前回の続きになります
シーラントを入れ替えた後もエアー漏れに変化は見られず、前輪は8時間で空気圧が半減し
このままでは普通には使えない状態がまだ続いています。
前回同様、後輪は減り方が緩やかなので普通に使えます。
まず問題がある前輪のエアー漏れを詳しく調べてみました。
ホイールに傷をつけたくなかったので浴槽で作業。
やり方は、台所用の中性洗剤を使った石鹸水をスポンジに含ませてサイドウォールに満遍なくかけるというもの。エアー漏れがあればプクプクと泡が出て、漏れの状況がとても分かりやすい。
結果はサイドウォールのそこら中から泡がプクプクと発生し、その数何十ヶ所というレベル。
屋外に出して少し乾かすと、エアー漏れの穴だけ白く残るので、とても分かりやすい。
サイドウォール全体に散らばったこの白い点が全てエアー漏れの穴です。
サイドウォールからの漏れだけで8時間で空気圧が半減します。
久しぶりに動画をアップしてみました。動画で見るとなかなか説得力があります。
ちなみに5月の『王滝』はフロントタイヤはこの状態で出場し完走しました。
一応、しっかりシーラントを使い、基本に忠実に丁寧に作業したつもりなのですが、前輪だけこのような状況です。穴だらけで絶望的に思え、これなら8時間で空気圧が半減するのも納得です。
後輪はこのような漏れは全くありませんので、これがタイヤの個体差ということなのでしょう。
全く同じ作業で、一方は正常でもう片方はこんな感じというのは心情的には納得出来ません。
穴の数も異常に多いので、つい「不良品や欠陥商品じゃないの?」と疑ってしまいます。
改めて考えてみると、チューブレスレディタイヤというのはチューブレスとは違い、シーラントを使用することを前提につくられたタイヤです。そしてシーラントの使い方次第ではエアー漏れが起こることも容易に想像できます。こういったグレーゾーンがあるので白黒ハッキリさせるのが難しいという側面があります、チューブレスレディタイヤ。
この時点でまずハッキリさせたかったのが
・タイヤに問題があり、シーラント(作業も含む)には問題がないのか
・タイヤに問題はなく、シーラント(作業も含む)に問題があるのか
・現状を購入元に伝えて返品交換が可能かどうか
問い合わせた結果です
ネット通販の販売店へまず問い合わせてみました
・タイヤの状態は実物を見てみないと判断しかねるが、返品交換には応じる
・他社のタイヤでは過去に似たようなケースはあるがコンチネンタルでは無い
・チューブレスレディタイヤは個体差がある
最悪、返品交換には応じてもらえるという事だったのでまず安心しました。返品した場合の納期が現時点ではハッキリしなかったので、この時点では直ぐに返品するつもりはありませんでした。
気になったのは自分と同じようなケースがコンチネンタルタイヤでは無いと言われたことで、「不良品」や「欠陥商品」じゃないのと疑っていた自分としてはこれはちょっと意外でした。
次にコンチネンタルタイヤの販売元へ問い合わせてみました
・返品交換、その他もろもろの対応は販売店へ問い合わせて欲しい
・チューブレスレディタイヤは個体差がある
・サイドウォールからエアーが漏れるケースがあることは認識・把握している
・こういった小さな穴をシーラントで塞ぐのがチューブレスレディタイヤの特徴
・タイヤに個体差があっても大部分はシーラントで防ぐことが可能
・具体的なシーラントの使い方&穴の塞ぎ方を教えてもらいました
まず販売元の担当者の情報は的確で、自分の現状を伝えても「チューブレスレディとはこういう性質のタイヤで個体差もあります」と自信を持って説明していたのが印象的でした。その中で繰り返し強調していたのは「穴をシーラントで確実に塞ぐこと」でした。
チューブレスレディタイヤはまず、穴に確実にシーラントをいきわたらせることが重要で、そのためには通常の作業手順では十分ではないというニュアンスを受けました。
ホイールを回転させただけではシーラントは均一に流れないので、穴を確実に塞ぐとは限らない。穴があればその場所にシーラント液が溜まるようにタイヤの向きで調整するのが理想的な作業だそうです。サイドウォールの穴に対してはタイヤを横向きにして、側面部に液が溜まるようにするという感じになります。
この方法はこれまでも行っていることを伝えると、「低圧で行い穴を塞ぎながら徐々に圧を上げていくのがいい」とおっしゃり、これは初耳だったので少し驚きました。具体的な数値を聞くと1気圧くらいから作業するということで、さらに驚きました。
一般的な作業手順では一気に3.5気圧まで上げてからシーラントをいきわたらせることになっていたと思うのですが、「高圧だと逆に穴が塞がらない場合がある」という説明でした。
とにかく具体的な作業方法が聞け、大部分のケースで穴を塞ぐことは十分可能とおっしゃったので、少し希望が出てきました。今までのやり方と違う点は基本的には空気圧の違いだけですが。
早速実行してみました。
まず空気を抜いて
1気圧まで下げます。
浴室に移り、石鹸水を使ってエアー漏れの穴を確認し、そこにシーラントの液が溜まるようにして数分待つ。これをひたすら繰り返していると確かに穴が塞がっていきました。
面倒でそれなりに時間もかかりましたが、確実に穴は塞がっていくのでやりがいはありました。
穴が全て塞がった後も1気圧のまま一晩置き、翌日、エアーの減りを確認して問題が無かったので1.5気圧に上げ、その後も問題が無かったので1.8気圧まで上げて10時間が経過。
フロアポンプのメーターで空気圧を確認すると、10時間で0.1気圧しか減っていませんでした。
素晴らしい!チューブ無しでこの気密性ですから、完璧に漏れは収まったと言っていいでしょう。
これでもうスローパンクタイヤとは呼びません。
チューブレスタイヤと自信を持って言える状態にようやくなりました。
タイヤの個体差への不満も、もうどこかへ吹き飛びました。コンチネンタル最高。
シーラントで穴を塞ぐために、あえて低圧で作業するのがポイントだったとは!
ほんと、目から鱗でした。
シーラントで穴を塞ぐコツを完全にマスターしたのでエアー漏れの不安は完全に払拭出来ました。
これで7~8時間の走行時間でも、ピンポイントで好みの空気圧に設定できます。
理想的な空気圧を探っていく楽しみも増えました。
1.6気圧とか、一度低圧を試してみたいですね。
2017.09.14 追記
エアーを2.0気圧まで上げてみると、11時間経過で0.3気圧低下。
石鹸水で再び漏れをチェックすると、サイドウォールからの小さな漏れを数か所確認。
どうやら2.0気圧に耐えられない穴から漏れているようで、圧を上げていくに従ってシーラントで塞いでいた穴が再び開いてしまったようです。前輪は1.8~2.0気圧を境にシーラントの保持能力がせめぎ合っているような状態でしょうか。
一旦1.0気圧まで下げ、シーラントを再度いきわたらせ、再び1.5気圧まで上げてしばらく様子を伺っています。仮にこの状態が続いたとしても、10時間で0.3気圧の低下ならば十分使えますし、実際は1.8気圧くらいで走ろうと考えているので多分大丈夫でしょう。
どちらかといえば気がかりなのは、実際に走行してタイヤに負荷がかかったときにどれだけエアーが漏れるかの方で、一度試走して確かめてから本番に臨んだ方がいいでしょう。
2017.09.16 追記
これまでのエアー漏れの状況を時系列順にまとめると
経過前 経過時間 経過後 変化圧 変化圧/時間
1st 1.8 bar 10H 1.7 bar -0.1bar 0.01 bar
2 2.0 bar 11H 1.7 bar -0.3 bar 0.03 bar
3 1.8 bar 3H 1.5 bar -0.3 bar 0.10 bar (実際に走行)
4 1.6 bar 11H 1.2 bar -0.4 bar 0.04 bar
ここで一度、エアー漏れに改善が見られなくなってきたのでシーラント追加
5 1.6 bar 11H 1.6 bar ほとんど減っていない
これまで積み重ねて塞いできた膜、そこにシーラント追加の効果が現れたのか?
ともかくとても良い状態で本番に臨めそうです。
本番で果たしてどれくらい減るのか楽しみ?でもあります。
最悪の場合でも途中で一回 空気を補充すれば済むことです。
台風で中止かぁ… 。 11月に代替競技を検討中みたいです。