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龍聖のブログ一覧

2009年01月31日 イイね!

神殺の聖槍  22

     第4章  萌える闘棍  1



    すべては愛のタートルネック ハラハラハラハラ~ショ~♪


 「ねえ、アル?」
 「何だ、麗華?」
 「あの今泉が歌ってる曲、知ってる?」
 「…俺がわかる訳ないだろう。」
 「そうよね、聞いた私がバカだったわ。」
 「…、やれやれ。」

案内人・今泉一騎の運転する荷馬車に載せて貰ったアルシオーネと麗華の3人は、
ウィルベリーニに戻れるもう1つの港のある街「秋葉崎」に向けて進んでいた。

 「どうしましたか、お2人さん?」
 「どうかしたじゃないわよ。乗せてもらってナニだけど、私達何で荷台なの?」
 「確かに私は長老や伊吹からあなた達を運ぶように言われた。ですが、
  私がアキバに行くのはブツを仕入れるためであって、あなた達を運ぶのは
  あくまでオマケなんです。それがご不満でしたら歩いていっていただいて結構。」
 「…わかったわ。」
 「わかっていただけましたか。」
 「(何か無性にむかつく~っ)」

今泉はそれだけ言うと、またヘンテコな歌を口ずさみながら馬車を走らせる。


  泣かれちゃやだもん 赤門 南大門、パブリカ カローラ フィールダー♪


 「ねぇアル。何なのアイツ、超ムカつくんだけど。」
 「まあまあ。気持ちはわからんでもないが、秋葉崎までの辛抱だ。」

麗華は今泉の歌がお気にめさないようだ。w

 「まあいいわ。でも、我慢の限界がきたらアル1発殴らせてね。」
 「何でやねん!?」

そうこう言ってるうちに秋葉崎まであと1時間というトコまでやってきた一行だった。

 「ねぇアル、あの向こうから何かやってくるのが見えない?」

荷台に乗ってる2人は通った道の後ろを見ながらの態勢になるので、
後方から馬車がやってくるのはよく見えるのだ。

 「ん~、何か来る感じがするな。」
 「うちの馬車、トロイからすぐ追いつかれちゃうよねぇ。」

などど言ってると、猛烈な勢いでやってくる馬車の姿が見えてきた。

 「あ、きたきた。」

呑気に麗華がやってくる馬車を見物しようとしたが、

 ブウォ~ン!!!

あっと、言う間に抜かれていった。

 「うわぁ、今の馬車速かったねぇ、アル。」
 「ああ、そうだな。驚いたよ。」
 「あ、また来たよ。」

そういう間にまた1台速そうな馬車がやってくる。

 「今度はどんな馬車かな?」
 「ええ、そうね…って、え?」
 「な、何だあのデザインは!?」

次にやってきた馬車の荷物を置く台車部分の壁の所にスゴイ絵が描かれていた。

 「ああ、あれはアキバでも有名な痛馬車ってヤツです。」

そう教えてくれたのは他でもない今泉一騎であった。

 「な、何ですか、その痛馬車ってのは?」
 「離せば長~くなるので、現地に着いたらお話しますよ。」

何の事を言ってるのは全然わからないアルシオーネ達に今泉が補足だけ言ってくれた。

 「ねえアル、意味わかった?」
 「いや、全然わかんない。」






 「アルぅ~、お尻いた~い。」

アルシオーネ達は秋葉崎の街の手前までやってきたが、すでに荷馬車に揺られる事5時間。
そりゃ荷馬車のクッションが良い訳がない。ましてや荷台の方はなおさらだから
麗華も堅い荷台に座ってて気分がいい訳がない。アルシオーネに思いっきり愚痴っていた。

 「こら、今泉。よくもこんな荷台で私達を運んでくれたわね!」

もう放り出されても街の手前なので、遠慮なくこれまでのうっぷんを全部ぶちまげる。 

 「よくこんな荷台で我慢しましたね。」
 「全くよ。私のチャーミングなお尻が台無しよ。」
 「どれどれ、私が確認してあげますよ。」
 「ううう、うるさいうるさい、このスケベ運転手!」
 「最初に言ってくれれば隣に座らせてあげたんですが。」
 「だ、誰が変態の隣に座るもんですか!?」
 「あははは。遠慮しなくても、今からでもどうですか、隣?」
 「…もういいわ。」

段々アホらしくなった麗華はそれ以上愚痴る事はなかった。



街に近づくにつれて、さっき見た痛馬車という馬車を何台か見るようになっていた。

 「ねえ、今泉。」
 「はい、何でしょうか?」
 「さっき言ってた痛馬車なんだけど、どの馬車も女性の絵を描いてるのばっかなんだけど
  それって何でなの?」
 「お~。いいトコに気は付きましたね、麗華さん。」
 「そうなの?」
 「ええ。でも本当はそういうのはアルシオーネさんが気付かなければいけないですよ。」
 「は、何で?」
 「男のロマンだからです!」
 「どの辺がロマン? しかも何で自慢げに言うんです?」

今泉と話しているとアルシオーネと麗華は混乱しそうになるのを覚えた。




 「さあ、到着です。」

出見緒の里を出て6時間、一行はようやく秋葉崎に到着した。

 「では、お2人さん。気を付けてお帰りください、では。」
 「え、あああ、ありがとうございます。」

アルシオーネと麗華が馬車から下りると今泉は一言だけ挨拶を交わすとそのまま街中に
消えていった。

 「慌ただしいヤツだったわね、アル。」
 「ああ、そうだな。」
 「じゃ、港に向かう?」
 「いや、もう遅いしせっかく街に来たんだからちょっと見物して帰るのもいいんじゃないか?」
 「そうね、何かおいしいものを食べるのもいいわね。♥」
 「麗華は必ず食べ物から入るな。そんなに食べてばっかだと太…」

  ボカッ!

 「何か言った?」
 「い、いやだぢぼ言っでない…。」

麗華の右ストレートがアルシオーネの左頬に炸裂!
一言多かったのを反省するアルシオーネだった。w

こうしてアルシオーネと麗華はどうにか秋葉崎に到着する事が出来たが、
ここまま何事もなく終わる訳がなかった。

その事件は早速この日の夜になってくるのだった。


  -つづく-


今後はすっと週末更新だと思います。
Posted at 2009/01/31 21:44:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 【自作小説】神殺の聖槍 | 趣味

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