代車のドライブは車検の楽しみの一つです。近年はディーラーで早めに車検の予約をして、その際に利用可能な代車を聞き、その中から車種の希望を伝えてきました。将来はマイカーをダウンサイズすると見込まれるので、その試乗を兼ねています。今回の代車はCX-3で、車齢3年程度の15S Touringのようです。
先入観
これまでCX-3に関心を持ったことはありませんでした。DJ型デミオのプラットフォームをクロスオーバー化して大径タイヤを履かせ、大きく重くなったものの、室内スペースやユーティリティーはあまり変わらないようです。ディーゼルエンジンのみで登場した当初から価格が高めでもあり、私が考えるValue for moneyの対極にあるように見えていました。途中から1.5Lが加わり、価格帯が下がったようですが、それでもデミオ(現在はMAZDA2)に比べれば大きく、重く、高価です。
ごく稀に見かける2L 6MTの中古車に関心があり、1.5L車(6ATのみ)のドライバビリティにも興味があったことから、代車としてCX-3を希望しました。
ドライバビリティ
自然吸気1.5Lエンジンで車重1200kg超なのでやや重めですが、全域ロックアップを特徴とする6ATが効率よくつないでいくため、加速感は軽くスムーズです。エンジン回転が上がってもうるさくならず、私の乗り方では非力感はありません。最近のエンジンは、始動直後(1500rpmあたり)だけとても威圧的な音がしますが、これはなぜなのでしょう。
この6ATは、アクセルを離してもロックアップを維持し、速度が下がってくると自動的にシフトダウンしているようです。停車直前にマニュアル(M)モードにシフトすると、2速まで落ちていると確認できます。
瞬間燃費
今回は瞬間燃費を表示しながら運転しました。わがアテンザと比べればkm/Lで表示される数値は相当大きく、効率的です。平坦な埋立地で試した60km/h定速運転では、30km/Lあたりを示していました。
この燃費計の表示最大値は60.0km/Lです。走行中にアクセルペダルから足を離すとロックアップし、速度が下がると自動的にシフトダウンしながら60.0km/Lを維持し続けます。ロックアップが外れるとこの数値が小さくなるようなので、ロックアップ時は燃料供給を絞っているように思いました。これによって燃料消費を減らしているのだとすると、ロックアップを外して空走するより効率的と思われます。速度に応じてシフトアップに上限があるようですが、マニュアルモードでは自由に選択できるといいと思います。
騒音・振動・ハーシュネス(NVH)
今回の一番の驚きは、過去に代車で乗ったDJ型デミオよりも大幅に静かで快適に思えたことでした。荒れた路面の音や突き上げが少なく、わがアテンザが見劣りすることになりました。デミオよりも増えた車重、遮音性の向上、偏平でないタイヤ(銘柄はTURANZA)の選択などが効いているのでしょうか。
運転環境
車内高はわがアテンザより30mm高いだけですが、フロントシートはアップライトに感じられました。好きなところまでシートを下げると、座面前側が高めになるので、ポジションがうまく合いませんでした。ウィンドウの下端が高いため、低いシート位置では少し埋もれる感覚です。手前の位置にある大きなサイドミラーは視野を遮る印象がありました。DJ型デミオの運転席にはアップライトな印象はなく、すぐに馴染んだのですが、CX-3はなぜか違和感が残りました。
メーターパネルはデミオやBM型アクセラとも共通ですが、廉価グレードではタコメーターが小さなデジタルゆえに見づらいのが残念です。オルガン式アクセルペダルは軽く反応はリニアで、扱いやすいと思いました。不慣れな電動パーキングブレーキはスイッチが手前気味で気を遣いましたが、慣れれば問題ないのかもしれません。
居住性とユーティリティ
カタログ上の室内寸法は、デミオとほとんど変わらないようです。リヤシートの背もたれは立ち気味で、長時間くつろぐ形ではなさそうです。ラゲッジルームの大きさも、デミオとあまり変わらないように見えました。
まとめ
これまで関心を持ったことのなかったCX-3の1.5Lモデルは、NVHは予想以上によく、ドライバビリティも良好で、燃費もよさそうでした。一方、ユーティリティはデミオと大差ないように思え、運転環境に違和感が残りました。
Posted at 2024/01/14 23:37:22 | |
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