
カリブ(AE-115G)のエンジンは7A-FEなのですが、ネット上での情報は極端に少なく、評判もあまり良くないようです。どうも「かったるいエンジン」みたいなのですが、自分の感覚とすこしズレがあり、やや不思議に思っていました。
最近、ようやくこの感覚のズレが何なのか分かってきました。
まず、7A-FEというエンジンは大まかに3種類あります。(国内用2種類、海外1種類)
①カリーナ/コロナ用のリーンバーンエンジン(希薄燃焼)
②カローラの輸出用のエンジン(おそらく通常燃焼)
③カリブ/スパシオ4WD専用のエンジン(通常燃焼)
①7A-FEリーンバーンはピークトルクが15.8kgm/2800rpm、ピークパワーが115ps/5400rpmで発生。希薄燃焼で燃費を抑制したリーンバーンエンジン。
②輸出仕様の詳細は不明ですが、外観から推測(写真で見ると吸気系が異なる)するとリーンバーンではないようです。
この当時、海外仕様でリーンバーンというのは考えにくいと思います。
③カリブの4WD専用7A-FEは、ピークトルクが16.0kgm/4400rpm、ピークパワーが120ps/6000rpmで発生。リーンバーンエンジンの希薄燃焼を通常燃焼に仕立て直したもので、変更は吸排気系全般に及んでいます。
・縦型インテークポートを採用し燃焼改善を図る。
・カムのバルブリフトを大きくし、バルブタイミングを変更、やや高速型に変更。
・エキマニの延長、ステンレス化。
・吸気先行冷却方式の採用、スチール製クランクシャフト採用など。
よって、①7A-FEリーンバーンと③カリブの7A-FEは似ていますが、大幅に変更され、
どちらかといえば③カリブの7A-FEは、4A-FEを排気量アップさせた系譜で、リーンバーンの系譜とは区別する必要があります。
ネットの評判「かったるいエンジン」というのがどうやら①の7A-FEリーンバーンのことで、販売台数が多いカリーナ/コロナ/カルディナなので、当然ネット上で目に付きやすかったようです。
カリブ(AE-115G)と同じ7A-FE(通常燃焼に仕立て直したもの)を積んでいるのはスパシオ1.8L 4WD(AE-115N)だけなので、販売台数も情報も少ないのでしょう。
カリブ(AE-115G)の7A-FEエンジンは国内ではカリブ/スパシオの4WD専用の贅沢なエンジンなのです。これにはちょっと驚きました。
自分の感想では7A-FEは中低速でトルクがありフラットでキビキビと走り特に街中で乗りやすい。
高速では必要十分なパワーで気持ちよく走り、パワーモードと「OD」オフをうまく使うことでスポーティーな走りも出来る。ただし高回転での伸びおよび力強さはないのでパワーバンドをうまく維持する必要があります。エンジン音はあまり気にならない。
軽量なボディが貢献し、積載重量が増える状況では追い越し時にパワー不足をやや感じます。
フルタイム4WDにしては燃費が意外と良いのは元がリーンバーンエンジンだからでしょうか。
機会があれば是非リーンバーンの7A-FEと乗り比べてみたいです。
※参考文献 モーターファン別冊 ニューモデル速報 第168弾!!新型スプリンタ-カリブのすべて
Posted at 2012/11/04 23:01:04 | |
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スプリンターカリブ | 日記