• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2009年02月19日

エルディア蒼龍伝 44

 
      第3章   講和条約  4



   銀河西暦4986年(帝国歴686年)10月23日。


新設される特務艦隊に配属される3万人の乗組員が第10駐留ステーションに
続々とやってきていた。
その中にはハラピーら首脳部も含まれていた。

 「ふわぁ~、着いた着いた。」
 「随分遠くにあったんですね、第10駐留ステーションって。」
 「まあ、アンヴァイセン以下どデカイ艦艇ばっかだから、ステーション自体も
  それに対応できるのはここしかないからなぁ。」


超大艦巨砲プロジェクトは上級貴族には自身の階級を鼓舞できるとして注目されていたが、
動力源の新燃料の不安定さが解消できなかった為、最初に建造されたアンヴァイセンには
当時有事の際に死傷しても軍内部に影響のないハラピーが選ばれたのだった。
その後の活躍は今更語るまでもないが、元帥以下の門閥貴族から嫉妬を浴びる事になった。
そこで、彼ら上級貴族は己の階級を鼓舞する手段を戦艦から空母に変換しようとしていた。

銀河西暦4985年11月、その試作空母として建造された「ヴェルシューフェン」は
第3艦隊旗艦として就航された。
その効果を早速試したかった帝国艦隊総司令長官ハワード・ブリマシュアン元帥は、
第3艦隊に自治領の1つ『バルテックポリス自治領』で出没する海賊退治の命を下した。

当時の第3艦隊指揮官はベルクード・ブリマシュアン中将。
そう、ハワード・ブリマシュアン元帥の従兄にあたる人物だ。
だが、軍のなかでは残念ながら階級に対して評価は高くなかった。
いわゆる「親の七光」で中将にいるという事だ。w
元帥もその辺りは認識していたようで、とっとと武勲をたてさせて、その成果で
管理職に就かせ現場から離したかった思惑もあったが、それを知る者はごく一部のみであった。

この時の情報では、その時出た海賊はそんなに強くないとの事だったので

 「その程度なら、うちの従兄でも大丈夫だろう。」

…と鷹を括っていたのだが、運の悪い事に退治に行った時にたまたま出くわした海賊が
何と銀河系のなかでもトップ3と言われる海賊組織『シュテーラ』だったからもう大変!
試作空母とはいえ650m級とどデカイ為、海賊達から標的になったしまったのだ。

 「参謀、帝国軍のあの艦は何だろうな?」
 「相当デカイですね。帝国軍の新型艦でしょうか、キャプテン・エスペラーデ。」
 「ま、そんなトコだろう。見た所空母のようだな。」
 「はい、そのようです。」
 「よし。では、あのデカブツから先に倒してしまおう。」

海賊『シュテーラ』のボス、キャプテン・エスペラーデは帝国1の海賊組織で、
100隻程度の艦艇とかなりの数が存在しなおかつ全艦が高速走行できるので、
行動も早ければ逃げ足も速いのでいまだに警察だけでなく軍も手を焼いている状態だった。

 「司令官、海賊の砲撃が我が艦に集中します!?」

キャプテン・エスペラーデの指揮の元、海賊『シュテーラ』の面々は巧みに敵を
翻弄しながら艦艇を動かし的を絞らせなくした。
更に砲火は空母に集中され、指揮官ベルクード・ブリマシュアン中将はいいようにもてあそばれ
ようやく艦列を整えた頃にはさっさと逃げていた。

 「バカモ~ン!?」

叔父であり上官でもあるハワード・ブリマシュアン元帥はその結果を聞いて落胆すると共に
大型空母を旗艦にする計画を含めた大艦巨砲主義までも白紙にする結果となってしまった。

そして、その為試作艦の後前倒しで作られていた戦略空母シェーンメルクは行き場を失った。
それに目を付けたブルーム・バルディー大将がその空母を預かりという形で取得。
今回ハラピーらの特務艦隊にその空母を使うことにしたのだった。



 「お~、さすがにデカイなぁ」

第10駐留ステーションに到着したハラピーは、まず最初にその戦略空母を見に行った。

 「驚きましたなぁ、アンヴァイセンでも何でこんなバカデカイ艦を作ったんだろうと
  思ってましたが、まさか空母もあったとは、ねぇ。」
 「私も知らなかったよ。」
 「ハラピー閣下が知らないとは珍しいですなぁ。」
 「私がエルディア兵器科学研究所時代に手掛けたのはアンヴァイセンまでだ。」
 「では、誰かが新たにこの空母を開発したんでしょうかねぇ?」
 「この空母はアンヴァイセンの技術をベースにこれまでのアンヴァイセンの実践経験を
  元に改良されているそうだ。」
 「なるほど。私は詳しい事はわかりませんが、素材は悪くないって事ですね。」
 「ま、そんなトコだ。ハンセン中佐。」

ハラピーと一緒にきたハンセン中佐とバカデカイ空母を見ながらそんな話をしていた。
すると、

 「ハラピー中将閣下ですか?」

と、声を掛けてくる人物が。

 「いかにも、私がハラピーですが…」
 「申し遅れました。私がこの戦略空母シェーンメルク艦長アルフレッド・グリンベルガー少将です。」
 「あ…ど、どうも。初めまして。」

この配属も含めた特務艦隊の主な陣容は下記の通りだ。

 艦隊司令兼旗艦アンヴァイセン艦長 … ライオネル・ハラピー 中将
 特務艦隊副官兼参謀長         … マヤ・アルジェリーニ 少佐
 「シェーンハイト」空戦隊々長      … ザフィーラ・ベルギノーゼ 中佐
 「ローゼンバトラー」陸戦隊々長    … ブラッティー・ハンセン 中佐
 シェーンメルク艦長            … アルフレッド・グリンベルガー少将
 補給艦隊主任               … ギルバート・フォン・シュタインバーグ 少佐

艦艇数の激減で首脳部も兼任も増えた。
特にハラピー自身も驚いたのが、マヤがこれまでの副官に加えてなんと参謀も兼任となった事だ。

 「なあマヤ、大丈夫か?」
 「大丈夫、大丈夫。お兄ちゃんの為にも頑張るよ!」
 「まあ、ボチボチ頑張ってくれ。」

彼女には副官としては文句のない実績があったが、参謀としての能力は未知数。
でも、マヤが側近のままであった事は上司(人事管理局局長)に感謝するハラピーであった。w


  -つづく-


 次回もきまぐれ更新。w
ブログ一覧 | 【自作小説】エルディア蒼龍伝 | 趣味
Posted at 2009/02/19 21:46:43

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

【会務連絡】第13回九州セリカDa ...
バツマル下関さん

愛工大名電高のグランドは素晴らしか ...
パパンダさん

脂摂取タイム‼️
チャ太郎☆さん

愛車と出会って1年!
hajimetenootsukaiさん

晴れ、3日連続の猛暑日(あと7日)
らんさまさん

本日のキリ番&ミラー番♬
ブクチャンさん

この記事へのコメント

コメントはありません。

プロフィール

「ホンダの頭にホンダ」
何シテル?   05/13 16:39
再び色々ありまして、乗り換えです。 2回目のホンダ車でまた白に戻りました。 引き続き宜しくお願いいたします。。♪   一般人からみたらオタク系だと思...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

掲示板

<< 2025/8 >>

     12
34567 89
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

トヨタ(純正) リアワイパーアーム 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/08/12 19:38:17
☆ アルファード ドアロック設定方法 シフト連動アンロック機能設定。 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/05/20 17:24:50
☆ アルファード 10後期 いろいろな設定&裏技 総集編 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2020/05/03 07:58:59

愛車一覧

ホンダ ステップワゴンスパーダ 白い風船 (ホンダ ステップワゴンスパーダ)
右翼曲折を経て新しい愛車を迎える事が出来ました。 まさかの新車は喜びですが、ちびちび支払 ...
ホンダ ステップワゴンスパーダ 紫式部 (ホンダ ステップワゴンスパーダ)
色々ありまして、クルマ替わりました。   人生初のホンダ車かつパープルです。   これま ...
ダイハツ タントカスタム 白い魔法使い (ダイハツ タントカスタム)
タントカスタムが親戚の家に嫁いでいったので行けば会えなくはないのですが、愛車ではなくなり ...
トヨタ アルファードG 銀魂アルファード (トヨタ アルファードG)
諸事情で前のクルマから16ヶ月で替わりました。   古くはなりましたか、懐かしきV6サウ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation