
昨年末に実施したユーザー車検の詳細です。
まず点検整備記録簿の記載ですが
・赤線で囲った部分はすべて鉛筆でこのように記載
・青マルで記した項目は全て空欄のまま提出
基本的にすべて正直に記載して提出しています。
それなので、公害防止発散防止等の点検項目はほぼ目視の点検に限られます。
これに年配の男性職員が目を通していましたが、一切指摘もされず、スムーズに通りました。
これは個人的な見解ですが、ここ数年の間に整備の知識に乏しい一般人がかなり増え、なかには非常識に思えるくらいの方も多々いて、それに比べれば自分なんかはしっかりしている部類ではないかと思っています。
この辺の見極めは恐らくプロの検査官から見れば一目瞭然であろうと思われますが、人員や仕事量の関係であまり細かなとこまでは目が行き届かないのが現状かもしれません。
ユーザー車検の初回から6年が経過し、この間特に大きな変更もなく、対応が厳しくなった感じもありません。こういったことから、「基本的にユーザー車検はそこそこ上手く機能し、定着もしつつあるのかな?」というのが率直な感想です。
ともかく今回はラインを一発で通り、不慣れながらも周りに迷惑をかけることなくスムーズに行えたので、その点は良かったです。
ちょうど連休明けと重なり、しかもラインが工事中で1レーン使えなくなっており、かなり渋滞気味だったのですよ。それで、すぐ後ろに並んでいた業者の方はいかにもイライラしているという感じの仕草で、終始落ち着きがなくタバコをふかしていて、なんか若干プレッシャーになっていました。
その点、ディーラーの整備士はTPOが比較的しっかりし、常識的な方が多いという印象です。
肝心のライン検査
ラインを通すのは2年ぶりになるので毎回緊張します。
一発勝負と、ここは覚悟を決めて、もう集中して乗り切るしかありません。
今回は灯火類の点検時に、以前は無かったパーキングブレーキの警告灯の点検がありました。
新たに点検項目に追加されたのか?それとも多走行や年式の古い車だけなのか?
下回りの検査をしているとき、ピット下の検査官の声が聞きずらくて、指示に迅速に反応できませんでした。これはちょっとストレスでしたね。
今回、事前の予備検査は光軸調整だけ行いました。
その光軸調整も2年前にこの場所で同じ人に調整してもらって以来でしたが、さほど狂っていなかったようです。微妙にはぐらかされましたが、会話からは「今回調整しなくてもギリギリラインを通ったかもしれない」という感じもあります。
この光軸調整、毎回年式を聞かれ、「西暦よりも平成で教えて」、「車検証見せて」と、こんなやりとりを毎回繰り返しています。ほんと進歩しないというか、すっかり2年前のことは忘れてしまうので自己嫌悪気味に若干凹みます。
予備検査は項目によって料金が違います。光軸調整はやや高めの値段設定なので、費用を節約する目的でラインに一度落ちてから通してもいいかもしれません。
サイドスリップ調整は、事前に簡易テスターを使って自分で調整しておきました。
実際に自分で調整して機械に通すのは今回が初めてでしたが、全く問題なく通ったので次回から安心して使えそうです。簡易サイドスリップテスターの性能を確かめる絶好の機会にもなりました。
一見頼りなさそうに見える簡易サイドスリップテスターですが、使う場所と使い方次第では十分車検のラインを通るくらいの調整は行えます。精度は使う場所の床の状態次第で、測定回数を多くすればそれだけバラつきの傾向も見えてくるので、ねらい目もより定めやすいかと。
私は近くの公園の駐車場で良い所を見つけました。舗装状態がとても良く、しかもガラガラなので人目を気にしなくてOKです。下に潜って怪しいことをしたりと、後々、人目というのは重要な要素になってくるので場所選びでとても大切なポイントだと思います。
その公園の駐車場の中でも特に気に入った場所を憶えておき、毎回同じ場所で作業します。
こういう点では田舎サイコー!です。
元々は足回りを交換した後に車屋でサイドスリップ調整をしてもらうのが面倒だったので使い始めたのですが、ハンドルのセンターズレ修正にも使ったりと、最近は手放せなくなっております。価格が安いのですぐに元もとれ、たとえ数回使って壊れたとしても割と平気でしょう。
すべて樹脂で出来ているので耐久性は分かりませんが、カリブ程度(1.5トン)の重量ならばしばらくは使えそうな手応えはあります。構造が非常にシンプルなので、そこがいいのでしょう。
サイドスリップ調整とセットで、キャンバー角の測定用にデジタル分度器も準備しました。
これで、今後はストラットを交換した場合などにキャンバーも測定できます。
カリブはストラットのボルトの取り付け穴のガタでキャンバーを調整するタイプですが、前回の交換時にキャンバー角を意識せず普通に取り付けただけですが、一応基準値に入っていました。
ストラットの取り付け時にキャンバー角を測定するのはかなり難しいので、どうしても取り付け後に測定&調整することになります。それに、無理して精度の低い測定をしても意味がありません。しっかり測定できる場所に移動後、正確に測定&調整するのがベターです。
カリブはフロントがキャンバーなし、リアがマイナス1度が標準です。公差±45分。
BMWほど極端ではありませんがリアタイヤは若干ハの字型になっています。
キャンバーを先に確認し、規定値内であることを確認後にトー調整をするのがセオリーでしょう。
リアのトー調整はリアタイヤの偏摩耗などの明らかな異常が見られない限り基本的に行いません。
基本的にリアのトーは現状を尊重し、フロントのトー調整だけで必要十分だと考えています。
リアのトー角の異常はタイヤの偏摩耗となって現れることは過去に経験済みで、もちろんキャンバー角が正常という前提です。こういった絡みもあるのでタイヤの偏摩耗は気にした方がいいでしょう。
タイロッドは19のクロ―フットレンチと14のスパナを使って調整。
少し前に前後のタイヤローテーションを実施。写真は右側のタイヤ前後になります。
このようにサイドは限界に近づいていました。
リアは若干タイヤの内側が摩耗しやすく、フロントは外側が摩耗しやすい傾向なので、4WDでも前後にタイヤのローテーションを行うことは内外の摩耗が相殺されて有効かと思われます。
フロントストラットはカヤバ→ノーマルに戻しています。しかもノーマルでも114G用という。
ストラットの微妙なチューニング差よりも、乗車人数の差等による総重量差の方が乗り味に大きく影響すると思われます。なので、AE115G用とのストラットの性能差はほぼ皆無に等しく、その違いにもほとんど気がつかないレベルというのが率直な感想です。
ガソリンの積載量でも乗り味が変化し、これは給油後に毎回体感できますので、30㎏程度の重量変化でも乗り味に影響するという、とても分かりやすい例です。カリブは1人乗車の場合では満タン状態の方が車は安定し乗り味もしっくりきます。これが4人乗車になるとガラッと変わり、サスペンションが頼りなく感じられる程です。
感覚的には、ノーマルのサスチューニングは満タン2名乗車の状態(重量)で行っているような感じがします。それぐらいの重量のときが何となくフィーリングが良いので。
リアはカヤバのまま。ノーマルはやや柔らかめなので、硬めのカヤバの方が私は好きです。
一般的にはまずフロントを硬めたくなりますが、個人的にはまずリアを少し硬くすることをお勧めします。理由は、走りが締まって、乗り心地もスポイルし難いからです。全体のバランスも崩し難いように感じます。
フロントだけの交換は効果が大き過ぎ、全体のバランスも大きく崩れやすいと感じます。それにフロントは乗り心地への悪影響もとても大きいです。ストラットタワーバーも同じような理由で使っていません。
フロントノーマル、リヤカヤバSRスペシャル、この組み合わせで1年間使ってきましたが、意外と良くて現時点でベストな組み合わせです。現在、これで結構満足しております。フロントのしなやかさは重要です。
このまま長く乗り続けるなら、一旦前後新品のノーマルにするかも。
そこで不満なら→リヤカヤバ。
リアはドラムブレーキなので分解・清掃し、あそびも調整。
ブレーキシューの残量は十分で、相変わらずあまり減っていませんでした。
フロントブレーキはエアーガンで軽く掃除しただけです。
タイミングライトを使って点火時期はしっかり確認しました。
久しぶりすぎて、短絡して測定することもすっかり忘れていました。
短絡、開放共にバッチリ基準値に収まっていました。双方を基準値に入れるには意外と調整幅は狭く、ほぼ同じところに収まるかと思います。
普通に考えて変わる方がおかしい場所ではありますが、まずはバッチリで一安心でした。
デスビも一応外して点検・清掃。
※正式名称はディストリュビューターではありませんが「II A」と書いても伝わらない可能性もあり、
とりあえずデスビとしておきます。十分意味は通じるので「II A」を使う理由も見当たりませんし。
モチのロンでロケットではございません。
キャップも軽く点検・清掃。
スパークプラグは少し前に新品に交換しています。
エンジンは好調なので、まあ、点火系はこんなもんでしょう。
スロットルボデーも外して点検・清掃。
毎度エンジンコンディショナーでキレイに。
この泡を見ていると、昔流行った整髪剤のムースを思い出します。なぜかニオイは思いだせない!
ついでというかメインのISCVも点検・清掃。
エンジン始動やアイドリングの状態はこのISCVの状態次第と言ってもいいくらい重要な場所です。寒くなる前に一度調子を整えておくと、冬期に入ってからもスムーズに始動できアイドリングも安定します。
※カリブの7A-FE はアイドリング調整用のスクリューが無いタイプで、アイドル回転数の調整ができ
ません。よってISCVの状態維持がとても大切です。
キレイになったポート。そしてISCV軸部にラスペネも注油。
重要なISCVですが、コンディションはこの軸がいかにスムーズに動くかにかかっています。
過去の始動トラブルのほとんどが、ここがスムーズに回らないことで起きており、注油をするようにしてからはトラブル知らずで、ずっと好調を維持しています。
今回、ショックドライバーが壊れていて使えなかったので、ソレノイド部を開けられず、手でクルクルと軸部を回せませんでした。ポートから綿棒でコジコジと少しは回せたのでこれで多分大丈夫でしょう。
PCVバルブは取り外して点検・清掃。振ってカラカラ音も確認。
ワンウェイバルブなので一応口で吹いて確認。
バッテリーは1年前に新品に交換しております。
毎度パナソニックの普通のバッテリー。とにかく普通が好きです!
バッテリーは難しく考えないで(長持ちさせようとか)定期交換がベストです。
後整備に回したのは、ブレーキオイル交換、冷却水(LLC)交換、ディスクブレーキ分解・清掃くらいでしょうか。いずれも緊急性のない所で急ぐ必要もないと判断。
ほぼ過去のユーザー車検の整備内容と同じと言っていいくらいです。
簡易サイドスリップテスターを使い始めたこともあり、この2年間一度も自動車屋の世話にはならずに済みました。ややモチベーションは停滞気味ではありましたが、すべての点検・整備を自力で行ってきたことは事実なので、その点では一定の評価をしても良いのでは?と、思います。
一応次の車検も通すつもりでいます「スプリンターカリブ」。