昨年末に実施した ISCVの清掃後も、残念ながら冷間始動時のアイドルアップのフィーリングは改善されませんでした。改善されないどころか 寒くなるに従い症状も変化していき、アイドルアップのみならず 始動性も徐々に悪化している気さえしていました。
原因がISCVにあるのか、始動性が悪いのか、それとも両方が絡んでいるのか 悩みました。
症状的には「コールドスタート制御が上手くいっていない」感じなので、ISCVが最も怪しいのですが、古い車なので始動性の悪さも つい疑ってしまいます。
今回の症状は決まって冷間時に起こり、エンジン始動後は温度が上昇するに従って症状が治まっていきます。たった1、2分の間に起こる不具合で、温度変化が重要なポイントになっています。
12月26日 エンジンコンプレッション測定
以前から、エンジンの状態を客観的に把握するために一度測定しておきたいと思っていたので、今回の件をきっかけに圧縮圧力を測定しました。
当初、自分で測定するつもりはなかったのですが、ゲージを購入し自分で測定した方が安く、それに 古い車なので 今後も測定出来た方が都合が良いと考えました。
測定結果は、基準値と基準限度の ちょうど中間あたりで予想よりも良い結果でした。
直観的に、始動性が悪い原因は他にあると、そう思いました。
車屋さんの感覚では圧縮圧力は『13.0㎏f╱㎠程度は欲しい』、だそうです。
10万キロ以下で乗り替えるユーザーがほとんどなので、そうなるのでしょう。
ただ、10%の圧縮圧力の低下は、回復したら体感的には凄いでしょうね。
12月26日 バッテリーを交換
コンプレッション測定用に新品のバッテリーを準備したので、その流れでバッテリーも交換。
クランキングを連続して行うので、電圧だけでは分からない 3年使用済みのバッテリーとの
パワーの違いを見せつけられました。表示電圧は同じでも、セルのパワーはもう別物でした。
交換後、始動性は改善しませんでしたが、これでバッテリー絡みの原因は潰れました。
今回の件でセルを回す機会も増えていますが、気兼ねなく安心して回せています。
12月27日 デスビキャップ・ローターを点検
続いて、デスビキャップ・ローターの清掃を実施。特に問題なさそうでした。
点火プラグは既に点検済みなので、これで点火系は大体点検したことになります。
始動時以外はエンジンは好調だったので、点火系は最初から余り疑ってはいませんでした。
12月27日 燃料ポンプ 作動点検
整備手帳には載せてありませんが、燃料ポンプの動作不良も疑い、ダイアグのFp-Bを短絡させ
燃料ポンプの作動点検を実施。
短絡の有無とで、作動音と始動性を比較しましたが、特に違いは感じませんでした。
エンジン始動時の燃料ポンプは正常に作動していると判断しました。
燃圧系もさほど疑ってはいませんでしたが、自然な劣化が及ぼす影響も無視できず、古い車は疑いだすとキリがありません。燃圧も測定したかったのですが、簡単ではないので諦めました。
こういう場合もあるので、燃料ポンプは中古ではなく新品への交換が安心・確実です。
燃料ポンプは突然壊れることが多いようで、故障すれば自走が不可能になります。
私は価格に負けて中古のポンプを選択したので、今後も不安がずっと付きまとうでしょう。
もう、ヤフオク出品者の良心を信じるしかありません。神頼みの領域です。
ある意味、新品の燃料ポンプは"プライスレス"です。
1月2日 スロットルポジションセンサー調整
原因とか色々と考えている間に、以前バタフライを調整したことを ふと思い出しました。
念のために、スロットルポジションの位置がデフォルトになっているか確かめ、調整。
微妙に違っていましたか、調整後はとくに変化はありません。
まあ、今回の件とは無関係でしょう。
でも、デフォルトに戻った安心感からでしょうか?調子が良くなったように感じました。
1月2日~6日 水温センサー点検・交換
次に疑ったのが、ISCVを制御する上で重要な 水温センサーです。
しかし水温センサーは正常でした。念のためにセンサーを新品に交換しても症状に変化は見られませんでした。てっきり、ISCVか水温センサーのどちらかの不具合が原因だと思っていたので、これで一旦 行き詰りました。
問題が起こるのは冷間時の始動時に限定されます。
考えれば考えるほど 他の理由は考え難く、再びISCVを疑うことになりました。
ISCVの構造については、バイメタルによる制御及びロータリーバルブとの連携が不明なこともあり、バイメタルの制御不良によるトラブルを疑いました。
例えば、『バイメタルが固着し 温度変化に対してスムーズに可動しない』、とか考えていました。
1月8日 スパークプラグ交換
『イリジウムプラグに交換したら始動性が向上』、という噂を耳にしますので、一応 関心はもっています。着火性の向上に関しては理に適っているので興味・関心はありますが、『エンジンの調子が良くないので 取りあえずイリジウムを試す』的な使い方は好きではありません。
エンジンの状態が良好なときに、遊び心で試してみることには賛成です。
あと、他に手段が見当たらない場合や、費用的に他の手段を行えない場合など、ですか。
個人的な考えでは、ノーマルプラグで必要十分な性能とマージンがあるはずなので、メーカー指定の使い方・交換時期を守ることが まず大切だと考えます。
過去、2年 24,000㎞の交換サイクルを守り 特に問題も起きていないので、この交換時期まではしっかりと使い切りたいという想いがあります。(次回の交換時期は今年の10月です)
ほぼ1年間使ってきたプラグから新品にj交換したら どれくらい変化があるものなのか?そんなノリで試してみただけです。
交換後は、全体的になんとなく リフレッシュされた良さは感じられましたが、始動性に変化はみられなかったので 翌日あっさりと元の古いプラグに戻し、10月までしっかり使い切ることにしました。
結局、使ったのは、シネコンまで「スター・ウォーズ」を観にいった往復だけになりました。
1月17日 スロットルボデー交換(中古)
そんななか、思いがけず入手できた 中古スロットルボデーへ交換します。 ISCVの品番が異なり、アイドリング制御の動作異常も起こってしまい、残念ながら正確に比較することは出来ませんでした。(ダイアグのエラーコード33「ISCV系異常」 も発生)
しかし、この交換によって『ISCVを交換することで アイドルアップ及びアイドリング制御の特性が変わる』事実が見えました。これで ますますISCVが怪しいと、確信に迫りつつある手応えを感じました。
いよいよ、ISCVを交換すれば症状が改善する可能性が高くなってきましたが、相変わらず手頃な中古は見つかりません。もう、思い切って新品を購入するしかないような状況になりつつありました。
そして、借りたスロットルボデーを返却した ついでに、思い切ってISCVを注文します。
仕事帰りに立ち寄った、夕方のことです。
ところが、帰宅後 気が変わります。
翌朝 昨日の注文を問い合わせてみると「まだ注文していない。これから」ということだったので、
一旦 注文をキャンセルしてもらいました。
キャンセル理由は、『もし 新品に交換するのなら、古いISCVは壊れても平気。ならば新品を購入する前に、もう一度分解・清掃してみたい!』的な衝動が湧きおこってきたからです。
以前から気になっていた、バイメタルのメカニズムを知りたいという好奇心もありました。
こうして、再び ISCVを分解・掃除することになりました。