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2017年02月12日 イイね!

無題

無題いよいよステアリングギアボックスが車体に戻り、1月末にやっと自走出来るようになったミニカ。

しかし、さすがにこのまますんなりと終わる訳が無かった…、な後半戦。

まあ、個人的にも何らかのアクシデントは起きるだろうと薄々感じてはいたので、「やっぱりな」という思いと同時に、この時点で、この故障の解決に既に3か月近く掛かっているにも拘らず、あと一歩の所でまだ解放されない「いい加減にしてくれ」という思いとで、さすがにストレスを感じざるを得ません。

さて、一体何が起きたのか。


…実際の所、車は確かに走れる状態にはなったんです。
パワステも効いてるし、当然、最終調整に整備工場へと自走する事も可能。

だがしかし

何か左右でアシストの強さが違って左旋回がやたらに軽く、また右旋回から中立にステアリングを戻す際には、勢い余って左に切れてしまいます。
更にわずかながらも、直進時にもステアリングが勝手に左に切れていこうとしてる感じがするぞ…


…ところが車速が40km/hを超えてアシストが切れると、ステアリングは12時方向に落ち着いてまっすぐ走る。

これは…ラック&ピニオンのギアや、タイロッド調整等の機械的な問題ではなく、制御面でのトラブルが起きてしまっている感じですね…


そして、そんな電気的な部分で思い当たる物と言ったら、恐らくこいつ…

画像中央右側のトルクセンサーの組み付け位置不良。

ラックブッシュの破損と同じく、これまたスズキ車に良くあるらしい電動パワステトラブルにこのトルクセンサー異常があるようで、その症状も左右でアシスト力が違ってしまったり、アシストモーターが勝手にステアリングを回してしまうといったものがあり、今ミニカに起きている症状に酷似しています。
(リフトアップ状態でイグニッションキーを捻ると勝手に左に切れて行ってしまう症状が、ミニカにも出ている。)

スズキ車の場合、モーターやトルクセンサーがステアリングシャフト上にあるコラムアシスト式で、手が届きやすいためセンサー不調をDIYで調整して誤魔化してしまっている人もいるようですが(本来は分解不可)、ミニカの場合はギアボックス一体のピニオンアシスト式で、一応センサーにはシムを挟む形での微調整は可能なものの車載状態では手が入らず、再度ギアボックスを降ろさなければ調整はほぼ不可能。(当然こちらも本来は分解不可)

まあ、ミニカの場合は分解前まで正常だった訳ですから、スズキ車のようにセンサー出力値が経年で勝手に変化してしまう症状?というよりは、組み間違いによる位置ずれでの出力値異常だろうという推測になるのですが…



そして確証は無いものの、組み付け不良の一番の原因と思われるのは恐らくセンサーそのものの取り付け位置ではなく、そのセンサーが連結される、インプットシャフト上に構成されるプラネタリーギア機構のインターナルギアのズレ。

上の画像では、センサー本体から画像左に向けてスライドピンが出ており、中央の穴の中に見える爪楊枝程の太さのピンでインプットシャフトのインターナルギアと連結されているのですが、本来の位置とは違う状態で組み付けてしまったために、センサーの電気的な中立位置と、ギアの機械的な中立位置とが違ってしまっているのではないかと。

…だとしたら調整なんてレベルでは済まず、またギアまでバラして組み直しじゃないか…




このインプットシャフトのインターナルギアというのは分解しようとすれば簡単にバラせてしまい、ギアケースに対する組み込み位置もギアの一歯間隔刻みで自在に変えられる上に、センサー連結用のピン穴も複数あるので、恐らく本来の製造時にはセンサーの個体差に合わせて、電気的な基準値に対して最も調整シムが少なくなるような位置で組み込むようになっていたのでしょう。

しかし、何の基準も設けずにバラしてしまっている以上最早元のギア位置なんて知りようも無く、今更その事に気づいたって完全にアフターフェスティバルです。やってしまいましたなあ。


こうなってしまっては、この状況を脱するには複数回の脱着を繰り返さざるを得ず、ともすれば再度ギアボックス分解の可能性が高いためもう自分の手には負えず、整備工場に泣きつくしか無くなてしまったのですが…

しかし工場長さんからも
「分解の要領書は無いにせよ、何かしら異常判定の基準値や測定方法が分からないと、どう調整するかの見当もつかないよな…」
と、もっともな意見が来たので…


一旦手持ちの整備要領書を漁ってみましょう。
…何か凄く今更な気もしますが。

それによると…

ステアリング操作時の異音→ギアボックスASSYを替えてねっ!☆

…それが出来たら困っとらんのじゃボケ!
と、冗談はさておき、整備要領書には各部の電気的な点検方法は記載があるものの、修理方法はASSY交換という文言以外一切の記述が無いため、やはりメーカーはギアボックスの分解を認めていない事がここからも見て取れます。

コラムアシスト式のスズキ車が、電気系部品一式の付いたステアリングシャフトの方を非分解式のASSYのみで扱っている事からして、三菱のギアボックスの場合も、どこかが不可逆な構造になっているからという訳ではなく、やはりその核心はトルクセンサーに触れて欲しくないという事での非分解なんでしょう。

そりゃあ一歩間違えばステアリングを暴走させかねない部分の分解なんて、危険すぎて認める訳にはいかないでしょうからねぇ…



しかし、その電気的点検方法の中にはヒントになるデータがありそうです



各部のピンアサインや基準値、トラブルシュート方法についての記載があり、トルクセンサーについても5Vセンサーの中央値をステアリング中立位置とした基準値となっていたため、異常か正常かを判定する方法は判明しました。

しかし、この判定基準だけでは当然ながら「センサーが物理的にどっちにずれているのか」という構造的な部分が分からないので、実際の調整作業は当りを引くまで分解組み立てを繰り返すガチャのようになってしまい、工場も多忙な中でアテの無い作業となってしまうため、もっと他に情報は無いのかと探したら…


…ん、これは…
何かすんげぇ具体的にギアボックスの構造が載ってるぞ…


トルクセンサーの構造概要まで…

何と、89年1月版のH21系(550cc)新型車解説書に、ありとあらゆる事が書いてありました。

実はH20系のステアリング系統というのは、H22系(660cc)用のギアボックスもH21系からのキャリーオーバー品で全く同じ物が使われていたため、H22系の新型車解説書/整備要領書では触れられておらず、記載があったのは変更を受けたパワステコンピューター周辺のみだったため、ウチのミニカの型式であるH22系の書物ばかり見ていてこの構造概要に気づくのが遅れました。

(まあそうは言っても、90年版のH22系新型車解説書にも、しっかり読めば「ギアボックスの構造は89年版を見よ」と書かれているのですが…サービスデータ等ばかり探す事に気を取られてこのザマです。)


そして、トルクセンサーとインプットシャフトの動作の関係もしっかり記載されていた事で、アシスト異常の原因がやはりインターナルギアのズレにあるだろう事が確信になりました。

これを見る限り、現状のステアリング中立時のセンサー位置が左旋回状態(スプールがセンサー本体に近寄っている)になっていて、この修正にはインターナルギアを時計回りにずらせば良いという事で間違いないでしょう。

これで光は見えました。

しかしそれでも、インターナルギアの位置とピン位置の組み合わせパターンは相当数あるので、結局は工場長さんの経験と勘が頼りになってしまいましたが…2日掛かりで何とか直していただきました。

やはりバラしては組んでの繰り返しで、左旋回状態からインターナルギアを一コマ右にずらしただけで右旋回状態になってしまうようなシビアさだったそうで、最終的にリフトアップ状態での電源投入で勝手に左右に操舵されない中立ポイントをひたすら探す作業だったそうです。

もちろん三菱公認の調整方法はギアボックス製造メーカー以外には存在しないのでしょうから、あくまで結果オーライで、本当にこれで元通りかどうかは分からないですが…

きっちりまっすぐ走るし、左右のアシストも均等。
しかも走りは今までとは全く別物で、旋回時にしっかりロールしながら踏ん張ってからグリップが抜けていくという、言ってみれば普通の車の挙動を示すようになりました。

今まではフロント荷重をかけようが何をしようが、踏ん張る事無くいきなりドアンダーで外側に流れていくのが当たり前だったし、それに慣れてしまえば、ビートと比べるまでも無く「そういう車なんだろう」と思うようになり早めにステアを切り込む癖もついていたので、復活後に予想外に素早く切れ込むようになった挙動にイン側を引っかけそうになったりと、個人的には劇的な変化です。

また、操舵フィールがえらく軽く滑らかになってセルフセンタリングがしっかりと効くようになり、旋回時にステアリングが一瞬ロックする症状もかなり緩和されました。
(大きく操舵している最中にアシストのON・OFF切り替えが発生した場合に起きる、ロックともキックバックともとれるような衝撃は無くならなかったので、これは構造上の仕様なんでしょう。)

しかし、セルフセンタリングがまともに効いていないとか、機械的にロックしていた事なんて、今から考えればラックギアがあんな状態になっていればさもありなんと言うか、むしろロックする程にギアが引っかかっていながらもよくぞ歯がダメにならなかったなと思うくらいです。

しかもこれらの症状は異音発生より遥か前から認識していたものばかりなので、実際には相当前からラックブッシュは壊れ始めていたんでしょう。


それにしても、非分解品はやっぱり分解しちゃダメなんですね。
放っておいてもどこかの誰かが修理方法を確立してくれるビートのようなメジャーな車ならいざ知らず、ミニカなんて分解・加工全てにおいて手探りの連続なのに失敗も許されない一発勝負とあっては、精神的にやってられないです。

いやー、ホントに直って良かった…もう二度とやらねえぞ…
Posted at 2017/03/05 20:34:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | ミニカ | 日記

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第三次の頃にぱらぱらしていたおバカ。 今では小学生レベルの分数計算すら出来ない正真正銘の馬鹿+割と雑食な気分屋です。
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