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2012年09月10日 イイね!

F30 新型3シリーズ、320dと320iの比較試乗

F30 新型3シリーズ、320dと320iの比較試乗F30となった新型3シリーズの大きな特徴の一つは、N47D20というディーゼル・エンジンを搭載したモデルが、ついに日本でも販売されたことだ。BMWのディーゼル車は、すでにX5-35d(本国では30d)がこの春先に発売されている。聞くところによると、X5-35iよりもずっと売れているそうだ。話題のMAZDA SKYACTIVもディーゼルモデルが売れているらしい。日本もいよいよディーゼル車の時代を迎えることとなるが、期待の320dはどうだろうか。


320dの新しさ

走り出しはとてもスムーズである。アクセルを踏み込むと、「320」という名前とはまったく結びつかない、強烈な加速が身体をシートに押し込んだ。「お~~!」と思わず声を上げてしまう。やはり380Nmのトルクは伊達ではない。DPCはつねにコンフォートのままである。素の味を知りたいからだ。

F30という新型3シリーズのボディの固さや軽さ、バランスの良さについては、もう何度か書いてきたから、その優秀さはここでは繰り返さない。BMW最新のツインパワー・ターボ・ディーゼル・エンジンは、ダイナミックな力強さで、F30を軽々と前へ前へと押し出し、スイスイと車線をまたぎながら周囲の車をスムーズにリードする。それはまさに「駆け抜ける歓び」以外の何ものでもない。しかも減税率100%という優れたエコ・カーでもあるのだ。

このエンジン向けに適切に設定された8速ATとのバランスも素晴らしい。「ブォン、ブォン、ブォン」というリズミカルなエンジン音とともに、アクセルの踏みしろに応じて、ほど良いトルクを保ちながら、ギアはスルスルと極めてスムーズにシフト・アップしていく。野性の動力を優雅な手ほどきで鮮やかに操る心地よさに浸っている間もなく、車はかなりの速度に達している。


ドラマチックな逆転劇

ディーラーには同じF30のガソリン・モデル、320iの試乗車もあった。すでに運転してみたことはあるが、比較にちょうど良いと思い、続けて試乗してみた。
走り出しは、同じようにスムーズだ。踏み込んでいくと、さすがにターボ・エンジンだけあって、自然吸気の4気筒とは明らかに異なる、力強いトルクを感じた。やはり320iもなかなか素晴らしい車なのだ。

しかし、さすがに強力なトルクを発するディーゼル・モデルに乗った後だけに、決して小さくはないガソリン・エンジンの270Nmというトルクと言えども、明らかな加速の差が感じられた。
ところが…このN20B20というエンジンの本領は、そこから先にあったのだ。それはドラマチックな逆転劇に似ていた。


ディーゼル・エンジンとガソリン・エンジン

話は少しそれるが、そもそもディーゼル・エンジンというものは、一度爆発を始めると、本気で消火しようと決意しない限り止まらない。しかもかなり強力で大きな爆発なので、特有の大きなガラガラ音が発生する。それだけに、エンジン・ブロックもガソリン・エンジンに比べて、固く厚く出来ている。だから耐用年数や距離数は、ガソリン・エンジンとは比較にならないほど長い。

それに比べて、ガソリン・エンジンの何とたおやかで繊細であることか。ディーゼル・エンジンに比べて圧縮比は低いし、爆発のためには毎回火花を散らしてやらねばならない。瞬時に高回転に達するものの、混合気の噴射をやめるだけで、即座にピストンは眠りに入ろうとする。音も動きも力も、すべてが軽いのだ。


320iの特徴

「320d」の後で続けて「320i」に乗り換えた時の印象が、まさにそのような感じだった。たとえて言うならば、「320d」はつねに50の力を蓄えていて、アクセルを踏むことで100になる。けれども「320i」の方は、0から100の間を自在に行き来するのだ。いつでも熱狂的なディーゼル・エンジン、冷静と情熱の間をやすやすと行き来するガソリン・エンジン、と言ったらいいだろうか。

前のブログ記事では、同じ523iの6気筒モデルに対する、4気筒ターボモデルの印象の違いについて書いた。一言でいえば、4気筒ターボ・エンジンという、低中回転の大きなトルクで走る車の扱いやすさと燃費の良さである。それはちょうど、今回の「320d」と「320i」の違いと似ていると思った。トルクで劣る「320i」ではあるが、「320d」にはない、伸びやかな高回転域を駆使することで、後からスルスルとトップに躍り出ていくのだ。世界最速の男、ウサイン・ボルトのように。


320dの乗り方

…と筆(キー・ボード)に任せて書いてしまったが、確かに0-100km/h加速は7.6秒(プレス・ノート値)と両車は変らない。けれども短距離だったら、アクセルとギアの使い方によっては、初期加速に勝る「320d」に分があるかもしれない。

「アクセルとギアの使い方によっては」と断ったのは、「320d」は5,500回転付近ものレブ・リミットまで回すと、パワー・ピークの4,000回転以後の頭打ちが激しいからである。それは身体が前のめりになるほどの落ち込み方だった。それに比べれば「320i」のレブ・リミットは、軽い減速感程度だ。その意味でもやはり「320d」は、1,750~2,750回転のトルク・ピーク帯を上手に利用しながら、2,000~3,000回転台で乗る車だと思った。


比較試乗の勧め

私はBMWの日本へのディーゼル・モデル導入の噂を聞いた頃から、ちょうどフル・モデル・チェンジを迎えつつあった3シリーズのそれ、つまり「320d」への興味が徐々に高まって、その実体が明らかになるにつれて、ますます惹かれるようになった。短い試乗を終えた今も、やはり「320d」は、BMW車のかつてない味わいを持つ、素晴らしい車だと思う。

けれどもこの「320d」は、かつて日本にはガソリン・モデルしかなかった「BMW・3シリーズ」とはまったく別種の「駆け抜ける歓び」を持つ車であることを、改めて強く感じた。もしも「320i」と「320d」の両車の間で迷うなら、納得がいくまで、この二車種を乗り比べることをお勧めしたいと思う。


             *       *       *       *       *

ディーラーで偶然お友達のnobkunさんに出会った。それぞれ試乗を終え、Y部長を交えて、楽しく感想を話し合ったことが、この記事を書くに当ってとても参考になった。謝して記します。
この記事は、F30 320dと320iに試乗して、乗り比べました。について書いています。




※ 9/17追記 …
 その後、ほぼ同じエンジンを載せた、F30-320dと同時にデビューしたF10-523dに試乗した。さすがに5シリーズだけあって、同じようにおろしたての真新しい車ではあったが、320dに感じたディーゼル・エンジンの野性・熱狂性が、523dでは、優しく上品なオブラートに包まれたような感触だった。また、320dで気になったレブ・リミットの頭打ち感も、強くは感じられなかった。

この車の他にも、1万キロを走ったX5-35dにも試乗できたが、こなれたディーゼル・エンジンのスムーズさは、格別のものだった。どんなエンジンでも、走り込むほどにスムーズでパワフルになっていくものだが、やはり320dも、同じように成長していくことが十分期待できると思った。

Posted at 2012/09/10 02:46:25 | コメント(34) | トラックバック(1) | F30/31 3シリーズ | クルマ
2012年05月19日 イイね!

F30 新型3シリーズ、320iの試乗インプレッション

F30 新型3シリーズ、320iの試乗インプレッション以前、328iに試乗したインプレを書いたことがある。今それを読み返してみると、我ながら、7年ぶりのフル・モデル・チェンジを果たした、新しい3シリーズへの憧れと期待に満ち満ちているなぁと感じる。
たった3ヶ月前の2月初めのことで、この時は、まさか一週間後に5シリーズを契約することになるとは、夢にも思っていなかったし、この時私は、4気筒NAの120iカブリオレに乗っていた。だから、パワフルでスポーティな、新しい328iの印象は、一段と鮮やかだったと思う。

さて、前置きはこのくらいにして、320iのインプレッションを感じた順に書いてみる。

[車外で聞く音]
ディーラーの方が車を移動させている時、エンジン音を聞いていると、「ガラガラガラガラ…」がちょっと目立った。アイドリング時にも聞こえる。BMWの社員向け講習会では「エンジン始動中は客の前で決してボンネットを開けるな」という指導があるそうだ。運転時にもガラガラ音は聞こえるが、車外よりはずっと静かだった。

[シートに座った時]
ドアを開けて座り込むと、別に普通の感じ。それでも念のため電動シートのスイッチを下方向に押すと、下がる下がる!ここまで落ちるか~っと思うほどで、さすが3シリーズだけに、シート位置がとても低く設定できて、包まれ感があった。

[ステアリングの感覚]
いざ動き出して、ステアリングをクルクル回す…これが、とても軽かった。それから、「サーボ・トロニック」(低速時に大きく、高速時に小さく切れる)のアシストが無いことに少しとまどった。しかしそれは、あるに越したことはないが、慣れの問題かな。

[エンジンの特徴]
アクセルを踏むと「グワン」と動き出して、初期トルクの太さを感じた。そのまま5,000回転までは、エンジンの反応が良く、加速感があった。これは新型320i最大の長所だと思う。パワーも日本の道ならこれで十分で、328iの方は速度無制限のアウトバーンを走れるという点が長所だ。

けれども逆に言えば、この車は、回転数を上まで引っ張って加速する車ではなくて、5,000回転以内を、小刻みなギアのシフト・チェンジで加速していく車だと思った。もっとも、多くの人、特にエコ走行を意識している人には、5,000回転より上はめったに使わないと思う。

[エンジンの使い方]
しかしそうでもない私は、まだおろしたての車にはちょっと悪いかな…と思いつつ、4,000~7,000回転前後を繰り返して、加速感を確かめてみた。やっぱり、5,000回転を越えると、加速はすることはするが、Gが明らかに落ちる。ハッキリ言って、トルクで走るこの車には、高回転は燃費にも悪いからやめておいた方が良いと思う。

それから蛇足ながら…レッド・ゾーンから次のギアに切り替わる瞬間、自分の523iと同じ「ミャー」という音を聞いて驚いた。どうやらこの音は、最近のBMWが何か(おそらくエコとか)のために使っている悲しい部品の音かもしれない。

[8速ATとエンジンの加減速]
それだけに、8速ATの働きがとても良くて、走り出しから巡航速度までとってもスムーズだった。それに、エンジン・ブレーキもよく効いた。シフト・ダウンはもちろんのこと、ペダルの力を抜くだけでも、けっこう減速感があった。最近知ったことだが、バルブトロニックには原理的に生じないポンピング・ロスを別の方法で発生させて、エンブレを作り出しているらしい。

ただ、エンブレを多用するとなると、シフト・パドルが欲しくなった(私がそれに慣れてしまっているということだが)。それにつけても、ルックスも含め、やはり選ぶならM-Sportが良いと思う。スポーツATとなって、さらにギアのレスポンスも上がるのではないか。

[ブレーキ・ペダルの感覚]
ブレーキは自然な感じに効いたと思う。ただ、ちょっと(というかかなり)気になったのは、ブレーキ・ペダルが緩かったこと。足裏で軽く叩くようにポンピング動作をすると「パコパコパコ!」と音がする。これは以前MINIに乗った時感じたマイナス点と同じだ。E91でもE88でも(もちろんF10でも)、そんな緩さは全然なかった。

[信号待ちの時]
信号待ちなどで、ハンド・ブレーキを軽く引いた程度では、Dポジションの車は動き出してしまった。それで結局毎回ギアをPに入れた。もっとも、新しいシフト・レバーは、ボタン操作で簡単にPに入る。それから、ブレーキ・ペダルを踏み続けることで発生する、アイドリング・ストップは、ペダルを緩めると、まずまず迅速に再始動する。ただ、エンジン始動時にボディが「ブルン」と揺れた。微振動抑制のために、エンジン・マウントをあえて緩くしているのではないかと思う。

[足回り]
走っていて、乗り心地は十分良く、足回りも適度に引き締まっていた。これなら、M-Sportサスペンションや、もっと大きなホイールと薄いタイヤでも快適に、しかもクイックに走れるのではないかと思う。

[ドライビング・パフォーマンス・コントロール]
不評のエコ・プロ・モードだが、それを忘れて踏み込んだ時に十分に加速した。結構使えるんじゃないかと思った。しかし逆に言えば、コンフォート・モードや、スポーツ・モードとの差がそれほど大きく感じられなかった。つまり、自分の車になったら、コンフォート・モードを常用して、ATに学習させていけば十分だと思った。

[取り回し]
それから、5シリーズの大きさにちょっと苦心している私には、この3シリーズの車幅、車長がコンパクトに感じられ、取り回しがしやすかった。ボンネットの見切りも(本当は鼻先が下がっているので、良く見えないが)まずまず良いのではないかと思う。進路や3D表示機能付きのリア・ビュー・カメラは、駐車時にとても役に立った。使い慣れると本当に便利だ。

             *       *       *       *       *

[全体的感想]
新型3シリーズ、F30-320iは、全体に軽快で親しみやすい車に感じた。広い回転域にわたってトルクが十分にありながらも、大き過ぎない初期トルクは、発進/停止が多い市街地走行時には、車を思うままに動かしやすくて素晴らしいメリットだと思う。優れた8速ATとの組み合わせで、とにかくこの点が、この車の最大の長所だ。

ただ、全体に運転の実感が薄いと感じた。移動の道具としてはとても進化したと思うが、車を操る楽しみは、重厚感に満ちたE90-320i~325iとは、かなり異なると思う。そんな(おかしな)ことを考える自分は、重くて非力な車が好きだったのか?と自問してしまう。そして、「やはりその通りだ」と答える。

重くて非力だけれど、「いわお」を動かすしているようなドッシリとした実感に溢れた感じが、2Lを2台乗り継ぎ、最もエンジンの小さな5シリーズに乗っている自分には、それがBMWという車の大好きな特徴だと思うからだ(ここは大パワー車に乗っている人とは違う感覚かもしれない)。

けれども、F30-320iの優れた燃費や、8速ATのスムーズさ、標準で装備されるバック・カメラ、ハンズフリー・テレフォン、そしてオプションで選べるヘッド・アップ・ディスプレイなどの先進のギミックは、新型3シリーズならではのものだ。前回記事の新型3シリーズのプロジェクション・マッピング・プレゼンテーションなどを見ていると、この車が持つ未来への指向性がよくわかる。それに素晴らしく格好いいと思う。「運転の実感」などという感覚の方が古いのかもしれない。
Posted at 2012/05/19 23:14:05 | コメント(29) | トラックバック(0) | F30/31 3シリーズ | クルマ
2012年04月20日 イイね!

新型3シリーズのプロジェクション・マッピング・プレゼンテーション

新型3シリーズのプロジェクション・マッピング・プレゼンテーション「BMW Game」などという単語で検索していたら、すごいものを見つけた。今年の「2月11日にモスクワで行なわれたプレゼンテーションで、3台の車を使用し、床と湾曲した背面のスクリーンを利用して奥行きや疾走感を表現」(引用はこちらから)したものだという。



F30・新型3シリーズの未来的なイメージが、極めてスタイリッシュに表されているし、何よりも美しい。「制作はプロジェクションマッピングやインタラクティブショーなどを手掛けるロシアのスタジオ SilaSveta」(同前)によるものだという。この「プロジェクション・マッピング」とは、「ビデオやコンピュータグラフィックスなどの映像をプロジェクターによってスクリーンではなく、直接建築物や車、家具、自然物といった立体物に投映する表現手法」(引用はこちらから)だそうだ。
Posted at 2012/04/20 03:10:35 | コメント(5) | トラックバック(1) | F30/31 3シリーズ | クルマ
2012年02月05日 イイね!

F30 新型3シリーズ、328iの試乗インプレッション

F30 新型3シリーズ、328iの試乗インプレッション昨年10月14日の23時、ミュンヘンのBMW本社で、F30 新型3シリーズが遂にその厚い擬装を解かれ、華やかなワールドプレミアがおこなわれた。その時私は、間近に実車を見ることができないもどかしさに、一人暗い自室にこもって、PC画面のストリーム映像の中のF30を、デジタル一眼レフカメラで必死に連写したものだった。そしてついに今日、待ちに待ったワールド・デビューより一週間早く、F30の実車をこの目で見、触れ、エンジンをかけ、本当に走り回ってくることができた。

「328i」は、その名に違わず強力なパワーを持った、ひらひらと軽い身ごなしの、上質な高級車だった。車内に静かに低く響くエンジンの音は、ペダルを踏み込むにしたがって心地よく乾いて高鳴り、隣の車線の車を次々と追い越してゆく。シートに預けた身体には、大げさな加速の圧力をあまり感じないのに、はっと気付いてスピード・メーターを見ると、とうに制限速度を超えてしまっていて、慌ててペダルを緩める。それはまるで、停車中の車の間を縫って走っていたようなもので、異なる時間の流れに滑り込む魔法だった。

それは「走る」と言うよりも、「流れている」と言う方がふさわしい優雅な感覚だ。小さな段差を軽く超えたと感じた時、この車が18インチのランフラット・タイヤを履いて、荒い舗装路の上を走っていたはずだ、と思い出した。それは後から頭で考えたことだ。

225/45R18という、デザイン・ライン選択時の標準タイヤは、しかし、この328iという車の245psというパワーをやや持て余す。減速して入ったコーナーを終え、ペダルを少し深く踏み込んで立ち上がった時の「キュキュッ!」という小さなスキール音と、FRらしいリヤのわずかな滑りは、156psの愛車120iカブリオレでは中々味わえない面白さだ。強力ではあっても、強大あるいは凶暴なパワーではない。だからそのような場面も面白いと感じられたのだろう。そう言えば、「330i」に試乗した時も同じように思ったものだった。

愛車と328iとが、運良く並んで停められた。そして「120i」と「328i」という名前ほどには、この二台の大きさの差が、あまり感じられないことに驚いた。しかし写真に撮ってよく見てみると、くさびの先端のように低く沈み込んだ328iの幅広なフロント・フェイスや、ボンネットやボディに複雑な曲線を描きながらリアに絞り込まれていくシルエットが、この車を精悍に引き締めて見せていることに気付いた。それは「スポーツ・カー」に見まがう、「スポーティ・セダン」と名乗るにふさわしいスタイルだ。

試乗車は「インペリアル・ブルー・ブリリアント・エフェクト」という長い名前の、深みある紺のボディ・カラーを持ったLuxuryラインの車だった。車両本体570万円に、デザイン・ラインの16万円を加えただけでも、計586万円もの価格となる。5シリーズのベース・モデル「523i」(610万円、実は520i)に近い価格だ。けれども「328i」の名前は伊達ではない。BMWに少なくない代金を支払って、親しみやすくて強力で上質な車の「動き」を買うのだとしたら、328iは大きな候補の一つとなるだろう。


Posted at 2012/02/05 18:28:53 | コメント(27) | トラックバック(0) | F30/31 3シリーズ | クルマ
2012年01月25日 イイね!

F30 新型3シリーズ、328iの日本価格と装備について考える

F30 新型3シリーズ、328iの日本価格と装備について考える F30 新型3シリーズ、328i(8速AT)のドイツ本国価格は、税込で39,660ユーロだ。仮にこれを、最近の100円/1ユーロで換算すれば、約397万円ほどとなる。車一台の値段としては決して安くはないが、日本の税込価格、570万円に比べれば173万円も低くなる。

けれども、この日本価格には国外からの輸送コストや、新車整備センターに関わる費用、その他さまざまな諸経費が含まれる。

さらに、328iの日本仕様車には、総額およそ9,670ユーロほどにもなる様々なオプションが標準装備となっている。仮にこれも100円で換算すれば、ドイツ本国との差額は約76万円まで縮む。しかし、数年前には170円/1ユーロという時もあったのだ。そんなことを頭に入れて、以下の表をご覧いただきたい。

本国仕様車両税込本国価格
328i(8速AT車)39,660 €
日本仕様車両の標準装備税込本国価格
ドライビング・コンフォート・パッケージ600 €
ワイヤレス接続用のUSBポート付きスピーカー・フォン、クルーズ・コントロール(ブレーキ機能付)、フロント・センター・アームレスト(スライド機能付)、ストレージ・ボックス(フロント・センター・コンソール)、サーボトロニック
コンフォート・パッケージ(日本仕様)1,030 €
ストレージ・パッケージ、オートマチック・エア・コンディショナー(AUC〔オートマチック・リサーキュレーティング・エア・コントロール〕、マイクロ・フィルター〔花粉除去機能付〕、左右独立温度調節機能付)、ライトパッケージ
パーキング・サポート・パッケージ(日本仕様)1,190 €
リヤ・ビュー・カメラ(予想進路表示機能付)、PDC/パーク・ディスタンス・コントロール(リヤ)
ビュー・パッケージ1,790 €
アダプティブ・ヘッドライト、ハイビーム・アシスタンス、自動防眩ルーム・ミラー、レイン・センサーとオートライト・システム、キセノン・ヘッドライトとヘッドライト・ウォッシャー
電動フロント・シート(メモリー機能付)1,290 €
可倒式リヤ・シートとスルー・ローディング・システム400 €
電動調節式&電動可倒式自動防眩ドア・ミラー410 €
コンフォート・アクセス(トランク・スマート・オープナー機能付)570 €
iDriveパッケージ(日本仕様)2,390 €
8.8インチ・ワイド・コントロール・ディスプレイ、HDDナビゲーション・システム、TVチューナー、オーディオ・ビジュアル・システム、iDriveコントローラ、プログラマブル・ボタン、スピーチ・コントロール(音声入力システム)、USBオーディオ・インターフェイス、ハンズフリー・テレフォン・システム(Bluetooth)、マルチファンクション・レザー・ステアリング・ホイール
日本仕様車両税込本国価格
328i(8速AT車)49,330 €


では、この税込本国価格「49,330 €」に対する税込日本価格「5,700,000円」が、高いのか安いのか。昨今の1ユーロ約100円という相場から考えるとどうなのか。また、競合他社の車種と比較して割高なのか、割安なのか。私には到底判断がつかない。けれども、この本国価格と日本価格の関係を計る、ひとつの目安として、「円(¥)/ユーロ(€)換算」という値を逆算してみた。


日本仕様車両税込本国価格税込日本価格円(¥)/ユーロ(€)換算
328i(8速AT車)49,330 €5,700,000円130.95円


ドイツでは、車両本体に19%もの税金がかけられる。日本では今のところ5%の消費税がかけられる。そこで、両国の販売価格から税額分を差し引いた上で、日本価格を本国価格で割って出したのが、この「円(¥)/ユーロ(€)換算」である。つまり上の表によれば、日本仕様車両に関しては、1ユーロあたり「130.95円」、つまり約131円の買物となるわけだ。


そこで、日本の328iに用意されたオプションのすべてについて、税込の「本国価格」と「日本価格」、そして税抜き後の「円(¥)/ユーロ(€)換算」を計算して並べたものが次の表である。


オプション装備本国価格日本価格¥/€換算
Sport、Modern、Luxury各ライン1,900 €160,000円95.44円
ステアリング・ホイール・ヒーティング190 €27,000円161.05円
スポーツ・レザー・ステアリング・ホイール110 €18,000円185.45円
19インチ、401ホイール(非ラインの場合)1,550 €220,000円160.86円
同(各ラインの場合)900 €128,000円161.19円
17インチ393ホイール(非ラインの場合)150 €22,000円166.22円
18インチ396ホイール(非ラインの場合)650 €92,000円160.41円
17インチ395ホイール(非ラインの場合)350 €50,000円161.90円
18インチ398ホイール(非ラインの場合)1,000 €142,000円160.93円
同(各ラインの場合)350 €50,000円161.90円
8速スポーツAT(パドル付)170 €22,000円146.67円
バリアブル・スポーツ・ステアリング200 €29,000円164.33円
アラーム・システム480 €65,000円153.47円
電動ガラス・サンルーフ1,100 €170,000円175.15円
リヤ・ブラインド(電動)340 €48,000円160.00円
リヤ・サイド・ブラインド(手動)250 €36,000円163.20円
サン・プロテクション・ガラス(リヤ・ドア&リヤ・ウィンドー)350 €50,000円161.90円
スポーツ・シート(運転席& 助手席、Sportラインは標準)630 €89,000円160.11円
ランバー・サポート(運転席& 助手席、電動調節式)310 €45,000円164.52円
フロント・シート・ヒーティング(運転席& 助手席)370 €53,000円162.34円
リヤ・シート・ヒーティング370 €53,000円162.34円
アルミ・トリム/ブラックor赤(Sportラインのみ)190 €27,000円161.05円
アルミ・トリム/クロム(Modernラインのみ)190 €27,000円161.05円
ウォールナット・トリム/クロム(Luxuryラインのみ)200 €29,000円164.33円
ウッド・トリム/クロム(Modernラインのみ)310 €44,000円160.86円
PDC/パーク・ディスタンス・コントロール(フロント)300 €43,000円162.44円
レーン・ディパーチャ・ウォーニング520 €75,000円163.46円
トップ・ビュー+サイド・ビュー・カメラ700 €100,000円161.90円
BMWヘッドアップ・ディスプレイ980 €140,000円161.90円
HiFiスピーカー・システム590 €84,000円161.36円
harman/cardonサラウンド・サウンド・システム1,200 €170,000円160.56円
DVDオート・チェンジャー500 €71,000円160.93円
ダコタ・レザー・シート(フロント・シート・ヒーター付)2,190 €284,000円146.97円
同(Modernラインの場合)1,580 €199,000円142.74円
メタリック・ペイント840 €80,000円107.94円


ひとくちにオプションと言っても、その価格の付け方が色々と異なっているのがわかる。そして、それぞれのオプションの「円(¥)/ユーロ(€)換算」が、「日本仕様車両」価格から割り出された「131円」を基準とすれば、その割安感、割高感がわかると思う。

残念なことに、私は最も割高な「電動ガラス・サンルーフ」に惹かれるのだ。17万円はF10の5シリーズと同価格で、確かE90の3シリーズではもっと安かったのではないかと思う。F20の1シリーズでも14万円だが、日本での故障率が高くて、売価に跳ね返ったのだろうか…などと考えたりしている。


※1/30追記 … BMW Japanのサイトに、ようやく新型3シリーズの詳細が掲載された。その内容に従って、価格や換算値を若干修正した。
Posted at 2012/01/25 01:53:17 | コメント(14) | トラックバック(0) | F30/31 3シリーズ | クルマ

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「[整備] #ケイマン 2024/7/12:12ヶ月法定点検:走行距離 9,593km https://minkara.carview.co.jp/userid/224462/car/2612759/7865831/note.aspx
何シテル?   07/14 02:42
Porsche Cayman GT4に乗っています。他にBMW320dツーリング(G21)が妻の車です。 ハンドルネームの「スパグラ」は、初めてのBMW車...
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