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2009年05月30日

神殺の聖槍  40

     第5章   姫とボイン 8
 
 
 
 「アルシオーネさん、ロンギヌスの槍をご存じですよね?」
 
 いきなり核心を突いてきたのはウラッコ姫の横にいる女性だった。
 
 「え、えっと…」
 
 アルシオーネがどう答えようかと考えていると、
 
 「その前に、今質問をしてきたあなた、誰なの?」
 
 その質問に対して横槍を入れてきたのは、なんと麗華だった。
 
 「これは失礼しました。私はウラッコ姫直属のお世話係の『ムルティプラ』と申します。」
 
 わざわざ立ち上がっての挨拶をするムルティプラであったが、結構デカイ。
 アルシオーネまではいかないまでも180cm近くはあるようだ。

 「最初はお姉さんかと思いましたが、メイドさんだったとは。」

 そんな感想を述べるアルシオーネだったが、
 
 「こんなにデカイ姉はいらん!」
 
 ウラッコ姫がブツブツ文句を言う。
 姫は公称156cmとの事らしいが、見た所まだ小さいと思う。
 本当は150cmもないんじゃないのか? 記載の時、0と6を間違えたんだろう。w
 
 「あの~、姫の身長はどのく…」
 「な・に・が・言・い・い・た・い・ん・だ・じょ?(怒)」
 「…いえ、何でもありません。」
 
 とても聞ける雰囲気じゃねぇ。(爆)
 
 「では、質問に戻らせていただきます。」
 
 雰囲気を察してか、姫のメイドが本来の質問に戻してきた。
 
 「で、アルシオーネさん。聞き直します、ロンギヌスの槍をお持ちですね?」
 「え、えっと…」
 
 今度は「知ってるか?」から「持ってるか?」と聞いてきた。
 どうやら今回姫側がコンタクトを取ってきたのはロンギヌスの槍についてで間違いはなさそうだ。
 
 「確かに持ってたわよ。でも、今は持ってないわよ。」
 
 その質問に答えたのはなぜか麗華だった。
 
 「何で麗華が答えるんだよ?」
 「あんたがトロイからよ。」
 「そんな事言ってもさ、一応は様子見じゃないか、ここは。」
 「何言ってんのよ。こんな娘に隠しても何も意味はないわ。」
 「でもよ、今手元にアレ持ってないしさ…」
 「持ってても渡すつもりはないんだから、先に言っとけばいのよ、こういうのは。」
 
 アルシオーネと麗華がグチグチ言い合ってると、
 
 「なるほど、わかりました。では、こちらの主旨を言っておきます。」

 ムルティプラはだいたいの状況がわかったようで、そちらの目的を話始める。
 
 「あなた方、【今泉一騎】という方をご存じありません?」
 「な、何ですって!?」
 
 まさか、ここでその名前が出るなんて思ってもいなかったので、アルシオーネ達は
 ただ驚くばかりだった。
 
 「彼はウィルベリーニの外交官なのですが、彼からロンギヌスの槍の行方がわかったとの
 報告があり、あなた方がジェバンからウィルベリーニに戻ったとも報告を受けたので
 こうして極秘に会う機会を作っていただいたという訳なのです。」
 
 だが、この話に対して1番怒りをあらわにしたのは麗華だった。
 
 「ふざけんじゃないわよ。あんた達が外交官に指名したその今泉が私達が持ってた
 ロンギヌスの槍を持っていったんじゃない!」
 「え、そんなバカな!?」

 顔色が変わるウラッコ姫とムルティプラ。

 「そんなバカな。そのセリフ、こっちが言いたいわよ。」
 「そのような報告は受けてませんし…」
 「あったり前じゃない。犯人がわざわざ『自分が犯行を犯しました』なんて言う訳がないでしょ!」
 「すみません、ジェバンで何が起こったのか教えていただけませんでしょうか?」
 
 アルシオーネは、ウラッコ姫とムルティプラにジェバンでの出来事をすべて話した。

 「ムルティプラ、これは一体…?」
 「姫様、どうやら私達もハメられたようです。」
 
 それまでの話で今泉の背信行為がはっきりしムルティプラも『してやられた』という顔を
 していたが、すぐに元の雰囲気に戻る。
 
 「姫様、もし今泉がロンギヌスの槍をあの男の手に渡したとなると、世界はどんでもない事に
 なります。」
 「うむ、それだけは阻止せねばいかないじょ。」
 
 2人だけで勝手に納得していた。
 
 「ちょっと、どういう事か説明しなさいよ!」
 
 麗華が憤慨しながら2人に説明を求める。
 
 「そうですね、どこからお話しましょうか…」
 「もったいぶってないで、とっとと説明しなさいよ。」
 「…ずいぶん、せっかちなんですね。」
 「いいからさっさと説明しろ!」
 
 麗華は完全に手玉に取られている。w
 
 「それについては私から説明をいたします。」
 
 そう言ってきたのはシルビアだった。

 
 
 第2章「破壊剣 6」でロンギヌスの槍についての話はしましたが、そもそも
 ロンギヌスの槍は旧バレスティン帝国の隊長が使っていたと言われていますが、
 その隊長にロンギヌスの槍を授けたのが時の帝国宰相『ハイラックス・バレスティン
 であり、その隊長というのが『小泉悠一』そう『小泉一騎』の祖父なのです。
 
 
   ざわざわ  ざわざわ  ざわざわ  ざわざわ  ざわざわ 


 シルビアの説明にみんなざわめく。
 
 「そこまで繋がるのか。」
 
 アルシオーネも理解は出来たが、にわかに信じがたい話に戸惑いは残っていた。
 
 「ロンギヌスの槍は旧バレスティン帝国時代の皇帝一族の生き残りにとっては
 希望の品である、という事なんでしょう。」
 「何、じゃあそいつらは共和制になって亡くなった自分達の権力をまた取り戻すために
 ロンギヌスの槍を奪還しようって訳? 冗談じゃないわよ!」
 
 麗華の怒りは最高潮に達する。
 
 「本当の所は今泉自身に聞いてみないとわかりませんが、概ね間違ってないとは思います。」
 「今泉ぃ~、とっ捕まえてギッタギタにしてやるから。」
 「女がギッタギタなんて言葉使うなよ…。」
 「う、うるしゃい!」

 (怒りが激しくて呂律が回ってないゾ、麗華。)
 
 結局は、ロンギヌスの槍の奪還しないと先に進まないようだ。
 そして、ウラッコ姫がガバッと立ち上がり、キリっとした態度でアルシオーネ達に向かって言う。

 「アルシオーネ達に命じます。ロンギヌスの槍を奪還してください。」
 「私からもお願いいたします。」
 
 ムルティプラも深々と頭を下げ、アルシオーネ達にお願いをする。
 
 「頭をあげてください。」
 「そうですの。私達出来るだけの事はいたしますので、安心してください。」
 「そうそう、泥船に乗った気分でまっかせなさ~い!」
 「おいおい、それを言うなら大船に、だろ。」
 「ち、ちょっと間違っただけじゃない。細かいのよ、アルは。」
 「大船と泥船を間違えるヤツから偉そうに言われたくないわ。」
 「何ですって!?」
 「まあまあ、お2人さん落ち付いて。」f(^^;
 
 相変わらずボケてる麗華とツッコミ役のアルシオーネ、癒し役の美緒りんの3人。
 ひと癖もふた癖もあるアルシオーネ一行は、これからはロンギヌスの槍奪還を目指して
 再び旅をする事になった。
 
 「私も一緒に行くわよ。」
 「え、シルビアもついてくるの?」
 「何かしら、私が一緒じゃ問題でもある訳かしら、麗華さん?」
 「そ、そんな事はないわよ。」
 「じゃ、問題はないわね。」
 「…。」
 
 麗華は納得いかない様子だったが、
 
 「私からもお願いする。シルビアにも協力させるので、ぜひロンギヌスの槍を
 探し出してくれ。」
 
 さすがに一国の姫君からの依頼には麗華も断れなかった。
 
 「じゃ、これからは私がリーダーで指示していくので、宜しくね。」
 「いやです。」
 「(カチン。)何ですって!?」

 シルビアも何でか麗華に食ってかかる。

 「アルシオーネさんがリーダーなら従います。」
 「く~、ああ言えばこう言う。」
 「まあまあ、麗華も落ち着いてくれ。」
 「ぐぅ~、あんたにはわかんないのよ。この気持ちが…。」
 「何なんだよ、その気持ちって…。」
 「し…知らないっ!」

 麗華がプイッっとそっぽを向く。
 
 「うふふ。全く素直じゃないですの。」
 「ホントよね~、美緒さん。」
 「あ、『美緒さん』じゃなくて私の事は『美緒りん』と呼んでくださいね。」
 「み、美緒りん…ね。わ、わかったわ。(この娘もよくわからないわ)」
 
 
 
 こうして、アルシオーネと愉快な仲間達が結成されたのだった。w 
  
 
 
  -つづく-




 次回より新章になりますが、しばらく連載はお休みさせていただきます。
 次の仕事に向け、色々調整があるので統一した曜日の掲載が不可能な為です。
 あと、今作品の改訂版を「ミクシィ」でもやる予定です。(確定ではない)
 少し内容を修正して行こうと思います。グダグダになってる部分をうまく直したいですね。w
 
 では、また再開の際はまったりと読んでいただければ幸いです。
 
 
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Posted at 2009/05/30 18:01:01

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