いよいよレース本番です。
レース前日は早めに自宅を出発。エントリーだけならもっと遅い時間に出発しても大丈夫なのですが、当日はファンランに参加する予定で、その受付が11:30までだったのです。
それで、遅くとも30分前の11:00には到着する必要がありました。
カーナビ任せのルートは、突然こんな狭い道に遭遇。これぐらい狭い道だといつもなら敬遠していますが、迂回すると時間的に厳しそうだったので、この日はこのまま強行しました。
交通量が非常に少なかったので、狭い場所で対向車と遭遇することもなく、なんとかスムーズに抜けられました。
その狭い道を抜けると19号の交差点に出て、向かいのマックで朝食のおてごろマックセットを注文。
バペポ、氷抜きコーラ、アップルパイのセット。このセットはお手頃感があって最近よく利用します。
それほどお腹は空いていませんでしたが、後ほど、『このときに食べておいて良かった』という状況になるのでした。
19号は流れがいいです。ほとんど信号で止まりません。
はるか昔、この道を荷物フル装備のランドナーで走ったことがありますが、なかなか自転車で走るにはタフな道で、もう二度と走りたくはありません。地形的に厳しいだけではなく交通量も多く、車のロードノイズがうるさくて、自転車は音を遮るモノが一切ないので、一日中走っていて騒音でノイローゼ気味になったのを思い出しました。
10:30頃、王滝村 松原スポーツ公園に無事到着。
カーナビ頼りだったので湖の北側のルートを走ってきましたが、他の車はみんな途中で左折し湖南側ルートを走行していきました。なんか、早くも疎外感を味わったような気分でした。
後ろのドームが特徴的な松原スポーツ公園。普段このドームは何に使われているのでしょうか。
駐車場はけっこう広く、駐車出来ないということはまず無いでしょう。
ファンランに参加するので早速MTBを組み立て、準備します。
カリブの荷室はミニバン並に広大ではありませんが、車体がコンパクトな割には比較的広く、実用性があります。大抵のモノが積めたり、なんとかなってしまい、困るということがないです。
過去にカリブの荷室で寝たことは前期型の頃も含めて一度もありませんが、フラットになるので、背丈が低い人は脚を延ばして、高い人は脚を折り曲げて、それぞれ寝られないこともない広さです。もし本当に寝る事になったら、いくらフラットでも床に敷くマットは必須ですが。
これが王滝仕様の普段は雨天専用のF900。
シートポストに取り付けたトピークのダイナバックですが、ファンランの下りで講師について行ったマジ走りで一発で吹っ飛びました。普段の山中での練習では平気でしたが、衝撃に耐えられずにアタッチメントの根元が割れました。バッグの中には大事なモノも入れてあるので、これが本番じゃなくて助かりました。これだけでファンランに参加した価値がありました。
普段の練習とは速度域が全然違い、衝撃も大きく、バイクが壊れそうで心配になるくらいの速度で平気でかっ飛んで下っていく講師の走りに唖然。Fサスのストロークの差なのか?バイクを労り過ぎなのか?
このスピードで、講師のタイヤは『レースキング』くらいのノブが低いものを使っていて、さらに空気圧が1.6 bar程度とかなり低いのも驚きでした。そして、サスのストロークやバイクの性能はあまり関係ないと言っていたのも印象的でした。登り以上に下りはテクニックやセンスの差が出やすいようで、バイクにこだわり過ぎるよりも、メンテナンスやテクニック・センスにこだわった方がタイムに影響するのでは。
王滝の下りは速度がかなり速いです。普段のダートを走っている感覚が通用しません。
対向車を意識した普段の速度とは次元が違い、どちらかというとダウンヒルを下るような感覚をイメージして対策をとらないとダメですね。
前日の正午前の様子で、車はまだまばらで、駐車場は外から順に埋まっていきます。
夕方には中までぎっしりと車で埋まります。
午後4:00頃の様子。車中泊組みは大体この時間には既に集まっています。
車もバイクもバラエティ豊かで、結構意外性のある車も見かけました。
『こんな車でバイクが積めるんだ!』みたいな。車とかぶらぶら見ているだけでも楽しめます。
夜のパーティーに参加した感想です
食べ物は焼き鳥の屋台が一軒だけ出店し、他は一切なし。当然需要と供給がアンバランスで直ぐに売り切れ、食べたくても買えない状況でした。パーティーのオードブルもアルコールのつまみと菓子だけの貧素なもので、体に悪そうでほとんど口にしませんでした。なんかマンネリ気味のビジネス化した雰囲気的で活気がなく、どちらかと言えば白けているという印象でした。コース説明がなければ参加する価値がない、率直にそんな感じでした。実際、常連の方は結構参加していませんでした。『年々酷くなっている』とぼやく人も…。
私は、夕食は『部長コーヒー』のパスタを当てにしていたので、当てが外れ残念。5月だけなのか?
相当需要が有りそうなのに、飲食物の出店をしないなんて勿体ないって思いました。
それで、備蓄食料に余裕もなく、『朝マックで食べておいて良かった』と、そんな状況でした。
今夜の宿『 ホテル マジョリーナ エクストリーム』。BGMはみゆきさんのミラージュ・ホテルで♪
部屋は二階にあり、見晴らしが比較的良好。エレベーターはなくアルミ製のハシゴを使用。
禁煙室&土足禁止で、ネット環境なし。24H出入り自由。
室内ではほとんどの時間をアイポッドを聴いて過ごしました。
緊張からか、慣れないせいか、なかなか寝れませんでした。
しかも夕方に缶コーヒーを飲んでしまい、夜頻繁にトイレに起きてしまうという失態を犯す。
それでもいつの間にか寝ていたので、どうやら少しは寝ることが出来たようです。
3:00頃に起床。その時間には そろそろ周りもゴソゴソしだします。
スタート1時間前くらいの様子。
昨夜からけっこうな雨が降っていて、ルーフテントを雨天で使用するのは初めてでしたが、雨でも割と平気でした。さすがに生地が薄いテントとは大違いで、雨が中まで滲みてくることはありませんでした。入口の出入りで傘をさしたり、靴を脱いだりが面倒なだけで、後は快適に過ごせました。
昨日から二台横のバモスの人と仲良くなれて、初めてでしたが色々情報を聞け、おかげでスタート前もスムーズにいい場所を確保できました。現地で話し相手がいないと寂しいので、積極的に話しかけることは大事だと感じました。一人で参加している方が意外と多かったので、お互いに楽しい時間がずっと増えると思います。
レース当日は朝からけっこうな雨が降っていました。前日の予報では降水確率100%だったので、昨夜から既に雨の中を走る覚悟が出来ていたので平気でした。
レース中も最初から最後までずっと雨でした。この日の御岳の雨量は170mmと、大量の雨が降ったことが分かります。事前の情報では『雨になってもタイムは変わらない。むしろ路面が締まって走りやすく、涼しくて水分補給も楽』と聞いていましたが、実際の状況は全然違いました。路面は大量の雨で川のように流れていたり、深さが分からないような大きな水溜りが何箇所もあったり、常に水の抵抗を受けながら走っているような状況でした。涼しくて水分補給が楽というよりも、寒くて体を温めるのに気をつかいました。下りが特に寒くて、ペダルを回して体を温めていないと耐えられない程でした。
CP1手前でフロントブレーキが利きにくいというトラブルが早くも発生。
アタリを調整して再出発するも、結局フロントブレーキの利きは徐々に悪化しCP2付近でほとんど利かなくなってしまいます。頼みのリアブレーキも徐々に利きが悪くなり、CP3へ向かう途中で前後のブレーキがほとんど利かないという恐ろしい状況になっていました。状況が分からないので適切に対処することも出来ず、おもいっきり強くブレーキレバーを握り、信じられないくらいのゆっくりとしたスピードで下るのが精いっぱいでした。後ろからビュンビュンと追い越され、こんどは上りでその人たちを追い越すということをひたすら繰り返し、複雑な心境で走っていました。もう情けないの一言です。
その後も状態はさらに悪化し、どれだけ強くブレーキレバーを握ってもほとんど効きません。それまでは片足を地面にこすりつけてブレーキ代わりに使っていましたが、急な下りが続くと暴走し制御不能に陥るのでバイクに乗車していられなくなり、とうとう歩いて押しました。リタイヤが現実味を帯びて来て、『ずっと上りでもいい』本心からそう思っていました。
そんなスローペースでしたが、なんとかCP3に到着します。相変わらずの土砂降りでした。このままの状態で走りきるのは不可能と判断し、思い切って土砂降りの中バイクをひっくり返してブレーキパッドを分解してみました。とりあえずパッドの左右を入れ替えると弱いですがしばらくはブレーキが使えることが分かり、前後これを行って再スタートしました。スピードを控えれば急な下りでも乗車して走ることが出来るようになり、ここで完走はできそうな手応えがでてきました。しかし残り数キロのほぼ下りの区間で再び徐々に効かなくなってきて、途中からはスピードの制御が難しく非常に危険な状態で、集中して坂道を下ります。
最後はゴールまで持つのか非常に際どい状況でした。
そんな心境でなんとかゴール。ガッツポーズもなにもありません。
完走できた。ただそれだけでした。
リザルトは8時間オーバーでしたが、何はともあれ、初めての王滝を無事完走できました。
この日は半数以上が棄権かリタイヤという状況で、完走率は5割を切っていました。
大雨で過去に例のない厳しいコース状況だったようですが、致命的なブレーキトラブルを抱えながらの走行だったので、それどころではなく、むしろ気になりませんでした。
タイムロスも相当な時間になりましたが、それ以上に下りで全く実力を発揮出来なかったフラストレーションが大きくて、ただただF900に申し訳ないという心境でした。
もう、来年は絶対に出るしかありません。
これだけの負荷で8時間以上走る経験は久しぶりで、なかなかの充実感でした。ブレーキトラブルを抱えていたせいで結局最期まで追い込めず、足が攣ることも一度もなく、体力的には少し余裕を残してのゴールとなりました。
普段絶対に走れないようなコースを長時間走れて楽しいです。私は気に入りました王滝。
こんな状況で、今年のタイムは今一参考になりませんが、現在の実力では7時間を切るのは難しいでしょう。おそらく7~8時間くらいが妥当なタイムだと思います。
タイムはごく平凡でしたが、自分の現在の体力については予想よりも良いです。
これは率直に嬉しくて、それなりにくたびれていても まだまだ元気で行けそうな気がしています。
カリブもそれなりにくたびれていてもまだまだ元気で、私個人の状況と似ています。しかし、そこはあまり感情移入はしないで客観的に距離をとっていきます。カリブの最後は私の最後だと、そんな風にダブらせてしまうと車を手放せなくなりそうなので。
ただ、こうやって一緒に思い出が積み重なっていくので手放し難くなるんですよね、車って。