駐車場に新型カローラフィールダーが止めてあったので、真横に並んで比較してみました。
防犯カメラには怪しい感じにバッチリ映っていたでしょう。
(※フラッシュ使うと目立つので、写真暗くなりました)
フィールダーはカリブに比べ全体に一回り大きく見えましたが、カタログ値を比較してみると大きくは違いませんでした。個人的には、車は大きくて広ければいいというものではないと思っているので、3ナンバーサイズが主流のなかで5ナンバーサイズを維持しているところは大変評価できます。
カリブに比べフィールダーは、全長で+35ミリ、全幅で+5ミリ、全高で-5ミリ。
ホイールベースは+135ミリ、車両重量は-195~285kg。
全長+35ミリに対して、ホイールベースが+135ミリというのは大きく伸びていますので、その数値分室内空間が広くなっているのでしょう。実際見てみるとフロントガラスの位置がかなり前方にあり、エンジンルームがコンパクトだという印象を受けます。
フロントガラスの角度を寝かせエンジンルームまで被せることで、空気抵抗と居住性を両立させるのが最近の車の傾向のようです。
車重が大幅に軽くなっている所も大変評価できます。低燃費の基本は軽さですね。
この新型フィールダーが発売されたときは正直「欲しいな~」と思いましたね。
しかしカタログをよく見ると「アクティブトルクコントロール4WD」は昔ながらのフルタイムとは違いますし、1.8Lのエンジンには4WDの設定がない所も残念で正直がっかりしました。
個人的にはカリブの実質的な後継車はこのフィールダーの4WDだと思っています。
フィールダー4WDの形式はE164G。末尾にアルファベットの「G」がつくのはカリブだけではないのです。「G」の本当の意味は「ワゴン」です。
前回、「G」はカリブ、「N」はスパシオと言いましたが、国内市場ではE110系にはカローラワゴンが存在しないので、E110系の「G」というのはカリブということで説明したわけですが、本当の「G」の意味は「ワゴン」です。
国内で販売されたカローラワゴンの形式を見ていくと順に、E70G,E90G,E100G,E120G,E140G,E160Gとなっていて、「E」はカローラを表し、「G」は「ワゴン」を表しています。
「E」と「G」の組み合わせから単純に「カローラ」の「ワゴン」であることが分かります。
歴代カリブの形式を見ていくと、初代AL25G、二代目AE95G、三代目AE115Gとなっています。
初代カリブの「L」は「ターセル」であることを表し本質的には「ターセル」の「ワゴン」であることが分かります。実際、初代カリブは海外では「ターセルワゴン」の名称で販売されていました。
二代目と三代目のカリブの形式は「E」と「G」が使われていますので、本質的には「カローラ」の「ワゴン」であることが分かります。
「スプリンター」という名称は販売チャンネルの関係で付いているだけなので、実質はカローラで、本来は「カローラ・カリブ」なのです。
(※実際に並べて見比べてみると、カリブのバックドア・ラゲッジルームは新型フィールダーに負けていない。今でも十分実用的で魅力的です。写真↓)
初代カリブが登場した時代は乗用車を4WDにすることは容易ではなかったので、現在のように同一プラットフォームを使うことは難しく、4WD専用車として独自に開発・展開する必要があったのでしょう。(※初代カリブはカローラ(FRレイアウト)をベースに4WD車を作ることが難しかったのでターセル(FFレイアウト)を使ったようです)
そして「カリブ」はカローラワゴンの4WD専用車という位置づけだったように見受けられます。
そう考えると、4WDのみという車種展開、初代から海外へ輸出されていたことも必然に思えます。
二代目カリブAE95Gのころには4WDシステムも進歩し、4WD専用車(カリブ)として展開する必然性も薄れていたはずです。しかしこの時代は車種展開が非常に豊富で個性的な車が続々と登場し、カリブもうまく時代性や流行にマッチして独自の地位を築くことに成功しました。
二代目も4WDのみという車種展開で、海外での名称は「カローラ4WD」「カローラAll-Trac」と、完全にカローラワゴンの4WDという位置づけになっていることが分かります。同時に海外でのカローラというブランドの大きさも垣間見ることができます。
三代目カリブAE110系は海外では「カローラワゴン」の名称で販売され、海外ではカリブが実質カローラワゴンという位置づけになっていました。
国内ではカローラワゴンはE100系、カリブはE110系というように区別されていましたが、海外にみられるように実質的にはE110系カリブ=E110系カローラワゴン的存在でした。
三代目カリブAE110系は4WDシステムの発達と統一プラットフォーム化による車種構成の変遷のなかで翻弄され、系譜的には初代の流れを汲む「4WD専用車としてのカリブ」という位置づけと「100系カローラワゴンの後継車としてのカリブ」という2つの側面を担っていたと言えます。
このような「どさくさの車種展開」の中で、「ヴォルツ」をカムフラージュにカリブの名称は消滅していきましたが、現在のカローラフィールダー4WD(E164G)が実質カリブ(AE114G、AE115G)の後継車だと思っています。
(※初代、二代目カリブの「カリブらしさ」という意味での後継車はまた少し違います。機会があればネタにします)

そんな想いで、駐車場で並べてみたのです。
この二台、よく似ていませんか?後継車に見えてきたでしょう。
縦型テールは我慢できるので、1.8Lエンジンでセンターデフ式の4WDを積んでくれないかな~。
(この頃はまだ新型フィールダーの荷室がフラットにならないことを知りませんでした)