
花火撮影=被写体ブレの最たるものを撮るのは難しいものです。ですが、夏といえば花火です。
毎週どこかで開催される週末の花火大会の撮影は、拍手とともに花火屋さんの苦心に報いる唯一の機会でもあります。
暑いのが苦手の私は、できれば冬に開催してくれないものかと時に思ったりもしますが、北陸特有の天候のこともあって、ここは夏が正解だろうと思うのです。
撮影の難しさの最大の理由は、その機会が年に一度しかないために練習ができないことです。慣れた頃にはもう秋の気配が漂います。次は来年しかありません。これでは一向に上達しないのも無理はありません。
でもまあ経験を重ねることにより、芸術性は抜きにしてもテクニックだけは徐々に蓄積されます。
これから花火撮影に挑戦してみようかと考えておられる方へ、自分の稚拙なノウハウを少々述べてみます。
1.事前準備
情報化時代です。インターネットでもよし新聞でもよし、自分のスケジュールと好みに合った花火大会を選びましょう。それが決まったら、会場への移動手段を決めます。
当日の天気予報をチェックしましょう。梅雨の時期にはしょっちゅう予報が更新されます。前日の最終予報で決断です。海に近ければ、夕凪を境に風向きが反転することが多いので注意が必要です。 まずまずの天候なら、カメラのバッテリを充電します。予備バッテリがあればそれも準備します。
打ち上げ場所はすでに決まっているはずです。風上のポイントを撮影場所と決めます。煙が我慢ならんといって、開会中に人ごみをかき分けて撮影場所変更などできるわけがありません。
カメラとレンズを選びます。被写体である花火の開花ポイントまでの距離でレンズを選びます。
三脚は必須です。そもそも被写体ブレを撮影するのですから、手ブレを加えると悲惨な結果しか得られません。パーキングエリアから近ければ、重くて頑丈な三脚がベストなのはいうまでもありません。しかし、大抵の有名花火大会会場は軽い三脚を選択させるでしょう。また、立って撮るのなら不要ですが、2時間以上におよぶ大会なら折りたたみ式の椅子が必要ですね。シャッターレリーズ用グッズ(リモートケーブル等)、持ってたら忘れないようバッグに入れておきましょう。
エネルギー補充と熱中症予防のため、高カロリー食の事前摂取と水分補給に気を配りましょう。ただし、近くにトイレがあるとは限りません。
最後に、画像記録媒体容量に十分な余裕のあることを確認したら、体力温存のためみんカラに熱中せずに早めの就寝が吉です。
2.現地作業
早めに撮影ポイントに到着しましょう。本番開始前にやることはたくさんあるからです。
三脚を設置したら最初にやるべきことは、ピント合わせです。撮影ポイントから打ち上げ準備中の地上の花火までの距離と、実際に花火が開花するであろう高さを計算します。双方おなじなら、√2倍です。その距離になるような物体にAFでピントを合わせます。合わせたら、レンズのフォーカスリングは以後決して動かさないよう注意します。AF/MFスイッチをMFに切り替えます。
どこから花火が打ち上げられるかを事前に知っている場合を除き、ファインダではなくカメラ裏面のライブビューに切り替えます。シャッターレリーズ用グッズを接続します。開会前に時報代わりのマーカー花火が派手な音を立てて何回か打ち上げられます。ライブビューによりズーム調整します。少し広めのほうがいいでしょう。シャッタースピードはバルブに切り替えます。
時間経過とともにあたり一面暗くなっていきます。明るいうちに準備はすべて整えたいものです。
3.撮影
光も音も、伝播距離の2乗に反比例します。おおよそ、大会会場のアナウンスが聞こえる距離なら、絞りはF11程度がいいでしょう。あとは手に持ったシャッターレリーズグッズのON/OFF時間で適正露光を決めます。
人間の目への入力は、大脳で誤差を修正できますがカメラは機械です。真っ正直な結果しか得られません。絞りはもう決めました。見た目の明るさに惑わされることなくシャッター時間を調節しましょう。音にも気をつけましょう。大迫力の音に感動するあまり、シャッターのON/OFF時間に大きな誤差は禁物です。できればロボットのような冷徹さが求められます。
ま、ISO100で2秒から10秒の間が適正だと考えます。
4.現像
RAWで撮ってきたデータをPCで調整します。編集用PC画面で見る花火が必ずしもネット上でのベストではないかもしれません。複数のPCで色相や彩度の平均値を割り出し、多数決で最適値を求めたらみんカラへアップです。本当は、カラーマネージメントできるモニタ使用が最善なのですが、高価な点が難です。
5.評価
自分以外の人が決めます。イイネの数が必ずしも的を射てるとは限らないことに注意しましょう。
できればA3版程度にプリントし1年間自宅に飾れば、訪問客によりおおよそ自分の評価が決まります。
ネットに投稿するのも手ですね。
私は去年JCBギフトカードをいただきました。もちろん抽選です^^;
Posted at 2013/07/28 19:08:54 | |
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