
先日,ようやく久しぶりに休みを取ることができました。
タイヤ交換を済ませたエストレヤで,久々にちょいと走ってくることにしました。
向かった先は,山。
宮城県と,山形県の県境,蔵王(ざおう)です。
温泉とスキー場として有名なところですが,行ったことがあるのはだいぶ昔の話。
自分が免許を取ってから,運転して行ったことはありませんでした。
地元県民でありながら,行くのは今回が初となります。

それにしても,天気は上々。
渋滞もなく,とにかく快適。
のんびりしたペースで,どこまでも走っていきます。
このところ,土日も関係ない毎日でしたので,何だか夢のようです。

いつの間にか,大きな鳥居・・・・蔵王エコーラインの入口に到達していました。
もともと有料道路だった時期もあったようですが,今は一部を除きほぼ無料です。
実際走ってみて。
・・・・これは,きつい。
容赦のない,上り坂がずっと続きます。
つづら折りで,上り坂。その繰り返し。
今まで不足と思わなかったエストレヤですが,まるでパワーが足りません。
うちのエストレヤだけかもしれませんが,パワー特性は非常に極端。
タコメータが無いのでわかりませんが,2速で言うと,時速40kmに達したときに急にターボが効いたようにエンジンが回り始めます。逆に言えば,それより下はトルクはずっとフラットで,いくらスロットルをひねっても何も変わりません。
つづら折りのコーナーに2速で進入し,コーナリング中に時速40kmを切ると,上りのストレートは全く加速せず,むしろ勾配に負けて失速を始め,時速30kmを切ります。
で,ついに1速を使います。これで時速30kmを確保。
何とか回して時速35kmまで回復しますが,2速に入れても失速するばかり。
2速は,無理。
なんと,250ccのバイクが1速で走らなければならないとは。
で,そのうち,エンジンのパワーが・・・・思ったよりツいてこなくなります。
・・・・オーバーヒートが近いかも,と分かったのは,だいぶ後のこと。
とりあえず,興味本位も重なって,あちこち上り坂の途中の駐車場で休憩し,写真を撮ります。これが,エンジンにも良かったようです。

ただ,乗る人にとっては,充分オーバークールでしたが・・・。
いや,本当に寒い。この日は予想最高26℃だったのですが,さすがにこの山では通用しないようです。何しろ,標高1000mを越えようというのですから。
「念のため」持ってきていたユニクロのウルトラライトダウンが役に立ちました。それ無しでは居られないほどに寒い。風が強く,天候も次第に悪くなってきました。

ここまで来ると,次第に,周りの紅葉が色づきを増してきました。
正直,風もかなり強く,ちょっと来たのを後悔し始めた頃。
ようやく,この景色に出会うことができました。
次第に,エストレヤのボディカラーも,景色に溶け込んで目立たなくなってきたような感じです。
さて,いよいよ有料区間です。バイクは380円,わずかな区間ですが頂上に向かいます。言い換えると駐車場代とも言えますが,とにかく,蔵王の名所,お釜に近づきました。クルマやバスでごった返しています。
ここからは,ほんの少しだけ歩きです。大きなレストハウスがありますので,悪天候はここで休憩できますし,お土産も買えます。食事もできる。ただし,結構混んでます(笑)
いよいよ,着きました。蔵王の「お釜」です。

来たのは初めてです。
強い風と,予想を裏切るほどの寒さで,長時間はいられませんでしたが,その湖面の色はいつまでも目に焼き付けておきたくなりました。晴れるまで粘ったのですが,これが限界でした。
ここからは山形方面に一気に駆け下ります。

頑張って上ってきた分を,下ってしまうのは何だかもったいない気もしますが。
それにしても,今になって,かなりの標高にいたことを再確認しました。
どこまでも下っていくのですが,本当にどこまでも下り坂のつづら折りが終わりません。
楽しいのですが,本当にどこか迷い込んだんじゃないかと思うくらい,どこまでも続きます。
しばらく走って,ようやく民家が姿を見せ。
もう少し走ると,向こうに「地上」が見え,
何だかほっとするのでした。
今思えば,途中の蔵王温泉に寄ってくればと思いましたが・・・。
いざ,降りてくると,そういえばお腹が空いていたことに気付きます。
よし,山形の何か美味しいものでも食べていこうか。
と,山形の南北を結ぶ大動脈,国道13号線を突き進みます。
お?
こ・・・・これは・・・・・
・・・・・「伝説のすた丼」・・・・・だと・・・・・・。
まさか,東北の出店は宮城県の仙台店だけ・・・・では・・・・・・。
というわけで,もちろん入店。仙台店は好んで行くくらい好きなので(笑)

実は,いつの間にか山形にも出店されていたのでした。
しかも,3店舗も。やるな山形・・・。
よく考えると,山形ならではの食べものではありませんでしたが,もう満足。
そのまま,13号線を北上し,作並経由で,無事に仙台に戻りました。
クルマでも充分楽しいルートかもしれませんが,
バイクで走ると,クルマでは当たり前のことが,当たり前じゃなくなるのが良いですね。
要するに「困難」「大変」「面倒」とも言えますが,「楽をしない」だけの充実感がそこにある。もっとも,蔵王に自転車で来ている方々もいたので驚きましたが,その充実感は更にすごいものなんじゃないかと推測します。とても,真似出来ませんが・・・。
正直,これほど長距離(今回は半日180km)を走ったのは初めてでしたので,帰宅したら結構疲れていました。これも慣れなのかもしれません。今の自分では,まだまだロングツーリングなど夢のまた夢でしょうが,日頃のストレスから解放された,素晴らしい時間を過ごすことができました。
以上,プチツーリングの報告でした。