去年(2012年)の9月、中古で買ったトヨタ純正「タワーバー」(AE111用)を取り付け、あまりの乗り心地の悪さにすぐに取り外すという苦い経験がありました。
これは「ショック」(カヤバ NewSRスペシャル)を取り付けたばかりで馴染んでいない影響が大きかったと思われ、一年後「ショック」が馴染み、ずいぶん乗りやすくなってきたので、10月頃、改めて純正「タワーバー」を取り付け再評価してみました。
取り付けは左右の「ストラットアッパーマウント部」のみナットで固定させ、センター部2箇所(フロントガラス下)は固定させずに、その代わりにボディーとの間にはキズ防止と緩衝目的でゴムマットを挟むことにしました。(ここを固定させると運転席に衝撃がダイレクトに伝わるので)
( インプレ )
ステアリングの反応は少しダイレクトになり、切り始めがやや重く、その分微妙にアンダーに感じられる。特に低速で顕著。
普通の走り方では以前に比べ、切り始めにやや力を入れてステアリングを切るような操作になるが、若干シャープになりラインをトレースしやすく、多少は心地よく感じられる。
ややスポーティーな走り方ではコーナーの突っ込みでは多少無理が利くようになるが、加重が前輪から後輪に移行する過程で、バランスが良くないのか扱いにくく、結果、あまり良い印象はない。
以前の、バランスがよくタイヤの接地感がつかみやすい方が扱いやすく、自然に曲がれる。
ストラットタワーバーを外して元に戻すと、ノーマルのチューニングの良さを実感できる。
不自然さが無いのが良く感じられ、しなやかに曲がる良さがノーマルにはあり心地よく感じる。
発進時などのアクセルの反応がよくなり、エンジンマウントを新品に交換した感覚にも似たダイレクトなトラクションのかかりで、例えば丁字路で停止後、右左折しながら加速し曲がっていくような場合はとても良く、直進安定性も良くなった。
ストラットタワーバーの効果が一番感じられたのはここで、パワーがダイレクトに伝わるようになり安定感も増した。
デメリットとして、路面のゴトゴトは1~3割増しに感じられるが、以前に比べればずいぶんと乗りやすく、さほど苦痛ではなかったのは予想通り「ショック」が馴染んだ影響でしょう。
意外と平気なのでもうしばらく乗っていてもよかったのですが、自分の使い方では特にメリットもなく、負担が増えたりしてデメリットの方が心配なので、結局、3日で取り外してしまう。
カローラのような車はモノコックボディ自体もサスペンションの役割を果たしているようで、フロントのみ過剰に剛性が上がると乗り心地のバランスも崩れやすいのかもしれません。
橋のつなぎ目の段差を乗り越えるときのような、上下の突き上げが特に悪くなります。
乗り心地(ゴツゴツ感)に関しては予想通り「ショック」の影響が大きかったようで、ノーマル「ショック」のしなやかな足回りなら剛性を上げた影響を吸収しやすく、左右「ストラットアッパーマウント部」のみ固定にすれば、乗り心地への影響も小さく、意外と平気なのかもしれません。
ノーマルのショックに交換する機会があれば一度試してみたいです。
トヨタ純正タワーバー(AE111用)は「4A-GE」エンジン搭載の「レビン」「セダン」「カリブ」に標準装備されていますが、初めから標準で付いている=それに合わせた足回りのチューニングバランスが上手くとれている、という認識は重要で、実際、足回りは4WD系とは共通性はありません。
「付くから」といって安易にタワーバーを取り付けてボディ剛性を変えてしまうと、アンバランスが発生するのは必然で、「ストラットアッパーマウント部」以外にボディへ固定させる構造の純正タワーバーは特に乗り心地への影響が大きいという印象です。
そこへ、さらに硬めの「ショック」(カヤバ NewSRスペシャル)では乗り心地は悪くなって当然でしょう。
( まとめ )
・本来「ストラットタワーバー」は後から取り付けるものではなく、最初からボディの一部分として組み込まれているもの。
・後から取り付ける場合はサスペンションは硬くするのではなく、やわらかくしないと乗り心地が悪くなる。
・4WDの「カリブ」にはノーマルの「ショック」が無難。(既製品では「カヤバ」以外選択肢はないので)
・「カヤバ NewSRスペシャル」が乗り心地に与える影響は大きい。
110系「カリブ」の4WD車は、ゴツゴツ感やロードノイズが高いといった欠点があるようで、足回りの変更には特にデリケートに反応しやすいという印象があります。
「ショック」の交換や「タワーバー」を取り付けた後の変化からもそう思えます。
「カヤバ NewSRスペシャル」に交換後のゴツゴツ感は他の車種に比べて出やすく、快適性では逆行してしまった感があり、4WDの「カリブ」には、やはりノーマルの「ショック」が合っているようです。
多走行車や古い車体の場合、サスペンションとタイヤの選択は特に大事で、硬めにしてしまうと車体のガタが出やすいようで、柔らかい方が「ごまかし易い」ような気がします。
多走行車にとっては、耐久性と同じく快適性の維持もとても重要なので、この「カリブ」の欠点ともいえるゴツゴツ感やロードノイズ対策が今後の課題で、どれだけ長く乗るか左右する大きなポイントだと感じています。
Posted at 2013/12/22 21:10:13 | |
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