バックナンバー⇒第1章、
①・
②・
③・
④・
⑤・
⑥・
⑦・
⑧・
⑨・
⑩・
⑪・
⑫・
⑬・
⑭
第2章、
①・
②・
③・
④・
⑤・
⑥・
⑦・
⑧・
⑨・
⑩
第2章 バカと刀は使いよう 11
ジリリリリリリリン♪
「…ん、目覚ましか。」
目覚ましの音で目を開ける恭介。
「お・は・よ・う、恭介クン。
♥」
「おわっ!?」
目を開けた先に見覚えのある顔が!?
「ななななな、なんで次田女史がここにいるんっすか!」
恭介が起きた目の前に次田女史が恭介を覆いかぶさる形になっていた。
「だって、ここ数日恭介クン全然私の相手をしてくれないんだもん。」
「何の相手ですか。それよりもこんなことしてるとそろそろ来ますよ。」
「来ますよ、って誰が?」
「誰が?って、次田女史も御存じでしょう。」
「イ・ヤ、さとみんって呼んでくれなきゃ。
♥」
「さ、さ、さとみ…」
「
何やっとんじゃ、さとみん!」
バシッ!!!
次田女史の頭に大きなハリセンを一撃っ!
「誰よ、2人の楽しみを邪魔するのは?」
「お楽しみの所申し訳ありませんが、こちらも用事がありますので。(怒」
次田女史にハリセンをかました人物は上司でもある次田女史にも強気だった。
「あ、あははは、魔耶さんだったのね。今日はもうご出勤かしら?」
「ご出勤です。あと、そこをどいてもらえますか?」
「いえ、これからちょっとイイ所で…」
「ど・い・て・く・だ・さ・い・っ・!」
「…は~い。」
小声で答えると、そ~っと恭介のベットから降りる次田女史。
「そして、まだベッドで寝てる、お前!」
「わ、私ですか?」
「そう、お前だよ。今日は大事な日だってのに何でまだ寝てるんだよ。」
「は、はぁ、ちょっとニコ動が面白くてつい夜更かしをば…」
「年増の高校生が何やってるんだよ。」
「と、年増の高校生???」
「社会人なら明日に備えてさっさと寝るもんだろう。ちまんない夜更かししてんじゃ年増で十分だよ。」
「今日の魔耶はキツイっすね、さとみん。」
「そ、そうね恭介クン。」
「黙れ、2人とも!」
「
は、はいっ。」×2
朝から賑やかな聖(セント)・バーナード寺院であった。w
「じゃ、行ってきます、次田女史。」
「お土産、宜しくね~。」
「次田女史、そんなのはありませんからっ。(怒」
魔耶の超不機嫌モードの中、恭介は魔耶を乗せて愛車・インプレッサを走らせる。
「で、【
大和守源秀国】は成田空港にあるんだな?」
「ええ、成田空港内にある第7貨物倉庫にあります。」
「わかった、とりあえず成田空港に行けばいいんだな。」
「はい、そうです。」
「よし、じゃあいっちょ飛しますかね。」
ドゥロロロロロロロロロロ…
自慢の水平対向エンジンが今日も唸る。♪
圏央道八九寺ICから八王子JCTより中央自動車道に入り、高井戸ICから首都高4号新宿線、
三宅坂JCTから首都高速都心環状線で江戸橋JCTより首都高速6号向島線⇒首都高速9号
深川線と経て首都高速湾岸線(東京線)、市川JCTで東関東自動車道に入るとあとは成田まで
ぶっ飛ばして最後に新空港自動車道より新空港ICで降りる、というルート。
航続距離約130km・渋滞なしで2時間弱だが、新空港ICに着くのに1時間半で到着した。
「よしっ、もうすぐ成田空港だな。」
「はい、一歩間違えれば事故るか捕まってましたが…」
「それは言うな。」
ちょっと無理な速度を出した訳だ。w
「とにかく、遅れ気味なので急ごう。」
「恭介様が起きるのが遅くなければ、もうちょっと普通に来れたのですが…」
「それは言うな。」
本当、漫才コンビにようだ。w
「あまおう様、ここでございます。」
「うむ。この倉庫に【
大和守源秀国】があるのじゃな。」
W・S・C日本支部に所属するあまおう貴下の部隊10名を引き連れたあまおう様こと朝乃魔央は
成田空港第7貨物倉ビルに到着していた。
「吉岡、ここで良いのじゃな?」
にもつがかりの吉岡こと吉岡清江の情報に基づきこの場所を見付けだしたのだった。
「はい、あまおう様。こちらで間違いはございませぬ。」
「うむ、よい働きじゃ。褒めてつかわす。」
「ああ、あまおう様ぁ。
♥」
部下の吉岡は、このあまおう様こと朝乃魔央が好きであった。彼女の為なら死んでもいいという
心持ちの人物で、これまでも彼女の功績は表立ってないモノも多いが貴重な人材である。
最も、吉岡自身はあまおう様に気に応えれている事が至福の時だそうだ。さすがレ○である。(爆
「では、捜索を始めよ。」
部下たちは【
大和守源秀国】を探すべくビル内を物色していく。
そして、探す事1時間。
「あ、ありました、あまおう様!」
「何、見つけたか!」
ついに【
大和守源秀国】を見つける事に成功する。
「あまおう様、この刀はどういったシロモノなのですか?」
「ああ。これはな…」
あまおう様は長い説明に入った。
だが、ここでは簡潔な説明にする。w
『大和守源秀国』
時は江戸時代幕末。主に京都において、反幕府勢力弾圧のための警察活動に従事すべく結成
された
新撰組。そのメンバーの中にいた新撰組副長・
土方歳三。
この鬼の副長が愛用していたと言われるのがこの『大和守源秀国』と呼ばれる刀である。
しかも、新政府樹立後の新政府軍と幕府軍との戦いで土方歳三最後の戦地となった函館戦争で
土方歳三が自決する際に使われたいいう言い伝えがある刀がこの刀である。
この刀には持ち主であった土方歳三の怨念が宿っているという事で、W・S・Cはその刀に宿る
怨念をエネルギーを抽出したい目的があり、我々I・S・A・Mが持っていたのを知り、どうにかして
その刀を獲得したいと思っていたようだ。そんな中、その刀が日本に来る事を知り今回の行動に
出たという訳だ。怨念をエネルギーに変えて何をするのか?まだ謎は多いようである。
「さあ、着いたぞ。」
ようやく成田空港に到着した恭介と魔耶は第7貨物ビルに到着するが、ビル入口には黒色の
新型フーガハイブリッドと真黒なハイエース・コミューターが停まっている。
「何だ、このクルマは?」
「何でしょう、このクルマは?」
恭介と魔耶は周囲に人がいるか確認し不在を確認して、魔耶が車内を物色し、恭介が見張り役を
務める。そして、魔耶が何かを見つける。
「恭介様、これを。」
「こ、これは!?」
魔耶が持ってきた物は、W・S・Cの人物が使うバックであった。
「まさか、ここのWSCの奴らがいるのか。」
「おそらくそうでしょう。となると、彼らが捜しているモノって…」
「
大和守源秀国か!?」
「間違いないでしょうね。」
「そりゃ急がないとな。」
「いえ、お待ちください。」
急いでビルに入ろうとする恭介を止める魔耶。
「急がないと奴らに先を越されるぞ。」
「いえ、もう遅いと思った方がいいでしょう。」
「じゃ、どうする?」
「簡単です。ここで待てばいいのです。」
「ここで待つ? どういう事?」
「彼らが刀を見つけたとして、その後どうすると思いますか?」
「そりゃ、刀を見つけたらもうここには用がないからさっさと帰るわな。」
「ですよね。ではどこへ帰ります?」
「そりゃ、奴らのアジトだろう。」
「そうです。だらか私達は待てばいいのです。」
「…あ、そう言う事か。」
「ここで待つ、という意味がわかりましたか。」
「ああ、では奴らにバレない所で見張るとしよう。」
「はい。」
「なるほど。そういういわくつきの刀なんですね。」
「ああ、あとはアジトに戻り、総大司教にこの刀を渡すだけね。」
「では、I・S・A・Mの奴らが来る前に帰りましょう。」
「うむ。では、皆の者帰るぞ。」
「お~!」
あまおう様の号令で全員撤収に入る。そして、クルマに戻り各員乗車する。
「では、出発じゃ!」
こうしてW・S・Cの面々を乗せた2台は成田空港を後にするのであった。
「恭介様、奴らが出てきました。」
「ああ。」
「全部で11人いますね。」
「さすがに、2人で奴らの相手は無理だな。」
「そうですね。予定通り奴らのアジトまであとをつけましょう。」
「あ、あれ新型フーガハイブリッドじゃなイカ。初めて現物見た。」
「何、喜んでるんですか。早くクルマに戻って後を追いかけましょう。」
「おっと、そうだな。」
こうして、W・S・Cは【大和守源秀国】を獲得し帰宅の途につき、恭介らはそのブツを追う事で
奴らのアジトもわかると一石二鳥だと思っていた。
-つづく-