
ショックアブソーバを純正品からカヤバ 「 NEW SR SPECIAL」に交換したのが昨年の7月30日。
ちょうど一年間使った感想です。走行距離は12,000km程走りました。
まず「 NEW SR SPECIAL」の商品説明ですが、メーカーのHPでは次のように説明しています。
「従来のスポーツショックにありがちなゴツゴツ感を可能な限り抑えながら操安性を高めます。快適な乗り心地と安定感が高次元で両立した、日常の走りを高めたいどなたにもお勧めできるショックアブソーバです。」
この説明に魅かれて購入を決断した人も多いのではないでしょうか。
はたして、実際に使ってみた感想はどうか?
まず交換直後の感想ですが、抜けきった純正ショックからの交換だったので、車体全体のふらつきが減り、特にカーブで姿勢が安定したことで曲がりやすくなりました。以前は、意図的に前輪に加重をかけないとふらついて曲がりにくかったのですが、その必要がなくなり、自然に走らせる運転に戻っていきました。結果、疲れにくくなり運転が楽になりました。
反面、乗り心地は明らかに悪くなり、かなり硬く感じました。小さなゴツゴツを拾ってしまい、路面状況に追従しないで跳ねてしまう感じです。調べてみると、馴染むまでは硬く、少し時間もかかるようなので、それまで我慢して様子を見ることにしました。
ところが、この馴染むまでの我慢が一年近くかかり、最近ようやく少し柔らかくなってきました。
馴染んだといってもノーマルに比べてゴツゴツ感があり、残念ながら期待した乗り心地には達していなません。当たり前ですが乗り心地ではノーマルには敵いません。日常の使い方ではノーマルがベストだと思います。
馴染むまでのこの一年間は、タイヤの空気圧でなんとか乗り心地を調整してきました。乗り心地はサスペンションだけの問題ではなく、タイヤとの相性もあるのですが、今使っている「ミシュランXM1」はタイヤ剛性が高く、その分ダイレクトに路面の凸凹を拾いやすいようで、より乗り心地が悪く感じられるのでしょう。最近ようやく空気圧を(2.0)から(2.1)へ戻しなんとか乗っていられる所まできました。以前は(1.9)まで減らしていた時期もありました。

ようやく、本来の性能が発揮され、商品の価値が試される段階に来たのかと、少し楽しみです。
現在は、「それほどの不快感はないがノーマルの乗り心地には適わない」という、本当に微妙な状況です。
今後は間違いなく「へたっていく方向」に進むので乗り心地は改善されていくのでしょうが、「資金的に余裕があればしばらく使ってからノーマルに交換したい」と密かに思っていたので、ノーマルに戻す可能性も十分あります。
しかし、乗り心地以外ではメリットもあるので、捨てがたいのも事実なのです。
メリットがあるのは、高速道路などの高速走行で特に路面状況が良い場合や、普段からスポーティーな走りをするような場合でしょうか。山間部のカーブが連続するような道でもメリットはあると思います。
ただ、現在の私の使用状況は、高速道路はめったに使わない、スポーティーな走りは全くしない、山間部のカーブが連続するような道もあまり通らないということで、メリットを享受しにくいのです。しかし、代車に乗った後などは、「 NEW SR SPECIAL」がしばらくは魅力的に感じられるので、多分メリットはあるのです。毎日使っていると感覚が慣れてしまい、メリットに気がつかなくなり、目立つ短所のみが気になってしまうといった所でしょうか。
最初からノーマル純正にしておけば良かったのかもしれませんが、ノーマルとの価格差が大きいので、そこは間違いなく魅力的なのです。需要としては、スポーティーな方向性を求めたチューニング目的だけではなく、私のように価格が安いということで「ノーマルの代替品」として購入するユーザーもいると思われるので、よりノーマルに近い商品があれば更に良いと思います。
根本的なところでは、1名乗車と4名乗車では重量が200kg近く違ってくるわけで、理想的なのは減衰量を調整でき、重量や好みに合わせられることだと思いますが、やはりコスト的には難しいのでしょう。
快適な乗り心地と安定感の両立は相反する性質で、「高次元の両立」といっても乗り心地は少なからず悪くなるという認識は必要でしょう。「ゴツゴツ感を可能な限り抑え」とあるように、「全て抑えるのは出来ない」ということです。

一度「カヤバ」へ 「 NEW SR SPECIAL」のことで問い合わせたことがあり、そのときの説明では、ノーマルのスプリングを使ってチューニングしてあるということでした。基本的にはノーマルとの組み合わせで問題ないのでしょうが、相対的にスプリングとのバランス(トヨタのチューニングバランスに対して)が崩れているのも事実なので、減衰量約25%アップに応じたスプリングの選択が本当は必要なのでしょう。
現状はショックの減衰が勝ってスプリングが負けている状況だと思うので、もしかしたらスプリングのへたりも見逃せない要因かもしれません。スプリングの耐久性に関しては一般的には無交換で問題ないと聞きますが、17万キロ使ってへたり(金属疲労・特性の変化)が全く無いということも無いでしょうから。こういった細かいところも考えだすと、古い車は何かとキリがありません。
元々「カリブ」のサスペンションは、リヤが特に柔らかめのチューニングなので、スプリング自体の柔らかさとの相性が良くないのかもしれません。
「初期なじみ」に関しては、「カヤバ」は「ガソリン満タン2回程でなじむ」という説明でしたが、自分の感覚とのこの大きなズレ(なじむまでに一年、10000キロ)は一体何なのか、本当に不思議です。
「じゃあ、へたりですか」と聞き返すと、「構造はノーマルと同一で中のオイル・ガスのみが異なり、耐久性はノーマルと全く同じで、5万キロ過ぎてへたり始める」という説明でした。
そうすると10万キロは使えそうで、あと4万キロは「乗り心地の大きな変化」は期待できないということになるのでしょうか。
なぜか、この一月ほどの間に特に乗り心地が良くなったように感じられます。
初期なじみが取れ始め、それに伴い摺動部の動きが回復したかのようで、交換前のノーマルのフィーリングが感じられるようになってきました・・・ 一年は長かった。
耐久性には定評がある「カヤバ」なので、本当の評価は「これから」なのかもしれません。
※ 2014.11.08 その後の「カヤバ NEW SR SPECIAL」の状況を追加しました
https://minkara.carview.co.jp/userid/1648221/blog/34424503/
※ 2018.01.12 文章を読みやすく修正しました
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スプリンターカリブ | 日記
Posted at
2013/07/27 21:14:23