• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

zymol 初心者のブログ一覧

2007年05月12日 イイね!

とある思い出(後編)

こんな人里はなれた山道で夜を過ごすわけにはいかない。
バーストした前2輪のうち、左の車輪をジャッキアップして外す。
外したタイヤを肩に背負って山道を10km下りる。マグネシウムホイールは、単体では軽く、指一本でひょいひょいと持ち上げられるほどだ。もともとは、ばね下重量軽減のために装着したものだった。スペアタイヤの分も含めると計5本がミシュランとクロモドーラだった。
国道に出た。さらに国道をタイヤ屋を捜し求めて1キロほど歩く。脇をほかのクルマがかすめていく。
ヒッチハイクにしてはえらく風変わりなスタイルに、「乗っていかないか?」と声をかけるものはいなかった。声を掛けられたとしても断っただろう。当時の私は、今以上に頑固で体力があった。
やがて1軒のタイヤ屋を見つける。
「これ、直せるか?」
「いやー、うちはまだチューブレスタイヤ扱っていないもんで」
タイヤといえばバイアス構造のチューブ付きのものがほとんどだったし、ウオール部のバーストが致命的で交換以外に手がないことをそのオヤジは知っていたかどうかは分からない。
「じゃー、チューブレスタイヤの中にチューブ入れることにするから、すぐに作業に取り掛かって」

再び、異様なヒッチハイカーはもと来た道を帰る。下るときはあんなに早かった脚も登りとなるとさすがに重い。まあしかし、マグネシウムは軽くて助かった。少年時代、写真撮影のとき、フラッシュをたくときにもマグネシウム粉末が用いられたことや金属ナトリウムを水に入れると激しく燃えることなどを思い出しながらひたすら登る。鼻歌は出なかった代わりに汗が出た。
登ること3時間半、ようやく山道に頓挫する愛車が見えた。
チューブ付きミシュランとスペアのミシュランにより、岩を避けながら慎重に下る。時刻は17時を回っていた。腹がグーと鳴く。そう言えば、昼飯食ってないなー。
翌日、アルバイト先のカーショップで新品のチューブレスミシュランに換えて、再び何事もなかったかのように激走の毎日に戻ったのだった。
Posted at 2007/05/12 10:58:12 | コメント(2) | トラックバック(0) | History | 日記
2007年05月11日 イイね!

「ついにその日はやってきたPART2」

もともと我々が享受できるエネルギー資源は、本来地球に内在するものと太陽から得られるもの以外にない。
20世紀は、地球に内在するものをむさぼって文明が花開いたものだ。残るは、無限ともいえる太陽エネルギーに活路を見出すほかない。

徹底したリサイクルによって得られる石油への還元化は、ことのほかコストが嵩み営々とした努力によってももはや限界があった。
人々は、やむを得ず1世紀昔に戻ることを決心した。
利用できるエネルギーは何でも利用した。風力発電の風車は山々の稜線を覆い尽くし、民家の屋根やビルの壁面と屋上は太陽電池パネルが覆った。しかし、得られるエネルギー量は文明をこれ以上発展させるほど多くはなかった。
同じく苦境に立たされた原発反対派住民にとっても、いやおうなしにエネルギーの必要性は痛感され、原発はその安全性の確保に徹底した対策が施され、徐々に稼動していった。

当然、国家経済は破綻寸前となりGDPは一時の1/3にまで落ち込んだ。だが、みな生きてゆかねばならない。
大方の人にとっての交通手段は、自転車となっていた。かつては1万円そこそこで購入できた「新車」も、いまでは軽く50万円を超えるものが一般的となった。
それでも、二次電池でサポートするタイプや、オートマチックトランスミッションを備える高級車が新聞広告やインターネットを賑わした。

この危機は、石油を露天掘りできるアメリカを除いてはヨーロッパも同じだった。
小学生たちの遠足には「自動車博物館」が人気となった。そこに行けば、お爺さんが自慢していたポルシェもフェラーリもメルセデスもあった。いまは自転車メーカーとして名声を欲しいままにしているかつての老舗だ。

多くの熱エネルギーを大気に放出することが出来なくなってからしばらく経って、地球の温暖化は緩慢にだが下降しはじめ、北極海の氷の融解も徐々に少なくなっていった。平均気温も0.5℃ずつ毎年下がりはじめ、海抜0m付近にあった都市は水没を免れたし、大型の竜巻も次第に発生頻度を下げていった。
人々に笑顔が戻りつつあった。
Posted at 2007/05/11 23:11:38 | コメント(2) | トラックバック(0) | History | 日記
2007年05月11日 イイね!

近未来小説もどき「ついにその日はやってきた」

20○○年、ついにその日はやってきた。

今年も電力規制により冷房の効かない夏だというのに、国会では与野党ともに連日かつてない真剣な議論が戦わされていた。

「大体がですねー、最高で100km/hしか出せない国産車のスピードメーターが何で180km/hも刻んであるのか!」自転車とバスを乗り継ぎ国会に毎日「通勤」してくる野党議員。
「えー、既に大型車両には90km/h以上出せないよう、厳しい規制が施されているところであり、近年のエネルギー事情を鑑み、それ以外の一般車両にもやはり同様な規制が必要だと考えているわけでして」担当大臣は額の汗をせわしなくハンカチで拭く。
「では大臣、一般車両のスピードリミッターを最高100km/hにするとともに、大型車両には60km/hのスピードリミッター取り付けの義務を課すことをここにご提案します」
怒号と拍手の嵐が終わるとともに、議員たちの頭に去来したのは先のOPECでの気の遠くなるような石油輸出量制限案の決議だった。
これは、まだ序盤に過ぎなかった。

一方、相次いで起きる原発の事故隠しに業を煮やした地元住民により、それまで国内の1/3の電力を原発で賄ってきた電力各社は、その規模を大幅に縮小せざるを得なくなった結果、いまでは最繁期の1/10しか原子力に委ねられず、火力発電も燃料の石炭や重油価格の暴騰にあえいでいた。降雨量の減少により、すでに大方のダムは干上がっていた。
電力需要の再繁忙時期の夏は、過負荷によりいたるところで停電が生じた。

口先だけに終始した世界規模の地球温暖化対策は、オリンピック開催を契機に史上最高の好景気に沸きかえる某国にとっては何の意味も成さず、煙突からは硫黄や窒素酸化物や重金属微粒子が混じる煙を一日中もくもくと吐き続け、昼間でも太陽が見えない日が続き、影響は日本にまで及んだ。忘れかけていた光化学スモッグもしばしば発生した。

あれだけあったガソリンスタンドも、原油価格超暴騰のあおりを食い、次々と店を畳んでいった。すでに、販売する燃料の入荷見込みが立たなくなっていたからだ。

闇ガソリンの販売は、もっぱらインターネット通販で行われた。
形は缶詰、ラベルは食品だが中身はガソリン。中には、粗悪なものもあって、オクタン価70を切るものまで流通し、街のいたるところで、すでに羨望の的となっていたかつての名車たちが立ち往生した。
Posted at 2007/05/11 21:46:03 | コメント(1) | トラックバック(0) | History | 日記
2007年05月10日 イイね!

とある思い出(前編)

昔々その昔、止せばいいのに自分のクルマで山道登って仕事に出かけた。
その山道は、いつもはジープで登る急峻でごつごつした岩が剥き出たいわば林道。
止せばいいのに、シビックRSで登った。タイヤは、ミシュランのチューブレス155-SR-13。
タイヤバーストとは直接関係ないけど、ホイールはクロモドーラのマグネシウム。
突然、前輪が駆動力を失った。降りてみると前2輪のウオール部が同時にバースト。片方だけならスペアタイヤで何とか下りられる。しかし、当たり前だがスペアタイヤは1輪だけ。
JAFを呼ぼうにも当時は携帯電話がないし、熊は通るかもしれないが、ほかにクルマもひとも通らない。山道から国道まではおよそ10km。
でも、その日のうちに何とか自力でシビックに乗って帰宅することができたのだった。
さて、どうやったら帰れたのでしょう?
Posted at 2007/05/10 21:08:31 | コメント(2) | トラックバック(0) | History | 日記
2007年04月11日 イイね!

レーシングなクルマ

レーシングなクルマ日産スカイライン2000GT-R Racingである。

日産が一番元気だった頃の名車である。

新しくなった富士スピードウェイのストレートでは、トップギアに入れアクセル全開にするだけで、第一コーナまでの間、ひたすら待つほかドライバが成すべき仕事は、今や何もない。
CAR GRAPHIC 45周年特別付録DVDより
Posted at 2007/04/11 16:03:49 | コメント(2) | トラックバック(0) | History | 日記

プロフィール

「ご報告と御礼 http://cvw.jp/b/141103/35978669/
何シテル?   07/02 11:21
洗車が趣味のホンダ党員です。 zymol 製品と出会ってから9年、まだ安いときに、一生使い切れないほどのワックスを 1個だけ買い込んだんですがね、もとも...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

二十四節気の雨水の日の京都 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/03/26 23:45:08
DAY 1 (04/08)   part 1 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2015/03/23 10:41:33
Smoke Test 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2014/09/22 12:28:31

愛車一覧

ホンダ CR-Z ホンダ CR-Z
2010年5月21日に前車CR-Z ZF1に乗り始め、2014年3月4日までに45,72 ...
ホンダ CR-Z ホンダ CR-Z
4年9ヶ月乗った前車ABA CL9、総走行距離48,341kmで未練を振り切ってCR-Z ...
ホンダ アコード ホンダ アコード
2005.8に、わけあって同じアコードに乗り換える。フロントグリルだけユーロRもどきに交 ...
ホンダ アコード ホンダ アコード
これまでの車歴でもお分かりのとおり、ほぼ完璧なHONDA党員です^^。 この時点での使用 ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation