
このブログを、今後一胃がん患者の闘病記とはしたくないのですが、色々とご心配くださる方のため、とりあえず現在時点の治療方針のみ記載させてもらいます。しばらくのちには音信不通になりますので、あしからず。
7/4、地元の病院のT外科医に書いてもらった紹介状と、検査結果データを携えて、K大附属病院にF医師を訪ねる。
ここでまた追加検査の数々を受ける。2Fと3Fに検査室は分散配置。地図がないと迷子になりそう。
地元病院との違いは、都心の先端病院らしく、患者も医療従事者もスピード感にあふれること。
そして、患者の平均年齢がおそらくは10歳若く働き盛りの方が多いこと。生きることに一生懸命なことはどの病院でも同じだけど、緊迫感が地元の総合病院とは一桁違う。
ひととおり検査が終わり、待ちに待ってようやく診察室に呼ばれる。
Dr 「タバコは今すぐやめろ」
zy 「どうせ入院中は禁煙ですから」
Dr 「いうことが聞けないのなら、治療は無駄だ。心筋梗塞の治療中なのに。いたるところの血管が細くなっていたり硬化している」
zy 「分かりました」
Dr 「原発巣の胃の周りと大動脈に沿ってリンパ節転移が認められる。胃の摘出手術は、強力な抗がん剤投与で2~3か月間効果を見てから行う」
zy 「その強力な抗がん剤使った術前化学療法と手術による効果は?」
Dr 「3年生存率はXX%で、うまくゆけばここまで到達できるかもしれん」
zy 「かも・・・・ですか」
Dr 「あんたは、ステージⅣ!なんだよ」
なぜか、ステージⅣばっかり強調するなー。びっくりマークまで付けちゃって。
zy 「あのー、3年生存率ではなく5年生存率のデータはないんですか?」
Dr 「・・・・・・・・・・・・」
明日の入院を前に、冗談みたいに自宅で取り敢えずのブログを書いています。
癌は、もともとの自分の正常細胞が突然変異により悪性細胞(腫瘍)と化し、急速な勢いで細胞分裂を繰り返しながら血流やリンパ液によって全身のリンパ節に転移します。
目に見えない(測定不能の微細な)癌細胞は手術によってリンパ節を取り去ることができないため、もっぱら抗がん剤による化学療法が用いられます。私の胃も、このように術前化学療法でステージダウンさせたのち、手術に入ります。
抗がん剤は、がん細胞を攻撃するとともに、正常な細胞も見境いなく攻撃するため、激しい副作用を伴い免疫力低下や体力の著しい消耗をきたします。これは、敵味方入り乱れる戦場に原爆を投下するに等しく、敵味方ともに兵隊(細胞)は縮小もしくは死滅します。
肝心の本体は、現時点ではどこを探しても防空壕などないことから、この段階で耐えられず死に至る人もいます。
ドクターの、傲慢とも受け取れる自信に満ちた説明と命令は、それでも患者が生きようとする決意を推し量っているように感じられます。最初に禁煙を命令したことは、直接的には手術中に痰がのどに詰まって窒息するリスクをなくしようとの配慮であると同時に、間接的には、これから始まる壮絶な闘いに、目の前の患者がどれほどの覚悟を持っているかの計測でもあるように思えるのでした。
一方、今でも思うことがあります。
それは、何ら自覚症状のない「健康体」を、無理やり胃カメラを押し込んで撮影した画像やCTやPETなど体を輪切りにして初めて病巣および転移範囲がわかるだけの状態でしかないのに、わざわざ強力な副作用てんこ盛りの抗がん剤という毒を持って制しなければならないという「矛盾」です。
このまま放っておいたらどうなるか、という現実を見たことがないゆえの疑問でもあります。
その苦痛の度合いに対して得られる延命効果を天秤にかけ、抗がん剤投与を拒否する患者さんもおられるようです。私も再発すればトラウマに襲われるでしょう。
そういったわけで、明日よりしばらくは、Silent Key局となります。ではみなさん、ごきげんよう♪
Posted at 2014/07/06 13:28:51 | |
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