですが、それでもサービス満点のパイロットが華麗な垂直バンクを披露して、今日も「定期航路」に向かいます。

垂直バンクは、実際のドグファイトでは高高度で頻繁に使われる技だと思いますが、何せこっちは訓練空域のそんな高高度まで行けません。だから、これは最上級のサービスなのです。

こんなにひねったら、主翼の浮力はほとんど発生せず、このまま放っておいたら滑り落ちるでしょう。
そこでわずかに機体で浮力を得るために、カウンターステアを当てているのが分かると思います。

地上のカメラマンは、そんな健気さに何とか報いたいと、３００ｍｍレンズの解像度を目いっぱい上げ、面積費９倍ものトリミングで応えるのです。

まあ、自己満足ともいいますけどね。




一方この機は、地上の期待を裏切り、穏やかなひねりでそつなくやり過ごそうとの魂胆が見え見えです。よって、滑り落ちることもないことからラダーは当てていません。

どちらのパイロットが早く昇進するかという件については分かりかねますが、国家公務員として地上の国民を喜ばせるのは断然前者です。

今朝は４時に起きて、半分寝たままの頭でテントふた張り撤収しましたが、盆踊りで撮った正面写真を被写体の綺麗どころのお姉さん方にお配りするのは、今夜熟睡してからの仕事とします。


大和民族のサービス精神というのは、このように報われることに期待しないことを由とする美学なのです。