コロナ禍のロングドライブは、混雑密集を避け、人里離れた遠隔地を訪問するのが一番です。緊急事態宣言下では、県境を越える移動は自粛するよう求められてきましたが、これは「感染を拡大させないための手段の一つであり、遵守そのものが目的ではない」と解釈します。
息子の希望により、シルバーウィーク前半に本州最北端の大間崎を目指しました。5MTのDE型デミオで交互運転です。台風の影響で雨が降り続く中、東北道、八戸道と乗り継いで下田百石ICまで高速道をひた走りました。さらに一般道を北上し、下北半島の奥へと入っていきました。
半島の東側を走る国道338号は、海岸に沿っていても海が見える場所はごくわずかでした。人家が少なく、途中からは交差点もほとんどなく、木々に覆われた土地の間をひたすらまっすぐ走るのは、新鮮な体験でした。平坦でありながらこれだけ辺境感のある道路は、初めてです。カーナビがあるので安心して進めますが、地図を頼りのドライブは心細いだろうと思いました。途中からむつ湾沿いを走ると、人家があって生活感が感じられました。
恐山に通じる半島西部の山間道路は、狭く曲がりくねっています。センターラインがなくなる細い区間もありましたが、対向車両にほとんど会わないので、困ることはありません。人家や集落は全く見かけず、ひたすら山の中でした。コンパクトなMT車なので、ゆっくり運転しても楽しめます。
恐山入口にある三途の川は通行止めでしたが、この川は渡らずに引き返すのが正解でしょう。本堂のほか、硫黄が吹き出す地獄や天国のように(?)澄んだ湖などがあり、なるほどこれが霊場なのだと感じました。
大間崎に向かう国道279号線は、比較的平坦な海沿い道路です。今年の台風の土砂災害により通行止めになりましたが、通行時は週の初めに開通したばかりで、片側交互通行が何か所もありました。この被災場所に限らず、この地域の道路では、路肩やガードレールの損傷を工事用バリケードで覆ったところがあちこちに見られました。補修が追いつかず、バリケードによる応急処置が常態化していましたが、人口が少ない地域では仕方ないのでしょう。この道路は快適で、交通量もそれなりにありました。
本州最北端の大間崎は平らなところで、灯台は海に浮かぶ弁天島にあります。その向こうに北海道も見え、意外に近い印象でした。店は数軒だけとこぢんまりしていましたが、観光客も少しはいたので寂寥感はありませんでした。冬は「風が強すぎて雪を吹き飛ばすため、大して積雪しない」というほどシビアなようで、とても来られそうにありません。
大間崎から仏ヶ浦に向かう国道338号は、期待していた海岸ドライブからはほど遠く、カーブとアップダウンが多い山間道路でした。海を右に眺めるというより、右下に見下ろす区間の方が多くありました。漁港を囲む集落は、人の気配はあまり感じられず、寂しげです。
仏ヶ浦からむつ市街への帰路も山間道路で、日暮れよりも先に暗くなりました。途中に集落があっても廃墟ばかりのことが多く、とても寂しいところでした。
これに対し、下北半島北東部は緩い起伏がある快適な道路であり、人家や農地など生活感もそれなりにあって少し安堵しました。北東端の尻屋崎には先端に灯台があるばかりで、大間崎よりも人里離れており、自然はより過酷であろうと思われました。ここからも北海道が広く望めました。
以後は半島東側をひたすら南下しました。途中空港や発電所の横を通過する国道338号で、交差点すらほとんどないまっすぐな道路をややハイペースで通り抜けました。核燃料再処理の広報施設は閉まっていて、残念ながら見学できませんでした。
今回の行程は長かったので、エコランではなく、距離を稼げるようペースを上げ気味で走らせました。偏平タイヤを履いたこのデミオは、ロードノイズが大きめで路面が悪いとゴツゴツしますが、ロングドライブでも意外に疲れないことがわかりました。燃費はおよそ次のとおりでした。
・往路の高速道と一般道(計500km弱)で19km/L台後半。
・半島内の一般道(約340km)で21.4km/L。
・復路の高速道で20.8km/L。
Posted at 2021/09/30 19:22:44 | |
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