4月にブレーキマスターシリンダーのOHを実施。
OHはマスターシリンダーキットの交換が主な内容で、交換に伴ってシリンダーの内部洗浄をおこない、ついでに外観の汚れを落とすという、たぶん最もポピュラーなもの。
部品は一昨年から既に買いそろえてありましたが、トランスファー&リアデフからのオイル漏れが発覚し「もしかしたら車を買い替えるかも?」という可能性もあり、それでその頃から最低限度の整備以外は一旦ストップさせていました。
12月に車検も通し、トランスファー&リアデフからのオイル漏れもとりあえずはひと段落しました。暖かくなってきたこともあり、ストップさせていた整備を再開することに。
リアデフからのオイル漏れは現在のところNC81投入で完全に治まっております。GW期間中の遠出(高速道路走行)にも耐え、本当に頼もしい限りです。
一方、トランスファーからのATF漏れは相変わらず続いておりますが、微量なのでこれまで通りペーパータオル&ガムテープで対応し、様子観察しつつも車は普通に乗っております。このGW期間中も沢山走りました。
一応、最低でも30万キロまでは乗るつもりでいますので、今後は少しずつブレーキ関係をリフレッシュしていく予定でいます。
準備したブレーキマスターシリンダーキットはミヤコ製。ガスケットも含め全てモノタロウで購入出来るのでほんと助かります。ディーラーや共販に出向くのが煩わしく、店の雰囲気も堅くてなんか苦手です。
・ TK-T360 ブレーキマスタシリンダキット ミヤコ自動車 (税込¥5,065)
・ 47275-12020 ガスケット トヨタ (税込¥119)
・ 58-101 BF-3 ブレーキフルード(1L) 古河薬品 (税込¥777) 2缶準備
ABS付なので、無しとは若干仕様が違うようです。
しかし作業にあたってはABSの事は無視して普通に作業しました。
結果的にも特に問題は起きていないので気にしなくて大丈夫でしょう。
プッシュロッド隙間調整は " 一応 " 気にした方がいいでしょう。
ブレーキブースター側は一切いじっていないので無視しました。リフレッシュするマスターシリンダー側の凹みの深さをノギスのデプスで測定しておくと一応は安心出来るでしょう。普通に考えて変わるはずがない(摩耗以外では)と思えるのですが。
ちなみに私は測定するのを忘れましたが、結果的に全然問題なかったです。
さあ、作業に入ります。
フルードが変色して茶色っぽくなっていますが機能的には問題ないはず。
これで2.5年~3年ぶりくらい。4、5年無交換でも一応は使えると思います。
まず初めにスポイトで吸えるだけ吸って排出。
マスターシリンダー本体を外すとき周辺の配管が制約となってやや外し難かったです。二か所のボルト・ナットの内、向かって右側のボルト・ナットから抜くのに少し苦労しました。
外すところは、ナット2か所、ブレーキ配管2か所、ソケット一か所だけです。
他のホース類はそのまま。余計なことは一切しません。
配管のナットを緩めるときはスパナではなくフレアナットレンチを使って確実に作業するのがポイントでしょうか。
取り付け時も慎重に作業するところです。失敗は許されず、配管のナットの締め付けには細心の注意をはらいました。取り付け後もしばらくは配管からの漏れに注意しました。
運転や整備などの車に関わる仕事は少し神経質くらいの性格の人がちょうどいいと個人的には思います。雑な性格の人は不向きでしょう。
外したマスターシリンダーはそれなりの汚れよう。
ガスケットの再利用はまず不可能です。ボロボロでべちゃべちゃ。
もし準備し忘れても、適当な厚さの紙でも十分なんじゃないの?
ここまでキレイにしました。塗装とかまでする気は一切なかったです。
内部はまったく汚れていませんでしたがセオリー通りパーツクリーナーで洗浄。
内部構造は単純で分解も簡単でしたが、安物のスナッププライヤーのせいでスナップの取り外しに手こずりました。しかもパチッ~ン!とスナップが吹っ飛んでいって「やっちゃった!」と久しぶりのドキドキ感も味わいました。もう寿命が縮まりそうでした。
結局スナップは直ぐに見つかり、しかもOHキットにもしっかり新品が入っていました。なんかドキドキして損した気分で、こういった心の揺れもDIYの醍醐味の一面なのか?と、久しぶりのDIYで思ったり。
「やっちゃった!」を乗り越えた後の達成感も確かにありますが、強烈すぎてトラウマになってしまう場合もあるかと。繊細すぎてもダメ。適度な大胆さや器の大きさも必要では。
車の整備に限らず、やはり何事でもメンタルやモチベーションの状態は非常に重要だと感じます。
とにかく安全第一です。
万が一、ブレーキフルードや飛んだスナップが目に入ったら大変です。
私は終始しっかりゴーグルをして作業に臨みました。
奥のピストンはストッパーボルトで止まっているので、先にストッパーボルトを外し、その後ピストンを抜きます。ピストンを抜いたら、念の為に同じ形状か確認してから新品を開封した方がいいでしょう。
取り付けも、ピストンを少し押し込んでからでないとストッパーボルトは奥まで入りません。万が一、知らずに無理にボルト押し込んでしまうと致命的な状況に陥る可能性もあるので、やはりここも注意が必要です。
新旧比較。油で濡れていないのが新品。
どちらの部品もほとんど劣化は見られません。素晴らしい品質です。
仮にこのまま無交換でも30万キロは十分使えそうです。
ミヤコ製のつくりも純正と遜色なくかなりの好印象です!さすがブレーキに特化したメーカーで、小さな企業故にしっかり目が行き届くような安心感もあります。
価格と信頼性でチョイスしたグリスは日産。グリスの色はピンク。
作業風景。ここで椅子に座って作業しました。
この日のフルードの入れ替え&エアー抜きは左後輪の一か所のみで実施。
残りのフルード交換は後日改めて実施しました。
交換後の感想
ブレーキマスターシリンダーOH後はブレーキの感触が良くなりました。踏み始めのダイレクト感が増し、それに伴ってブレーキ全体の安心感が増したという感じです。微妙なゴムの摩耗による密閉度の差がフィーリングに現れるのだと考えられます。
これはフルードを全て入れ替える前から感じられた効果なので、フルード交換によるものではなくブレーキマスターシリンダーのリフレッシュに伴った効果で間違いないでしょう。そう考えると、ブレーキマスターシリンダーOHには一定の効果があると言えそうです(フィーリングが微妙に向上する)。
しかし、30万キロまで無交換でも実用上は全く問題ないというのも事実で、実際それだけの高い耐久性がありそうです。特にこういった重要な部品に関しては車のグレードの差は小さく、とても堅実な造りをしており、性能・耐久性の差があるとは到底思えません。
ちなみにこのタンデムシリンダーキット、同年代のクラウンとはトヨタ純正品で600円の価格差しかなく、外観もサイズ以外ほぼ見分けがつかないくらいソックリです。このブレーキマスターシリンダーに関しては、やはりクラウンとの性能差は全くないと考えていいでしょう。(クラウン7300円 カリブ6700円)
30万キロまで乗る人はほとんどいないでしょうから、20万キロまで乗るつもりならばそのまま無交換でもいいでしょうし、10万キロで一度交換してもいいでしょう。
車の重要な部品は一般的な尺度以上の高い品質を兼ね備えていることはこれまでの経験からも十分認識していました。今回のブレーキマスターシリンダーに関しもまったく同じ印象で、予想以上の高い耐久性に毎度驚かされます。
今回のブレーキマスターシリンダーのOH作業は中古車で購入してから初めてになりますが、もしかしたら以前のオーナーが一度くらい交換していたかもしれません。まったくの初めてなら25万キロ22年ぶり、もし今回が2度目でも16万キロ12年ぶりになります。
20年前の車でさえ既にこれだけの耐久性があります。私の感覚では普通のマイカーでブレーキマスターシリンダーを4、5年でOHというのは考えられません。もしあれば、過剰整備かブレーキの欠陥をまず疑ってしまいます。
交換後のGWにビワイチ(キタイチ)行ってきました。
事前に日程変更するも、結局は雨に翻弄されてしまいましたが、それでも十分楽しめましたビワイチ。滋賀(彦根)はクッションドラムを道路の要所で上手に活用していて関心しました。
レベルに応じて楽しめるという意味で懐の深さがあるビワイチ。
今後もますます発展していきそうな雰囲気というか予感がしました。
琵琶湖は車道をレーサーで颯爽と走るよりも、よく整備されたサイクリングロードをのんびりと走る方が向いていると思います。
カリブも好調で高速道路もガンガン走ります。