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故あって、スパイシーオレンジのDYデミオを手放すことになりました。新しいユーザーさんのもとへお届けできれば・・・と、古傷を磨いたり、洗車をしたり、ナビを外したりと初期化作業を行っていました。

そして、いざ下取り業者さんに持っていくと・・・想定はしていましたが、価格がつかないという評価を頂きました。

そうなると、自ずと登録抹消、すなわち「廃車」にしなければならないのですが、今までのクルマ生活において「廃車」は初めてということに気づき、誠に勝手な話ですが非常に困惑しております。価格がつかなかった事よりも、クルマとしての寿命を抹消することがショックでして・・・

手放す本人にも関わらず、こんなことを書くのも恐縮ですが「まだ走る」事ができます。空調もバッチリ効くし、オーディオも全然聞けます。古いスポーツカーのように経年劣化でポロリとパーツがいくこともありません。たまたまエクステリアを直せる機会があったので、外装もそれなりに綺麗です。流石、ワールドワイドで販売されていた、タフなコンパクトカーです。
ちなみにNBロードスターとCM共演しています！
ロードスターのハンドリングとはなかなか強気ですよね・・・もちろん楽しいですよ！

走行距離が6万も行ってないのですが、平成14年式（2003年）という年齢と、廉価グレードのせいもあって、うちの子はもはや価値のつかない存在ということで「廃車」です。

鉄も、銅線も、ライトも、ガラスも、ネジも、どのパーツも生きているのですが、わが手で処分を下さなければいけないことが、ちょっとショック。せめて、第三諸国に運ばれて安価で供給される・・・みたいな話を聞ければクルマとして生まれてきた物体も、生きながらえることもできるでしょうに・・・

ちなみにこのDYデミオは中牟田泰氏のデザイン。氏は日産でフェアレディZ等を手掛けた後、RX-7（FD）のエクステリアやNBロードスターなどを手掛け、DYデミオのデザイン主査をされました。
デビュー時期は当時のフラッグシップRX-8と同じ2003年で、アスレチックデザインを採用したマツダデザインの末っ子として、先代デミオの機能美をよりヨーロピアンに洗練させていきました。この辺りはNBロードスターを振り返るシリーズくらい、ネタがありますね・・・ちなみに中牟田氏はこの後NCロードスターを手掛けられています。

また、主査は現在のマツダ改革で名をはせた藤原清志氏（本年度に取締役になられるそうです）。当時、フォードと共通プラットフォーム計画があり「左ハンドルで作れ」「エンジンは1.5のみ」といわれたところに抵抗して、勝手に1.3リッターエンジンを作ったとか、半ば趣味的にキャンバストップを設定した・・・なんて話を近年おっしゃっています。

ただ、当時のデミオは販売店で値引きが激しく、魂込めて作ったのにそれが悔しい・・・と、今のブランド戦略に繋がっているのだとか。

偉そうなことを書いてしまいましたが、廃車にしなければならないのは我が家の都合。だったら手放さなければいいじゃん・・・って事ですし。しかし、判断は私が下さなければいけません。

今週土曜日にお別れの予定ではございますが、スパイシーオレンジと前期型テールライトのオーナーであったこの事を、忘れることはありません。まだ、数日あるから写真を残さなくては！