
お盆休みに行った「しまなみ海道サイクリング」が素晴らしく、琴線に触れるような感動もあり、改めて旅行の醍醐味を実感させられました。同時に、予想よりも体調が良く、余裕で実行できたことで気を良くし、この状態を維持したまま9月の連休にどこか行けないか欲が出てきました。
行きたい場所の優先順位1位「しまなみ海道サイクリング」、2位富士登山はほぼ迷いなく確定しており、次は富士登山に行くつもりでしたが、残念ながら富士山は9月10日で閉山することが分かりガッカリ。
しょうがないので富士登山は来年までお預けかな…。
還暦が射程に入る年齢になり、ここ数年の間に身近で、50代や60代で元気だった人が突然急死したり、親世代でも亡くなる人が増え、平均寿命の80歳頃まで生きられそうという漠然とした想いはただの幻想であることに気が付きました。
「人はいつ死ぬか分からない」と悟り、「やり残したことをやっておかないと後悔しそう」という心境から、元気なうちにやっておきたい主に体力が必要なことから、優先順位をつけて実行していこうと強く思うようになりました。
「来年に富士登山できる保証はない。それでもいいのか自分?」
「どうにか閉山の9月10日前に富士登山できないものか?」
考え出すと実行せずにいられなくなり、具体的なプランを練り始め、そこから怒涛の情報収集が始まり、もう富士登山のことで頭がいっぱい。
会社を休むことの罪悪感よりも、富士登山することの意味・価値の方が遥かに上回るように心境も徐々に変化してきました。
この時点で、富士登山は日帰り登山の一択でした。
山小屋の宿泊環境になじめない・苦手というのが一番の理由。
御来光に興味が無く、むしろあの渋滞だけは嫌い・避けたいのも理由の一つ。
日帰り富士登山の最も有利な点は、当日の天候を選んで登山できること。悪天候の影響を回避でき、すばらしい景観も堪能でき、荷物も最小限で済み負担も少なく、登頂するのに理想的な条件がそろうことで、結果的に登頂率が高いからです。
こういった理由から、日帰り登山するのが富士登山するには最も良いと考えました。もし日帰り登山が難しい場合、一気に難易度が上がります。
山小屋の事前予約の必要性から当日の天候を選べず、装備も増え、工程日数も増えるので、変わりやすい山の天候に翻弄される確率も上がり、たまたま天気がよければラッキーですが、シーズンの夏では確率的には厳しそう。
最短の富士宮ルートの標準コースタイムは、登り5:45分 下り3:15分 トータル9:00。高低差が1376メートル。過去これほどハードな登山経験は一度も無く、日帰り登山を想定した場合の全体のスケジュールはタイトです。
まず現在の自分の実力でコースタイムがどれくらいになるのかを知らないと実行に移すのは怖く、そこが基準となって遠征全体のプランを練ることになるので非常に重要です。
思いがけず急に、富士登山決行することになってしまいましたが、歩くことに関してのトレーニングはまったくやっておらず、間違いなく不安でした。しばらくランニングを中止していたことや、しまなみサイクリングに重心を置いていたので自転車しかほぼ乗っていなかったのです。
過去、実際に1日に9時間も普通の散歩ですらしたことはなく、登山で9時間というのは未知の領域。自転車でも9時間走ることも最近はまったくありません。
しまなみ海道から帰ってきた一週間後、富士登山を想定して、明神山の乳岩コースでシミュレーション登山してきました。
本番を想定して、荷物も実際に近い状態で背負い、服装や装備も気にしながら、負荷も高めで歩く。高温多湿で汗を大量にかいた影響もあり、帰路足のふくらはぎが攣り、歩く筋肉の衰えとペース配分の重要性を痛感しました。荷物を背負って歩く負荷の高さも想像以上で、これ以上荷物は増やせないと実感。
明神山の乳岩コースの標準コースタイムは 登り約4時間、下り約3時間とけっこうハードで、富士登山を想定したトレーニングとしては適切でした。実際の自分のコースタイムは登り2:37、下り1:53 トータル4:30と、標準コースタイムの約65%でした。
標準コースタイムの65%を富士登山に当てはめると、予想コースタイムは6時間になり、休憩を1時間追加した7時間が往復の所要時間。シャトルバスの往復で70分、自宅から水ヶ塚駐車場まで往復4.5時間と、日帰りの富士登山はスケジュール的にタイトで、すべて予定通り確実にこなさないと時間的に厳しくなります。
シャトルバスの時刻が始発5:00 終発18:00と縛りがあるので、これもタイトなスケジュールになる一因。最悪、高額なタクシーを使えばスケージュールは少し伸ばせそうですが…料金がネック。
週間天気予報で決行日を大まかに決め、事前に有休を使う旨を会社に伝えておき、確実に翌日の天気を確かめた前日に有休を出し休みました。
天気の関係で決行日が早まったせいで、3日前に登った明神山乳岩コースの疲れ・筋肉痛がまだ残っていたこと、装備も急遽アマゾンで手配し、出発の9時間前にギリギリ届くという、スリリングで慌ただしい状況でした。
前日もフルタイムで働いていたのでこうなるのは必須で、計画的な弾丸富士登山と言えるかも。無計画な弾丸富士登山だから問題になるのであって、計画的な日帰り富士登山は、バリエーション豊かな富士登山の中の合理的な選択肢の一つだと言えます。
富士登山用に急遽追加で購入したものは、下山用の「ゲイター」、ザックカバー、ボトルホルダー。ハイドレーションの吸い口のシリコンが切れていたので急遽買い替え。前回使ったのはSDA王滝だからコロナ前、6年近く経過しておりました。
ザックのファスナーの取っ手が樹脂製で、経年劣化で切れかかったり脆くなっていたので、事前にすべてタイラップに交換。このザックも15年くらい使っており、登山専門店の店員おすすめだった「オスプレー タロン22」というモデル。古くても性能や使い勝手に特に不満はなく、このまま使いつぶすつもり。デザインは最新の方がカッコいいですが。
ハイドレーションのドリンクとは別に、気分転換にコーヒーが飲めるようにドリンクホルダーを取り付け。その他、ハイドレーションのセッティングやら補給食の準備やらで、どんどん時間が過ぎていく。
もう少し早く寝る予定でしたが、9時過ぎにようやく布団に入る。
緊張してか結局あまり寝れませんでした。
翌日、深夜2時過ぎに自宅を出発。深夜の高速は真っ暗で、大量の大型トラックだらけで別世界のようで近未来・SFっぽい。道路以外の景色も真っ暗で、どの辺を走っているのか看板を見ないと分からない。目も衰えており、夜の運転は年々キツイと感じます。

謎の無人料金所 ここがナビの目的地で 絶望中の記念撮影
「目的地周辺に到着しました。音声案内を終了します」
カーナビにセットしておいた目的地に到着。
周りは真っ暗で、少し前から一台の車ともすれ違わず、さびれた観光地のような変なところに来てしまったと絶望。
カーナビが古いので「水ヵ塚公園駐車場」が目的地候補に無く、「水ヵ塚ゲート」を候補にし「位置的に大体同じだから大丈夫だろう」と詰めが甘かったようです。

真っ暗な山の中で、てっきり道を間違えて全然違う場所にいると思いこみ、この時点で「今日の富士登山は最悪難しいかも」と焦りました。
一旦冷静になり、とりあえず料金所を出てまっすぐ進むと広いT字路にぶつかり、すると左側が急に明るくなり、目的地の駐車場だと一瞬でわかり、そのまま左折して公園に入り無事駐車できました。
帰宅後グーグルマップでルートを再確認すると、どうやらエバーグリーン経由で来たため他の車とすれ違わなかったようで、152号線を通ってきていれば焦りも無かったと思われます。
そもそもカーナビが古いので新東名の存在を認識しておらず、新富士IC出てからのルート案内がでたらめであっちこっち翻弄されまくりでした。ナビにも頼れず、真っ暗な時間帯で方向感覚も麻痺し、富士山周辺に土地勘がないのでお手上げ状態。なんとか目的地に到着してこのありさまです。
最小限のロスで済んだのは幸いでしたが、カーナビの買い替えを痛感させられた出来事でした。新東名とその周辺一帯の情報がスッポリ抜け落ちており、その付近ではまったく使い物になりません。そもそもケチらず地図のデーター更新をしておくべきだったと反省。
2009年製のパナソニックのストラーダというモデルを使っており、最近、ニュースでパナソニックが2027年でカーナビの製造・販売を終了すると報じられ、時代の変化を感じますね。駆け込みで買っておくべきなのか?

御来光目当ての登山客のライトの列が確認でき神秘的な富士山
水ヵ塚公園到着は午前5:15分頃でしたが、広い駐車場は既に6割ほどが埋まっており、平日にも関わらず早朝からにぎわっておりました。この日は天気が良く、今週はこの後数日間天気が崩れる予報で、閉山日も近づいていたり、自分はこういった理由で選びましたが、考えることは皆さん大体同じだったようです。
好みの駐車場所にカリブ移動後は、まず朝食をがっつり食べ、トイレをしっかり済ませ、装備準備を入念にし、バス乗り場は既に行列だったのを見て知っていたので、慌てることなく余裕をもってシャトルバス乗り場に向かいました。
この早朝の時間帯の乗客は日帰り富士登山する方が大半という印象で、全体的に健康的なハイカーが多く、外国人は1割くらいでした。職場の同僚らしきグループが朝から元気で少し目立っていました。後はみなさん静かで、日本人の家族連れが装備絡みでドタバタと何度も車を往復しているくらいでした。
費用はシャトルバス代往復2,400円 駐車料金1,500円 富士山入山料4,000円
合計7,900円に高速代とガソリン代が加わります。自宅から自走なので宿泊代がかからず、日帰り登山は費用面でも経済的です。
この距離から見ると、富士山との距離は意外と近いと感じ、登山もあまり大変なイメージはありませんでした。後に気がつくのですが、実際は巨大だからそう感じただけです。
バスは満員になり次第出発し、列に並んで30分くらい待った後に出発。
補助席も使って満席でした。
バスは35分かけマイカー規制中の富士山スカイラインを通って標高2,400mの富士宮口五合目まで一気に駆け登っていき、気圧の変化で耳がおかしくなったり、景色も変化していくのを感じられ、いよいよ富士登山が始まるのを実感しつつの車窓からの景色に釘付け。登山前のこの緊張感は『乗鞍ヒルクライム』や『SDA王滝』のスタート前のようでドキドキわくわく。
その②につづく