帰省してきていた息子のリクエストにより、真冬のオープンカーに挑戦しました。ND型ロードスターは以前借りたので、今回はNC型です。前期型のM'zチューンという仕様で、もちろん6MTです。
真冬のオープンカー
レンタルした当日は首都圏の冬としては少し低めの気温で、やや強めの北西風が吹いていました。心配していましたが、厚着をして暖房を効かせると、少し冷気を感じるものの、問題なくオープンで乗ることができました。
オープンでは高速道路で飛ばす気にもなれないので、80km/hレベルで走行しました。頭にも風は当たらず、その少し上を冷気が通り抜けていましたが、それでも頭のてっぺんはひんやりします。強い北西風も、風が当たる側の窓を閉めておけば問題ありませんでした。一時的に100km/hに上げましたが、風切り音、風の巻き込みも含め、大きな変化は感じませんでした。
閉口したのは低い日差しの眩しさでした。屋根がなく、小さなサンバイザーがあるのみなので、日差しを遮るのが困難です。つばのある帽子の必要性を感じました。
操作感
アクセルペダルは吊り下げ型ながら、早開きということもなく、操作感に異論はありません。クラッチは上の方でつながるタイプで初めは違和感がありましたが、接続に唐突感なく扱いやすいものでした。シフトレバーの操作感は抜群です。ステアリングはチルトのみでしたが、ドライブポジションに大きな問題ありません。運転席の足元スペースには余裕を感じました。ステアリングがどっしりと重めなのはちょっと意外でした。
約1100kgの車体にハイオク2Lエンジンはもともと軽快ですが、100km/hでは6速で3000rpm近くまわるほどローギアードなのでなおさらです。4速と5速の変速比が近すぎる印象で、もっとギヤ比を分散させて5、6速の回転数を下げる方が合理的です。高速道路での快適性は、オープンカーには二の次ということでしょうか。
人馬一体感と快適性
昔の山岳有料道路(スカイライン)をドライブしました。ギヤ比が低いので上り坂の余裕が大きく、下り坂ではエンジンブレーキがよく効く印象です。私が運転する程度の速度では、カーブでロールもアンダーステアも感じず、何事もないようにあっさりと曲がっていきます。「これがロードスター特有のヒラヒラ感か!」と思いました。
低くて堅い運転席のMTは、それなりの緊張感があります。窮屈ではありませんが、サイドサポートの強いシートに固定された感覚です。低い車体に偏平タイヤなので、路面からの突き上げはそれなりにあります。これらのため、ロングドライブは少しきついかもしれないと思いました。
オープンドライブでは、過去に乗ったND型ロードスターと同じく、低く響く排気音がずっと聞こえました。これが恒常的なBGMで、エンジン音やロードノイズはほとんど意識に上らず、風切り音がうるさいと感じることもありませんでした。音楽を聴く気にならなければ、これはこれでアリだと思いました。
幌をおろすとオープンカーの非日常感はだいぶ薄まります。風切り音のボリュームが下がり、代わりにロードノイズが聞こえるようになりました。排気音が引き続きよく聞こえる一方、エンジン音は目立たず、「遮音が低めのふつうのクルマ」の印象です。ヘッドルームには意外に余裕があって閉塞感を感じず、暖房の効く車内では緊張感がほぐれました。
結論
真冬のオープンカーも、温風に当たればさほど寒くなく、問題なく乗れるとわかりました。独特のヒラヒラ感を体感できる反面、快適性は少し劣る印象で、ロングドライブには向かないように感じました。
みんカラサイトでは、「最後のマイカー」としてロードスターを選んだ方を何人も見かけます。今回のドライブでは「ロードスターはマイカーたりうるか?」という興味もあったのですが、この非日常性と常時つきあうのは負担かもしれないと思いました。
一緒に乗った息子は、進学先に戻ってから「(うちの)デミオに乗ったら、滅茶苦茶運転しやすかった」と感想を送ってきました。ロードスターに対する憧れが薄れたのかもしれません。
Posted at 2022/01/10 00:41:50 | |
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