【緩い4ATの空走】
わがアテンザの4ATの特性は、ブログ「
古典的4ATの味わい」でレビューしました。ロックアップするのは第4速のみであり、55km/h以下では解除されます。すると直ちにアイドリング回転まで落ち、クルマは空走状態となりますが、これはエンジン接続から解放された状態と言えます。交通状況が刻々と変化する市街地では、前方の交通状況を先読みし後続車両に注意すれば、この空走を活用するのは意外に快適で、中途半端にエンジンブレーキが効くよりも合理的です。エンジンブレーキが必要なときは直接2速へシフトダウンすればよいので、何ら問題ありません。初めはエンジンブレーキのないおかしなオートマだと思いましたが、市街地走行に適した性格と感じられます。
【ロックアップ率が高い6AT】
マツダのSKYACTIV-DRIVE(6AT)は、高いロックアップ率によるダイレクト感と高効率が特徴だと主張しています。確かにロックアップしている割合が多く、MTに近いダイレクト感が感じられます。マニュアルモードを有し、シフト用のパドルも備えるので、シフト操作も可能です。
この6ATで一点気になるのは、特定の速度においてシフトチェンジできる範囲が限られていることです。エンジン保護のために過度のシフトダウンを拒否するのは当然ですが、エンジンブレーキがほとんど効かないところまでシフトアップしようとしても、受け付けてもらえませんでした。結果として少しエンジンブレーキがかかった状態が続くことになりますが、古典的4ATの緩さに慣れていると煩わしく思えます。エンジン接続から解放される自由度が与えられないのは今ひとつです。
【MT車のクラッチ操作やニュートラルシフト】
MT車のクラッチには、車両の駆動系をエンジンから解放する役割があります。クラッチを介してエンジンと駆動系が直接接続しており、低速側ギアではエンジンブレーキが強めに効くので、これを弱めたいと思う場面があります。
走行中にクラッチペダルを踏むか、ニュートラルにシフトすることによってエンジン接続を切ることは可能ですが、これは推奨されないものと理解してきました。わが古典的4ATは、市街地の走行速度(せいぜい55km/h以下)ではエンジンブレーキが欠如していて空走状態になりますが、何も問題ありません。MT車ではシフト位置に応じたエンジンブレーキを効かせることを基本にしますが、市街地走行程度の速度なら、場面に応じてエンジン接続から解放して空走させてもよいと考えます。
わがMAZDA2(6MT)では、停車時にニュートラルシフトしてクラッチペダルから足を離していると、アイドリングストップが作動することは、ブログ「
アイドリングストップとのつきあい」で報告しました。このようにエンジン接続から解放することが作動の前提となっています。
【停車時の自動変速機のN(ニュートラル)シフト】
MT車では、停車時にエンジン接続を切るのは必然です。この発想の延長上でAT車に乗ってきたので、停車時にNポジションにシフトするのはごく自然な行為となりました。Dポジションでクリープによって動き出そうとするのをフットブレーキで止めておくより、Nポジションにシフトしてエンジン接続から解放する方が、次の点で合理的と考えています。
●運転者は生身の人間であり、何が起こるかわからないのだから、「車両が勝手に動こうとする状態」より「車両が自らは動かない状態」の方が安全である(安全工学的な視点)。
●Dポジションで停車時に振動が生ずる状態より、Nポジションでスムーズなエンジン回転とする方が快適である。
●暖機状態ではエンジン回転が高くなっているが、Dポジションのままフットブレーキで無理やり抑え込むのは合理的ではない。
●急な下り坂の停車時に、駆動力を発生するDポジションに入れておくより、Nポジションでエンジン接続から解放する方が合理的である。急な上り坂の停車時も、パーキングブレーキで十分ならDに入れておく必要はなく、トランスミッションに負荷をかける心配もない。
●わがアテンザの古典的4ATは、DポジションよりNポジションの方が停車時の燃料流量が少ない(ブログ「
23年目の再確認」で報告済み)。
●AT車でもNへシフトを動かす習慣があれば、ペダル踏み間違いによる暴走事故の可能性も減るのではないか。普段から「エンジン接続を切る」習慣があれば、異変を感じたときにもとっさにそう操作するのではないか。
自動車関連サイトでは、AT車の停車時Nシフトを全面否定する記事をしばしば目にします。そこでは、次のような理由を挙げています。
①Nシフトを頻繁に行っていると、トランスミッションが早く壊れる。
②エンジン回転が上がっているときにDへシフトすると、急発進して危険。
③誤ってDへシフトしてしまう可能性があり、予期せず車両が動いて危険。
④停車時はDポジションよりNポジションの方が燃料を多く消費する。
①については、メーカー側技術者が異なる見解を述べた記事を見たことがあります。AT車で長年Nシフトしてきましたが、ごく稀に誤って②のような操作をしてもやや強めに発進するだけで大したことはなく、③のような事態は全く経験がありません。④はマイカーでは逆なので、一般論として成り立つかのように主張する記事は完全に虚偽です。
このような記事には合理性が認められず、Nシフトによる「エンジン接続からの解放」に理があると感じています。
Posted at 2026/10/26 01:30:48 | |
トラックバック(0) | クルマ