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2011年01月19日

【小説】刀をたずねて三千里  30

【小説】刀をたずねて三千里  30  
 
 
  ヒロイン『花畑都歌沙』のイメージ画像。
    まあ、こんな感じの娘と思って下さい。w 
 
 
 
 
 
     第3章   蒼天の剣  2 
 
 
「いらっしゃいませ~。」
 
今日もそこそこ繁盛しているファミレス【イグナリア】八九寺店。店員も活気があってよろしい。
 
イグアナのキャラクターで最近各地に店舗進出をしている新興ファミレスチェーン店である
【イグナリア】は、老舗ファミレスチェーン店との競争に勝つ為に男性向けのお客には
可愛らしい店員とそのコスチューム、女性向けには人気パティシエが作ったボーカロード
いうケーキを中心としたスイーツ戦略といった形式で、地味ながらもファン層を増やしている。
 
「今日もボーカロードが美味いわねぇ。」
「あれ澄ちゃん、今日はいつものミクロールじゃないんだね。」
「ええ、今日はルカロールにしてみたっ。♪」
 
甘いモノ大好きの澄ちゃんこと山本澄香が満面の笑みでケーキをほおばる。
 
「あんまし甘いモノばかり食べてると、太って彼氏の刑事さんに嫌われるわよ。」
 
親友に甘いモノを食べ過ぎないようにと忠告するその向かいで、自分は和風抹茶白玉アイスを
満面の笑みでほおばるお花ちゃんこと花畑都歌沙がいる。
仲の良い2人は今日も一緒に下校し、その途中で仲良く寄り道である。w
 
「あら、心配してくれてありがとう。お花ちゃんこそ食べ過ぎで恭介っちに嫌われないように、ね。」
「え…ええ!?」
 
突然、恭介の事をツッコまれて驚く都歌沙。
 
「お花ちゃん、私達付き合い長いんだからわかるよ~。w」(・∀・)ニヤニヤ
 
ニヤニヤしながら言う澄香。普通はそんなのわかる訳がない。
澄香と都歌沙の関係が深い故わかることなのだ。
 
「うん、まだモヤモヤはあるんだけど、今の気持ちに正直になってみようかな、と思ってね。」
 
少し、考え込みながら話す都歌沙。
 
「へぇ、お花ちゃんも成長したねぇ。」
「え?」
「私てっきり男性に興味があるのは、お花ちゃんのお父さんだけかと思ってたもん。」
「え…ええ!?」
 
今日は驚く事の多い都歌沙。
 
「お花ちゃん、小さい時から空手やってたじゃない?」
「うん。」
「そんな強いお父さんをずっと見てきたから、潜在的に強い男性しか興味を示さなくなった気が
 するんだ~。私はそう思うの。」
「う~ん…」
 
都歌沙は考えてみる。
 
…。
 
確かに、澄香の言う事も一理ある気がする。
自分ではわかってない所もあるとは思うが、言われてみるとそんな気がするという事は
そうなのだろう。では、都歌沙自身が恭介に魅かれた理由は何なのか?
 
…。
 
「ねぇ、お花ちゃん?」
「…」
お花ちゃん?」
「え、は、はい!?」
「もう、何考え事してるの?」
「えっと、う~ん…」
「もういいわ、何となくわかるから。w」
 
おそらく恭介の事に着いて考えていたのだろうと思った澄香はそれ以上その話を拡げようとはせず
ここらで澄香は本題に話を戻す。
 
「んでんでんでね~、修学旅行の件なんだけど…」
「あ、そっか。今日は修学旅行の件で話そうって事だったわね。」
「んもう、そうよお花ちゃん。恭介っちの事は気になるだろうけど、それはまた後で、ね。」
「もう、茶化さないで。」
「ああ、ごめんごめん。んでね、今回中国に行く事に決まったじゃない?」
「ええ、まさかの海外でびっくりしたけど。」
「んでね、やっぱチャイナ服は必須はなぁ?」
「はぁ???」
 
澄香の唐突な意見に驚く都歌沙。
 
「やっぱ、中国に行くんならチャイナ服は用意すべきかなぁ、って思って。」
「時々、澄香の考えがわかんない事があるんだけど。」
「高校の修学旅行は1度しかないんだから、楽しまなくちゃ。」
「私は澄香の様な楽しみ方は出来ないわ。」
「もう、お花ちゃんは考えが堅いなぁ。」
「極端すぎるわ。ってか、澄香、まさかあんたその服を買った後、彼氏の所でもそれを着る気?」
「もちろんよ!」
「ごめん、もうこれ以上聞かないわ。」
 
都歌沙は澄香にコスプレの趣味が増えた事を頭の中にインプットする。w
 
 
翌日、教室の席に1つの空きが。
 
「え~、三千里君はご両親が病気と言う事で、実家の方に戻っています。そういう訳で
 しばらくお休みと言う事です。」
 
少し教室がざわめくが、さほど騒ぎになる事はなかった。
 
(どうしたんだろう?)
 
都歌沙は恭介が休み事を知らなかった。事情はあるにせよ、一言でも言ってくれたら…という
気持ちはあった。まあ、ご両親の容態が良くないのは仕方ないが…あれ?
 
(恭介の実家ってドコ?)
 
恭介が今は教会に住んでいる事は聞いた。だが、実家がどこかは聞いた事が無い。
改めて考えてみると、恭介の謎の部分がどんどんと出てくる。
そうなってくると、心配が募ってくる。
 
(あとで電話してみよう)
 
そう思った都歌沙は、昼休みの時、電話をしてみる。
 
 ぷるるる  ぷるるる  ぷるるる ・・・
 
電話に出る気配はない。仕方ないので、学校の帰りに教会に寄ってみようと思う都歌沙であった。
 
 
 
「ここね、恭介の住んでいる教会ってのは。」
 
学校の授業が終わり、都歌沙は恭介がここ八九寺市で生活をしている聖・バーナード教会に
やってきた。
 
辺りを見回すが、恭介の乗っている愛車・インプレッサSTIが見当たらない。
 
「クルマで実家に帰ってるのかしら?」
 
そう思っていると、教会から人影が現れ、都歌沙の元にやってくる。
 
「おや、この教会にお客様なんて珍しい。」
「あ、どうもお邪魔いたします。」
 
教会から出てきたのは、教会の主である次田里美女史である。
 
「お祈りに来た、という訳ではなさそうですが…」
 
優しく尋ねる次田女史。
 
「えっと、この教会に三千里恭介という人が住んでいると聞いたのですが?」
 
 ピクッ(怒 
 
三千里恭介の言葉で一瞬こめかみが引きつるが、何とか平静を保とうとしながら話を続ける。
 
「え、え、え~、うちの恭介とはどういったご関係で?」
 
明らかにどもっている。(爆
 
「いえ、三千里クンとは同じクラスの同級生です。」
「え、あっそ、そう。同級生なのね。」
「は、はい。」
 
都歌沙はおかしな話し方をする次田女史に不安な感じをするも、話を続ける。
 
「今日からしばらくお休みと聞いて彼に電話をしたのですが、電話が通じなくて…」
「で、で、で、電話ですって~!?」
 
急に大声で言う次田女史。
 
「な、な、な、何であなたが恭介クンの電話番号を知ってるの?」
 
明らかに動揺している。w
 
「え、みんなで電話番号を聞いてる時に一緒に聞いたのですが。」
「え、あ、あ、あ、そうなのね。」
「あの~、見た所体調が思わしくないようにお見受けしますが、大丈夫でしょうか?」
 
次田女史の動揺を体調不良と勘違いした都歌沙だが、まさか次田女史が都歌沙に対して
嫉妬しているとは思ってもいなかったようだ。w
 
「え、ええ。大丈夫でしてよ。」
「そ、そうですか。で、三千里クンの実家はどちらになるのでしょうか?」
「何ですって、まさかアナタ、実家に行こうと思ってらっしゃるのかしら?」
「い、いえ、そう言う訳では…。気になってたのですがこちらの方なら、ご存じかと思いまして。」
「あらあなた、三千里クンの実家をご存じないの。お~ほほほほ。」
 
この娘が知らない事を私が知っているという事がわかると、勝ち誇った気持ちになる次田女史。
 
「まあ、私は知っていますが、あなたがど~しても教えて欲しいとおっしゃるなら、教えてあげても
 よろしゅ~ございますわよ。」
 
何で、上から目線なんだ。大人げないぞ、次田女史。(爆
 
「いえ、お忙しいようなので、また出直します。」
 
都歌沙はそう言ってお辞儀をすると、その場を去る。
 
「ふん、まだ大人の魅力も足りない小娘が私に勝てる訳がありません事よ。お~ほほほほ。」
 
間違った認識で勝ち誇る姿勢を見せる次田女史。
 
「変わった人だったわ。教会のシスターってのはみんなあんな感じなのかなぁ?」
 
いえいえ、あんなシスターさんはそうそういません。あのお方だけですよ、都歌沙さん。
あ、でもインなんとかさんも変わりモノだから、もしかしたら…。(おいおいw
 
 
ちなみに、渦中の人物・三千里恭介は実家には戻っていなかった。
あくまで両親の病気は建前の理由なだけである。ちなみに、恭介の両親は健在だ。
では、どこにいるのか?
 
 「欢迎向北京。」
 
日本語に訳すと、「ようこそ、北京へ。」となる。つまり…
 
「魔耶、中国って飛行機だとあっという間だなぁ。」
「恭介様、前ドイツ支部だった人が何飛行機初乗りのようなセリフを言ってるんですか。」
「だって、中国自体は初めてなんだもん。」
「恭介様、子供みたいな事言わないで下さい。」
 
そう、恭介は魔耶と共に中国に来ていた。
I・S・A・Mは中国にも支部あり、中国の首都である北京にやってきたのであった。
 
「じゃ、中国支部に行きますよ。」
「は~い、ガイドさん。」
 
 バギッ!
 
「真面目に来なさいっ。」
「…はい。」
 
片方のほっぺたを赤く腫らしながら、プンプンする魔耶のあとを追う。
この後、2人は中国支部に向けて行くのであった。
 
 
恭介は中国でクルマを運転したいと思い、レンタカー屋に行って手続きをすると、なんと
運転手が付いてきた。w
 
「何で運転手が付いてくるんだ?」
 
そう思った恭介はレンタカー会社に文句を言うが、どうやら中国では外国人がレンタカーを
運転するのはほぼ不可能だそうだ。国際免許を持つ恭介だが、中国は国際免許条約に
加盟していない為に、国際免許があっても意味がないんだとか。(驚
上海などでは臨時で中国国内でも乗れる免許を発行してくれるらしいが、時間がかかるので
今から申請しても乗れないので、しぶしぶ恭介は運転手に任せる事にする。
 
 
北京は2008年の【北京五輪】を期に交通事情をこれまでの自動車から公共交通を含めた
レール交通と高速交通の2つの充実を図っている。
現在、北京だけでも300万台を超える自動車保有台数を誇るだけに、交通渋滞が酷い!
今では、自動車保有増大を規制する為、ナンバープレートの発行を制限するほどだ。
 
日本と中国の交通法規上の大きな違いは2つ。
車線が右側通行であること、これは韓国も同じで日本とは逆である。走行には慣れが必要。
そして、もう1つは右折矢印信号のない交差点において車は赤信号でも右折可能なこと。
特に2つ目の違いはとても危険で、歩行者側の信号が青でも右折する車が横断歩道をどんどん
走ってくるので十分な注意が必要です。
法規上の違いの他にも、クラクションをやたらと鳴らす、歩行者が信号を無視するなど
交通マナーの悪さが目立ちます。地元人たちが赤信号ですいすい渡って行くのを見ると、
「信号を守るだけソン」という気になりますが、安全第一を心がける必要がある。
 
そんな北京なので、何も考えずにクルマでの移動を決めた恭介達は、クルマの中で動かない
クルマたちを見ながら渋滞を抜けるまで通常30分で到着する所を2時間近くかけてようやく
I・S・A・M中国支部に到着する。

 「もう2度と中国ではクルマに乗らない!」 
 
免許の件も含めて踏んだり蹴ったりだったので、そう心に誓う恭介であった。w
 
 
  -つづく-
 
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Posted at 2011/01/19 18:18:18

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