みなさん、おはようございます。
突然ですが、みなさんのオイルパンにバッフルはついていますか?
バッフルとは、簡単に言うならば仕切り板の事です。
上の図は、スターレット(EP91,4E-FTE)純正のオイルパンの中身です。中央の板が二層になっていますね。
これがバッフルです。
こんな板切れ一つが何?という人がいるかもしれません。しかし、これはとても重要です。
オイルパンの中は、エンジンがかかっている限り、活火山の火口のような状況になっています。
絶えず熱されたオイルがエンジンから返ってきてはまた吸い上げられ、上ではクランクシャフトが暴れ回り、車によってはタイミングチェーンがオイルをかきあげます。
それに横G、縦Gが加われば、オイルパンの中身は過酷極まり、予期せぬ事態が起こりやすくなるのは想像に難くないですね。
そんな、飛び回る溶岩のようなエンジンオイルを押さえつけ、なだらかにするのがオイルパンのバッフルです。
そしてもう一つ、バッフルの重要な役割は「オイル偏りを防ぐ」こと。
エンジンオイルは常時、ストレーナーから吸われていき、エンジン各部に供給されます。しかし、極端なGがかかった時、ストレーナー部分からエンジンオイルが吸えず、空打ちしてエンジンブローなどの致命傷を与えてしまいます。
これを防ぐのが、バッフルのもう一つの役割です。
DC5よりも遥かに古くて価格帯も低いEPについているんですから、当然、K20A、それもRチューンのエンジンには当然ついていると思いますよね?
しかし、ついてません(T_T)
ナンデ!?と思うかもしれませんが、ついてません。
一応、バッフルを付けることには、デメリットもあります。
バッフルを付けると、もしバッフルを超えたオイル偏りが起きた時の回復が遅くなり、エンジンに致命的なダメージを与えるそうです。
しかし、このK20Aでは、オイル偏りによるエンジンブローが頻発してメジャートラブルと化してしまった上に、無限やSPOONが製作した対策品が頻繁に出回っています。
ホンダがどういう思慮でバッフルを付けなかったのかは不明ですが、オイルパンが純正のままでは心許ないですね(。-_-。)
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ハイ、というわけで交換したいと思います。オイルパン。
正直あんまりやりたくなかったんですがね…。
スターレット時代にオイルパン交換がトラウマと化しているので、手は出したくないというのが本音です。
しかし、日和っているうちにブローしたらそれこそ馬鹿もいいところなので、ちゃちゃっと対策品を買いました。
無限のオイルパンです。
対策品の中では圧倒的にバッフルが少なく、安いですが、数多のレースでデータを取り続けた無限の製品なら安心ですね( ̄▽ ̄)
先述したように、バッフルの付けすぎはかえって致命傷を起こしかねません。他社製品はバッフルが沢山ありましたが、それは一概に良いとは言えないものです。
オイルパンの良し悪しはブローするまで分からないので、今回は無限のネームバリューを信じてこれを使います。
(本当はドライサンプ方式が一番良いんですが、これは幾らもおカネがかかるので没です)
以下、やり方を残していきます。
もしオイルパン交換をやる人がいましたら、参考にしてください。
エンジンオイルを抜いたら、純正品を取り外していきます。
まず、DC5はサブフレームが降りないと何もできないので、サブフレームを降ろしました。
ボルトで何箇所か止まっているだけなので、特に苦労もなく降りるはずです。
マフラーが引っかかりますが、これは無視。車体前方が下りればいいです。ロアアームもボルトを外さないままで結構です。
(ちなみに、オイルパンをサブフレームを下ろさずに外そうとすると、ストレーナーに引っかかって降りません)
サブフレームが降りたら、オイルパンのボルトを外していきます。短い方が17本、長い方が2本だったと思います。
全部取れたのを確認したら、いよいよエンジンからオイルパンを分離していきます。
古いオイルパンはシール剤が固着しており、外すのも一筋縄ではいきません。
ミッション側の丸の部分に、いかにも外すためにつけたかのような出っ張りがあるので、これに短いタイヤレバーなどを引っ掛けてこじります。このオイルパン、剥がす側にかなり優しい形状なので、コツを掴めばすんなり外れるはずです。
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オイルパンが外れたら、交換の前にエンジン側接合部の古いシール剤を剥がしておいてください。
これがちょっとでも残っていると、オイルが漏れます(T_T)
また下ろすのかよ…となるので、面倒くさいですがきっちりやりましょう。スターレットの時、僕はこれで4回下ろしました。
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新品のオイルパンを取り付けます。
パンタジャッキと、オイルパンのネジ数個を用意してください。
シール剤をなるべく少なく、厚みをほんのり持つくらいに塗って、3〜4分待った後にオイルパンをエンジン側に貼り付けます。
貼り付けたら、間髪を入れずにパンタジャッキでオイルパンを車体に押し付けてください。
K20Aのオイルパンにはダウエルピンがあり、なかなか最後まではまらないですが、パンタジャッキで無理やり押し付けてしまえばOKです。人力だとかなりきつい上、揺するとシール剤がぐちゃぐちゃになるのでお勧めしません。
オイルパンを車体に押し付けたら、ネジを対称に締めて行って下さい。
すべて締め終わったら成功です。お疲れ様でした。
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交換を終えた所感としては、めっちゃ簡単でした。もっと苦労する覚悟をしていましたが、何も差し支えなく終わって拍子抜けです。
サブフレームを降ろすのが面倒くさかったくらいですね。
それから、バッフル付きオイルパンについてですが、安易な自作は絶対にやめた方がいいです。
まず、アルミは溶接するのが難しく、下手に加工すると溶接部や開穴部から鉄粉が出てエンジンブローに繋がるそうです。
加工失敗のリスクや時間、溶接機の値段を考えれば社外品を買うのがベストですね。純正品も高い値段で売れるので、その方が確実です。
今回は以上です。
記事をご覧いただき、ありがとうございました。
(テルキナ)