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2011年01月30日 イイね!

【小説】刀をたずねて三千里  31

【小説】刀をたずねて三千里  31 
 
 
  都歌沙の親友『山本 澄香』のイメージ画像。
    まあ、こんな感じの娘と思って下さい。w 
 
 
 
 
 
     第3章   蒼天の剣  3 
 
 
 I・S・A・M 中国支社
 
I・S・A・Mの海外部署は通常【支部】を使うが、アメリカと中国だけは【支部】を名乗る。
ちなみに、I・S・A・Mの総本部はイギリス・ロンドンにある。
 
「欢迎,向I・S・A・M中国支部。」
 
中国支社の受付嬢に案内され、まずは支社長に挨拶をしに行く。
 
「ようこそ、我が中国支社へ。」
 
日本語で挨拶をしてくる支社長。ちょっと驚いた恭介」だが、正直中国語は疎いので日本語で
話してくれるなら、話が早い。
 
「歓迎、感謝いたします、劉太源氏。」
「歓迎、感謝いたしますわ、劉太源様。」
 
中国支社・支社長である劉太源に挨拶をする恭介と魔耶。
 
「まあ、2人とも座って下さい。」
「はい。」
 
支社長なので、偉そうにせず実に丁寧である。
 
「中国ではあまり挨拶と交わす習慣はありませんが、国際的社会となると話は違います。
 私達もそれ相応の礼儀をしていかないと国際社会では取り残されてしまいますので。」
 
軽く笑いながらそう話す劉氏。外での噂は厳しいお方だと聞いていた恭介はちょっと肩すかしを
食らった印象である。
 
「では、早速私達の任務と役割をお願いいたします。」
 
恭介は早速本題に入る事にする。いくら物腰が優しいといっても相手は大物上司である。
出来れば、この場に長くいたくなかったというのもあったからだ。w
 
「わかりました、では手短にご説明していきます。」
 
そう言って劉氏は恭介達に来てもらった経緯を話す。
 
「実はあなたにこの武器を奪還して欲しいのです。」
 
そう言って、劉氏は恭介にその武器の写真を渡す。
 
「これは…槍ですか?」
「いえ、これでも刀です。この刀の名前は『青龍偃月刀』といいます。」
「『青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)ですか?」
 
恭介はいまいちピンとこなかった。
 
「そうですか…。では、関羽雲長はおわかりですよね?」
「はい、名前はわかります。三国志で有名な方ですよね。」
「そうです、その関羽が持っていたといわれる刀が青龍偃月刀なのです。」
「へぇ!?」
「…。」
 
劉氏は怪訝そうな顔をする。
 
(この人に依頼しても大丈夫なのか?)
 
劉氏も恭介の噂や活躍を聞いてこの仕事に呼んだ訳だが、聞くのと観るのとじゃこうも違うのか!?
と今思っていた。(爆
 
「刀についてはわかりました。要はその後ろに飾ってある『雌雄双股剣(しゆうそうこうけん)』と
 同じ部類と言う事ですね。」
「!?」
 
恭介の言葉に、今度は劉氏が驚いた。雌雄双股剣は知っているんだ、と。
 
(それだったら青龍偃月刀も知っとけや!?)
 
とは言わなかった。w
 
 
「その青龍偃月刀は誰が持っているんですか?」
 
恭介はどこの誰から刀を奪取すればいいのかを尋ねる。
 
「ええ、それなんですが…」
 
なぜか、そこで言葉に詰まる劉氏。
 
「どうされました?」
 
再度、恭介は尋ねる。
 
「申し上げにくいのですが、今青龍偃月刀を持っているのは、私の息子なのです。」
「ええ!?」
 
今度は恭介が驚く番であった。(爆
 
「どういう事でしょう?」
「はい、実は…」
 
劉氏は説明に入る。
 
劉氏は53歳で、2つ下の奥さんがいる。子供は1男1女と2人の子供がいる。
娘(21歳)はまだ大学に行ってるが、息子(26歳)は劉氏と交流のある会社に勤めるが、
長くは続かず、仕事もせず家にいる事が多かったそうだ。いわゆる二ートである。w
最近は、友達と外に出掛けるようになったがその友達が問題でお金の使い方が荒く、
お金をよくせびるようになる。お金が足りなった劉氏の息子がお金目当てに劉氏が大事に
していた青龍偃月刀を持って出ていったという事だ。
 
でも、それだとおそらく息子はお金に換金する為、青龍偃月刀を売ってる可能性は高いであろう。
どこに売ったのか?も含め、劉氏に改めて尋ねる。
 
「それが…」
 
それが、の後の言葉が重く出てこない。
 
「劉支社長!」
 
恭介が強く言う。
 
「刀の売り先がW・S・Cなのです。」
「だ、W・S・Cですって!?」
 
これには恭介も驚いた。
 
W・S・Cとは[World Sword Collection]の略で、日本語で言うと世界刀剣収集機関である。
日本にも支部があったが、このW・S・C、中国の上海にも支部があるのだ。
 
「どうやら敵さんの支部から情報を得るしか手段はなさそうですね。」
「私もそう思います。」
 
恭介と魔耶の意見は一致していた。
 
「敵の場所に行くのは気が引けるが、それが1番手っ取り早いかのしれないな。」
 
劉氏も腹をくくったようだ。
 
「では、上海にあるW・S・Cの資料を用意しますし、資金的にも援助します。何とぞ青龍偃月刀の
 奪還にご協力下さい。」
 
深々と頭を下げる劉氏。中国人ではありえない行動だ。
 
「わかりました。劉氏の尽力に沿えるよう努めます。」
「おお、ありがたい。」
 
劉氏も喜んでいる。
 
「では、私達はこれで…」
「お待ちください。」
 
話が終わったのでこの場を去ろうとした恭介だったが、それを劉氏が制止する。
 
「あのぅ、何か?」
 
恐る恐る恭介が尋ねると、劉氏が聞いてくる。
 
「泊まる所は決まっていますか?」
「ええ、北京北京新僑諾富特飯店を予約していますが。」
「そこは良くないホテルです。やめておきなさい。」
  
中国のホテルなんかさっぱりわからないので、適当に安い所を予約していたのだった。
今更、止めろ、と言われてもどこへ泊まればいいのやら…。
なんて思ってると、劉氏が笑顔でこう言ってきた。
 
「そこをキャンセルして、私の家に泊まりなさい。」
「は?」
「キャンセル料なら私が払います。今日はぜひ私の家にお泊りなさい。」
「は、はぁ、ではお言葉に甘えて。」
 
唐突に言ってきたので圧倒され、うんと言ったが、何か凄い事になってきていた。
 
「まもなく仕事が終わるので、こちらでお待ち下さい。食事も一緒に行きましょう。」
 
おいおい、来賓みたいな扱いになってきてるぞ。
 
そう思う恭介だが、正直言うとあまりありがたくないのが本音であった。
堅苦しいのは避けたかったからだ。
  
 
その後、1時間ほど応接室で待機し夕食を一緒にしたが、豪華な食事も緊張していて
おいしかったかなんて覚えてないし、挙句の果てに今まで乗った事のない超高級車
マイバッハで劉氏の家に行くなんて思ってもいなかった。
恭介自身もクルマ好きである為、高級車も名前や性能くらいは知っていた。だが、それらに
乗る事はないだろうとは自覚していた。そのクルマの1台に今乗ってるのである。
 
「なぁ、魔耶?」
「はい、何でしょう恭介様?」
「世の中には本当にお金持ちっているんだなぁ。」
「はぁ…。」
 
クルマには特に興味のない魔耶にとって、恭介のつぶやきやため息の理由はわからない。
 
「それにしても、I・S・A・Mの支社長ってこんなに儲かる役職なのか?」
「そんな訳ないでしょう。劉氏は2つの大きな会社のオーナーでもあるのです。うちの支社長の
 給料なんておまけみたいなものでしょう。」
「ふぅ…」
 
それから劉氏の家に着くまで、恭介は一言もしゃべることがなかったそうだ。(爆
 
「到着しました。」
 
劉氏の家に到着して、更に恭介は度肝を抜かれる事となる。
 
 
 -つづく-
 
2011年01月19日 イイね!

【小説】刀をたずねて三千里  30

【小説】刀をたずねて三千里  30 
 
 
  ヒロイン『花畑都歌沙』のイメージ画像。
    まあ、こんな感じの娘と思って下さい。w 
 
 
 
 
 
     第3章   蒼天の剣  2 
 
 
「いらっしゃいませ~。」
 
今日もそこそこ繁盛しているファミレス【イグナリア】八九寺店。店員も活気があってよろしい。
 
イグアナのキャラクターで最近各地に店舗進出をしている新興ファミレスチェーン店である
【イグナリア】は、老舗ファミレスチェーン店との競争に勝つ為に男性向けのお客には
可愛らしい店員とそのコスチューム、女性向けには人気パティシエが作ったボーカロード
いうケーキを中心としたスイーツ戦略といった形式で、地味ながらもファン層を増やしている。
 
「今日もボーカロードが美味いわねぇ。」
「あれ澄ちゃん、今日はいつものミクロールじゃないんだね。」
「ええ、今日はルカロールにしてみたっ。♪」
 
甘いモノ大好きの澄ちゃんこと山本澄香が満面の笑みでケーキをほおばる。
 
「あんまし甘いモノばかり食べてると、太って彼氏の刑事さんに嫌われるわよ。」
 
親友に甘いモノを食べ過ぎないようにと忠告するその向かいで、自分は和風抹茶白玉アイスを
満面の笑みでほおばるお花ちゃんこと花畑都歌沙がいる。
仲の良い2人は今日も一緒に下校し、その途中で仲良く寄り道である。w
 
「あら、心配してくれてありがとう。お花ちゃんこそ食べ過ぎで恭介っちに嫌われないように、ね。」
「え…ええ!?」
 
突然、恭介の事をツッコまれて驚く都歌沙。
 
「お花ちゃん、私達付き合い長いんだからわかるよ~。w」(・∀・)ニヤニヤ
 
ニヤニヤしながら言う澄香。普通はそんなのわかる訳がない。
澄香と都歌沙の関係が深い故わかることなのだ。
 
「うん、まだモヤモヤはあるんだけど、今の気持ちに正直になってみようかな、と思ってね。」
 
少し、考え込みながら話す都歌沙。
 
「へぇ、お花ちゃんも成長したねぇ。」
「え?」
「私てっきり男性に興味があるのは、お花ちゃんのお父さんだけかと思ってたもん。」
「え…ええ!?」
 
今日は驚く事の多い都歌沙。
 
「お花ちゃん、小さい時から空手やってたじゃない?」
「うん。」
「そんな強いお父さんをずっと見てきたから、潜在的に強い男性しか興味を示さなくなった気が
 するんだ~。私はそう思うの。」
「う~ん…」
 
都歌沙は考えてみる。
 
…。
 
確かに、澄香の言う事も一理ある気がする。
自分ではわかってない所もあるとは思うが、言われてみるとそんな気がするという事は
そうなのだろう。では、都歌沙自身が恭介に魅かれた理由は何なのか?
 
…。
 
「ねぇ、お花ちゃん?」
「…」
お花ちゃん?」
「え、は、はい!?」
「もう、何考え事してるの?」
「えっと、う~ん…」
「もういいわ、何となくわかるから。w」
 
おそらく恭介の事に着いて考えていたのだろうと思った澄香はそれ以上その話を拡げようとはせず
ここらで澄香は本題に話を戻す。
 
「んでんでんでね~、修学旅行の件なんだけど…」
「あ、そっか。今日は修学旅行の件で話そうって事だったわね。」
「んもう、そうよお花ちゃん。恭介っちの事は気になるだろうけど、それはまた後で、ね。」
「もう、茶化さないで。」
「ああ、ごめんごめん。んでね、今回中国に行く事に決まったじゃない?」
「ええ、まさかの海外でびっくりしたけど。」
「んでね、やっぱチャイナ服は必須はなぁ?」
「はぁ???」
 
澄香の唐突な意見に驚く都歌沙。
 
「やっぱ、中国に行くんならチャイナ服は用意すべきかなぁ、って思って。」
「時々、澄香の考えがわかんない事があるんだけど。」
「高校の修学旅行は1度しかないんだから、楽しまなくちゃ。」
「私は澄香の様な楽しみ方は出来ないわ。」
「もう、お花ちゃんは考えが堅いなぁ。」
「極端すぎるわ。ってか、澄香、まさかあんたその服を買った後、彼氏の所でもそれを着る気?」
「もちろんよ!」
「ごめん、もうこれ以上聞かないわ。」
 
都歌沙は澄香にコスプレの趣味が増えた事を頭の中にインプットする。w
 
 
翌日、教室の席に1つの空きが。
 
「え~、三千里君はご両親が病気と言う事で、実家の方に戻っています。そういう訳で
 しばらくお休みと言う事です。」
 
少し教室がざわめくが、さほど騒ぎになる事はなかった。
 
(どうしたんだろう?)
 
都歌沙は恭介が休み事を知らなかった。事情はあるにせよ、一言でも言ってくれたら…という
気持ちはあった。まあ、ご両親の容態が良くないのは仕方ないが…あれ?
 
(恭介の実家ってドコ?)
 
恭介が今は教会に住んでいる事は聞いた。だが、実家がどこかは聞いた事が無い。
改めて考えてみると、恭介の謎の部分がどんどんと出てくる。
そうなってくると、心配が募ってくる。
 
(あとで電話してみよう)
 
そう思った都歌沙は、昼休みの時、電話をしてみる。
 
 ぷるるる  ぷるるる  ぷるるる ・・・
 
電話に出る気配はない。仕方ないので、学校の帰りに教会に寄ってみようと思う都歌沙であった。
 
 
 
「ここね、恭介の住んでいる教会ってのは。」
 
学校の授業が終わり、都歌沙は恭介がここ八九寺市で生活をしている聖・バーナード教会に
やってきた。
 
辺りを見回すが、恭介の乗っている愛車・インプレッサSTIが見当たらない。
 
「クルマで実家に帰ってるのかしら?」
 
そう思っていると、教会から人影が現れ、都歌沙の元にやってくる。
 
「おや、この教会にお客様なんて珍しい。」
「あ、どうもお邪魔いたします。」
 
教会から出てきたのは、教会の主である次田里美女史である。
 
「お祈りに来た、という訳ではなさそうですが…」
 
優しく尋ねる次田女史。
 
「えっと、この教会に三千里恭介という人が住んでいると聞いたのですが?」
 
 ピクッ(怒 
 
三千里恭介の言葉で一瞬こめかみが引きつるが、何とか平静を保とうとしながら話を続ける。
 
「え、え、え~、うちの恭介とはどういったご関係で?」
 
明らかにどもっている。(爆
 
「いえ、三千里クンとは同じクラスの同級生です。」
「え、あっそ、そう。同級生なのね。」
「は、はい。」
 
都歌沙はおかしな話し方をする次田女史に不安な感じをするも、話を続ける。
 
「今日からしばらくお休みと聞いて彼に電話をしたのですが、電話が通じなくて…」
「で、で、で、電話ですって~!?」
 
急に大声で言う次田女史。
 
「な、な、な、何であなたが恭介クンの電話番号を知ってるの?」
 
明らかに動揺している。w
 
「え、みんなで電話番号を聞いてる時に一緒に聞いたのですが。」
「え、あ、あ、あ、そうなのね。」
「あの~、見た所体調が思わしくないようにお見受けしますが、大丈夫でしょうか?」
 
次田女史の動揺を体調不良と勘違いした都歌沙だが、まさか次田女史が都歌沙に対して
嫉妬しているとは思ってもいなかったようだ。w
 
「え、ええ。大丈夫でしてよ。」
「そ、そうですか。で、三千里クンの実家はどちらになるのでしょうか?」
「何ですって、まさかアナタ、実家に行こうと思ってらっしゃるのかしら?」
「い、いえ、そう言う訳では…。気になってたのですがこちらの方なら、ご存じかと思いまして。」
「あらあなた、三千里クンの実家をご存じないの。お~ほほほほ。」
 
この娘が知らない事を私が知っているという事がわかると、勝ち誇った気持ちになる次田女史。
 
「まあ、私は知っていますが、あなたがど~しても教えて欲しいとおっしゃるなら、教えてあげても
 よろしゅ~ございますわよ。」
 
何で、上から目線なんだ。大人げないぞ、次田女史。(爆
 
「いえ、お忙しいようなので、また出直します。」
 
都歌沙はそう言ってお辞儀をすると、その場を去る。
 
「ふん、まだ大人の魅力も足りない小娘が私に勝てる訳がありません事よ。お~ほほほほ。」
 
間違った認識で勝ち誇る姿勢を見せる次田女史。
 
「変わった人だったわ。教会のシスターってのはみんなあんな感じなのかなぁ?」
 
いえいえ、あんなシスターさんはそうそういません。あのお方だけですよ、都歌沙さん。
あ、でもインなんとかさんも変わりモノだから、もしかしたら…。(おいおいw
 
 
ちなみに、渦中の人物・三千里恭介は実家には戻っていなかった。
あくまで両親の病気は建前の理由なだけである。ちなみに、恭介の両親は健在だ。
では、どこにいるのか?
 
 「欢迎向北京。」
 
日本語に訳すと、「ようこそ、北京へ。」となる。つまり…
 
「魔耶、中国って飛行機だとあっという間だなぁ。」
「恭介様、前ドイツ支部だった人が何飛行機初乗りのようなセリフを言ってるんですか。」
「だって、中国自体は初めてなんだもん。」
「恭介様、子供みたいな事言わないで下さい。」
 
そう、恭介は魔耶と共に中国に来ていた。
I・S・A・Mは中国にも支部あり、中国の首都である北京にやってきたのであった。
 
「じゃ、中国支部に行きますよ。」
「は~い、ガイドさん。」
 
 バギッ!
 
「真面目に来なさいっ。」
「…はい。」
 
片方のほっぺたを赤く腫らしながら、プンプンする魔耶のあとを追う。
この後、2人は中国支部に向けて行くのであった。
 
 
恭介は中国でクルマを運転したいと思い、レンタカー屋に行って手続きをすると、なんと
運転手が付いてきた。w
 
「何で運転手が付いてくるんだ?」
 
そう思った恭介はレンタカー会社に文句を言うが、どうやら中国では外国人がレンタカーを
運転するのはほぼ不可能だそうだ。国際免許を持つ恭介だが、中国は国際免許条約に
加盟していない為に、国際免許があっても意味がないんだとか。(驚
上海などでは臨時で中国国内でも乗れる免許を発行してくれるらしいが、時間がかかるので
今から申請しても乗れないので、しぶしぶ恭介は運転手に任せる事にする。
 
 
北京は2008年の【北京五輪】を期に交通事情をこれまでの自動車から公共交通を含めた
レール交通と高速交通の2つの充実を図っている。
現在、北京だけでも300万台を超える自動車保有台数を誇るだけに、交通渋滞が酷い!
今では、自動車保有増大を規制する為、ナンバープレートの発行を制限するほどだ。
 
日本と中国の交通法規上の大きな違いは2つ。
車線が右側通行であること、これは韓国も同じで日本とは逆である。走行には慣れが必要。
そして、もう1つは右折矢印信号のない交差点において車は赤信号でも右折可能なこと。
特に2つ目の違いはとても危険で、歩行者側の信号が青でも右折する車が横断歩道をどんどん
走ってくるので十分な注意が必要です。
法規上の違いの他にも、クラクションをやたらと鳴らす、歩行者が信号を無視するなど
交通マナーの悪さが目立ちます。地元人たちが赤信号ですいすい渡って行くのを見ると、
「信号を守るだけソン」という気になりますが、安全第一を心がける必要がある。
 
そんな北京なので、何も考えずにクルマでの移動を決めた恭介達は、クルマの中で動かない
クルマたちを見ながら渋滞を抜けるまで通常30分で到着する所を2時間近くかけてようやく
I・S・A・M中国支部に到着する。

 「もう2度と中国ではクルマに乗らない!」 
 
免許の件も含めて踏んだり蹴ったりだったので、そう心に誓う恭介であった。w
 
 
  -つづく-
 
2011年01月09日 イイね!

【小説】刀をたずねて三千里  29

  
  <簡単なあらすじ>
 
主人公・三千里恭介(みせり きょうすけ)は4月の半ばという中途半端な時期に、
東京都八九寺市にある修学院大学付属高校に転校してくる。彼がこの八九寺市に転校してきた
本当の理由は世界の刀剣の管理・保護を目的とするI・S・A・Mという国際的組織の任務で
やってきたのだった。ちなみに、彼は本当は19歳で2年間I・S・A・Mの任務でドイツ支部に
いたのだが、その事は極秘事項としている。
 
転校の為恭介はすでに自動車免許を取得していたので愛車である「スバル・インプレッサSTI」
R205で東京にやってきたのだが、転校前にあやうく人を撥ねそうになる。その撥ねそうに
なった人物が、恭介がのちにクラスメイトとなる花畑都歌沙(はなばたけ つかさ)であった。
 
恭介と花畑都歌沙を始めクラスメイトの山本澄香(やまもと すみか)など個性的な
級友やや巨乳担任の菅波朋子先生との学校生活を営む一方、恭介の住む教会のシスター兼
I・S・A・M日本支部の一員でもある次田女史や恭介のパートナー・魔耶らとI・S・A・Mからの
依頼で任務も忙しく、身体も心も休まる時の無い恭介が活きていく中で、任務と友情と恋に
一生懸命奮闘しながら成長していく作品である。 
 
 
 
    第3章   蒼天の剣  1 
 
 
 
時はゴールデンウィーク明け。
修学院大学付属高校、略して【修大附】でも学校が再開された訳だが、多くの生徒が
休みボケの中での登校となっていた。
 
当然、ここ2年B組でも、休みボケと思われる生徒たちが授業を受けている。
今は午後の授業であるが、どの生徒も眠気との戦いで授業の内容なんかそっちのけである。w
そして、生徒たちはその戦いからようやく開放される時がやってきた。
 
 き~ん こ~ん か~ん こ~ん
 
「では、授業はここまで。」
 
最後の6時限目の授業が終わったのだが、2年B組の面々は半分以上が眠気との戦いで
涙目になっていた。w
そんな訳で、授業が終わると生徒の目が変わる!
その理由は、この後の出来ごとに繋がるのだが…あっ、先生来た。
 
 ガラガラガラッ
 
「は~い、みなさんHR(ホームルーム)始めますよ~。席に着いてくださ~い。」
 
2年B組の担任である菅波朋子先生が教室にやってきた。
いつもは殺伐とするHRも今日はいつもと違っていた。B組の生徒の目も違い生き生きとしている。
そして、何より素直に席に着く。
 
「みなさん、席に着きましたね。では、今日のHRの議題に入ります。」
 
   ざわざわ ざわざわ ざわざわ …
 
生徒たちから歓喜の声が!? 一体何が始まるのか?
 
「はいはい。みなさんが活気づくのはわかります。では、時間もあまりないので、早速始めます。」
 
菅波先生が本題に入る。
 
「今日の議題は『修学旅行』の行き先が決まったので、その報告を中心にやっていきます。」
 
 ワー ワー ワー ワー   ドンドンドン パフパフパフ ♪ 
 
教室中がわいわいがやがやとしていく。
 
「みなさん、お静かに。おっぱい先生が困っていらっしゃるじゃないですか。」
 
教室の騒ぎを制しようとしたのは、意外にも丹下鉄平であった。
 
「さっすが、級長。言う事が違う。」
「級長、いつから菅波と書いておっぱいと読むようになったんだ。」
 
外野の男性生徒から視点的コメントが出るが、逆に女性陣には不評である。
 
「こら、たんげ~。先生困ってるじゃないのよ。」
「たんげ~、いっぺん死んでみる?」
「たんげ~、サイテー!」
「たんげ~、自分のフェチを押しつけるな~!」
 
女性陣の壮絶なバッシング。
そりゃそうだ、女性は肉体的問題を公衆の面前で言われる事を嫌う。
ネタであっても軽々しく言うべきではない。
 
  ツンツン
 
(ん、何だ?)
 
恭介の背中を突いてくる人物がいる。
 
「ねぇ、恭介っち。あんたも巨乳好き?」
「はぁ???」
「ああ、ごめん。恭介っちの好みは背が高くてスタイルが良くてポニーテールの娘だったわね。」
「!?」
 
後ろから恭介を突いて声を掛けてきたのは、山本澄香であった。
 
「おい、澄香。どこからそんなセリフが出てきたんだ?」
「え、違った? 違うなら訂正するけど。」
 
恭介は確かに、都歌沙に興味を持っている。いや、それはおそらく「好き」というヤツであろう。
そして、都歌沙自身も恭介が想ってるモノと同じである事は理解している。
 
そのつぼみはまだ小さいモノであるが、お互いの気持ちは通っている。
それはいい。だが、それをなぜ澄香が知っているか?と言う事だ。
都歌沙には恭介の秘密をすべてではないが話している。そして、その事は2人だけの話である。
もちろん、お互いの気持ちの確認も2人の時だけであったはずだ。
 
 まさか都歌沙が話した?
 
いや、それはない。いや、それはないと信じたから話したのだ。自分が信じて話した以上は
すべてを信じる。それは恋愛においても必要事項である。
 
では、なぜそのような話をした?
だが、その答えは意外と簡単であった。
 
「あんたたち2人を見てるとわかるわ。恭介っちとはまだ知り合って間が無いから良くわからないけど
 お花ちゃんとは付き合いが長いから、あの娘がどんな心境なのかは、ちょっとした違いや雰囲気で
 わかるものよ。」
「…なるほど。案外わかるものなのか?」
「そりゃそうよ。恭介っちは知らないと思うけど、お花ちゃんって結構ファンや好きだと思ってる人が
 多いのよ。2月に卒業間近の3年のサッカー部のFWの男子にコクられてたけど、全く興味を
 示さなかった。お花ちゃんは興味がないと思った事は表向きは体裁を保つけど、実際は全く
 関心なし、って娘なの。それが恭介っちとの接し方がこれまでと全く違うの。一見普通に話を
 してるように見えるけど、他の男子生徒達はそれさえも出来ないの。それを見るだけでも
 『あ、お花ちゃんは恭介っちに想いがあるな。』ってわかる訳。」
 
(女の観察力、恐るべし!)
 
確かに男性よりは女性の方が異性の観察力は高い。こうして話を聴くとなおさらそう思う。
だが、実際は澄香の観察力が半端ではないのだ。w
 

「否定しないのね。」
「…ああ。この気持ちに嘘はないからな。」
「えらいっ!」
 
  バシッ!
 
めいっぱい恭介の背中を叩く澄香。
 
「痛ったいなぁ!(怒)」
 
思わず叫ぶ恭介。クラスの視線が恭介に集約する。
 
「コラ、三千里クン。どうしたのですか?」
「え、あ…すみません。」
 
急に恭介が叫んだので驚いて菅波先生が尋ねてきた。
 
「えっと、突然頭の中にアントニオ猪木さんがやってきた闘魂注入されました。」
 
 わははははは
 
教室中が大爆笑になる。
 
「何冗談言ってるんですか。どうせ寝てたんでしょう。」
「えっと、すみません。」
「今回の修学旅行に参加しないからと言って、うとうとしていたのではないのですか?」
「せ、先生その事は内緒という約束でしたが…」
「あ!? ご、ごめんなさい。」
 
教室内が一瞬し~んとする。
 
「もうその件はいいです。私の事にはかまわず本題に入って下さい。」
 
そう言うと、恭介は教室を出ていく。
 
「えっと、ちょっと待っててね、みんな。」
 
そう言うと、菅波先生は恭介の後を追っていく。
 
先生がいなくなった教室では、ざわざわしている。それは恭介が修学旅行に参加出来ない件で
ざわついている訳ではなく、ほとんどは修学旅行の準備の話や着ていく衣装の話をしている。
 
恭介が転校してきたのは始業式の1週間後。そして、土日やゴールデンウィークを挟むと
今のクラスに恭介がいたのはせいぜい2週間弱。ましてや、1年時の仲間がいる生徒も多く
途中転入の恭介に関心があるクラスメイトはほとんどいない。
 
「恭介はどうして修学旅行に参加しないんだろう?」
 
そう思う人物はこの2年B組では4~5人だけであった。
 
1人は当然、恭介とは友達以上恋人未満という言葉がしっくり来る都歌沙である。
 
(三千里クンは何で修学旅行に行かない事を言ってくれなかったの?)
 
そう思う都歌沙であるが、今は恭介を追った菅波先生が恭介を連れてくるのを待つ事にする。
 
もう1人は、恭介にちょっかいを出してこの騒ぎの元を作ったと言っても過言じゃない澄香。
 
(あっちゃ~、ちょっとタイミング悪かったかな。 戻ってきたら謝っとこ)
 
残りは恭介と多少なりと交流がある竹嶋由布子と北山有希、そして丹下鉄平の3人。
後はほとんど気にしていない状況だ。
 
 
 
「あ、いた。」
 
教室を出ていった恭介に追いついた菅波先生は恭介を捕まえる。
 
「三千里君、ごめんなさい。」
「…いえ、私の事は気にせずに話を進めて下さい。」
「でも、そう言う訳には…」
「先生、今私が教室に戻っても逆に他の生徒たちが戸惑います。今日の所は先生がここに来ずに
 普通に修学旅行の話を進めた方が良かったと思います。」
「私が失言したのに、そんな事出来ますか!」
「!」
 
そう言うと、ギュッと恭介を抱きしめる。
 
「経緯はともかく内緒という約束を破ったのは私なのです。三千里君の言うように君を放っておいて
 ホームルームを進めたら、私は先生失格ですっ。」
 
恭介はこの言葉に感銘を受ける。だが、今はそれ以上の問題があった。
 
 菅波先生の胸が当たってる!?
 
恭介に申し訳ない気持ちで話す菅波先生は思わず恭介を抱きとめた訳だが、その態勢を
想像して欲しい。小っちゃいけど巨乳の菅波先生が恭介を抱きしめるシチュエーションを。
 
 恭介、そのポジション、俺に替われ!
 
そう思う男性は少なくないはず。w
 
「せ、先生。とりあえずこのままでは色々と問題が…」
 
その柔らかい感触に一瞬心を奪われそうになるが、すぐに我に帰り、抱きついている菅波先生を
そっと離す。
 
「三千里君…。」
 
菅波先生の顔には大粒の涙が見てとれる。
教師としてやってはいけない失敗をした反省と報いを肌で感じているのだろう。
 
「先生、僕は大丈夫。今日の所は教室に戻って下さい。また明日から普通に教室に戻ります。」
「で、でも…」
「クラスメイトには実家の両親の体調がおもわしくないので修学旅行中は実家に帰ると言えば
 もう騒ぎにはならないでしょうから。」
「で、でもでも…」
「先生!」
 
小っちゃい菅波先生のおでこに軽くキスをする。
 
「え、ええええ!?」
 
キスの経験がない訳ではない菅波先生だったが、こういったシチィエーションでキスをされた事が
ないので、一瞬凍りつくような感じになる。そして、我に帰った途端顔が真っ赤になる!
 
「ななな、何で…」
「先生は頑張り屋さんです。僕からの感謝とお詫びの印です。」
「ででで、でもキキキっ、キスなんてまだあくせく&$#d?&$\…」
 
かなりテンパっている。w
 
「僕は大丈夫です。先生は2年B組の担任です。その責務を果たして下さい。」
「…」
「先生、ここは行って下さい。」
「…うん、わかった。」
 
その雰囲気は先生と生徒ではなく、1人の女性と男性の間柄と同じにも感じた。
少なくとも、菅波先生の方は。
 
そうして、菅波先生は教室に戻り恭介が修学旅行に行けない理由は両親の病気で実家に
帰らないといけないという事で、その場を収めた。
 
 
 
「では、ホームルームはこれまで。」
 
ホームルームを終えた菅波先生が教室を出る。生徒たちは一斉に帰る準備に入る。
ある生徒達は修学旅行に行く時の衣装を見に行き、ある生徒達は部活動に行く。
そして、都歌沙と澄香はファミレス【イグナリア】にいた。
 
 
  -つづく-
 
 
2010年12月27日 イイね!

【小説】刀をたずねて三千里  28

 
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            第2章、


 
     第2章   バカと刀は使いよう  14
 
 
「いざ!」
「来い!」
 
恭介・豪傑の2人が直接対決となった戦いは、最初から力勝負の模様を呈していた。
 
 ガキ~ン 
 
「おらおらおら、そんな刀でこの紅葉狩兼光に勝てると思っているのか?」
 
豪傑はその名の通り、豪快に刀を振りかざし、恭介に対峙する。
対する恭介は、豪傑の攻撃の間隙を縫って反撃を試みようとするが、デカイ図体の割にすばしこい。
前半は受けの一手となった恭介。
 
「攻撃をかわすだけでは勝てぬダンスよ。」
「・・ふん、その勢いがどこまで続くかな。」
 
 カキーン カキーン 
 
あれだけの大きい斬馬刀を振り回しているのだから、いくら体力があっても、そんなの長時間の
攻勢が続く訳がない、そう考える恭介は出来るだけ受けに廻って体力を温存する戦いを展開
しようとするが、受ける側も相当な力を受け止めなければならない為、来力温存という余裕は
正直なかった。受ける側のダメージは直接キズを受ける事はないが、ガードする腕や身体には
もちろん衝撃が来る。すなわち攻撃する側の体力も受ける側の体力も同様に減っていく。
 
「まだこんなモノじゃないダンス。」
 
恭介が受け手に廻っているので、豪傑はガードを捨てひたすら攻めてくるので、その威力は
徐々に恭介の体力を奪っていく。
 
(このままじゃ、負けるかも…)
 
ここらで逆転の一手を打たなければ、恭介はガードする体力も無くなるであろう。
だが、恭介には逆転の一手があった。だが、それには条件があった。
その時が来ればチャンスはある。しかし、その前にガードで体力が奪われては意味がない。
そこで、賭けではあるが、ひるむフリをする事でそのチャンスを作ろうと決め、作戦に移る。
 
「むぉ~」
 
豪傑の攻撃を受けた時、態勢は不利になるが豪傑が恭介を押し込めるような形にもっていく。
 
「くっ…」
 
しまった、という素振りを見せる。すると、豪傑の顔がニヤリと変わる。態勢有利と思ったようだ。
 
(おっ、こやつ態勢が崩れてきたな。そろそろとどめをさす機会が出来そうだ)
 
そう思った豪傑は一気に押し込んで恭介を地面に叩きつけようとする。
だが、恭介もそのまま抑えこまれてはフリをしてる場合ではなくなるので、ここは抑え込んで
来るのを交わしにかかる。
 
「まだ終わらんよ!」
 
そう言って、押し込んでくる豪傑の斬馬刀をなんとは払いのける。
 
「はぁはぁはぁ…。」
 
恭介が肩で息をしながら、少し距離を取って豪傑と対峙する。
その容姿を見て、勝ちを意識する。
 
「そろそろへばって来たようダンスな。」
「…ふん、まだまだ。」
 
見た目は恭介の方が明らかに不利に見える。
 
「恭介様っ…」
 
2人の戦いを見ている魔耶も当然そう見えたので、恭介に対しての不安が募ってくる。
 
「そんな不安そうな顔をするな。」
「でも…」
「このままじゃ終わらない。そこで見ていろ。」
「…はい。」
 
魔耶も恭介パートナーとなって1年になるが、このような状況は初めてであった。
これまでは恭介が圧倒的に強く相手に勝ってきたからだ。それが今回は押されっぱなしである。
 
(もしかしたら、危ないかもしれない…)
 
下手をしたら危ないとかのレベルではないとも思えてしまうが、そう思う自分を必死で打ち消そうと
思う。恭介が勝てない相手に魔耶自身が勝てるのか?と。
 
「そろそろ勝敗を決める時が来たダンスね。」
 
ほぼ勝ちを確信した感じで、恭介に向けて言う。
 
「そうか?それは俺も同意見だ。」
「では、とどめを差すダンス。」
 
豪傑が上段の構えをする。
 
(よし、来るか!?)
 
豪傑が勝負を決めに来た。豪傑の押し切りをを受け止める事が出来れば恭介は勝てる算段が
あった、あとは、押し切られないようにするだけであった。
 
「むぉ~~~~~~~~~!」
 
大きな身体をめいっぱい上に向け、そこから恭介を重力をも味方にして押し斬ってしまおうとする。
 
「ぬぉ~、全力全開ハイパワーガードっ、【防御陣・楓】。」
 
 ガッキ~~~~~~~ン
 
全体重を掛けて押し斬ろうとする紅葉狩兼光の振り降ろしを三日月宗近はその刃が
折れることなくしっかりと受け止めた。
 
「な、なんダンス…」
 
まさか、抑え込めないとは思っていなかっただけに今まで全く感じなかった焦りがにじみ出る豪傑。
 
「あ、ありえないダンス…。なぜこの攻撃を受け止めれるダンスか?」
 
これまでの強気発言が影を潜める。
 
「よし、受け止めたぞ。」
 
恭介は受け止めれなかったら?という不安があった。だが、その時は=負けとなるだけの話。
考える必要もない。いま考える事は豪傑の攻撃を何としても受け止める事。そうすれば勝機は
恭介にあると思っているのだから。
 
「今度は俺の番だ!」
「何!?」
 
今度は押し返す番だ。態勢は上から押し込む形である豪傑のポジションが段々と戻されていく。
 
(お、押されていく…)
 
力では負けた事のない豪傑がどう見ても力負けしない容姿の恭介に押し返されている。
更に焦りの色が濃くなっていく。この地点で勝敗の行方は一気に変わった。
 
「ほらほら、どうした。」
「ううう…」
 
恭介は知っていた斬馬刀の弱点を。
恭介は豪傑の持つ刀を受け止めているが、それは刀の刃先であった。
大きな刀で押し込むと言っても支点の場所で力加減が変わるのだ。
刃の根元は力が入る腕や手に近い為、大きな力が入る。だが、その視点から遠くなる刃先への
力は根元ほどではない。
形としては、恭介と豪傑の刃が重なり合う位置は、恭介が根元で豪傑が刃先。これで両社の
力の差が小さくなる。そして、豪傑も知らないが、意外と恭介は力があるのだ。
それは腕っ節の力の類ではない、刀自身の持つ力である。
足利時代より著名な武将のエキスを刀自身が持っていったのだった。長年生きてきた刀が
妖刀と化しているのが原因だが、天下五剣と言われる刀は長年の中で妖刀化していた。
世間ではその事は知られていない。それもそのはず、一般市民がその刀を持つ事がないので
知らないだけなのだ。一部の学者達も刀自身が持つ妖化に気付く物もいない為、これまで
その事を知らないのである。
 
そうこうしてる間に鍔迫り合いしている互いの刀の位置がほぼ同じになる。
 
(いかん、このままでは立場が逆転するダンス。めいっぱいの力で押し返すダンス。)
 
「ぐぉ~~~~~~~~」
 
豪傑はありったけの力を振りしぼって再び恭介を押し込もうとする。
刀に大きな力が押し込められる。
 
(よし、今だ!)
 
恭介は今こそ真の逆転の時を迎えた。
 
 秘奥義『桜武回天撃!』
 
そう叫ぶと、押し込もうとする豪傑の身体が一気に恭介を押し込むか!?になる。
 
「うっ!?」
 
豪傑は押し込む勢いが急激に来た形になった為、押し込みというよりも前に倒れこむようになる。
 
一方の恭介は豪傑の押し込もうとする力を利用して力を押し込む方にプラスして恭介自身は
その場で回転しながら廻るような態勢になる。
 
 ピヒュン!  グサッ! 
 
「うがぁあああああああああ!?」
 
豪傑の例えようのない叫び声が!?
恭介の三日月宗近が豪傑の背部に見事に食いこんでいる!
 
「な、何が起こった…ダンスか?」
 
ゆっくりと後ろを振り返る豪傑。そこには腰の部分から横に綺麗に恭介の刀が入り込んでいる
様子が見てとれた。
 
「豪傑よ。悪いがこの勝負、俺の勝ちだ!」
 
恭介が真剣なまなざしを豪傑に見せながら言う。
 
「…そうか、太極拳の類か。」
 
豪傑はこの状況で初めて自分がどうやって負けたのか理解した。
 
恭介の放った秘奥義『桜武回天撃』は、対峙する相手の力を利用して自分の力に転嫁
する事で、通常の力に相手の力もプラスした攻撃力を発揮するのだが、その主な力は名前の通り
回転力である。豪傑が恭介を押し込もうとする力を加味して、恭介自身が回転の中心部となり
身体を回転する。わかりやすく言うと、突進してくる闘牛をマントでいなすのを思い浮かべて
いただければいいでしょう。相手は押し込む力がいなされる事で、態勢が崩れる。そして、
崩された身体に2つの力が加わった回転する恭介の刀に集約され、豪傑の後ろ側の腰を斬る
ような形になったのだ。
 
「豪傑、お主は強いな。」
 
恭介はしみじみと言う。
 
「何を言う、貴様はこうして私の身体に刃を斬りこんだではないか。」
 
だが、恭介は首を横に振りながら、豪傑に強いと言った理由を話す。
 
「この秘奥義は本来、相手の力が大きければ大きいほど攻撃を受けた相手へのダメージが
 大きくなる。豪傑の力が加わっていれば、豪傑の身体は真っ二つになるはずだ。私もそう
 なると思っていた。だが、この刃はお主の背骨から先を斬れなかった。お主の強さが
 真っ二つになるはずの攻撃を抑えたのだ。自慢していいぞ。」
「ふっ、だが自慢するにも相手がいない…。」
「…俺が聞いてやる。」
「…そうダンスか。それはありがたい。」
 
そこで恭介は背骨で止まった刀を抜き取る。
 
 ぷしゅ~!
 
刀を抜き取ると、斬った部分から地が吹き出す。だが、それは刀が抜ける時だけですぐに止まる。
綺麗に斬れた時にはうまくくっつけば表にそんなに血が出ない、その原理だ。
その直後に、魔耶が恭介の元に駆け寄る。
 
「恭介様ぁ~!」
 
そう言うと恭介にタックルするように抱きついてくる。
 
「い、痛いなぁ、魔耶は…!?」
 
魔耶の顔を見ると涙ぐんでいる。恭介はそれから何も言わず魔耶を抱きしめつつ携帯を取り出す。
 
 ぷるるるるる♪ 
 
「はい、もしもし~、愛の伝道師・さとみんですよ~。」
「…。」
 
 ガチャ ツーツーツー
 
恭介は呆れて電話を切る。すると当然、先方から電話がかかってくるわな。w
だいたいの予想は付くが、とりあえず電話に出る。
 
「おんどりゃ、何ワン切りしとんじゃ!?」
 
お怒りモードで電話をしてくる次田女史。まあ、この対応は当然だわな。w
 
「すまない、携帯を持ちかえようとしたらうっかり切のボタンを押してしまった。すまない、さとみん。」
「い、いいんですよ~。(今日はさとみんと呼んでくれたわ♥)」
 
すっかり次田女史の扱いに慣れた恭介である。w
 
「すみませんが、中央道の石川PAに回収班をよこしてくれませんか?」
「! もしかして、死亡した?」
「いえ、しばらくは大丈夫です。」
「わかったわ、回収班をよこすわ。それまでそこにいてちょうだい。」
「了解っ。」
 
そう言って電話を切る。
 
「彼を殺すのですか?」
 
魔耶がおそるおそる恭介に尋ねる。
 
「いや、回収班に任せる。」
「…そうですか。」
 
沈んだ様子の魔耶。
 
「…気になるか?」
「ええ、敵対する相手とはいえ、何だか可哀想で…。」
「わかった、回収班には治療の方向でお願いしておくよ。」
「そ、そうですか。ありがとうございます。」
 
魔耶の顔がぱ~っと明るくなる。やはり人が死ぬのは避けたいようだ。
表向きは恭介も笑顔を見せるが、実際はどうなるかは恭介にはわからない。
なぜなら、対決した相手をその場で殺さなかった場合以外はすべて回収班に任せる手筈である。
そして、その後の生死の判断は上層部が決める事で、麻耶にはああ言ったが実際はその後
どうなったかは不明なのである。本当は多くの場合が暗黙のうちに殺されるか、洗脳されて
使い駒にされる事が多いのが実情である。
 
 
「じゃ、帰ろうか。」
「はいっ。」
 
その後回収班に後を任せ、恭介と魔耶は石川PAを後にし、帰宅の途に付くのであった。
 
 
 
忌将院 豪傑はまだ帰って来ぬか?」
「はっ、あまおう様。未だ返ってくる気配はありません。」
「そうか…。」
「おそらく豪傑様はあのクルマに乗っていたヤツらにやられ…」
「それ以上言わんでもよい。」
「はっ。失礼いたしました。」
「…。」
 
あまおう様こと朝乃魔央は豪傑がもう帰ってこない事は悟っていた。
 
「彼は私の初めての忠実な部下だったのに…。」
 
魔央の父・朝乃真之介の言われるがままにW・S・Cの幹部になったはいいが、陰で父の
七光りと思われている感がある中で、豪傑はそう言ったわだかまりのないすがすがしい男で
あった。ブラハムの持つ『大和守源秀国』を確保が出来てW・S・Cの内部での評価は
上げる事が出来た。だが、その代償は魔央にとっては大きかった。(爆
 
 
 
 
翌日の午後、恭介はファミリーレストアン・イグナリアにいた。もちろん1人である、今の所は…。
 
「そろそろ待ち合わせの時間だな。」
 
腕時計の針は13:00を指そうとしていた。恭介はここでとある人物と落ち合わせをしていた。
 
 「ごめ~ん、待ったぁ~。」 
 
な~んて言いながらやってくるようなシチュエーションは間違ってもないだろうな、と恭介は思う。w
そして、やってきた彼女はその予想通り、甘い言葉を言ってくるようなキャラではなかった。
 
「よし、到着っ。」
「…。」
 
実にあっさりとしたもんだ。w 
武道を心掛ける者はみんなそうなんだろうか?と思ったりするが、結論は出る訳がない。
 
「午前中は修業だったね。相変わらず親父さんは厳しい?」
「ええ、見てよこれ。少しは気を使えっちゅ~の。」
 
彼女は修業で負った擦り傷を見せて軽く笑う。
 
「ねぇ、三千里クン。今日はお話してくれるのよね。」
「ああ、その約束だからな、都歌沙?」
 
そう、恭介が待ち合わせをしていたのは花畑都歌沙であった。
そして、都歌沙と初めて会ったのは、危うく交通事故になりかけたあの時でま違いなかった事。
更に、クルマに乗れる19歳であることを告げる。だが、I・S・A・Mの一員である事は伏せている。
これだけは明かす訳にはいかなかった。それを明かす時は恭介がこの街を去る時であった。
いや、戦いで恭介が死ぬ時はそれを明かすまでもないのだが…。
 
「この事は2人だけの秘密にしてくれるね?」
「ええ。正直に話してくれたと思ってるから、それは必ず守るわ。」
「そっか。ありがとう。」
 
恭介はひとまず安堵の表情を見せる。いつの間にか恭介は都歌沙に嫌われたくない気持ちが
大きくなっていた。それが何なのかは分かっている恭介だったが、それを告げる事は出来ない。
それは、恭介自身の今の仕事が関係している。恭介の仕事は生死を賭けた争いが常に
付きまとっているからだ。
 
実は過去に1度だけ恭介には付き合っていた女性がいた。だが、その女性は恭介の戦いの
中に巻き込まれて亡くなっているのだ。それがどうしても頭に残っていて、思い切れない。
 
(まだ時間はある。焦る事はない)
 
そう思う恭介だったが、これだけは言っておく。
 
 【恋愛は自分が想った時に言う方が、成否に関係なく後悔しないよ。】と。w
 
 
一方の都歌沙の方も、恭介はほぼ秘密を打ち明けてくれたと理解している。
だが、何かが引っかかるのだ。それは格闘家の勘でもあるのだが、もし、恭介はすべてを
打ち明けてくれていたのに、疑心暗鬼な事を言うのはせっかく築いた信頼関係を自らで
破棄する事になる。
 
 【大丈夫、彼を信じよう。】
 
そう思う都歌沙であった。
 
 
「ねぇ、三千里くん?」
「ん、何?」
「修学旅行、楽しみだねっ。」
「…あ、そっか。」
「もう、忘れてたの~。」
「海外留学とかがあって高校の修学旅行には言った事ないんだが、まさかイケるかもしれないと
 思うと、ちょっと緊張しちゃってさ。」
「うふふふ。おもしろい事言うんだね。」
 
クスクスと笑う都歌沙。釣られて恭介も笑う。
 
(もう1度恋をしてしまうかもしれない…)
 
それは恭介の正直な気持であった。そして、都歌沙も…。
 
 
  -つづく-
 
 
第2章はここまでです。何とか年内に終わった、と言うのが正直な感想。
話のまとまりがなく読みづらい点も多く、反省材料として肝に銘じなければいけないと思ってます。
 
第3章ではその反省を踏まえつつも懲りずにやっていきますので、よければ読んでいって下さい。
 
では、また。(^-^)/
 
2010年12月12日 イイね!

【小説】刀をたずねて三千里  27


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            第2章、


 
     第2章   バカと刀は使いよう  13
 
 
「じゃ~ん!!」
 
忌将院 豪傑(きしょういん ごうけつ)は、ハイエースに積んであった自分の武器のデカイ刀を
持ってきて恭介に相対そうとする。
 
「お前、何だそのデカイ刀は?」
 
ちょっと驚く恭介。刀の名を尋ねてみる。
 
「ふっふっふっ、聞いて驚け…」
「わっ、驚いた!」
「どわ~!?」
 
わざと驚いて見せる恭介の声に驚く豪傑。
 
「脅かすな、びっくりするダンスよ!」
「何これだけで驚いてるんだよ。お前名前の通り『きしょい』なぁ。」
「ぶるぁ~、俺の名は『忌将院 豪傑』だ。きしょいではない。貴様失礼ダンスな。」
 
 
 『きしょい』とは?
 
きしょいとは気色悪いの略で、見た目に気色悪い場合に使われることが多い。
きしょいは関西を中心に会話の中で生まれた言葉で平成に入ってから普及。
きしょいは『きしょー』という感嘆詞として使われることが多く、関西では『きっしょい』ともいう。
また、気色悪いけどカワイイという意味を持つ『きしょかわいい』という言葉もある。
 
 
「以上、説明終わり。」
「お前、誰に説明してるんザンスか?」
「そこはツッコむな。で、きしょい、その刀は何だ?」
「きしょいじゃない、鬼将院ダンス。全く、I・S・A・Mには頭の悪いヤツが多いダンスなぁ。」
「お前にだけは言われたくないわっ。で、その刀は何なんだ?」
「ああ、この刀は『紅葉狩兼光』という。お前聞いた事はあるダンスか?」
「紅葉狩兼光? 見る所、斬馬刀に見えるが…」
「おお、斬馬刀はご存じか。ですが、斬馬刀は名称ではなくいわばジャンルになるダンスよ。」
「何だって!?」
 
急に驚く恭介。
 
「どうしたダンスか?」
「斬馬刀って刀の名前じゃないのか!?」
「さっきも言ったように、正式な刀名じゃないダンスよ。」
「くそ~、じゃああの【週刊ヂャンプ】で連載されている『ルリルリ剣心♥』で書かれている
斬馬刀ってのはウソだったのか!?」
「…その雑誌は読んだ事ないからわからんが、違うダンス。」
「ちきしょ~、許さん許さんぞ、鬼将院。お前を倒すっ!」
「オイコラ、不条理な言いがかりはやめるダンスよ。」
「問答無用、俺は海賊王になるっ!」
「お前、映画とか見たら感情移入するタイプに違いないあダンス…。」
 
こうしてよくわからない展開で2人は戦う事になる。
 
うぉ~!!
 
恭介は叫びと共に両手を展い仰ぐと上に上げた顔の口の部分に手を向ける。
 
「な、何をしようとするダンスか?」
 
想いもよらない動きに動揺する豪傑。
そして、思いもよらぬ行動を目の当たりにするのであった。
 
 んぐぐぐぐぐ・・・
 
口の所に手を合わせるとそこから光を放つ。そして、その光を口から取り出そうとする動きをする。
 
 グワアアアア…
 
手を伸ばしていくと、それに合わせて光りも伸びていく。そして、最終的には
 
「とりゃ~~~~~~~!」
 
口から長い光が飛び出す。
 
 キラ~ン
 
「はぁはぁはぁはぁ…待たせたな。」
 
息が切れている、言い表せない疲れがあるのだろう。
そして、恭介は体内から取り出した長く光る物を構える。すると光がゆっくりと消えてくる。
恭介が構えた物は刀であった。
 
「ななな、何だお前、身体の中から刀を出したダンス。」
 
そう、恭介が取り出した物はまさしく刀である。実は恭介は体内に刀を取り込める特殊能力が
あったのだ。科学では証明できない能力であるが、日本古来から伝わる『入刀術』の1つで
陰陽師の持つ能力の1つでもある。影の歴史書には平安時代からその能力を持つモノがいて
怨霊退散の為にその能力を発揮すべく存在する能力だが、もちろん誰でも出来る訳ではない。
幼き頃からの厳しい修行も去ることながら、秘めたる潜在能力がなければ到底出来っこない。
恭介にはその能力が備わっていた。なぜ、恭介にはその能力が備わっていたのか?
それはいずれ明らかになるであろう。
 
 
「その刀は何だ?」
 
驚きを隠せない中、かろうじて刀の名を尋ねるのが精一杯な豪傑。
今、恭介の体内に持つ刀の名が明らかになる。
 
「この刀は【三日月宗近】と言う。豪傑とやらも聞いた事はあるだろう。」
何だと!?
 
 
 【三日月宗近】
 
三日月宗近とはいわゆる【天下五剣】の1つで、正式名称は非常に長いのだがこう言う。
 
太刀 銘三条(名物三日月宗近) 附 糸巻太刀拵鞘」。
(たち めい さんじょう めいぶつみかづきむねちか つけたり いとまきたちこしらえさや)」
 
「三日月」の号の由来は、刀身に三日月形の打除け(うちのけ、刃文の一種)が数多くみられる
ことによるものとされ、「宗近」については刀鍛冶である『三条宗近』の名を取っている。
 
刃長二尺六寸四分(約80.0cm)、反り九分(約2.7cm)。細身で反りが高く(反りが大きい)、
踏ん張りの強い(刀身の鍔元の幅が広く、切先の幅が狭く、その差が大きいこと)極めて
優美な太刀である。地鉄は小板目肌がよく約(つ)み、ところどころ大肌まじり、地沸(じにえ)が
厚くつき、地景(ちけい)入る。刃文は小乱れ主体で小足入り、小沸つき、匂口深く、三日月形の
打のけがしきりに入る。中ほどから上は二重刃、三重刃となり、帽子も二重刃となって先は
小丸ごころに返る。茎(なかご)は生ぶで雉子股(きじもも)形となる。通常の太刀と異なり、
佩裏に銘(「三条」二字銘)を切る。
 
足利将軍家の秘蔵の名刀として継承され、永禄8年(1565年)、松永久秀と三好三人衆が
二条御所を襲撃して将軍足利義輝を殺害した(永禄の変)際には義輝はこの三日月宗近を
振るって奮戦したと伝えられている。
変の後に戦利品として三好政康の手に渡ったとされ、政康から豊臣秀吉に献上された後、
豊臣秀吉の正室高台院(寧子)が所持し、その後遺品として徳川秀忠に贈られ、
以来徳川将軍家の所蔵となっていた代物であったが、太平洋戦争後に徳川家から
個人所蔵家に渡り、1992年に東京国立博物館に寄贈されて所蔵されていた。
その後、天下五剣を1つにまとめるプロジェクトが発足し、その管轄を文化庁が担う事となる。
そして、文化庁は「I・S・A・M(国際刀剣監督機構)」の所属を決め、天下五剣の獲得を理由に
世界各国に散らばる貴重な刀剣の収拾に協力しているという訳だ。
 
「この事を知って生きてきた者は誰もいない。」
 
恭介は自信を持ってそう言う。
だが、豪傑もW・S・Cでもその名の通り豪傑さで名を馳せた人物でもあった。
 
「では、改めて参る!」
「望む所ダンス。」
 
今、2人の闘いが始まる!!
 
 
 -つづく-
 





プロフィール

「ホンダの頭にホンダ」
何シテル?   05/13 16:39
再び色々ありまして、乗り換えです。 2回目のホンダ車でまた白に戻りました。 引き続き宜しくお願いいたします。。♪   一般人からみたらオタク系だと思...
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