ぶっとび！　ＳＡＹ☆優　１１

　　第４章　　恋敵（ライバル）　２


一体どうなるのか？と心配された第８話の収録もほどなく終了し、
メンバー恒例の飲み会に突入していた。

「今日から当作品に参加してくれた伊東さんと帰ってきた澄川さんの歓迎会です。」

定岡から簡単に２人の紹介をする。

「きゃははは、飲め飲めぇ～。♪」
「あのぅ、もう出来上がってる人がいるんですけど…くるちぃ～」

すでに酔いが回っている澄川さんにネックハンキングを喰らってる若坊こと宮本が
救助を求めていた。

「諦めなさい、今日は澄川さんの復帰祝いも兼ねてるんだから。ｗ」

収録後の飲み会が恒例化してもう６回目ともなると皆慣れたもんで好き勝手に固まりが出来て色々と会話が進むのであった。

「ところで、澄川さんにもてあそばれている男は誰？」
「あ、宮本さんっていうスタッフの方です。」

静香に質問された香が答える。

「ふ～ん…」
「？」

意味深なうなずきをして宮本の様子を見ている静香。

「若坊、酒切れた。直にもらってこい。」

定岡にコキ使われる若坊。

「はい、いってきます。」

そういって席を立つ。

すると、なぜかそのあとを追っていく静香。

「手伝うわ、宮本クン。」
「え、あ、ありがとうございます。」

（え、なんで伊東さんが？）

よくわからないままに手伝ってくれる静香。

「もらってきました。」
「おぅ若坊、さっさとみんなに配れ配れ…って、あれ？」

若坊と静香が一緒にいるのに気づいた定岡が不思議そうにその様子を見る。

（どういう事だ？）

状況がつかめない定岡。それもそのはず静香本人以外にその意図はわかる訳がなかった。

「どうぞ、菅本さん。」
「お、静香が持ってきたのか？こりゃ雨が降るかもな。」
「もう。そこまで言わなくてもいいじゃないですか。」
「ぐふぁふぁふぁ。」

某アニメ作品の某皇帝役の笑い声が店内にこだまする。
（読者の方々は↑その声の雰囲気を脳内で連想してくださいｗ）


「ねえ、エリカちゃん。」
「どうしたの、香？」
「伊東さんが宮本クンの隣に座ってるよ。」
「え！？」

奈々さんとの話で盛り上がってて宮本の状況を全く知らなかったエリカが驚く！

（え、なんで？）

今日から作品に参加したばかりで宮本の事を知るはずのない静香がなぜ宮本と話を
しているのか理解できなかった。
そんな状況の為、涼樹さんとの話が上の空になってきていた。

「ちょっとエリカ、聞いてる？」
「え？　あ、すみません。」
「もう、どうしたの？」
「あ、あのぅ…。」

もじもじとしてるエリカの視線がチラチラと静香と宮本の方に向いてるのに気づき

（ははぁ、なるほどね）

奈々さんなりに状況がわかった。

（わかりやすい娘ね、うふふ）

どうやらこの状況を楽しんでるようだった。

「さてと、私も動きましょうかね。」

そういうと奈々さんはナント宮本の右隣に座る。宮本の左側が静香だ。

（え、え～！？　なんで奈々さんまでそこに座るの？）

静香のみならず奈々さんまで宮本の横に座ったモノだから、エリカの動揺は更に深まる。

（もう、どうすりゃいいのよぉ！？）



「あ、あのぅ、涼樹さん。なぜに隣に？」

静香に隣に座られ動揺してる状況の中、更に突然涼樹さんまで隣に座られ混乱状態の宮本。

「あら、涼樹さん。どうもごぶたさですわ。」
「久しぶりね。元気にしてた？」
「ええ、おかげ様で。」
「そう、残念ね。」
「！」

小声で言った「残念」と言った奈々の言葉が聞こえたらしく、静香の顔が歪む！

余裕の笑みで静香の睨みを受け止める。

今まさに、両者の間には目に見えぬ火花がバチバチと飛び散っているのだった！

(*ﾟ∀ﾟ)・・・・・・・・・・☆・・・・・・・・・・・・(ﾟ∀ﾟ*)

普通なら「両手に華」で喜ばしい事なのだが、とてもそんな気分ではなかった。

（オレ、どうなるの？）

宮本は心の中で頭を抱えるのであった。

　　　－つづく－


次回は９月１１日の予定です。